今回の厄介者

ティラピア ~アフリカン超特急~

特徴

生物

『ティラピア』
スズキ目カワスズメ科カワスズメ属。
和名はイズミダイ、カワスズメ、豊後鯛など。
アフリカ原産で淡水、汽水に適応し、海水でも生存が可能。
日本では本州から沖縄までの主に河川域に幅広く生息し、全長50cm体重900g以上まで成長。
雑食性で、コケや水草、小型のエビやカニ、小魚まで食べる。
卵は一度に最大2000個を産み、受精卵はメスの口の中で一週間ほどで孵化、幼魚は更に1~2週間を口内で過ごしてから巣立つ。
攻撃的で気性が荒く、側線が2本あるため振動に敏感で俊敏に泳ぐ。

原産地

アフリカ、中近東。

問題

約60年前に戦後の食糧難を乗り越えるため、アフリカから食用として持ち込まれたが、普及することなく、捨てられて野生化。
比較的、高い水温を好むため、大分県別府市など温泉が流れ込む温泉地の川で大量に繁殖。
産む卵の数も多く、口内で稚魚を育てるなど繁殖力も高いため、ヤゴやアユなどのエサを食い尽くし、在来種の数を減らしている。

専門家

加藤英明

静岡大学教育学部講師。
講師として学校で授業を行う傍ら、外来生物の捕獲・研究など保全生態学にも取り組んでおり、各地で講演や調査を行っている。

捕獲方法

潮が引くと沖合に移動する魚の習性を利用した「小型定置網」を使って捕獲。

網は普段、海で使っている、直径1.5m、奥行き8m、幅15mの魚を溜めるポケット部分を利用。

満潮時に仕掛かけることで、潮が引くにつれ川から沖合に向かう魚の群れを一網打尽に。

潮が引いて魚が沖合の方向に移動し、ポケットに入るのを3時間ほど待って引き揚げる。

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