ぶらり途中下車の旅

内山さんの本職は木象嵌。
その技術を活かした内山さんのバードカービングは、世界大会で優勝経験があるほどで、世界でも屈指の実力です。日本カービング協会の会長も務めています。
バードカービングは緻密に掘った鳥の彫刻に色づけをし、本物の鳥そっくりに仕上げたアメリカ発祥の美術品。その歴史を遡るとデコイという狩猟道具。デコイを置くと、鳥が仲間と思って近づいてくるという狩猟方法にヒントを得て、鳥の保護活動に自身のバードカービング技術を応用しています。
その一つが「鳥のハンドパペット」です。人の手で育てると、野生に帰ることができない雛の育成に使用しています。簡易な作りの鳥のハンドパペット自体はアメリカにすでにあったのですが、「人間だって美人なお母さんに育ててもらいたいでしょ？」と自発的に製作した精巧なハンドパペットを、アメリカにあるアメリカシロヅル保護センターに送ったところ、正式採用。
以来、改良が重ねられ広く世界や日本にも鳥のハンドパペットが広がってます。
２００５年には、山階鳥類研究所の調査チームの依頼で、アホウドリのデコイを作成。伊豆半島の鳥島で繁殖の危機にあったアホウドリでしたが、内山さんのデコイによってアホウドリが一つ処に集まり、繁殖することに成功しました。