現代漁法 vs 伝統漁法 伝説の料理は完成するのか!?

 

 群馬県吾妻郡、静かな山間のこの地に名物を集めた伝説の旨い鍋がある。それは、「宝楽焼」。夏の終わりのこの時期、川で捕れる旬の魚を寄せた贅沢な味は、「イワナ」「ヤマメ」「ニジマス」の3つが揃ってこそ。

 そのために、最も一般的な漁法はこのところブームの「釣り」。釣りと聞いてこの男が黙っちゃいない…釣り師・長瀬智也。2年前に目覚め、自前の道具も腕前も凄いらしい。一方、魚を捕るなら日本古来の「伝統漁法」と、その技を忠実に守る男が2人…仕掛師の城島茂と国分太一。

 狙うは、宝楽焼の食材「イワナ」「ヤマメ」「ニジマス」、大自然を舞台に男たちの戦いがはじまる!

 現代漁法 vs 伝統漁法 伝説の料理は完成するのか!?

 3人がやってきたのは、群馬県吾妻郡の薬師温泉にある料亭宿の旅籠(はたご)。ここは温泉と近くで捕れる山の幸を使った料理で知られ、中でも宝楽焼は旬のこの時期限定のメニュー。3人に課せられた使命は、制限時間の夜7時までに、3種類の魚(イワナ・ヤマメ・ニジマス)をそれぞれ一匹ずつ捕ってくること。これに間に合えば、宝楽焼としてお客さんに出すことができる。

 そこで漁へ出る前に、板長の山口伸一さんにアドバイスをいただく。板長によると、イワナは警戒心が強くて貧欲。ヤマメは神経質で臆病。それに対してニジマスは警戒心が薄く、群れで回遊する習性があるという。

 果たして、制限時間までに3種類の魚を捕らえ、旅館に届けることはできるのか?



 午前10:00、釣り師・長瀬は温川(ぬるかわ)に到着。滝へ近づき、まずは水が落ちるところをポイントに定めた。すると、長瀬を追って伝統漁法の2人もやってきた。川へ入るなりスッ転ぶ城島、そして太一も…。苦労の末、仕掛けにとりかかる太一だが、仕掛けを手放し流されてしまった! もはや太一には手におえず、その先にいた長瀬に救いを求める。竿を片手に仕掛けを追う長瀬、おぼつかない足どりで何とかキャッチ! 太一に渡して、長瀬は言った。「イワナやヤマメは頭が良いから、城島と太一が水の中をバシャバシャ歩いてしまったら、人の姿に気づいてもう寄って来ない。」

 そうして長瀬はこの場を離れ、新たなポイント探し。川沿いを進みポイントをじっくりと見極める。対する城島と太一はその場に残って仕掛けに入る。最初の仕掛けは竹で編んだ筒状の「どう」を使用。さらにカゴのどうも沈める。

※仕掛けの使用は漁業協同組合の許可済です。

 そして長瀬は吾妻川中流の田辺橋付近にポイントを決めた。狙うは警戒心の弱いニジマス。自前の道具を揃え、得意のルアーフィッシングで挑む。釣り師、いざポイントへ! が、岸のぬかるみに足をとられ動けず…。

 「ルアーフィッシング」…小魚や昆虫類などの形や動きを模した疑似餌を使った釣り方。

 長瀬は川面に小魚の群れを見つけ、このポイントに獲物がいることを確信。運命の第1投、静かな戦いがはじまった。

 その頃、仕掛師の城島と太一は温川の温川橋付近。吾妻漁業協同組合の小林辰雄さんにアドバイスをもらいながら仕掛けに精を出す。小林さんいわく、落差のある急な流れのところは、魚が集まる仕掛けポイントだという。そこは魚の隠れ場所となるうえエサがたまりやすく、遡上してくる魚が集まりやすいのだ。そこへ竹編みのどうを仕掛ける太一だが、流れが速すぎて思うように作業が進まない。何度も仕掛けを流されながら懸命の作業は続き、ようやく仕掛け完了! 2ヶ所に仕掛けた竹編みのどうは、穴に獲物が入りこむよう水中に固定。1度入ったら、魚は出られない構造となっている。

