流れ板・松岡 vs エプロン・城島 300円でお弁当は作れるか!? 〜富山編〜

 お母さんの愛情が詰まった誰もが忘れることのできない優しい味…「お弁当」。しかし、お弁当は手間とお金がかかる意外と贅沢な味なのだ。これをちょっとでも安く味わうことはできないだろうか?

 例えば、市販されているお弁当はだいたい500円前後。これより安く作れないものか?

 そこで名乗りを挙げたのが、この男たち…流れ板・松岡、旬の味を追い求め、日本全国流れ旅、どんな材料も彼の手にかかれば飛びきりのごちそうに生まれ変わる。対するは、エプロン・城島、倹約術には長けているが、料理の腕はやや不安…。

 両者のこれまでの戦い…東京での初対決は流れ板・松岡に軍配が上がり、2度目の舞台は静岡、海と山との豊かな食材を安く選び抜き、松岡は茶そば、城島はおむすびと、共に明確なテーマで勝負にでた。結果、またしても松岡が勝利し、これで城島は2連敗。エプロン城島、このままでは終われない…。

 そして迎えた3度目の対決、今回の舞台は「富山」。日本海に望み立山連邦を背負う食材の宝庫で両者が激突!

流れ板 松岡 vs エプロン 城島 300円でお弁当は作れるか!? 〜IN富山〜

 ルールは、松岡と城島にそれぞれ予算の300円が渡され、2人はこの料金でお弁当に必要な「食材」を調達する。そして、材料を購入するとその場で調理。但し、調味料は一般家庭にあるものなら全て少量ずつ自由に使ってよい。今回使用する弁当箱は純和風タイプでサイズは高さ50mm・奥行き120mm・横250mm。そこに一品ずつおかずを増やして行き、最終的に完成したお弁当の出来栄えを競う。

 富山の名産数あるものの予算たったの300円。両者は納得のいく食材を揃え、美味しい弁当に仕上げることはできるのか?

 また、ここまで成績0勝2敗のエプロン城島、3度目の正直なるか?



 

 富山城址公園に立つ流れ板、すかさず筆をとり書き綴るのは…「光らないダッシュ」? そう、富山といえば平成8年6月13日放送の「ホタルイカでイルミネーションは作れるか!?」でDASHの文字が光らずに終わったという苦い結果を残す地。

 今回も勝利を確信している松岡だが、肝心な城島は未だ姿を現さない…。実は、城島は初勝利に向け、既に動き出していた。安い食材を求めて「富山市観光案内所」で情報収集。勝利にかける意気込みは半端ではない!

 対する松岡も車で移動、今回もやっぱりその土地ならではの食材を狙いたいところ。そこで狙うは、魚津港にこの時期水揚げされる「ホタルイカ」。あの光らなかった無念をはらすためにも、一路魚津市へ。早速1軒の鮮魚店へ入ると、新鮮な魚が所狭しと並ぶ店内で生ホタルイカを発見。値段は100g(約10パイ)80円とかなりお手頃。すると、その並びに小魚の「ハタハタ」を見つけた。こちらも100g50円とお手頃価格。そこで松岡はホタルイカを50g40円で売ってもらえないか交渉、するとバラ売りしてくれるという。こうして、ホタルイカ50g40円、ハタハタ100g50円をゲットし、残金は210円。

 続いて港をバックに料理開始。まずはハタハタをさばいてぶつ切りにし、ホタルイカと一緒にさらに細かくたたくと、それをこねてフライパンで焼き上げる。さらにお酒をかけてフタをし、中まで火を通すと、一品目の「ホタルイカ・ハタハタのハンバーグ」が完成! その味に松岡、「完璧!」と自信を覗かせる。

 そこへ、スタッフの携帯電話が鳴った。相手はどうやら城島らしい。なんと城島は、松岡側のスタッフに探りを入れていたのだ! 中々口を割らないスタッフだが、ホタルイカを使っていることだけは突き止めた。実は城島もホタルイカを狙っていたが、松岡に先を越されたため、ここで作戦変更。松岡が海の幸で行くなら、城島は山の幸…狙うは「竹の子」。

