今回の厄介者

ジャンボタニシ ~南米の悪魔~

特徴

生物

『ジャンボタニシ』
軟体動物門腹足綱盤足目リンゴガイ科。正式にはスクミリンゴガイという名前の巻貝の一種で、日本に生息するタニシとは別種。
殻高5cm以上になり、最大で8cmほどになる。
水中ではえら呼吸,空気中では肺呼吸する。

原産地

アルゼンチンのラプラタ川流域。
コケだけでなく、魚やザリガニの死骸など何でも食べる。

問題

1980年代に食用として輸入したものが野生化。基本的に柔らかい草や葉を食べるため、植えたばかりの稲を食べてしまう。
体重の半分以上は1日で食べてしまうほど食欲が旺盛。
さらに、4月から10月の繁殖期には、1度に300個も卵を生み、その回数も多く、3~4日ごと(繁殖期に約30回)に産卵する。つまり、1年で9000匹生む計算になり、数が増殖しやすい。
その卵には神経毒があり、人間が触って体内に入ると、呼吸困難に陥り死に至ることも。

専門家

加藤英明

静岡大学教育学部講師。
講師として学校で授業を行う傍ら、外来生物の捕獲・研究など保全生態学にも取り組んでおり、各地で講演や調査を行っている。

捕獲方法

ジャンボタニシは、寄生虫「広東住血線虫」が寄生している可能性があり、この寄生虫が、粘膜や傷口から人間の体内に侵入すると、最悪の場合、死に至る可能性もあるので、大変危険。
さらに、泥の中に隠れる習性があるため、手で捕獲するのは難しい。
そこで、鼻の役割を持つ触角を頼りに、数m先のニオイを嗅ぎ分ける事ができるジャンボタニシを、匂いでおびき寄せる。

ペットボトルの入り口部分を切り、その中に匂いのするエサを入れ、水切りネットをかぶせて穴を空ける。
こうすることで、一度中に入ったジャンボタニシは外に出る事ができなくなる。

中に入れるエサは、以下の4つ。
1.ぬか床(元々イネを好む+強い発酵臭)
2.タケノコ(地元農家さんが普段試している+青臭さ)
3.サンマ(繁殖期に必要なたんぱく源+血生臭さ)
4.バナナ(アフリカマイマイには人気NO.1+甘い香り)

エサを入れた仕掛けを、匂いが広がりやすいように、穴の向きを変えて5つ設置する。

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