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夏の風物詩といえば…、「スイカ」。スイカが持つ、あの「まるい形」は、多くの人々に愛されてきた理由のひとつかもしれない。 しかし! もし、坂道でスイカが転がってしまったら、いったいどこまで転がり続けるのだろうか? そこで、スイカを使った大実験!! このスイカ実験の舞台となるのは、瀬戸内海に面する港町、広島県「呉」市。 この呉市は、街の全体の約7割が坂となっており、その坂の凄さは、市民の自転車保有台数の割合が、「9人に1人」と全国平均の半分以下であることが物語っている。(ちなみに、東京は「2人に1人」)。 長崎・神戸・函館と坂の街は、一般的に港も深く、造船業が盛ん。そして、この呉の街にも、あの巨大戦艦大和が誕生した日本有数の良港があるという。 ということは、上手くこの呉の街にある斜面を利用すれば、坂を下るだけで海に出られるかも…。 そう、呉の街は、今回の実験には、最も適した土地かもしれない。 そして、実験開始!! 今回のスタート地点は、標高約500メートルの休山(やすみやま)展望台。ここからスイカは、その坂を下る力だけで海を目指す。 そして、この転がるスイカを太一と達也の二人が追いかける。今回、二人は、スイカを追いかけながら、もし、スイカが止まってしまった場合に、救助に向かう!! ただし、スイカを手で触れて救助することはできない。 さらに、坂がある街で行うおなじみの実験といえば…「坂道止まらずに自転車でどこまで行けるか!?」 今回は、過去2度の実験にいずれも挑戦しながらも、海を見れずに失敗に終わっている城島が自転車をこがずに乗って、この呉の街で、転がるスイカと共に、再び海を目指す!! 坂の街を舞台に繰り広げられる、スイカと自転車を使った大実験。 はたして転がるスイカはどこまで行くのか!? |
このスイカ実験の舞台となるのは、瀬戸内海に面する港町、広島県呉市。一般的に長崎、神戸、函館と、坂の多い町は、港湾内の水深が深く、造船業が盛んである。そして、ここ呉の町も、戦艦「大和」を造船した場所で知られると共に、坂の町でもある。 東京都立大学教授で地理学者の岩田修二教授によると、呉は水深が深く、非常にいい港で、地形的にも後ろの山(休山《やすみやま》)から海まで坂道がずっと続いているという。 また、呉は町の人口の7割が坂に住んでおり、その坂の大変さは、市民の自転車保有台数の割合が、9.3人に1台と全国平均の半分以下であることからも理解できる。ちなみに、全国の平均は1.7人に1台である。 以上のことから考え、今回の実験には最も適した町といえそうな呉で実験を行うことに。 そして、この坂の町での実験のスタート地点は、標高約500メートルの休山(やすみやま)山頂。ここからスイカは、その坂を下る力だけで海を目指す。 今回、この転がるスイカを追いかけるのは、スイカ救援隊の太一と達也。二人は、スイカを追いかけながら、スイカの転がる方向がそれてしまったり止まってしまった場合に、「指差し棒」「特製救助板」「巨大しゃもじ」というアイテムを使って救助に向かう。ただし、絶対にスイカを手で触れてはいけないというのがルール。 さらに、「ザ!鉄腕!DASH!!」の坂がある町で行うおなじみの実験も行われた。そう「坂道を止まらずに自転車でどこまで行けるか!?」。 今回は、過去2度の坂道実験にいずれも挑戦しながらも、海を見れずに失敗に終わっているリーダー城島が、三輪の自転車にまたがり、ペダルをこぐことなく、下り坂の力だけを利用して、この呉の町で転がるスイカと共に、再び海を目指す。 