 そして城島がやってきたのは、富山市の西にある竹の子の名産地・小杉町黒川地区の竹林。まずは地元の方に竹の子を100円位で買えるお店はないか訊ねると、どこにも無いという返事。すると、その方の足元に掘りだし中の竹の子が見えた! そこで城島は竹の子ゲットの可能性にかけ作業を手伝うことに。弁当を作りに来たのでは?掘った竹の子を一輪車で運び手伝いを終えると、なんとその方に直売所を紹介してもらった。そこでお店のお母さんが出してくれたのは、掘り損いの竹の子。商品としては出せない、いわゆるキズ物だが、味は全く同じ。こうして城島、竹の子1本を通常より半額の100円でゲット! これで残金200円。

 さらに、売場の横ではちょうど竹の子を蒸し焼きにしており、お母さんに勧められ城島もやってみることに。作り方は、焚き火の中にアルミホイルで包んだ竹の子を放りこむだけ。蒸し焼きの炎に勝利を誓う城島「今度こそ…」。すると、お母さんが近くで採れた「つくし」を分けてくれた。もちろんタダ! 自然の香り漂うつくしをどう料理するのか? そして竹の子の蒸し焼きができ上がった。香り良く柔らかい竹の子、弁当への使い道も色々か?

 一方、松岡は魚津市内の新聞販売店にいた。ここで折り込みチラシを見せてもらい、安い店を探そうという作戦。そこで目をつけ向かったのは、特売のスーパー「ジャンプ」。このお店で「玉ねぎ」1コ68円と「菜の花」1束38円をゲット! これで残金99円。細かい買い物に松岡、「菜の花と玉ねぎが丁度切れちゃって…」と苦しい言い訳。2つの野菜を弁当にどう活かすのか? そしてこの日2度目の料理。茹でた菜の花を切り、ゴマとしょう油とオリーブオイルで絡め、それをボイルしたホタルイカの上にのせる。これで二品目「ホタルイカと菜の花の洋風和え」が完成!

 その頃、城島はお米屋さんにいた。お店で一番安いお米は1合55円、城島が迷わず購入すると、なんとご主人はコシヒカリを分けてくれた。こうしてコシヒカリ1合を 55円でゲット! 残金145円。そしてお米屋さんの軒先を借りて料理開始。磨いだお米に味付けした竹の子とつくしを煮汁ごと入れる。どうやら焚き込みご飯を作るようだ。これが今回の弁当の目玉となるのか? これで一品目の「竹の子とつくしの焚き込みご飯」が完成! まずはお米屋さんのご主人に味見してもらうと、ご主人絶賛!続いてお店の坊やにも食べてもらうと、大口を開けてしゃもじで頬張る無邪気な姿が、その美味しさを物語っていた。手応えを掴んだ城島は次の料理へ、塩としょう油の大胆な味付けで切った竹の子を煮込む。シンプルにして活かされる新鮮な素材。これで二品目「竹の子の土佐煮」が完成!

 一方、松岡もお米屋さんにいた。こちらもゲットしたのはコシヒカリ。米1合を56円で購入し、残金43円。続いて向かったのはお肉屋さん。わずかな残金で軒先を遠慮気味に覗く…。43円で買える肉はあるのか? 松岡の狙いは「若鶏のささみ」。これを42円分量り売りしてもらい、なぜか残金1円を残してささみゲット! ここで三品目の料理に突入。若鶏のささみと玉ねぎを炒め、酒をくわえて蒸し焼きにすると、仕上げに巧みな味付けのゴマ味噌ダレを絡め、なおも炒めて味を染み込ませる。これで三品目「ささみと玉ねぎゴマ味噌炒め」が完成!

