食材ノート

ソウダガツオ(ソウダ節)

ソウダガツオとは?

ヒラソウダとマルソウダの混称で、スズキ目サバ科ソウダガツオ属の魚。刺身やたたきで食べているカツオの半分程の大きさ。
目と口との距離が近いことから、「目近(めぢか、めじか)とも呼ばれる。
血合いが多く、鮮度が落ちやすいため、生食には向かない。

ソウダガツオ漁【曳き縄漁】

高知県土佐清水市は、ソウダガツオの全国1の漁獲量を誇る。
ここで行われているのが、曳き縄漁。
冷凍のイワシシラス、イカナゴ、アミ類などを撒き餌に使い、集まってきたソウダガツオ(メジカ)をメジカカブラ(飾りのついた針の仕掛け)で釣る漁法。
漁場では、船を左旋回で円を描き、撒き餌が常に円の中心に来るように操船。
撒き餌はプラスチック製の容器に冷凍したままの餌を入れ、これに海水を徐々に流して溶け出していく仕組みになっており、一人でも操業でるようになっている。

ソウダ節とは?

ソウダ鰹からつくられる鰹節の種類のひとつ。
通常の鰹節やサバ節に比べて血合いの部分が多いため、味が濃厚で色がつくのが特徴。
鰹節よりも濃く強い出汁がとれることから、上品な味や色合いを大切にする椀物には向かないが、うどんやそばなどの出汁には欠かせない存在。
そのため、「香りカツオに味ソウダ」とも言われる。

「手火山式(てびやましき)」でソウダ節!

城島が高知の清水土佐沖で捕ったソウダガツオを最高の鰹節にすべく、城島が選んだ作り方が、静岡県西伊豆で行われている「手火山式」。
40年前までは、ソウダガツオでも作られていたが、ホンガツオの節に比べて需要が少なく、生産中止となっていた。
鰹節づくりで一般的なのは、「炊納屋式(たきなやしき)」と呼ばれる、大きな建物全体を燻し釜にし、煙を密閉して燻す方法。
手火山式は、鰹節のすぐ真下に火があるのが特徴で、高温で燻されるため、より水分が抜けて旨味が凝縮されるが、大量生産ができないため、今では幻の技術となっている。
最もおいしい節の作り方と言われ、通常の鰹節より高値がつくことが多い。

ソウダ節づくり!

1.内臓を取り出す

体の小さいソウダガツオは、お腹の部分を捌いて内臓を取り出す。
取り出したら、カゴに並べる。

2.煮込む

カゴに並べたら、釜で80℃から90℃のお湯で、1時間ほど煮込む。
こうすることで、殺菌して腐敗を防止する効果も。
さらに、網のフタをすることで、煮崩れを防ぐ。

3.骨を取る

半分に割って大きな背骨を取り、続いて、ピンセットなどで小骨を慎重に取っていく。
小さくても、燻す際に骨が残っていると、身が変形してしまい、均一に乾燥できなくなる。

4.焙乾して寝かせる

手火山式での焙乾作業。
クヌギやナラを火力に使用し、香りづけとしてサクラの木を燃やす。
その上に、カツオを並べたセイロを乗せ、90℃の熱で燻す。
火が近いため、鰹節が燃えてしまわないよう、数十分毎にセイロの上下を入れ替える。
4時間ほど燻し、色が変わったら、火から降ろして寝かせる。
この作業を2週間ほど繰り返す。

5.削る

仕上げは削り。丁寧に表面にこびりついた油成分タールを、手作業でそぎ落としていく。
こうして、表面のタールを削り落としたら、完成!

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