 そして待つこと1時間、仕掛けに近づき、竹編どうを持ち上げてみると…入ってなかった! 続いて2つ目の仕掛けを確認。実は仕掛けの際、目の前に水中カメラを設置していた。その映像によると、最初に近づいてきたのは、なんとアメリカザリガニ! 続いてイワナが目の前を通過。そして再び通過…と、ここでテープ切れ! その成果を見る城島と太一、仕掛けを持ち上げてみると、何やら動いている? 中から出てきたのは…小さな「サワガニ」だった!

 午前11:00をまわり、釣り師・長瀬は依然ヒットの気配なし。何度もリールを巻いては、ひたすら感激の瞬間を待つ。だが、釣りはじめてから2時間、まったく成果なし。諦めきれずに粘る長瀬だが、次なる手立てはあるのか?

 その頃、城島と太一は新たな伝統漁法に挑戦。「箱眼鏡」で川を覗き、「やす」と呼ばれる魚を突き刺す漁具で獲物を狙う。すると太一が前方に獲物の姿を捕え、さらに城島が淵で魚を発見! やすで一突きか? と思ったら、城島が手にしたのは網。そして素早くかぶせると、見事「イワナ」をゲット! 1匹目は、やすではなく一番原始的な方法だった。

 そんな2人の活躍を知らず、釣り師・長瀬は黙々と次の技「フライフィッシング」に挑む。

 「フライフィッシング」…水生昆虫などに似せた擬餌バリを使った釣り方。渓流では最も有効とされる方法である。

 フライを流れに乗せ、巧みに動かしながら魚を誘う。フライのポイントは、ルアーを使った時よりも深い流れの部分。しかし、当たりがないまま1時間が経過…感激の瞬間は訪れるのか?

 一方、城島と太一は四万川上流の小倉橋付近にポイントを移し、次なる伝統漁法「張網」で挑む!

 「張網」…待ち網とも呼ばれ、網を広く張って待ち伏せる漁法。網に引っ掛かった魚は、中央の結ばれた部分に集まる構造となっている。

 網の両端をしっかり固定し準備完了。水中カメラの映像では、早くもヤマメらしき魚が網にかかり、中央の部分にのまれていく姿を捕えたが…。そして待つこと1時間、ゆっくり張網を持ち上げると、魚がいない? なんと、中央の口の部分を結び忘れていた!!

 時刻は午後2:00をまわり、釣り師・長瀬は4時間経って依然ヒットなし。フライを何度も流れにのせ直しては、獲物が食いつくのをひたすら待つ。「せめてこの場所で1匹は釣れないとマズイな…」と焦りを見せはじめた。

 その頃、城島と太一はポイントを移し、橋から水面を覗くと今にも釣れそうな大きな魚の姿がいっぱい! 城島、「長瀬かわいそうに…」と顔もほころぶ余裕ぶり。ここで2人は漁協の小林さんと共に、新たな伝統漁法「ツッカゴ」に挑む。

 「ツッカゴ」…竹で編んだツッカゴは、魚が泳いできたところを待ち受けてすくいとる道具。

 追い込み役を買って出た城島、網の柄を水中で揺さぶり、魚を追い込みながらツッカゴへ近づく。そしてその成果は…枯れ葉だけだった! 続いて小林さんに交代するが、40分粘って結局成果なし。

 一方、フライフィッシングの長瀬、時刻は午後3:00をまわり、依然、状況は変わらず。諦めかけるも「もう1回だけ!」と、この日の長瀬は執念深い! フライの選択ミスか? ここで再びルアーに変えての挑戦。