 と、そこへ、再びスタッフの電話が鳴った。今度は松岡も黙っていられずスタッフを小突く。動きの怪しいスタッフ…またしても相手は城島だった! ささみを使っていることを知った城島「勝ったな」と、なぜか勝利を確信。

 その城島は氷見漁港の「フィッシャーマンズワーフ」にいた。まず目に飛び込んできたのは「漁師の店」と力強く書かれた看板。そこで見つけたのは「アユゴ」(稚アユ)。だが、残金145円では全く手が出ない。ここで城島は1匹から売ってもらえないか交渉すると、量り売りをしてくれるという。そこで城島は3匹注文、すると2gで6円。予想以上の安値に城島は5匹注文。こうして稚アユ5匹を10円でゲットし、残金135円。

 一方、3品を作り終えた松岡は富山の南に位置する黒部市へやってきた。お目当ては「黒部の名水」、ダムと渓谷で知られる黒部は涌き水の名所で、黒部川の扇状地から涌き出る水は特に美味しいといわれる。早速1軒のプレハブ小屋を見つけると、そこは涌き水を利用した共同の洗い場だった。中では近所の奥様方が食事の材料を水洗いしている。このような洗い場は市内各所に点在し、日本一の名水にして使用料タダ。中へ入った松岡、早速涌き水を飲んでみると「無味無臭で美味しい!」と喜びひとしお。地元の人の料理にも欠かせないこだわりの水で、先ほど買ったお米を磨ぐ。そして表で料理にとりかかった。地元の奥様方が大勢見守る中、まずは残っていたハタハタを網焼きにし、それを磨いだお米の中に出し汁と一緒に入れて焚き込む。水はもちろん黒部の名水、一味違った焚きこみご飯になりそう。

 その頃、城島は八百屋の軒先で100g200円の「ワラビ」と100g100円の「野ブキ」を発見するが、残金は135円。するとお店のお母さんが量り売りしてくれるという。そこで、ワラビ1本20円、コゴミ1本20円、フキ1本10円、山芋40g40円と細かく4種類購入し、これで残金は45円。続いて料理、まずは稚アユを唐揚げにすると、ここからエプロン城島の一工夫…トロミのタレを作り、そこにみじん切りにした山菜を加える。そして、そのタレを稚アユの天ぷらにかけると、三品目「稚アユの山菜あんかけ」が完成! さらに、山芋をすり山菜と和えると、四品目「とろろ山菜」が完成!城島、この自信の一品に勝利を確信!

 一方、松岡は焚き込みご飯ができるまでの間、おかず作りにとりかかる。残った菜の花を茹で水気を切ると、塩をまぶして布に包み、上から重石をのせて塩漬けに。1時間が経ち、塩漬けした菜の花の味を見る。塩気を水で落として絞ると、ずっと見守っていた奥様方に配って味見してもらう。すると「美味しい」と大絶賛! これには松岡、得意気の表情! さらに残りのホタルイカを煮込んで味付け。いったい何ができるのか?

 その頃、城島は残金45円を手にイチかバチかで五箇山へやってきた。狙うは「豆腐」、合掌作りで知られる五箇山は昔ながらの豆腐の産地。早速1軒の豆腐屋さんで伝統の逸品を見せてもらうと、身の締まった美味しそうな豆腐がでてきた。だが、気になる値段は1丁650円、これではとても手が出ない。ここで城島は全財産が45円しかないことを打ち明けると、ご主人は「たくさん持っておられるね」と、皮肉まじりに笑ってある物を出してくれた。それは「おから」。しかも、おからはサービス品なので、ビニール代だけでいいという。城島はおからを1袋10円でゲットし、これで残金は35円。足を延ばした甲斐があった!


 そして豆腐屋さんの軒先で料理開始。おからと山芋をこねてフライパンで焼き、慣れた手つきでひっくり返すと、丁度良い焦げ目ができた。そこに、またも一工夫加えたゴマ味噌を塗る。そして仕上げはお酒をかけてフランべ。燃えあがる炎を冷静に対処する城島だが、実はかけたお酒はフライパンではなく、ガスコンロにこぼれ引火しただけだった! それでも満足の出来あがりで五品目「おからの味噌ステーキ」完成! こうしてエプロン城島の弁当が完成!

 一方、ご飯の焚きあがりを待っていた松岡、炊飯器を開けると見た目からも美味しそうな湯気があがった。そして味見…松岡その味に納得! そして一緒に焚いたハタハタの身を混ぜ合わせ弁当箱に盛ると、さらにその上にハタハタを丸ごと2匹のせ、先ほどのホタルイカの煮付けものせた。そして奥様方に好評だった菜の花の漬物ものせると、周囲の拍手の中、ついに松岡の弁当も完成!

