流れ板・松岡 vs エプロン・城島 千円で懐石御膳は作れるか!? 〜大阪編〜

 「現在市販されているお弁当は500円前後、これより安く作れないものか?」これに名乗りをあげ、過去3度の戦いを繰り広げてきた、流れ板・松岡とエプロン・城島、いよいよ日本一の食の都、「大阪」に乗り込んでの対決!

 そして今回の試食係に、浪速の街に味の華を咲かせる料理人、神田川俊郎が登場! 松岡と城島が目指すのは、神田川の作る「懐石御膳20,000円」に倣い、「予算1,000円」で懐石御膳を作らなくてはならない! さらに、神田川から厳しい注文が…料理の各メニューには「牛肉」「鶏肉」「海老」「ハモ」「カボチャ」、これら5つの食材を使うこと! 果たして…

流れ板 松岡 vs エプロン 城島 1,000円で懐石御膳は作れるか!?

 過去の対決ではいずれも敗北を喫した城島だが、なんと今回は強力な助っ人を率いて現われた! その人物とは…女優の東ちづるさん。芸能界きっての腕前を持つ彼女は味と工夫の本格派。そのちづる姉さんの地元は大阪。味にうるさい関西人の味覚も、安くて美味しい食材を手に入れる術も知り尽くしているはず。ここまで破竹の3連勝を遂げてきた流れ板に最大の危機が迫る!

 最終的にそれぞれ完成した懐石御膳を手に神田川さんのお店へと向かい、そこでプロの判定が下される。予算1,000円で味はもちろんのこと、懐石料理店に出しても通用する豪華さが要求される!

 火花散る両者、4度目の対決を制するのは、負け知らずの流れ板か? それとも、強力助っ人を率いたエプロン城島か?

 道頓堀の戎橋に集った流れ板・松岡とエプロン城島&ちづる姉さん、食材探しスタート!

 流れ板、まずは道頓堀で情報を集め、黒門市場が安いとの情報をキャッチ! 大阪の台所「黒門市場」には肉・魚・野菜、そして珍味まで何でも揃う。早速、鶏肉専門店へ向かうと、いきなりお店のお母さんに「長瀬くんでしょ?」と間違えられた! だが松岡は否定せず、長瀬で通す。ここで「鶏むね肉」150gを150円でゲットし、残金850円。

 一方、大阪に詳しいエプロン城島とちづる姉さん、安い食材を求めて「天満市場」へやってきた。ここは地元客で賑わい、並ぶ食材すべてが卸値! まずはお肉屋さんで超激安の「鶏もも肉」3切を65円でゲット! 次に「牛肉スライス」100g159円でゲット! 牛・鶏と揃えて残金776円。さらに、ちづる姉さんは「豚の背脂」と「牛脂」を注文。牛脂とは牛の脂肪でヘットとも呼ばれ、豚の背脂は豚の背にある脂肪のこと。これらは料理のコクを出す秘密兵器で、お店によっては無料でもらえる。ここで「豚背脂」と「牛脂」をタダでゲット!

 その頃、黒門市場の松岡は「カボチャ」狙い。見つけた八百屋では4分の1切れが180円。さらに「ししとう」2本(20円)に「しいたけ」1本(10円)、そして「玉ねぎ」1コ(20円)と事細かに注文。するとご主人、「なんと…」と困り果てた様子だが、それでも快くバラ売りしてくれ、占めて230円でゲット! これで残金620円。

 一方、天満市場の城島とちづる姉さんも八百屋へ向かった。すると、カボチャ一切れがなんと50円! その安さに驚く城島だが、実はキズモノだったため、売れるところだけを切った物だという。それでも充分美味しくいただける「カボチャ」を50円でゲットし、さらに「ごぼう」1本10円、「大葉」10枚30円、「にんにく」1コ20円、「レモン」1コ60円、「パセリ」1本10円、「玉子」3コ36円と一気に7品ゲットし、残金は560円。

 その頃、松岡は早くも料理にとりかかった。若鳥のむね肉を厚めに切って網にかけ、タレをつけながら焼いていく。しいたけとししとうも網焼きにし、塩で味付け。これで松岡の一品目「鶏むね肉たれ焼き柚胡椒添え」が完成!