 スタートから5時間が経過し、ここまで伝統漁法によるイワナ1匹のみ。そして城島にはさらなる奥の手があった。ケースから取り出したのは、「釣りキチ三平」の漫画本! そこから城島が選んだのは、第11集(ニジマス釣り編)に描かれている「ラジコンボート」で獲物を捕える作戦!! 漫画では確かにニジマスをゲットしているが…。城島は2隻のラジコンボートを用意。三平に倣って網の端を2隻のボートにそれぞれ取り付け、同時に進んで魚をキャッチする狙い。いざ、釣りキチ三平作戦開始!! 2艘を上流に向けて浮かせ、モーター始動! しかし獲物を捕えるどころか、ボートは水に流され後ずさり。パワー不足か? ここで城島は気づいた…「釣りキチ三平作戦、大失敗!」。

 その頃、釣り師・長瀬はルアーフィッシングに最後の望みを託す。だが依然ヒットはなく、時間だけが過ぎていく…。そして、ついにこのポイントを断念! 急いで場所を移し、四万温泉の下流、四万川の湯原橋付近を新たなポイントに定めた。腰を屈め、川へ慎重に近づくと、魚に気づかれないようスタッフにも注意を促す。魚は水中から人影を察知すると、そこへは決して近づかないのだ。特にイワナやヤマメは敏感。ここでの勝負は得意のルアー、すると目の前で魚が跳ねた…今度こそいけるか? とその時、ついに当たりがきた!…が、惜しくも逃げられてしまった!

 そして時刻は午後4:00をまわり、食材を待つ旅籠の厨房では、板さんが準備をはじめた。

 伝統漁法の城島と太一はポイントを移し、上沢渡川の羽衣橋付近へやってきた。沢へと入ると、城島は静かに進むよう注意を促す。が、当の本人がスッ転んだ! ここで新たな仕掛け、今度はプラスチック製のどうを使用。仕組みは竹製の物と同じだが、より魚が入りやすいよう石を積んで川の流れをどうに集める。これで仕掛けは完了! そして水中カメラでその様子を見ると、画面の端に魚のシッポが見えた! 続いて魚がどうに吸いこまれた…が、体を反転させ自力で脱出。果たして、獲物は入ってくるのか?

 一方、長瀬は慎重にルアーを巻いて魚を誘う。とその時…ついにヒット! 6時間半かけてようやくゲットしたのは「ヤマメ」。勢いに乗り、次なるポイントを探るが、午後5:00をまわり、タイムリミットまであと2時間しかない! そしてやってきたのは、ニジマスの宝庫といわれる野反湖。標高1500mの静かな湖。得意のルアーで続けざまのゲットなるか?

 その頃、食材を待つ厨房は慌しくなってきた! 果たして、間に合うのか?

 タイムリミットまで残り1時間、伝統漁法の城島と太一、仕掛けておいたプラスチックのどうを持ち上げてみると、何かが動く気配…。そしてフタを開けてみると、ニジマスが入っていた! これで城島と太一は2種類目をゲット!

 一方、湖の長瀬、釣れそうな雰囲気だが中々当たりが来ない。そして残り30分となり、辺りも薄暗くなってきた。ここでルアーからフライに変え、川へさらに踏み込む。

 そして残り10分、城島と太一は残り時間でこれまでの仕掛けをすべてチェック。竹製のどうは…成果なし。続いて網のどうを持ち上げると…入っていた! しかも、狙っていた3種類目のヤマメ! これで伝統漁法チームは3種類揃った! 急いで厨房へ戻り、板長に渡して何とかタイムリミットに間に合った!

 板さんによる宝楽焼の調理がはじまった! とれたてのイワナ・ヤマメ・ニジマスを三枚におろしてぶつ切りにし、これをミンチにして団子状に。そしておろした魚の残りは別に焼き上げる。メレンゲを塗りつけた鍋に、マイタケやシイタケなどと一緒に魚も盛ってオーブンで焼くと、群馬・薬師温泉名物、川魚三種の「宝楽焼」が完成! 城島と太一が伝統漁法を駆使して捕った魚三種は、贅沢に織り成す幻の味。

 いよいよお客様のもとへ。その反応が気になる城島と太一は陰から様子を見守る。「美味しい!」と言ってほころびるお客さんの表情に、「いい仕事ができてよかった!」と感激する城島。すると太一、「美味しいって…マイタケだったらどうする?」との心配に、城島は「それはマイッタけ」と返し、ダジャレも絶好調? こうして2人の1日仕事が終わった!