坂の町を舞台に繰り広げられる、「スイカ」と「自転車」を使った大実験。 はたして転がるスイカはどこまで行くのか!? 晴天のもとスイカと自転車は、休山山頂をスタート。 まずは、スイカ、順調に坂を転がりはじめる。が、急発進が災いして、カーブを曲がりきれず!!そして、勢い余って、そのままガードレールを越えて崖下に転落。無残にもスイカは、真っ二つに・・・。 結局、スタート直後、実験を中断して太一、達也、城島の3人で、この割れてしまったスイカを残さず食べながら、再実験の計画を練る。そして、本物のスイカより大きめで軽い、「スイカ模様のボール」に変え、再度実験を開始。 この「スイカ模様のボール」は、表面に記載されていた西瓜(すいか)の文字を太一が「にしうり」と読んだことから、ここにて「西瓜(にしうり)くん」に命名。 新たなるスイカは風に揺られながら、ゆっくりと坂を下りだす。そのスイカの横には、麦わら帽子に黒めがね、白のランニングシャツに短パンというスイカ売りスタイルの城島の姿が。お気に入りの三輪自転車「サンデーラブリー号」にまたがり、海を目指す。 ゆっくりと坂を下るスイカと自転車。自転車に乗る城島はちょっかいを出し、スイカを蹴ってみる。そして、海を目指し、一人ブレーキを緩め、先に坂を下りて行った…。 スタートから100メートル。徐々に転がりだしたスイカは、スピードを上げる。 その頃城島は、今までにないの順調さに「今回は行ける!!」という手ごたえを感じていた。 スタートから1.3キロ。スピードを更にあげ、スイカは坂を転がる。と、前方にカーブが出現。このまま、直進してしまえば、崖に落ちてしまう。しかし、太一と達也の心配をよそに、スイカは上手にカーブを曲がりきる。 一方の城島も「シゲちゃんマン カーブ!!」と叫びながらハンドルを切り、曲り角にさしかかっていた。ところが!! 巧みな転がりっぷりを見せるスイカは、スタートから2キロの地点で再び曲がり角にさしかかった。今度も上手く曲がれるかと思ったその時!!舗装された道からそれ、そのスピードのまま一転険しい山道の下り坂に入っていってしまった。 時を同じくして城島は、なぜか女子高生を追いかけていた。 スタートから20分。ここまで、スイカはスタート地点から2.2キロ転がっていた。一方の城島は、スタートから3.1キロ地点を走行中。 傾斜に身を任せて依然転がりつづける「西瓜くん」ことスイカだが、前方には三方向の分かれ道が。そして、この分かれ道は、太一のサポートで、真中の道へ進むことに。 その頃、城島も、海を目指して坂道を走行中。すると崖の向こうに、転がるスイカと、それを追いかける太一と達也を発見。 3人は、崖を隔てて、お互い実験を成功させゴールである海で再会することを固く約束。 スタートから30分。ここまで、スイカはスタートから2.5キロ。自転車は、3.8キロ地点を走行中。このあとスイカと城島を待ち受けるのは、細い道が多い呉の住宅街。 そして、距離を伸ばしている城島は、スイカより一足先に住宅街へ。すると、早速、前方にかなり道幅の細い路地が。道幅は、城島が乗る三輪自転車とほぼ変わらない。しかも、傾斜角度は、かなり急。しかし、城島は、果敢にも、この坂の路地を下って行った。 その頃、スイカも難所である坂道の路地の町にやってきていた。すると、前方にネコ出現。ネコは転がるスイカを不思議そうな目でじっと見ている。ここで太一と達也が心配したのは、もし、ネコの爪で攻撃されてしまっては、空気の入ったスイカはパンクしてしまう。「西瓜くん」の運命やいかに。 一方、城島は、痛恨のルートミス。なんと、際限なく続く急坂に、勢いあまって、当初予定していた下りの坂道を通りすぎてしまったのだった。 