ぶらり途中下車の旅

割烹旅館 玉川は創業大正10年で国登録有形文化財にも登録されています。
作家・太宰治は昭和10年7月～翌年10月まで船橋に住んでいました。
彼が船橋で執筆した作品は『ダス・ゲマイネ』や『虚構の春』などがあります。
飲み仲間からの誘いがあると断れない太宰治はこの旅館の「桔梗の間」に泊まり執筆活動をしていたといわれています。
しかし、宿泊費を払えなかったため、太宰は万年筆や辞書などを取られ約20日で追い出されてしまいました。
「桔梗の間」は当時の雰囲気のまま残っており、要望があれば宿泊も可能だそう。
旅館の佇まいが生家である斜陽館に似ていることからこちらの旅館を選んだといわれています。
旅館の番頭である海老原さんはタウン誌のオーナーの一人となり出会った太宰治に興味を惹かれ、太宰と船橋の関わりを一つひとつ丹念に調べ、太宰をテーマとしたまち歩きガイドを行うようになりました。2009年には「地域の観光博士」として千葉県観光マイスターの第1号に認定されました。
この旅館のほかにも船橋には太宰の昔住んでいた旧居跡や太宰が植えた夾竹桃などゆかりの地があります。