 松岡は終始こだわっていたホタルイカをあらゆる形で使い、彩りに菜の花、ボリュームのささみ、そして水にまでこだわったハタハタの焚き込みご飯で、富山の魅力満載の弁当に仕上げた。流れ板松岡作「ホタルイカ弁当」(299円)。

 一方、海の幸の松岡に対抗し、城島は竹の子、稚アユ、山菜と、山の幸にこだわったうえ、焚き込みご飯などこれまでとはひと味もふた味も違う技を見せつけた。エプロン城島作「山の幸弁当」(265円)、こちらも富山の味がギッシリ!

 こうして出来た両者のお弁当、美味しいのはどっち? 判定はスタジオで…

 今回、試食係のゲストに優香さんが登場! 両者の弁当を見て一言…「300円に見えない!」と信じられない様子。まず最初に手をつけたのは、城島の「稚アユの山菜あんかけ」。その味に「美味しい!」と絶賛! 続いて松岡の「ホタルイカと菜の花の洋風和え」を一口…しかし反応がない? しばらく考えた優香さん、「ホタルの味しないですね」と一言、すると「ホタルの味じゃなくてイカの味だろ!」と、全員のツッコミが入る!

 そして判定が出るまで全員で試食。両者の弁当に全員「ウメー」の連発!

 いよいよ判定、優香さんが美味しかった弁当は…流れ板・松岡作「ホタルイカ弁当」だった! これで流れ板は3連勝。またしても敗れた城島、ただ呆気にとられるだけだった…。

DASHサブ出し隊出動!! 生放送に間に合うか!?

 テレビ番組技術会社「六峯(ろっぽう)テレビ」、ここにメディアの一端を担うプロたちがいる。タフで頼れる六峯のエース、カメラマンの山口達也、通称グッさん。臨場感ある音にこだわる音声の国分太一、通称ター坊。そして、ロケから編集まで何でもこなすベテランVE(ビデオエンジニア)の城島茂、通称・茂さん。

 今回、仕事を依頼してきたのは長野県の「テレビ信州」。仕事内容は、なんと生放送番組で使われるVTRの制作。生放送…それはミスも遅れも許されない。無駄なくしっかり撮影されたテープを迅速にスタジオへ運搬。そして放送の時間に合わせてスピーディーに編集し、サブ出しVTRとなる。それはまさに、1分1秒を争う戦場!

 颯爽と車に乗り込んだ3人はテレビ信州のある長野へ急行! 果たしてどうなる? 六峯テレビ、生放送の戦場へ…

DASHサブ出し隊出動!! 生放送に間に合うか!?

 午前9時30分、今日の現場となる長野市の「テレビ信州」に到着した3人、早速、技術打ち合わせ(通称 技打ち)に入り担当ディレクターの篠原和弘さんから仕事内容が伝えられる。

 今回担当する番組は、月曜〜金曜の午後4時30分から放送中の「ゆうがたget!」。地域密着の生活情報を紹介する1時間の生放送番組。その中で六峯テレビが受け持つのは、この日から始まる新コーナー「撮れたて!おめでたget!」。産まれたての元気なあかちゃんと家族を紹介する企画で、そのVTR作りが3人に課せられた任務。しかも、今日産まれたばかりのあかちゃんを撮影し、その日に放送するというのだ!

 質問をする太一「その、産みたて…get!は…」と言った瞬間、篠原ディレクターから「おめでたget!な!」とすかさずツッコミが入る!

 達也は「あかちゃんの表情・家族と対面の瞬間」を捕え、太一は「産声・家族の喜びの声」を拾い、そして城島がその取材テープを編集。取材・録画されたテープは、わかりやすく伝えるために「編集」という作業がされる。このため、常に現場は一刻を争う戦場となるのである。そして、放送中に出される、この編集されたVTRこそが「サブ出し」と呼ばれ、まさにサブ出し隊の真価が問われる仕事となる。

 六峯テレビが制作したVTRが放送されるのは17時17分。さらに、そのVTRは2分以内にまとめなければならない。放送時間に遅れるようなことがあれば、コーナー毎カットされてしまうだけでなく、番組全体にも影響してしまう。

 緊張の3人、そうこうしている間にも、刻一刻と時間は過ぎて行く。1秒でも無駄にはできない!