スタートから45分が経過。ここまでスイカは、山頂から4.4キロ転がり、住宅街の真っ只中。一方の城島は、山頂から5.9キロを走行中で、スイカより少しリード。 その頃、城島も順調に坂道を下っていた。が!この坂道、なんと途中から階段になっていた。なかなか簡単にはいかない坂道実験。しかし、城島は、この階段をもろともせずに、突き進んだ。そして、なんとか、この階段も下りきることに成功。 八百屋さんを抜け、ほっと一息つく「西瓜くん」。だが、待ち受ける新たな障害。それは…、何台もの車が行き交う車道。 一方、城島は、もう海の直前。今までにない順調さに、城島は嬉しさを隠せない。そして、下り坂を求めて城島がやって来たのは、なんと海上自衛隊の「呉地方総監部」。 そのころ、転がるスイカを追いかける太一と達也の視界にも、青い海がしっかりと映っていた。 スイカは、スタートから5キロを通過。が、またもや、スイカの行く手を阻む障害が出現。それは、タイミングを計らなければ渡れない横断歩道。ただ、スイカの転がりに手を加えるわけにはいかない。スイカは無事に横断歩道を渡ることはできるのか!? 信号は青に変わるが、スイカはなかなか思うように進んでくれない。信号は点滅を開始する。こ、これは「西瓜くん」ピンチ!! そこで、ここだけは、太一の「特製救助板」と達也の「巨大しゃもじ」を使っての力強い風を起こしてスイカを転がす作戦を使い、見事横断に成功。海までの距離はあとわずか。 はたして、このままスイカは止まらずに海に出ることはできるのか!? その頃、海を目前にして一進一退の城島は、海上自衛隊の人に自転車を押してもらい、なんとか桟橋までやってくることに成功。そして、スタートから6.6キロ、見事城島は、海に到達!! 一方、転がるスイカは、上り坂を避け、トンネル形式の歩行者用道路に。このトンネルを上手く抜ければ、海はもうすぐのはず。ただ、トンネルを下ったのはいいのだが、その先はどの道も上りのT字路。そして、予想通りスイカは、ここで登ることができずに止まってしまう。 太一は「特製救助板」、達也は「巨大しゃもじ」を使って、なんとか「西瓜くん」に元気になってもらおうとしたのだが・・・。スイカは残念ながら坂を登ることができずに、スタート地点から5.3キロ地点で無念のリタイヤ!! 結果、自転車で海を目指した城島は、スタートから6.6キロ地点で、見事、海に到達。一方の太一と達也が見守った、転がるスイカ「西瓜くん」は、スタートから5.3キロ地点で無念のリタイヤとなった。 |
夏といえば、「スイカ」。小さい頃に良く食べたとメンバーも言っていました。今回用意したスイカは、実験後、メンバーとスタッフで食べ、また余ったスイカは、結構、重たいのにもかかわらず、リーダーが愛おしそうに、持って帰っていました。でも、その中に一つ、風船で作った「食べられないスイカ」が入っているのをリーダーは知る余地もありません…。 |
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天に向かって高くそびえる山…。古来より、人はその荘厳なる高さを求めて、常に山の頂きを目指してきた。そして、登山家達は、一つ、また一つと未踏の山々を制した。その業績は、偉大な記録としてたたえられつづけている…。 しかし、そこでいつも注目されるのは「どうすれば早く確実に山を登れるのか」という頂上までの過程のみ。ところが本当は、山は「登る」よりも「下る」方が難しいという。 そこで、この疑問!! そもそも、山を下るにも、いくつかのルートが存在する。その代表的ルートの一つが「川」。