 ところで、釣り師・長瀬はというと、タイムリミットをとっくに過ぎても、時間を忘れ湖で静かに戦っていた!

 6時間半もの間、中々釣れずに苦しんだ長瀬、実は四万湖で「ボート釣り」にも挑戦していた。ボートに乗って約2時間、フライとルアーにも挑戦したがまったく釣れず…。ところがその岸では、中年の夫婦が立て続けに釣り上げていた…。

 一方、数々の伝統漁法に挑んだ城島と太一、実は「四ツ手の網」を使っての仕掛けにも挑戦していた。箱型の網を水中に浸すと、その間に別のポイントへ移動。そしてしばらく経って戻ってみると、なんと網がペチャンコに! どうやら他のポイントへ行っている間、何かが当たって潰れたらしく、太一は「仕掛けは難しいね〜」と伝統漁法の難しさを実感。

 そして、タイムリミットを過ぎても諦めなかった長瀬、結局切り上げたのは午後9時過ぎ! 身も心もボロボロになって旅館へ戻ると、仕事を終えた城島と太一はゆったり温泉に浸かり、長瀬の帰りを待っていた。

DASH村本格始動! 家づくり!どこまでできるのか!?

 国土地理院が発行する日本地図にDASHの文字を載せるため、DASH村の建設に踏み切った鉄腕DASH。村作りに必要な3つの条件、(1)村長を決めること。(2)土地を分けてもらうこと。(3)役場を置くこと。このうち2つ目の条件を満たすべく、城島と山口の両副村長が土地探しに挑んだ。そして両者が見つけた一押し物件、どちらがDASH村にふさわしいかを決めるべく視聴者投票を開催。その結果、7月30日の放送で城島副村長の物件に決定した!

 そこは、都心から3時間あまりの広さ12,000坪 月々2万8千円の土地。林に囲まれ辺りはとても静か。水道は湧き水が流れ、周囲は国有林のため水が汚染されていない。だが、問題は民家だった古い建物。20年間ほったらかしの部屋は荒れ放題! 土壁も崩れ、もはや崩壊寸前! しかし、修復すれば使えるかもしれない…。

 そこで、いよいよDASH村建設に着手! まずは古民家の改築に挑む!

家づくり! どこまでできるのか!?

 現地へやってきたのは、城島副村長に長瀬と松岡。さらに7月30日放送の「雨に降られずにどこまで行けるか!?」に登場したヤギの八木橋くんも参加。広大な土地を目の当たりに大感激の松岡と長瀬、湧き水の冷たさにはしゃぎ、思い思いの夢はつのる。「自給自足したい!」と語る長瀬、それは可能なのか? 土をチェックする3人だが、20年間ほったらかしで一面雑草だらけ。

 そして問題の古民家へ向かった。崩れた土壁、荒れ放題の部屋を見て愕然とする松岡と長瀬。この建物を、できるだけお金をかけずに、住めるよう改築することはできるのか? だが、建築に関しては全員素人…そこで、城島は頼れる職人を既に探していた。3人の前に現われたのは、伝説の職人四人衆!! そう、今や男の子がなりたい職業の第1位として注目される大工さん。古い家屋から現代の建築まで扱う職人の仕事。大工棟梁・池田末治さん(66歳)はこの道52年、体で覚えた家づくりの勘と技が冴える。それを受け継ぐ弟子の細川英重さん(49歳)と、大妻鉄男さん(25歳)が棟梁をサポート。さらに、左官の林 一さん(53歳)、左官歴38年、今や数少ない土壁づくりの達人でもある。