 果たして、タイムリミットに間に合うのか?


 生放送に向け仕事がはじまった。達也と太一は産まれたてのあかちゃんをカメラに収めるべく出動! 城島は局内の編集室でスタンバイし、撮影したテープを待つことに。

 長野市内の取材にまわれそうな範囲で、総合病院・産婦人科は25軒あるが、達也と太一は生放送までに出産に遭遇できるのか?

 一方、城島は篠原ディレクターに案内され、サブ出し用のVTRを仕上げる編集室へやってきた。城島は数々の機械を前に硬直状態…大丈夫なのか? いつ届くか分からない編集テープ、それを編集する城島。

 その頃、長野市内を移動中の達也と太一の元に電話が入った。それは、テレビ信州のスタッフから1軒の産婦人科院で陣痛がはじまったという情報。取材協力の連絡があったのは、テレビ信州から東へ5km離れた村井産婦人科。早速向かう2人、果たして間に合うのか?

 一方、編集室で待つ城島、担当コーナーの冒頭VTRを予め見ておこうと思ったが、いくつもある再生機の中でどれをどう使っていいのか分からない。イチかバチかでテープを入れてみると、画面に映った! VTRをチェックする城島、その冒頭VTRに続いて城島の編集するVTRが放送される。さらにテレビ画面の前に置かれた編集機に目が止まった。編集機で取材したテープの中から必要なシーンを選択し、それを放送用の編集テープに順序良く録画していくのが城島の仕事。キチンとプランを立てることが迅速な編集のコツ。

 そして達也と太一はAM10:10、村井産婦人科に到着。看護婦さんに案内され分娩室を覗いてみると陣痛の真っ最中! そこには痛がるお母さんと手を握って励ますお父さんの姿があった。案内される2人であったが、ひとまず部屋の外で待つことに。そこへお父さんが出てきた。取材協力してくれるお父さんに挨拶し、2人はイスに座って再び待つ。そこで交わす2人の会話…将来自分の子供が産まれる時に立ち会うか立ち会わないかを真剣に議論!

 その頃、城島は取材テープが待ち遠しいのか、テレビ信州の入り口をウロウロしていた。時刻はAM10:40、放送まで残り6時間30分。編集に費やせる時間がどんどん短くなる。

 一方、産婦人科の達也と太一はお父さんのそばであかちゃんの誕生をじっと待つ。すると看護婦さんにどの状態で撮影したいのかを聞かれ、達也が「産まれたてに近い方が…」と答えると、太一は「野生で」との返事、これには看護婦さんも笑ってしまった! 早く元気な産声が聞きたいお父さんは落ち着かない様子。その姿もカメラに収めさせてもらう。そこへ、看護婦さんからもうすぐ産まれるとの知らせが入った! 達也と太一に緊張が走る。2人は分娩室のドアの前で準備し、運命の時を待つ。すると太一のマイクがあかちゃんの泣き声を捕えた! どうやら無事に産まれたようだ! そしてAM11:05、いよいよ中へ入ってあかちゃんの姿を撮影。そこには、ベッドに横たわるお母さんに抱えられたあかちゃんの姿があった! 達也のカメラが産まれたてのあかちゃんの姿を捕える。

 その頃、編集室の城島にも無事出産したとの連絡が入った。すると、「えっ?」と驚く城島、安心と同時に編集への心配が交錯する微妙な反応。

 一方、産婦人科での撮影は依然続く。だが、そのテープを届け編集するという作業がある。生放送まで残り6時間をきった。時間を考えここで撮影を切り上げることに。しかし、あかちゃんとお父さんの初対面シーンを忘れていた! 部屋の外から窓越しにあかちゃんを見つめるお父さん、その姿を捕える達也と太一。と、その時、ベッドに横たわるお母さんが3人の後ろを通って運ばれて行った! それに気づいたのは太一のみ。それを後から伝えると、お父さんはただビックリ!

