今回の厄介者

コクチバス

特徴

生物

『コクチバス』
日本では、オオクチバス、フロリダバスと合わせて「ブラックバス」と呼ばれることが多い。
オオクチバスやフロリダバスと比較して口が小さく、体長も小さいが成長すれば最大50cm以上になる。
肉食性が強く小魚やザリガニなどを多数捕食する。

原産地

アメリカ・フロリダ

問題

1990年頃からオオクチバスとともに持ち込まれ、各地で定着。
オオクチバス、フロリダバスが比較的温暖な止水域から緩い流れを棲み処とするのに対し、コクチバスは冷水、流水に適応し、清流、渓流で繁殖する。
河川上流に入り込むことで、アユやイワナなどの在来種が捕食され、生態系を脅かしている。







今回の厄介者

カワリヌマエビ

特徴

生物

『カワリヌマエビ』
カワリヌマエビ属で体長20~30mmの淡水エビ。
流れの緩い川や池の水草が多い場所を好む。
ペットとして人気で、レッドチェリーシュリンプやレッドビーシュリンプの名で親しまれている。

原産地

中国・広東省

問題

1960年代以降、釣り餌やペットとして輸入されていたものが、放たれて野生化。
在来種のエビと生息環境が重なり、競合することで在来種を追いやる危険性も。
北海道、宮城、千葉、神奈川、滋賀などでも確認され、日本各地へ生息域を拡大している。







今回の厄介者

ハクレン

特徴

生物

『ハクレン』
コイ目コイ科ハクレン属。
体長最大1.3m、体重30kg以上にもなる巨大淡水魚。
体高は高く、側扁。頭部は大きい。

原産地

中国大陸原産。

問題

1878年、食用として日本に移入されたが、日本人の口に合う調理法が見つけられず、放流され、利根川・江戸川・淀川で定着し、繁殖。大量のフンをするため、川の水質が悪化する原因にも。
さらに、時速30㎞以上のスピードでジャンプし、船に乗る人に体当たりして脳震とうを起こす被害も。







今回の厄介者

雷魚(ライギョ)

特徴

生物

『雷魚(ライギョ)』
スズキ目タイワンドジョウ科で、体長1mを超す大型魚。
蛇の様な模様と頭の形から、別名「スネークヘッド」とも呼ばれ、食らいついたら離さず、なんでも飲み込む。

原産地

中国・東南アジア原産。
百年ほど前に観賞魚として輸入された、との記録があるが、江戸時代末期にはその姿が描かれており、さらに古くから日本に潜んでいた可能性も。

問題

空気呼吸するため、酸素濃度が低い汚れた水でも生きていける、強い生命力があり、泥の中に姿を隠し、カエル、ネズミ、魚やエビなどを食べる。時には、20センチのウシガエルや鳥にも襲い掛かる凶暴な性格をしており、日本の貴重な在来種を食い荒らしてしまう。
体長数センチのモロコは1日100匹以上食べてしまう。
また、口の中には鋭い歯が生え揃い、顎の力も強い為、噛まれると危険。







今回の厄介者

ミシシッピアカミミガメ

特徴

生物

『ミシシッピアカミミガメ』
爬虫綱カメ目ヌマガメ科。別名・ミドリガメ(幼体)。
最大甲長28cm。オスよりもメスの方が大型になる。
頭部の両側に赤色の斑紋があり、オスはしばしば全身が黒化。
北海道から沖縄までほとんどの都道府県に分布。
流れの緩やかな河川、湖、池に生息し、日光浴を好んで行う。
オスは伸長した爪をメスの前で震わせて求愛、交尾は春と秋にみられ、5月から7月にかけて1度に2~25個の卵を産出する。
雑食性で藻類や水草、水生昆虫、ザリガニ、エビ、貝類、魚類等様々なものを採食する。

原産地

アメリカ原産。

問題

1950年代にアメリカから持ち込まれ、かつて祭りの縁日で売られていた幼体(ミドリガメ)がペットとして人気となったが、大きくなって野外に放たれることなどで全国的に繁殖。
ニホンイシガメなどの在来種と餌や日光浴場所を巡って競合し、今やその数、全国で約800万匹とされる。
大人の個体は体も大きく、凶暴性もあることから噛まれる被害や、佐賀県ではレンコンの新芽食害等の農作物被害の報告もある。







今回の厄介者

ウシガエル

特徴

生物

『ウシガエル』
アカガエル科アメリカアカガエル属。
体長18cm、体重800gにもなる世界で最大のカエル。
池、沼、湖などの止水で雄は繁殖なわばりを持ち、水面に浮きながら「ウオー,ウオー」と鳴く。
幼生越冬することから、1年を通して水のある場所で繁殖する。
肉食性で、口に入る大きさであればほとんどの動物を食べる。
昆虫、アメリカザリガニ、他のカエル類、魚類など、小型哺乳類や小鳥を襲うこともある。

原産地

アメリカ原産。池沼などの止水、穏やかな流れの周辺に生息。
在来のカエル類に比べ水生傾向が強く、成体は1年中池で見られる。

問題

日本には、食用、養殖用として持ち込まれたが、それが野生化。
昆虫類や他のカエルをはじめとする多くの小動物が捕食の影響を受ける。また、鳴き声が大きいため、人の生活環境にも影響を及ぼす。







専門家

加藤英明

静岡大学教育学部講師。
講師として学校で授業を行う傍ら、外来生物の捕獲・研究など保全生態学にも取り組んでおり、各地で講演や調査を行っている。

捕獲方法

【その1】
魚が集まりやすい本流と支流が合流する水門の前に「刺し網漁」を仕掛ける。

魚の通り道に幅50mの刺し網を広げて、魚の逃げ道を塞ぐ。

船の上から竹竿で水面を叩いて刺激し、鈴の音が鳴る水中ドローンも使って魚を網に追い込む。

十分に追い込んで、刺し網に魚が引っ掛かったタイミングで引き揚げる。



【その2】
魚が身を隠しやすい、水が滞留する湾処(わんど)に「カニかご」と「延縄」を仕掛ける。

本来は臭いの強い青魚を餌に使うが、代わりに強烈な臭いを放つDASH島の漂着物(イカの塩辛、らっきょなど)を使う。

茂みの近くなどに仕掛け、数日後に引き揚げる。餌の種類によって獲れる生き物は異なる。

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