 早速、棟梁に家屋を見てもらう。剥がれかけた天井を見つけると、迷うことなく一気に剥がしてしまった! 棟梁によると、梁(屋根を支える横木)には松の木が使用され頑丈に組まれているという。さらに柱をチェックし、出した結論は…柱は大丈夫とのこと。この家の柱はすべて栗の木を使用。すなわち、木の目が他の木材よりも硬く締まっているため、極めて耐久性に優れている。よって、骨組みを補強すればまったく問題ないとのこと。

 そもそも日本家屋とは、耐久性を重視した優れた木造建築。頑丈な柱と天井の重みを分散する「梁」、そして「継手・仕口」と呼ばれる釘を使わず木をしっかりかませる方法で100年は持つとされ、再生や補強も難しくない。

 いにしえの建築の知恵と現代の職人技で、崩壊寸前の家をどこまで蘇らせることができるのか?

 午前9時、家づくりがはじまった! まずは棟梁の指示で、崩れた部分の除去作業。土壁や横木など、ハンマーを使って豪快に叩き壊す。それでも棟梁の言う通り、柱はびくともしない! 続いて中の物をすべて外へ運び出す。すると城島があるものを発見…それは昭和39年に発行された新聞記事。城島の目を惹いたのは「コンニャク緊急輸入」の見出し。こうして家づくりの第一段階が終了!

 そして正午をまわり、男たちの昼飯。一仕事終えた後のおにぎりは味もまた格別! 八木橋くんも草を頬張る。食後は松岡と八木橋くんで追いかけっこをし、火照った体を湧き水で冷ます。そこへ、遠くからスーツ姿の男が現われた…。その男は、15minutesのマネージャーだった番組スタッフの清 隼一郎(24歳)。彼はこの地に住民票を移し、今後村づくりに参加。城島・松岡・長瀬から歓迎を受け、「6人目のTOKIO」のお墨付きをもらう?

 昼食を終え、午後は柱の修復から開始。まずは職人さんの見本、ジャッキとつっかえ棒で高さを固定し、柱の腐った部分を切り落とすと、そこに同じ栗の木の廃材を挿しこむ。互いの継ぎ目を十字形凹凸面にして合わせると、ここから棟梁のご指名で長瀬が挑戦。ジャッキを徐々に緩めると、見事1本の柱となり完成! 揺れにも強い木造建築の技、これぞ「十字目違い継ぎ」。修復部分を押してもびくともしない。それを見た松岡、「頼むよTOKIOの土台」と言って城島の肩を叩く。

 そして棟梁から次の指示が出た。広さ14帖ある囲炉裏の間の修復。床を支える木材を組ませ、その上に板を張って仕上げる作業。それにはまず古材が必要。そこで、松岡と長瀬、城島と清の2組に分かれ、古材集め開始! リアカーを軽快にひく松岡と長瀬、農作業中のおじさんを訪ねると、なんと古材があるという! それは家の建て直しの際、とっておいたという栗の木の古材。旧家の木材は頑丈で質が良い。これをわけてもらい、リアカーに積めるだけ積みこむ。

 一方、城島と長瀬も近所を探し歩く。ちょうど新築中の家を見つけご主人を訪ねると、不用になった木材をわけてもらえるという! さらに倉庫には、囲炉裏で鍋などを吊る「カギ」が眠っており、これもいただくことに。そして両者は集めたものを持ちかえり、修復用の材料が揃った!