  一方、城島とちづる姉さんも天満市場の一角で料理開始。まずはちづる姉さんの指示で、城島が鶏のもも肉にニンニクスライスを挟む。ちづる姉さんに主導権を握られお手伝いと化した城島、さらに塩・コショウ・お酢をかける。それを予熱したオーブンに入れ、焼き色がつくまで焼く。その間に次の料理にとりかかる。城島が牛脂を使ってゴボウを炒め、そこに牛肉をくわえてさらに炒める。城島の手際の悪さに、ちづる姉さんから「強火で美味しそうに炒めてよ!」と喝が入った! そこへみりん醤油のタレをかけ、白ゴマをかけると、一品目「牛肉とごぼうの炒め煮」が完成! そして、先ほどのオーブンから焼き色のついた鶏肉をとりだし、パセリをふりかけると、ニンニクの香りとお酢の利いた二品目「鶏もも肉のレモン挟み」が完成!

 その頃、松岡はカボチャ料理にとりかかっていた。切ったカボチャをせいろで蒸し、そのまま20分待つ。そして蒸しあがったカボチャの皮をとり、裏ごしをして、塩と砂糖を加えて丁寧に練る。それを梅の形の型で抜き、形を崩さぬように慎重に押し出すと、葉の上に色鮮やかに咲いた梅の花が出来上がり、これで二品目「花形練り南瓜」が完成し、いっそう懐石料理らしくなってきた!

 一方、城島とちづる姉さんもカボチャ料理に入った。切ったカボチャをラップにくるみ、それを城島が八百屋さんで電子レンジを借りて温める。そして戻ってくると、なぜかアイスクリームを食べている? ちづる姉さんが問い詰めると、実は、カボチャをレンジにかけている間、大事な残金を預かる城島は、通常100円のアイスが94円と安かったため、つい買ってしまったのだ! そんな城島をよそに、ちづる姉さんの料理が続く。レンジで柔らかくなったカボチャをつぶし、塩・コショウ・さらにマヨネーズをくわえまろやかにすると、小さな俵型に仕上げる。その表面に白ゴマと黒ゴマ、それぞれまぶした2種類を作り、これをバター焼きにする。これで三品目の「南瓜の胡麻衣揚げ」が完成。

 その頃、二品を作り終えた松岡は、必須食材のハモ探し。魚屋さんで値段を聞くと、310gで約1,500円…これは手が出ない! そこへ、パック入りの切り身を発見するが、それでも300円と高め。ここで松岡、散々お店を褒めちぎって値下げ交渉にでるが、ご主人も断固として譲らない。結局、ご主人に軍配が上がり、松岡はハモ1パックを「300円」でゲット。残金は320円。次に探す食材は玉子。鶏肉店へ行くと、ズラッと値段毎にバラ売りされている。松岡は一番安くて小さい「地玉子」1コ25円でゲット。これで残金295円。

  続いて料理にとりかかる。ハモを生のまま串に刺して網で焼く。ハモをはじめて扱う松岡、どう仕上げるのか? 火が通ったところで玉子の黄身を塗り、これをさらに焼く。さらに白ごまをすり潰し、味噌をくわえて流れ板お得意のごま味噌を作ると、これを別のハモに塗って焼き上げる。玉子、ごま味噌、そして塩焼き、これに薬味をのせて、三品目「鱧の三色焼き」が完成。

 一方、城島とちづる姉さんもハモを探すが、丸々1匹は高そう…。すると、欲しい分だけ切り売りしてくれるという。「ハモの切り身」160円分をゲットし、残金は306円。そして料理、こちらはハモを茹でるだけ。ハモの白に赤い梅のペーストをのせ、シンプルに素材を活かした四品目「鱧梅肉添え」が完成。

 その頃、松岡はお米探し。バラ売りしてくれるお米屋さんで「米」1合55円でゲット。残金240円。

 対する城島とちづる姉さんもお米を探していた。すると前方に「食べたい分だけお気軽に!新しいスタイルの米屋」と書かれた看板を発見。入ってみると、一番安いお米1合36円からバラ売りしてくれるという。城島がオススメのお米の値段を聞いてみると1合59円とそれでも安い! そこでチョット奮発してオススメの「米」1合59円でゲット! このお店では籾米をその場で精米してくれ、それを手にした2人、その温もりに感激。続いてパン屋へ入り、「フランスパン」1切10円をゲット! これで残金237円。