山頂に降った雨や涌き出た水が、重力に従って流れるままに出来たその道筋は、 そしてもう一つが「山道」 そこで、実験!! 今回の実験の舞台となるのは、静岡県・伊豆半島の中心部にある天城連山から流れる河津川(かわづがわ)の源流からスタート。ここから、川と山道と分かれ、一気に海を目指す!! 川ルートを行くのは、あの隊長こと「アヒルちゃん」。小柄な体ながら、今までにも過酷な川下りに挑んできたアヒル隊長。前回は冷たい雪解け水が流れる黒部川に挑戦し、21時間かけて、全長50キロの行程を見事流れきった。 一方、山道を下り、アヒル隊長に戦いを挑むのはマウンテンバイク男こと山口達也。鹿児島では半島を横切る近道を探して、草木の生い茂る山道を無事完走した経験を持つ!! この下山対決、果たして自然が作った下山ルート「川」を下るアヒル隊長が勝つのか、それとも「山道」を下るマウンテンバイク男こと達也が勝つのか!? |
今回の実験の舞台となるのは、静岡県・伊豆半島の中心部にある天城連山から流れる河津川(かわづがわ)。この川の源流からスタートし、川と山道と分かれ、一気に海との合流地点である、河津川河口の浜橋を目指す!! 川ルートを行くのは、アヒル隊長。小柄な体ながら、今までにも過酷な川下りに挑んできたアヒル隊長。前回は冷たい雪解け水が流れる富山県の黒部川に挑戦し、21時間かけて、全長50kmの行程を見事流れきった。 そして今回、アヒル隊長は、松岡と長瀬に見守られながら、海までの全長約14kmの川下りに挑戦。 一方、山道を下り、アヒル隊長に戦いを挑むのはマウンテンバイク男こと山口達也。鹿児島では薩摩半島を横切る近道を探して、草木の生い茂る山道を無事完走した経験を持つ。 今回、達也は直線距離にして約9kmの山道を下り、海を目指す。川よりも距離は短いが、途中には急勾配のアップダウンもあり、かなりの道のりになりそう。 この山下り対決、「川」を下るアヒル隊長が勝つのか、それとも「山道」を下るマウンテンバイク男こと達也が勝つのか!? この対決の日は、あいにくの大雨。 正午に海抜1020mの河津川源流から、アヒル隊長・マウンテンバイク山口、両者同時にスタート!! 雨でぬかるんだ道を進まなければならない達也。一方のアヒル隊長は、雨のために水かさが増した川を下りはじめた。 コースの序盤、山道ルートはアップダウンの激しい道が多く、達也、思うようにスピードが出せない。 一方、川ルートのアヒル隊長は川幅が狭く石の多い川を、石の間を上手くすり抜け、流れに乗ることに成功!! 達也の行く山道は、折からの雨でぬかるみ、水溜りもできており、ハンドルをうまく操れない。加えて山下りとはいえ、起伏が激しい地形であるため、上りの山道にも直面する。 しかも、このあたりの区間は、人が一人通るのがやっとの細い道。泥だらけのタイヤはすべって空回りしてしまう。また、ぬかるみにタイヤがはまり足をついてしまうこともしばしば。この思わぬ難関に、ついに達也は、ひとまずペダルをこぐのを断念し、自転車を押して歩き出した。 そのころアヒル隊長は、雨で増した水かさが幸いし、急流ポイントも流れに乗って容易に通過。一直線に下るアヒル隊長を松岡と長瀬は、寒天橋で待つことに。 ところが、人間の思惑など我関せずのアヒル隊長。なかなか姿を現さない。すると!! そこへ黄色い姿が。隊長の無事な姿に安心する二人だが、よく見ると、ここまで順調に下ってきた隊長の様子がおかしい。近寄って見てみると… なんとアヒル隊長は、よどみにはまって身動きが取れなくなってしまっていたのだった。 そこで長瀬は、長靴を装着し川に入り、助けに向かい、網でアヒル隊長をすくって救出に成功。