 囲炉裏の間の「床づくり」は棟梁以下、長瀬・松岡・細川大工・大妻大工の5人での作業。束石を置き、基礎と枠組みから床板を敷くまで、「束石 → 上がり框 → 大引き → 束 → 根太 → 床板」といった6つの工程に分かれる。まずは床の土台となる「束石」(つかいし)を置く作業。但し、束石は硬く平らでなくてはならず、それに適した石を求めて松岡と長瀬は小川で石探し。

 一方、林左官以下、城島・清の3人は「土壁づくり」。材料となる土・わら・竹を集め、土をこね 土台となる竹を組み、壁を塗るまでの4工程からなる。城島と清、まずは材料となる粘土質の土探し。森へ向かい、山の斜面を掘ってみるが中々粘土質に当たらない。そこでさらに奥へ入り、再度斜面を掘ると粘土質らしき層に当たった。手触りで確かめ、まずはスコップ1杯分持ちかえり林さんに見てもらうと、OKが出た! こうして粘土集め開始! 必要な量は手押し車で8杯分ほど。

 その頃、松岡と長瀬は10個ほどの束石を集め終わり、リアカーで持ちかえると、休む間もなく次の束石を床下に並べる作業にかかる。土を掘り、そこに石の面が平らになるよう置いていく。これで床づくりの第1工程完了!

 続いて2つ目の工程、古材を削って「上がり框」の横木にする作業に入った。

 「上がり框」(あがりかまち)…玄関の上がり口などに設ける太い横木。

 ここで使うのはカンナ。まずは棟梁のお手本、熟練の手さばきで古材から美しいツヤが出てきた。続いて長瀬が挑戦。しかし手つきがおぼつかず、途中で引っ掛かってしまう。ここで棟梁の指導、手前に引き寄せる手を、押しこむように動かすのがポイント。そして松岡はノコギリに挑戦。慣れない手つきに棟梁から指摘…持つ手が逆だった! 次に噛み合う部分をノミとカナヅチで削り落とす。体勢から事細かに注意を受ける松岡、こうして仕上がった横木を玄関の上がり口にはめる。長い横木を慎重にバランス良く柱と噛み合わせ、見事上がり框が完成! 玄関と土間の仕切りがついただけで、雰囲気が様変わり! 松岡も「化けてきたぞ…この家」と、その雰囲気を感じとった。

 一方、土運びを終えた城島と清、次いで2つ目の材料「わら」を探す。農道を歩く2人、どこで手に入れられるのか? すると、遠くで牛の鳴き声が聞こえた! 近づいてみるとそこは牛舎、わらもあった! これを分けてもらい、貴重なわらをゲット! そして持ちかえると、城島はわらを裁断する道具「押し切り」も借りていた。まずは林さんのお手本、わらの束が一気に裁断されていく。続いて城島、見様見真似で挑戦するも中々切れず、清に至ってはまったく切れなかった。この工程を終え、次の「土こね」作業へ。土にわらと水を入れ丹念に混ぜ合わせる。これが土のつなぎとなるのだ。

 その頃、松岡と長瀬は3つ目の「大引き」(床下に渡す太い横木)をつくる工程に入った。まずは長さの足りない古材を「腰掛け蟻継ぎ」という加工でしっかり接合する作業。棟梁が古材に複雑な印をつけ、それをもとに松岡はノコギリで、長瀬はノミで切断。するとここでも棟梁が松岡に指導…両歯ノコギリは、木の目に沿って切るときは「縦びき歯」、木の目に垂直の場合は「横びき歯」を使う。こうして複雑な加工が完成し、問題なく接合できた!

 一方、土壁班の城島と清は草むらへ入り、壁の土台となる竹を探す。お目当ては直径5cm位の倒れているもの。草を掻き分けながら歩いていたその時、清が斜面に滑り落ちた! が、そこは斜度が緩いため大事には至らず。そして充分に集まったところで、竹を縦に割り、壁に格子状に組む「竹組み」作業に入る。長い竹を手にした城島、先端から一気に裂くが、途中で切れてしまいうまく割れない。そして3度目の挑戦でようやく成功! こうして割った竹を壁に組み、ヒモでしっかり固定。

 一方、順調な床づくり班、黙々と仕事をこなす長瀬に棟梁から釘袋が与えられた! それを腰に巻き、長瀬は一人前の大工の気分。続いての工程…「根太」(大引きの上に渡す細い横木)には残りの古材を使い、大引きに打ちつけていく。釘を打つ長瀬、その腕前を棟梁が絶賛! すると、松岡も負けじと奮起…が、釘が曲がってしまった!