 一方、松岡が次に狙うは「海老」。魚屋さんへ入るとお買い得の海老を発見! これを3匹105円でゲットし、残金135円。続いて料理にとりかかる。みじん切りの玉ねぎを炒め、豆板醤とケチャップで和える。そこに酒、酢、溶いた片栗粉をくわえてチリソースが完成。そして塩、コショウ、しょう油で下味をつけた海老を炒め、火が通ったらチリソースをからめる。これで四品目の「海老チリソース風味」が完成。

 その頃、大阪に詳しい城島とちづる姉さんは天満市場を離れ、最後の食材「海老」を求めて泉佐野市佐野漁港の「青空市場」へやってきた。ここは近海物がズラリと揃う。そこで見つけたのは高級食材の「車えび」、1匹なんと80円! 2人は迷わず購入し、残金157円。さらに「小えび」を見つけるが、カゴ売りしかしていないという。そこで、倹約術に長けた城島が得意の作戦に出た! 横で小えびを見ている2人の主婦に声をかけ、共同で買わないかと持ちかけた。そこで、4人がかりで値引き交渉! すると1カゴ600円のところ、300円まで下げてもらった。2人の主婦と欲しい分だけ分け合い、城島とちづる姉さんは「小えび」適量を50円でゲット。これで残金107円。

  続いて果物屋さんを見つけると、残金106円を手に目をつけたのは、「さくらんぼ」。1パック1,000円の商品をバラ売りしてもらい、4粒105円でゲット! これで残金は2円。

 一方、松岡は最後の必須食材「牛肉」を求めて安いお店を探していると、「鶴橋」が安いとの情報をキャッチ! そこで松岡は焼肉やホルモンのお店が多い鶴橋へ向かった。しかし、残金135円、果たして手に入るのか? そして1軒のお肉屋さんへ入ると、豊富な品数の中から100g120円の「和牛肩肉」を発見! 迷わず購入し、残金15円で買い物終了。

 その頃、城島とちづる姉さんも買い物を終え、港で最後の料理にとりかかっていた。ちづる姉さんは小えびをきざみ、隠し味に豚の背脂をくわえてダンゴ状に練る。そして玉子から白身を分けて、ダンゴに片栗粉をまぶし白身をからめる。さらに、衣にフランスパンをまぶして油で揚げる。これで背油のコクも効いたボリュームの一品が出来上がり! 五品目は「小えびのカリカリ揚げ」。

 一方、松岡は牛肉料理にとりかかる。ショウガをすりおろしたしょう油ダレを用意し、細切れにした牛肉を炒め、そこにタレをくわえ弱火で煮詰めていく。焚きあがった御飯は懐石らしく型に入れ、その上に煮詰めた牛肉をのせると「牛肉の時雨煮御飯」ができあがり、これで流れ板・松岡の懐石御膳が完成。

 城島とちづる姉さんも大詰め! 昆布を入れて硬めに焚いた御飯を、手早く冷ましながら酢飯にする。続いて具にはボイルした車えびと、残りの黄身で作った炒り玉子、さらに残りのハモ一切れをタレで焼くと、それぞれの具をラップにのせ、酢飯と共に丸める。すると、色鮮やかな5つの「手まり寿司」ができあがり、これで城島とちづる姉さんの懐石御膳も完成。

 東ちづる・エプロン城島 作「手まり寿司御膳」(999円)。「牛肉とごぼうの炒め煮」「鶏もも肉のレモン挟み」「南瓜の胡麻衣揚げ」「鱧梅肉添え」「さくらんぼ」「小えびのカリカリ揚げ」「手まり寿司」、ちづる姉さんとお手伝い城島による合計6品の懐石弁当。