 こうしてAM11:45、無事撮影終了! 2人が機材を車へ運ぶと、城島から連絡が入った。それは、城島が思いついた撮影シーンのリクエストだった。1つ目は「子供のイメージカット」、お母さんと子供が遊んでいるシーンの撮影。2つ目は「病院の外観」。それを受けた達也と太一「そんなの先言えよな!」と不満ぎみ。そして要望通りのシーンを撮影すると、スタッフから「あと5分くらいでもう1人産まれそう」との情報が舞い込んだ! 驚く達也と太一。

 その連絡は編集室の城島の元にも入った。すると城島、ただ苦笑い…。仕事が増え、残り時間は減る。肝心のテープはまだ来ない。時刻はPM0:08、生放送まであと4時間30分。

 再び分娩室へやってきた達也と太一、中へ案内されると、既にあかちゃんは産まれ、喜ぶ両親の姿があった。村井産婦人科はこの日2人目のあかちゃん誕生。ベッドに横たわるあかちゃんとお母さんの姿、そして初めて子供を抱くお父さんの姿もしっかりと撮影。生放送まで4時間をきり、撮影を終えた達也と太一は取材テープを持って城島が待つテレビ信州へ戻る。

 すると、移動中の車内に再びテレビ信州のスタッフから連絡が入った。それは、また新たにあかちゃんが誕生しそうだとの情報。取材協力の連絡があったのは、テレビ信州から北へ5km離れた吉田病院。そこで2人はひとまず戻って城島に取材テープを渡し、そこから吉田病院を目指すことに。

 そして達也と太一はPM1:10、テレビ信州に到着。待ちくたびれた城島の元へテープが届けられると早速チェック。この映像から城島はどんな編集プランを立てるのか? 篠原ディレクターは達也の映像に満足の様子。達也と太一も一緒にながめるが、のんびりしている時間はない。この日3人目となる吉田病院へ急行!

 番組開始まで残り3時間となり、いよいよ城島の仕事がはじまった! まずはテープの映像の中から選び出したいシーンのタイムをチェック。すると城島の目が止まった。いったい何が…? なんとテープに映っている看護婦さんをチェックしてた! 時間のない時にそんなことしてる場合か?

 一方、達也と太一は吉田病院に到着。部屋へ向かうと、既にあかちゃんが産まれていた。お母さんとあかちゃんの姿をしっかり撮影。ここで太一がお父さんはどうしたのか訊ねてみると、仕事先から向かっているそうだが、出産シーンには間に合わなかった。そこへ、おばあちゃんが到着した。おばあちゃんとの3ショットもキッチリ捕える。

 その頃、テレビ信州では司会者を含めての打ち合わせがはじまり、そこに城島も参加。「おめでたget!」のコーナーは映像が間に合わない恐れもあるとの説明があると、「大丈夫です!」と言いきる城島だが、やや自信なさそう…。そしてすぐに編集室へ戻り作業再開。時刻はPM1:45、生放送まで3時間を切った。コーナータイトルに続けてあかちゃんや子供のイメージシーンを入れ、編集テープに選んだ映像を組み立てて行く。

 一方、達也と太一はあかちゃんの撮影を終え、吉田病院の外観を撮影すると全ての撮影が終了。残り時間を考えテレビ信州へ急ぐ。

 その頃、編集中の城島は考えこんでしまった! 肝心の作業はストップのまま。生放送まであと2時間30分。城島はどの映像をメインに組み立てていけば良いのか分からない。

 それでも何とか1人目のあかちゃんの編集を終えると、ここで途中経過を篠原ディレクターがチェック。城島は2分のVTRにあかちゃん3人分の紹介を入れることを考え、子供のイメージ部分をカットした。時刻はPM2:40、生放送まで2時間を切ってしまった。さらにディレクターからあおられ、城島は急いで作業にとりかかる。