ただ、ここ河津川には大小七つの滝があり、この先には、滝が連続するという激流ポイントがあるという。果たして、勇敢なアヒル隊長は、この難関に耐えられるのか? その頃、達也は下りに入ったのであったが、やはり雨のため、走りにくさはぬぐえないまま。しかも、階段や上りなども度々あり、一進一退が続く。 スタートから一時間半。マウンテンバイク、アヒルちゃんともに自然の厳しさに直面。 さて、岩場をすり抜け、傾斜も急になり、いよいよ初めての滝が待っている。アヒル隊長が挑むこの滝は、「平滑滝(ひらなめのたき)」といい、落差は小さいものの急流にあるため勢いがあり、落下速度が速い。 松岡と長瀬、滝のそばでアヒル隊長の通過を待つ。すると、目の前のよどみには、誇らしげに浮かぶ隊長が。急流に乗って、目にもとまらぬ速さで見事に滝下りを成功させていたのだ。ただ、またも流れのないよどみにはまってしまって動かない。そこで、今度は松岡が救出に向かい、岩場へジャンプ。その時、松岡、ぬるぬるとした岩ですべり着地に失敗、足を負傷してしまう。 その後、松岡は、長瀬の治療の甲斐もあり、痛そうではあるが復活。そしてアヒル隊長も、この松岡の体を張った救出のおかげで、再び川を下り始めた。 登りの峠を越えた達也だが、下りは下りで運転には細心の注意が必要とされる。特に、この日はブレーキさばきも慎重にしなければならない。ところが、悪路に阻まれ達也、ついに転倒!!。しばらくは起き上がれず、痛がっている。しかし、アヒル隊長に負けるわけにはいかぬと気合を入れ、道なき道へペダルをこぎ出した。 その後も転倒を繰り返す達也だが、着実に距離を伸ばす。雨も小降りになり、道幅も広がり、展望が開けた。そこで、休憩所発見。 三時間に渡って自然がもたらした突然の悪路に挑戦しつづけた達也。さすがにここでは小休止。雨をしのいで「おむすび」をほおばる。 腹ごしらえをして、再びスタートした達也の前には、難関が降り続く雨のように次から次へと押し寄せていた。傾斜の急な細い道には進路をふさぐ倒木が!! さらに、今度は階段。 そんな難関も達也は身のこなしも軽やかに、鮮やかなテクニックで飛ぶように、山道を下っていく。 滝の連続でお体の具合が心配されるアヒル隊長。待ち受けるのは落差なんと22メートルの「釜滝(かまだる)」。白い水がしぶきを上げて落ちている。この衝撃に耐えられるのか? 隊長、滝はどうにかクリア。 ただ、滝を落下した衝撃で、アヒル隊長はコースを外れ、川の中央にある流れのない岩場に乗り上げてしまう。そこは激流で、川の真ん中。棒で救おうとしても届かない。 そこでたまらず松岡が、命綱を体に巻きつけて、長瀬が見守る中、果敢にもアヒル隊長の救出に出動!! そして、慎重に石を渡り、発見から20分後、ついにアヒル隊長の救出に成功。 一方、アップダウンの激しい道を行く達也の状況は、相変わらず厳しい。しばらく走ると展望台にたどり着き、そこからあたりを見渡すが、下は霧に包まれてまったく見えない。達也一人、雲の上に取り残されてしまったようだ。ゴールの方角は良くわからず、コースの様子もつかめない。怖さを感じつつも、霧に包まれた水墨画のような幻想的な光景は印象的だった。 達也、展望台から再びゴールを目指してペダルに足をかける。 一方、アヒル隊長は、滝の連続でお疲れか、「えび滝」の滝壷で立ち往生してしまう。滝壷であるため、立ち入ることはできず、上から見守る松岡と長瀬。10分たっても隊長は抜け出せない。と、そのとき、隊長がそこから忽然と姿を消す。慌てる二人は、必死になって周辺を探し回る。が、そこは百戦錬磨の隊長。自力で脱出し、流れに乗っていたのだった。 その後隊長は、本流から外れた用水路に進路を取り、橋の下に引っかかるも巧みに通過。