 流れ板・松岡 作「こだわり懐石御膳」(985円)。「鶏むね肉たれ焼き柚胡椒添え」「花形練り南瓜」「鱧の三色焼き」「海老チリソース風味」「牛肉の時雨煮御飯」、こちらは計5品からなる流れ板・松岡、技の集大成。

 そして、運命の試食がやってきた! それぞれ作った懐石御膳を手に、神田川先生のお店へと向かった。先生まずは松岡の「こだわり懐石御膳」の出来栄えをチェック。必須の5品目を上手に使い、ハモに3色の彩りをつけたアイデアを絶賛! 続いてちづる姉さんの「手まり寿司御膳」。すると、松岡よりも手のこんだ出来栄えと評価したが、やはり味を見てみないと分からない。

 まずは松岡の「鶏むね肉たれ焼き柚胡椒添え」を試食。すると「焼きすぎ」と厳しいコメント。次いで「海老チリソース風味」は火の通り具合もちょうど良いと絶賛。「牛肉の時雨煮御飯」はちょっと辛めだが、御飯に合ってちょうど良いとの評価だった。続いて、ちづる姉さんの「牛肉とごぼうの炒め煮」、先生は見るなり「安いお肉やろな」と見た目でばれた。だが、固すぎず、ゴマの風味が効いて美味しく、お店にも出せると評価。そして「南瓜の胡麻衣揚げ」、これも先生のお店で出せると絶賛。そして口へ運んだその時、先生は柔らかさのあまりこぼしてしまった。

 いよいよ判定の時。神田川先生が選んだのは…エプロン城島とちづる姉さんの懐石御膳だった! 勝因は手間ひまと愛情をかけており、何より味がうまいということ。対する松岡の懐石御膳は、「シンプルだが、これからもっと勉強して味の味をだせるよう頑張ってください」と有り難いお言葉をいただいた。

 こうして、食の都・大阪での対決は、強力助っ人を率いたエプロン城島に初の軍配があがった! ロケ終了後、はじめて敗れた松岡は車の中で一言…「悔しい!」。流れ板は再起をかけ、早くも燃えている。

 今回、色鮮やかな手まり寿司を披露してくれたちづる姉さん。実はこの一品、城島のちょっとしたミスから生まれたもの。本当は押し寿司を作ろうとしたのだが、エビを城島に任せたところ、普通はお腹から開くはずが、背中のところを開いてしまった! しかも、まっすぐに茹で上げるはずが、丸まってしまった。だが、そこはちづる姉さんのアイデアで、そのエビを2つに切って手まり寿司に。結果的には、その失敗が功を奏したカタチとなった!

 対する流れ板にもハプニングが起こった。お米をいつも通り炊いたはずの松岡だったが、なんと出来上がりが固い! 実は、お米屋のお母さんがサービスで1.5合ほど入れてくれていたのだ。しかし、そこは流れ板、お酒と水をたして2度炊きすると、より美味しく出来上がった!

日本の梅雨 雨に降られずにどこまで行けるか!?

 今からおよそ2ヶ月前、ニュースで関東地方の梅雨入りが発表された。そう、夏の前にやってくるのが、「梅雨」。今年の関東地方は6月9日に梅雨入りし、7月17日に明けた。そもそも梅雨とは、チベットの山脈で分かれたジェット気流が、低温多湿なオホーツク海高気圧と高温多湿な太平洋高気圧とに変化。そこに南西季節風が流れ込み、南から押し上げることで2つの気団の境目にできた雨雲が、長雨の前線として南から北へ移動する。これは東アジア特有の現象。

 そんな雨雲に挑み、日本列島を舞台に壮大な逃走劇が密かに行なわれていた。

雨に濡れずにどこまで行けるか!?