 そして番組開始まで残り45分となり、スタジオでは司会者のリハーサルがはじまった。

 一方、達也と太一が最後のテープを持って帰ってきた。2人が見守る中、城島は2人目のあかちゃんの編集中。ところが、2分のVTRのハズだが、既に3秒もオーバーしてしまった! 生放送に時間オーバーは許されない。2人目の映像はあかちゃんが泣いているシーンで終わりにしようと決めた城島だが、その後に続くお父さんがあかちゃんを抱っこするシーンは他のあかちゃんには無いため、どうしても使いたいところ。そこで時間の問題はひとまず置き、お父さんが抱っこする映像を入れることにした。

 そして3人目のあかちゃんの編集も終え、一応作業は終了したが、2分VTRが現時点で2分26秒と大幅にオーバーしてしまった! あとは2分に収まるようにシーンを削らなければならないが、城島はどのシーンをカットしたら良いのか分からない。生放送まで残り20分、ここで篠原ディレクターに相談すると、映像が良ければ尺(長さ)は関係ないという。ディレクターの指示は、今まで病院外観の映像は使っていなかったが、2つの病院をまわっているのだからそれが分かるように外観のシーンを入れること。さらに、3人目のあかちゃんはお母さんとの2ショットしか使われていないが、それだけでは淋しく見えるため、おばあちゃんが入った3ショットのシーンも使うこと。短くするつもりでいた城島だったが、さらに追加が出てしまった。しかし、ここで2分30秒まで長くなっても良いとの判断がでた!

 生放送まで残り10分、城島の編集は間に合うのか?

 そして、城島の作業が終わらないままPM4:30を迎え、ついに番組の本番がはじまった! 焦る城島が生放送の映像に目をやると、番組冒頭で「おめでたget!」のコーナー紹介が行われていた。城島にプレッシャーがふりかかる。担当コーナー開始まで残り43分、時間が刻々と迫る中、編集作業は続く。

 コーナー開始まで残り8分となり、城島の編集は最後の1カットを残すのみ。そして、ついにサブ出しVTRが完成! ここで城島はミスがなかったか再チェック。そして問題ないことを確認し、いよいよこのVTRが再生される副調整室へと運ぶ。ところが大問題が発生! 副調整室がどこだか分からない…。

 そしてようやく到着し、残り3分でVTRがディレクターの手に渡った! 続いてスタッフが急いでサブ出しのセットを終えると準備完了! と同時に番組は「撮れたて!おめでたget!」のコーナー紹介に入り、VTRの前に一旦CMに入った。ホッとするスタッフと達也・太一だが、城島だけは状況が理解できておらず、どうしてVTRが流れないのか分からない…?

 ここで、3人は仕事の成果をテレビの前で確認するため移動。そして、ついに放送がはじまった! 司会者のナレーションに合わせてVTRが紹介され、映像には登場する家族の名前がキチンとテロップで紹介されている。

 VTRはまず1組目、村井産婦人科の病院外観にはじまり、運命の瞬間を待つお父さん、そして無事出産しベッドに横たわるお母さんとあかちゃんの姿。3,160gの男の子と紹介され、あかちゃんのアップが映った。さらにお父さんとの初対面、病室で過ごす家族団らんのひと時が紹介された。続いて2組目、ちょうど出産後の記念撮影をしていた家族の姿にはじまり、あかちゃんは2,460gの女の子と紹介され、お母さんの横で元気に泣く姿とお父さんに抱っこされるシーンが紹介された。さらに3組目は病院が変わり、吉田病院の外観、お母さんの横であくびする2,820gの女の子のあかちゃんが紹介され、さらにおばあちゃんとの対面、最後はあかちゃんが元気に泣く姿でVTR終了!

 VTRを終えスタジオでは、なんとゲストの女性が感激して思わず涙ぐんだ。それを見た城島・達也・太一は拍手して喜んだ! そして気になる仕事の証し、番組の最後に流れるエンドロール、果たして自分たちの名前はでるのか…? すると、「六峯テレビ」の名前がでた! これにも3人大喜び!

 緊張、喜び、充実感の1日を終えた3人、六峯テレビの戦いはまだまだ続く…