今回の厄介者

クララ ~沖縄県 陸を歩く外来魚~

特徴

生物

『クララ』
学名は「クラリアス」。
全長55cmほどで体形は平べったく、元々茶色い体をもつが、観賞用の品種改良によって、白やマーブル模様の種類が出現した。
ナマズの仲間で、触覚器であるヒゲは日本のナマズの倍である8本ある。そのため敏感に周囲の音や振動を感知し、警戒心が強く、釣り上げたり、捕獲することは容易ではない。
気性が荒く、他魚や、同種間でも攻撃的な行動をとる。
空気呼吸が可能で水辺を求め陸地を移動するため、別名“ウォーキングキャットフィッシュ"とも呼ばれる。トゲのある胸びれを使い、体をくねらせて這うように前進する。

原産地

東南アジア~インド原産で、湿地や流れの緩やかな河川の岩の下などを好む。雨季に止水域の岸辺に横穴を掘って、1万個ほどの沈性付着卵を産む。
原産国では、蒲焼きに似た甘辛い味付けの炭火焼で食されている。
飼育が容易で、古くから盛んに養殖され、生産性の面でも日本のマナマズに勝っている。

問題

東南アジアから観賞魚として日本国内で流通。
沖縄本島で2000年代に野生化した個体が確認された。
雑食で攻撃性が高く、陸地を移動して生息範囲を拡げるため、固有種の駆逐が心配されている。
世界の侵略的外来種ワースト100指定種。

専門家

加藤英明

静岡大学教育学部講師。
講師として学校で授業を行う傍ら、外来生物の捕獲・研究など保全生態学にも取り組んでおり、各地で講演や調査を行っている。

捕獲方法

クララが生息する川で、空気呼吸のために、定期的に水面から顔を出すタイミングを狙ってタモですくい捕る。

川の中に入って捕獲するが、クララは警戒心が強く、話し声や人影、振動などを8本のヒゲで敏感に察知するので、物音を立てないように進む。

川のカーブの内側は流れが弱く、エサが溜まる。
しかも、クララにとっては泳ぎが楽で、呼吸の回数も減る安全な場所なので、狙い目のポイント。

クララが好む岸辺の岩の下に逃げ込まれないよう注意を払いつつ、川上と川下から挟み撃ちで追い込む。

行き場をなくしたクララは、パニック状態に陥り、代謝が高まって空気呼吸が多くなるので、捕獲するチャンス。

捕獲した後も不用意に地面に置くと、歩いて逃げ出すこともあるので油断は禁物。

ページTOPへ ▲