 今回挑むのは城島・松岡・長瀬。さらに、おなじみ気象予報士の木原 実さんも参加し、「松岡・長瀬チーム」と「城島・木原チーム」に分かれての実験。ルールは東京都千代田区の日本テレビをスタートし、雨を避けながら日本列島を奔走! DASH特製の濡れたら色が変わる帽子をかぶり、オープンカーでひたすら雨から逃げ続ける。しかし、雨に追いつかれ、帽子の色が完全に変化したらアウト。その地点までの直線距離で勝負が決まる。

 パソコンを駆使して天気をよむのは、プロの木原と城島。「気象衛星ひまわり」「海洋気象観測船」「気象レーダー」などの天気に関するデータが、陸海空から気象庁へ集められ、それがテレビ・ラジオ・インターネットなど、全国各メディアへ配信される。

 対する松岡と長瀬、2人の頼もしい味方は「ヤギ」。畜産大辞典によると、「ヤギが鳴けば雨が降る」と明記されている。ヤギは元々乾燥する高地に生息していた動物で、雨の気配を敏感に感じて、鳴いて知らせるという。2人はヤギの「八木橋くん」(2ヶ月・オス)をメンバーに従え、雨雲から逃げる作戦。

 しかし、ここで問題発生! この日の東京は快晴だった! 現在、日本テレビ前の気温31.9℃、湿度69.3℃。今回のロケはお蔵入り(ロケが成功せずに放送されない企画)になるのでは?との不安が飛び交う。

 今回のロケは雨に降られず楽勝に終わるのか? それとも…


 午前10時、いよいよスタート! 松岡と長瀬はオープンカーに八木橋くんを乗せて日本テレビを出発。八木橋くんは本当に雨を察知できるのか? まずは都心から高速道路に乗り、長瀬のカンで東北道方面を目指す。ヤギが鳴くと雨が降るが、松岡は「猫が顔を洗うと雨が降る」と豆知識を披露。すると長瀬、「豚の耳に真珠とかね…」と、意味も文章も間違ったことわざで返す。

 対する木原と城島だが、木原はなぜか城島を連れて日本テレビ内へと消えた。そして向かった先は気象情報センター。ここで事前に情報を得る作戦のようだ。気象衛星ひまわりの映像を見ると、現在の快晴とは打って変わって、西から次第に湿った空気が流れ込んでいた! 西は避けるべきと判断し、こちらも北を目指す。さらに気象レーダー(雨の強さや分布を観測するシステム)で細かく見ると、関東北部に雨雲が見えるが、向かう頃にはなくなっているだろうと予測。

 こうしてこちらも出発。すると、木原が前方に「雄大積雲(入道雲)」(雷雨のもとになる積乱雲の前身)を発見。早くも雨の兆しか? 首都高速の飯田橋インターへ入ると、料金所でも情報収集。すると、東北道方面は雨が降っているというが、木原はこのあと北は晴れるとにらんで、こちらも東北道方面へ。

 一方、松岡と長瀬は東北道手前の埼玉県八潮市までやってきた。すると、八木橋くんが鳴いた! 前方は雨雲か? 2人は八木橋くんを信じ、首都高速を下りて一時待機。食事を与えながら、「八木橋くん頼むよ〜」とハッパをかける。

 その頃、城島と木原にも不安が…。前方の雲が徐々に発達しており、現在、その怪しげな雲に向かって走ってしまっている。だが、雲はおよそ20km先にあるため、ここは様子を見ることに。

 一方、再び走り出した松岡と長瀬、快晴の天気にシャツを脱ぎ、いきなり「河口湖行こうか!」と切りだした。2人は進路を西へ変え、中央道方面を目指す。北へ向かっていた先ほどは鳴いた八木橋くんだが、今度は鳴く気配なし!

 ちなみに、両チーム出発後の日本テレビ上空は、午前10時、快晴だった空に西からの雲が増えはじめ、正午には東からも厚い雲が覆ってきた。やはり変わりやすい梅雨の空。「晴れ」マークだった天気予報も、午後には「晴れのち曇り」に変わり、南関東・北関東ともににわか雨や雷雨になるとの予報。

  そして、松岡と長瀬は西を目指して中央道を走行中。東京都調布市に入り、日本テレビからの直線距離はここまで27km。次第に雲に日陰がさし、前方に大型の雲が見えてきた。雨雲に発達しないかと不安な松岡。

