今回の厄介者

アフリカツメガエル ~アフリカを生き抜く大食漢~

特徴

生物

『アフリカツメガエル』
南アフリカ原産の水生カエル。
一生の殆どを水中で生活し、息継ぎに出る以外は水中から出ない。そのため、体は水の抵抗を受けにくい平べったい形に進化、後ろ足には爪と水掻きが発達し、勢いよく水を蹴って素早く泳ぐ。
雑食性で、水中の生き物を手あたり次第捕食する大食漢。

原産地

アフリカ中部から南部に生息。
本来は温かい地域の生き物だが、環境適応能力に優れており、日本でも越冬が可能。

問題

1960年代以降、国内で実験用動物として流通し、野外に定着。
旺盛な食欲で日本の固有種の生態系を脅かしている。
和歌山県では鳥ノ巣半島に5万匹近く生息しているとされ、池の水を抜いて駆除しても、泥の中に隠れて繁殖を繰り返しており、根絶は難しい。

専門家

加藤英明

静岡大学教育学部講師。
講師として学校で授業を行う傍ら、外来生物の捕獲・研究など保全生態学にも取り組んでおり、各地で講演や調査を行っている。

捕獲方法

農業用の溜め池などの水中に生息するため、ボートで池の中心部まで渡る。

30分に一回ほど、息継ぎをするために水面に姿を現わしたところを、すかざずタモ網ですくって捕獲。

息継ぎの時間が1秒足らずと短いため、タモ網で捕らえるのが難しい場合は、投網などの大きい網で捕獲する。

投網は水中の比較的浅い場所にいるオタマジャクシや若い小さな個体しか捕れない可能性が高く、子供を産む大きな個体を捕えるためには、池の底をさらうような方法がベスト。

そのために、水深の浅い池で、底まで届く追い込みネットを池全体に広げて引っ張り、池底を足で撹拌しながら、泥の中のカエルをネットの中に追い込む。

ただし、肋骨が柔らかく発達しており、小さな網目からでも、すり抜けてしまうため、罠を仕掛けるのも有効。

罠はアナゴなどを狙うのと同じもので、鶏レバーの匂いでおびき寄せ、入れば出られない構造。

ページTOPへ ▲