ぶらり途中下車の旅

浄土紀久子さんは染色家。
手書き友禅など日本の伝統的な染め物の技術に、現代アートの色彩を取り入れ、オリジナルなグラデーションを表現しています。
中でも人気は「着られるストール」。染め上げたストールに、首や腕を通すための穴をあけ、肩からずれ落ちないように工夫がなされた一品。ストールをまとった際に形や色がキレイに見えるように、複数の布をずらして重ね、縫い合わせ、立体的に見えるよう位置を計算して穴が空けられています。従来の形にとらわれず、絞りジワ加工、ミシンステッチ、切り込み、異素材の組合せなどによって、羽織り方や腕の通し方一つで、染め布の様々な表情を楽しむことが出来ます。
一枚一枚、筆やハケを使って手書きで染めているため、作品は全て一点もの。また、表と裏両面、色違いで染めたものもあり、一枚のストールをリバーシブルで楽しめるようになっています。ヴァイオリニストや歌手が衣装として用いる際にも、ステージ上で簡単に印象が変えられると好評なほか、ノースリーブに羽織って二の腕をキレイに隠したい女性からも人気だそうです。