 一方、北へ進路をとる城島と木原、こちらは埼玉県鳩ヶ谷市を走行し、ここまでの直線距離は30km。行く先々には次第に雲が出はじめ、しかも規模が大きくなってきた。ここで2人は蓮田サービスエリアで一時待機。パソコンで現時点の気象データをチェックすると、現在地からさらに北には大きな雨雲がそびえ、このまま急いで進むと雨雲にぶつかってしまう! この先は山に入るが、湿った空気は山にぶつかり雨雲を作る。そのため梅雨どきの山の斜面付近は雨が降りやすくなるのだ。そこで2人は栃木県まで進み、山の手前で一般道へ下りる作戦をとった。

 その頃、松岡と長瀬は神奈川県津久井郡藤野町を走行し、直線距離はここまで75km。山の斜面を進むと、前方の山には大きな雨雲が覆いかぶさっている。中央道は失敗か? 肝心の八木橋くん、この期に及んで鳴く気配なし…。

 一方、東北道を走る城島と木原、油断している隙に西からの雲が間近に迫っていた! ここで急きょ、次の加須インターで下りて東へ逃げる作戦をとった。パソコンの気象データを見ると、確かに西から雲のかたまりが迫っており、北の栃木県にも大きな雨雲がそびえる。目指す東の方角は晴れているが、2人は西の雲に追われる格好となった。雲のスピードは平均30〜40km/h、もし渋滞にでも捕まれば、すぐ雨雲に覆われてしまう。すると、木原が雨の帯をとらえた! 西の雲には雨と曇りの帯がはっきりと確認できる。とその時、フロントガラスに一粒の雫が…。そして木原、「あっ、顔にきた!」。城島の帽子にも雨の粒が落ちた! ついに小雨と遭遇し慌てる2人、さらに遠くで雷が鳴り響いた!

 スタートから3時間が経過し、対する松岡と長瀬も雲一面に覆われていた! 急激な天気の変化に長瀬も恐れをなす。すると、前方の電光掲示板に「雨走行注意」の表示! 慌てる2人、依然、八木橋くんに反応なし。すると、ついに雨が降り出した! 高速道路だけに雨の勢いも増し、ワイパーの速度を全開にして必死の抵抗。気温も急激に下がり、上半身裸の2人を寒さと痛さが襲う!

 一方、城島と木原は雷鳴を逃れ、東の茨城方面を目指す。前方に農作業中のお母さんを見つけ道を訊ねると、お母さんは利根川への道を教えてくれたのだが…「利根川行くのはね、これをあのー右へ曲がってガソリンスタンドがあるからそれを出て高速の下をくぐって行くとね、そのガソリンスタンドを今度は左曲がって行って高速の下をくぐってね、しばらく行くとね…その辺でまた聞いてください」と一方的に話しを終え、結局2人は内容を理解できぬままこの場を後にした。帽子についた雨の粒も次第に大きさを増す。すると前方に雷が落ちた! それに気をとられた城島、前方の行き止まりに気づかず…。さらに、入り組んだ細道に迷い込んでしまい、木原は確信した…「絶対、雨雲の方が早い」。思うように東へ行けず、そこへ迫り来る雨雲は埼玉県全体を包んでいた。

 城島は「次の曲がり角が抜け道」だと確信し、右折すると…民家の庭だった! もたついている間にも大粒の雨が2人を襲う。それでも木原は冷静だった。ようやく一般道路へ抜けると、対向車のフロントガラスをチェックして行く手の天気を探る。さらに路面の濡れ具合もチェック。すると急に雨が止んだ! 2人はちょうど雲の境目を走り、今は追い抜いた状態だったのだ。よって前方はまだ降っていないが、もはや東へ逃げ続けるには限界がある。ここであえて北の雨雲を突っ切り、東北道へ進む作戦にでた! 雨の中を突き進む2人、遠くで雷が落ちる中、何とか雨雲を突っ切って東北道に入った! 一気に栃木方面へ。

 その頃、松岡と長瀬は山梨県北都留郡上野原町を走行中。スタートから4時間が経過し、ここまでの直線距離は84km。一向に雨は止まず、前方はさらに霧がかかっている。ここで次の談合坂サービスエリアへ立ち寄り、天気の情報を集めることに。そして案内所へ走ると、八木橋くんが鳴き出した! すかさず2人は「今ごろ鳴いてもおせえんだよ!」とヤギにツッコミを入れる。この先は盆地となり、雲の切れることも多いらしい。案内所の方によると、笹子トンネルを抜けると晴れている場合もあるという。そこで、イチかバチかで笹子トンネルを目指す!