なおもこの用水路をすべるように進む。 隊長の選んだこの用水路。一見すると脇道で遠回りのようだが、実は険しい二つの滝をパスするバイパス。アヒル隊長の巧みな道選びには恐れ入る。この用水路、流れが順調すぎて松岡と長瀬が走っても追いつかない。そしてついには隊長を見失ってしまう。困惑する二人。しかも先の水路は二股に分かれている。松岡と長瀬、下流へ向かって慌てて車で先回りし、隊長を迎える作戦に出る。 それにしても同じ山を下っているとはいえ、まったく違ったコースを歩むマウンテンバイクとアヒル隊長。達也の行く道は、山下りとはいえ、上り坂が思いのほか多く、自転車を押して山を登らざるを得ない。そして、霧で見えない前方には、三筋山というさらに高い山が待ちうけており、ゴールへ行くにはこの山を越えなければならない。 松岡と長瀬は先回りして橋の上で待っていた。待つこと30分、隊長はやってこない。不安になる二人。と、そこへひょうひょうと流れに乗って隊長が登場。すっかり翻弄されてしまった松岡、隊長の気ままな動きにものを申す。しかし、かわいらしい表情で悠然と構えるアヒル隊長に松岡、どこまでも隊長についていくことを決意。 さて、三筋山を越えなければならない達也。頂上まで約600メートルにわたってきつい上り坂が続く。死力を尽くしてペダルを漕ぐ達也。相当な急斜面であり、足をついてしまうこともしばしば。霧でかすむ進路も不安を募らせる。この状態に達也の口から大きな笑い声が。これは達也の極限状態を意味するものなのか。 隊長のほうはというと、川幅も広くなり、人家がちらほら見えてきた。橋の下の段差に引っかかるも松岡が網で簡単に救出し、残り4キロ、ゴールを目指す。 その頃達也は、悠々と下る隊長とは対照的に急斜面を登り、海抜922メートルの頂上へ向かっている。押しているマウンテンバイクがいっそう重たく感じられるが、苦労の甲斐あって三筋山頂上に何とか到着。ここからゴールまでの道は、ひたすら下るのみ。俄然張り切る。 遥か彼方に霞むゴール方向を確認し、一気に山下り。日没の時刻が近づくなか、達也、ラストスパートをかける。 アヒル隊長はそのころ下流で、流れが緩やかになったためすっかりペースダウン。 一方、達也は、今までの遅れを取り戻そうと全力疾走。日も落ちて暗くなっている中、山道から舗装された道路へ出る。そして、降りしきる雨の中、対決の相手、アヒル隊長の動きを気にしながら一気にゴールへの道を快走する。 山口達也、町の中の道を順調に走り抜け、皆が出迎える中、河津川にかかる浜橋に見事ゴール。しかし、その出迎えたメンバーの中にはなんと、アヒル隊長をサポートしてきた松岡と長瀬の姿もあった。 実は、アヒル隊長はまだ明るい時間に河口付近の緩やかな流れにぷかぷかと身を任せ、仲間であるカモの歓迎を受けながらゴールしていたのだ。 今回の山下り対決はアヒルちゃんの勝利。しかし、大雨という悪天候の中、手の皮がふやけてしまうほどにハンドルを握り締めペダルをこぎ続けた達也は、完走した充実感にあふれていた。 山道ルート 達也 川ルート
アヒル隊長(松岡・長瀬) |
今回も大活躍しました、アヒル隊長!! 皆さんもご存知かもしれませんが、松岡くんは、このアヒル隊長のことが大好き。松岡くんは、自分とアヒル隊長は、直面するいくつもの苦難を時には助け、時には見守り、そして共に乗り越えた同士として、固い友情の絆で結ばれているようなものと言っていました。ちなみに、松岡くんの家にも、アヒル隊長がいるようです。でも、松岡くんは、アヒル隊長をお風呂にいれるようなことは決してしません。あくまでも、松岡くんの中では、冒険家のアヒル隊長なのです。 |