花粉症対策でしっかり備えよう
花粉の飛来はいつごろ?
花粉が飛ぶのは、東京では2月から5月上旬で、スギ花粉は3月、ヒノキ花粉は4月に特に多くなります。
スギの雄花は7月から8月にかけて作られ、この頃に日照時間が長く、気温が高いと雄花の量が多くなり、翌年の花粉の飛散量が多くなります。
逆に冷夏や長雨の場合は、翌年の花粉量が減少します。
スギ花粉の大きさは、1mmの30分の1くらいで、たくさん集まると黄色く見えます。
(東京都健康安全研究センター「花粉症一口メモ2020年版」から)
花粉が多いのはどんな日?
花粉が多く飛来するのは…
◆晴れて、気温が高い日
◆空気が乾燥して、風が強い日
◆雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いたあと
特に、春一番のような暖かい南風の日は花粉が多く飛散するので要注意。
一日で花粉が多い時間帯は?
スギ花粉は、その日の気象条件や季節によりますが、 昼前後と日没後に多くなっています。
これは、気温が上がって午前中にスギ林から飛び出した花粉が数時間後に都市部に到達するためと、上空に上がっ た花粉が日没後に地上に落下してくるためと考えられています。
花粉症の対策
まずは、規則正しい生活習慣を身につけることが、正常な免疫機能を保つために重要です。
そして、鼻の粘膜を 正常に保つためには…
◆睡眠をよくとる
◆風邪をひかない
◆お酒を飲み過ぎない
◆タバコを控える
これを守った上で、“いかに花粉を避けるか…”が花粉症対策の基本です。
外出時には花粉がつかないように服装に気を付け、マスク、メガネなどで口や目から入る花粉を防ぎましょう。
そして、帰宅した時には家の中に花粉を持ちこまないようにしましょう。
マスクで花粉症対策
マスクは吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を軽くする効果があります。
性能の良いマスクでは95%以上の花粉をカットできるものもありますが、大事なのは顔にフィットするものを選ぶことです。
マスクと顔に隙間ができないよう注意しましょう。
99%花粉をカットするインナーマスク
マスクの内側にガーゼを当てること(インナーマスク)でさらに鼻に入る花粉を減少させることができます。
環境省によると、インナーマスクで99%も花粉をカットできるということです。
インナーマスクの簡単な作り方:
(1)市販のガーゼを縦横10cm程度に切り、2枚用意する
(2)化粧用のコットンを丸めて、1枚のガーゼでくるむ
(3)市販の不織布のマスクにもう1枚のガーゼを4つ折りにして当てる
(4)鼻の下にガーゼでくるんだコットンを置く
(環境省HPより)
コロナ禍の中、こんな工夫も…
新型コロナウイルス禍の中、花粉症の人が公共の場でせきやくしゃみをしたりすると嫌な顔をされてしまうことがあります。東京都は、花粉症やぜん息の人が周囲に理解してもらうために、活用できるイラストを作成し、マスクに貼ることなどを推奨しています。
(東京都のHPより)
メガネで花粉症対策
メガネをすると、通常のメガネでも目に入る花粉量がおよそ40%減少し、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおよそ65%も減少します。
コンタクトレンズを使用すると結膜炎の症状を増幅する可能性があるので、できるだけメガネに代えましょう。
服装にも注意を
衣類に花粉が付着しないようにすることも重要な対策です。
ウール製の衣類などは、木綿や化繊に比べて花粉が付着しやすいので、外出の際にはウール素材の衣服は避けるようにしましょう。
また、露出している頭、顔、手も花粉が付着しやすいので、つばの広い帽子をかぶったり手袋をしたりしましょう。
家での花粉症対策
◆家に入る前に服の表面を払うようにする
◆帰宅したら手洗い、うがい、そして忘れず顔も洗う
◆加湿器などで部屋の湿度を上げて、室内に入ってきた花粉も飛びにくくする
◆床に落ちた花粉がなくなるように、こまめに掃除機をかける
室内を換気する時の注意
風邪の予防などのためには換気が重要ですが、花粉の侵入も気になるところ。
実験では、3LDKのマンションで窓を開けて1時間換気したら、およそ1000万個もの花粉が屋内に流入しました。
窓を開ける幅を10cm程度にし、レースのカーテンをすることで屋内への流入花粉をおよそ4分の1に減らすことができたということです。
換気のために窓を開けた時は、床やカーテンの掃除もお忘れなく!
風邪との取り違えに注意
花粉症と風邪は初期の症状がくしゃみや鼻水と似ていますが、花粉症では目のかゆみを伴うことが多く、熱が高くなることはありません。
最近は花粉の飛散開始前から薬を予防で服用して症状の発現を遅らせたり、軽くしたりする方法もありますので、病院に相談しましょう。
なぜスギのない都心でも花粉が飛散?
スギの花粉は軽いため、風に乗って遠くまで運ばれて200キロ以上飛ぶこともあります。
戦後に植林が進められ、関東でも約36万ヘクタールのスギ林があり、花粉を多くつける樹齢30年以上のスギ林が増加しています。風の強い日は要注意です。
東京で花粉症の人は48.8%も!
東京都が平成28年度に調査したところ、スギ花粉症だと推定される人の率は48.8%にも達しており、前回の調査よりもかなり多くなっていました。
また、花粉症患者の方は、日常生活で花粉に触れる機会が多いということです。
(東京都健康安全研究センター「花粉症一口メモ2020年版」から)