 その頃、東北道の城島と木原は群馬県館林を走行し、ここまでの直線距離84km。雲を突っ切る作戦が功を奏し、雨から逃れられた。ここからは快適ドライブかと思いきや、西から再び雲が覆い、またしても小雨が降りだした!「この程度なら大丈夫!」と言い切る木原だが、予想に反して雨は強さを増し、城島は思った…「大丈夫じゃないんですけど」。確かに雨は降っているが、木原にはその雨雲が見当たらない。そこでパソコンの気象データをチェックすると、かたまって押し寄せていた雨雲が、次第にバラけて広がりだしたのだ! これでは動きがよみづらい。

  さらに、前方には「この先 雨60km規制」の表示。ここで決断を迫られた木原、地図を広げて出した答えは、次の栃木インターで下りて、西へ進む作戦。気象データによると既に雨雲に囲まれており、残る手は西側の雲の隙間に逃げ込むしかない。そして木原の指示通り栃木インターを下りて西へ進むが、大粒の雨は2人を容赦なく襲う。不安がる城島をねじ伏せるように「大丈夫!」と言い張る木原。すると城島、「ヤギにしときゃよかったー!!」。

 一方、松岡と長瀬は山梨県大月市に入り、運命の笹子トンネルに突入! 4.7km先、長いトンネルの向こうは晴れているのか? 八木橋くんの鳴く気配はないが…。そして、ついに出口が見えてきたが、前方の景色がまったく見えない? そう、その先は…大雨だった!! 大粒の雨が容赦なく突き刺し、長瀬の帽子も見る見るうちに濡れていく! 八木橋くんもしかめっ面。逃げ場のない高速道路、そして気づけば、帽子はすっかり変色していた!

 松岡・長瀬・八木橋くんチーム、直線距離126km、山梨県東山梨郡勝沼町「笹子トンネル出口」で終了!

 一方、城島と木原も雨から逃れられないまま、栃木県安蘇郡葛生町を走行中。城島の帽子はほとんど濡れてしまい、辛うじて4粒ほどの乾いた箇所が残るのみ。わずかな望みを託し、木原が周囲をうかがうと、山間の上空に雲の切れ間を見つけた! できるだけ遠くを目指し、木原の指示で山間の道へと進む。すると険しい山道へ入りこみ、道幅が次第に狭くなる。そして限界まで進むと、タイヤがスタックしてしまった! だが、この状況に城島はなぜか大爆笑! 帽子はまだ3粒の乾いた箇所が残っている。ここで車を降りた2人はさらに歩いて進む! 雨の中、険しい道を歩き、城島が帽子をとってチェックすると、乾いた部分は小さな1粒のみ。とその時、ちょうどその粒のところに雫が落ち、これですべてが変色してしまった!

 城島・木原チーム、直線距離133km、栃木県安蘇郡葛生町の山中で終了!

 梅雨の最中、気象データと動物の力で挑んだ大実験、およそ6時間逃げて、全員ずぶ濡れとなった!!

 ロケ当初、スタート地点はちょうど梅雨の中休みで快晴となり、「お蔵入りになるのでは?」と、スタッフもやきもきした。スタート前、借り物であるオープンカーのシートには、雨対策のビニールを張っていたが、城島と木原さんは「今日は絶対降らないだろう!」と、ビニールシートを外してしまった。だが、思いもよらぬ大雨に見舞われ、シートはすっかり水浸し…。その後、シートはスタッフによってキレイに掃除され、無事に返却された。

 一方、ヤギの八木橋くんと共に挑んだ松岡と長瀬であったが、何より大変だったのは、ヤギは紙を食べるため、目を放した隙に何でも食べてしまうということ。地図を食べようとしたり、長瀬のTシャツにまで食いついたが、いずれも長瀬が気づいて離し、事無きを得た。そして、さらに大変なのは、糞とオシッコの処理。担当は助手席の長瀬、「しょうがねえなぁ」と言いながら、その都度後始末をし、結局、走行中に10回ほど便をもよおした!