 午後3時をまわり、土壁班はようやく壁の土台となる竹組みが完成! 一方、床づくり班ももうすぐ最終工程の床板を張る作業へ。はじめる前は見るも無惨だった部屋が、上がり框と床下の骨組で、俄然、家らしくなってきた!

 土壁班はいよいよ「土壁塗り」の作業に入る。鏝(こて)を使い、土こねした材料を、壁の脇から手早く塗りつけていく。まずは林さんのお手本、長年培った職人技で薄く均等に塗られていく。そのコツは、手首を上手に使い、下から上に塗りつけること。続いて城島が挑戦…が、土が壁にくっつかず、その難しさを実感。しかし次第に腕が上達し、一応塗りつけられるまでになった。

 その頃、床づくり班も最終工程の「床板張り」に入った。縁甲板(えんこいた)呼ばれる端に継ぎ目のついた張り板、その継ぎ目に釘を打ちつけ根太に固定し、釘を隠すように張り合わせていく。だが、囲炉裏の間は14帖、日没までに張り終わるのか?

 徐々に日が落ち、土壁塗りの城島は次第にペースが落ちてきた。城島の塗った土壁は均等に塗れておらず凸凹だらけ。林さんとその違いは明らか。城島は再び指導を受け、そして悟った…スキーの原理と同じで、エッジを立ててしまうとスムーズに塗れない。そして時刻は午後6時をまわり、辺りはすっかり暗くなってしまった。城島はようやく外壁を塗り終え、林さんから「最初にしては立派な出来」との評価をもらった。これで外の土壁は完成!

 一方、床板張りもようやく終了! ここで城島、先ほどもらった囲炉裏の「カギ」を吊るすと、一段と雰囲気が出てきた。開始から10時間、立派な囲炉裏の間が完成した!

 そして迎えた翌日、松岡と長瀬に代わって達也がやってきた。この日は床板をさらに広げる作業。この手の作業は他のメンバーに負けられないと達也、釘を打ちはじめると、いきなり棟梁から「うまい!」と大絶賛!

 一方、城島は昨日に続き、この日は内側の土壁塗り。だが、土がくっつかない…コツを忘れたのか? しかし、すぐに勘を取り戻し、林さんから「昨日の外壁よりは上達した」とお褒めの言葉をもらう。

 厳しい残暑の中、2日目の作業も着々と進む。土壁と床板の範囲は広がり、ますます家らしくなってきた。棟梁と達也は息もピッタリ! 作業はハイペースで進み、家中の床板がすべて完成! そこへやってきた城島も、見違えるほどの出来栄えにビックリ!

 そして、達也の次なる課題はガラスの抜けた玄関戸。達也は棟梁と相談してあることを思いついた。草むらで伸び放題の雑草から葦を刈り出し、続いて林で枯れ木を切り出す。これを何に使うのか? さらに竹も切り出した。どうやら玄関戸を自分なりにデザインするらしい。

 そんな達也に触発され、城島もひらめいた! 土を塗り終えた内壁の一面に玉砂利をくっつけ、「城島流 玉砂利土壁」が完成!

 一方、達也は竹を切って玄関戸に張りつけ、さらに葦や枯れ木も短く切って張りつける。切り出した材料で見栄え良く修復した玄関戸、仕上げに葦を飾り付けて「達也流 玄関」の完成! ところが、八木橋くんが飾りの葦を食べてしまった! 注意する達也、八木橋くんの口からとり返し、茎だけになった葦を再び飾り付ける。その横で八木橋くん…イジケル。

 すると、急きょ城島がデザインをまとめ、残りの古材で達也と共に新たな作業にとりかかった。棟梁も手伝い、もう1つの小さな家…「八木橋小屋」が完成! 新居へ入る八木橋くん、照れくさそうに下を向いたまま。

 以前はボロボロだった家も、見事なまでに生まれ変わった! 日本家屋の知恵と職人さんの技を借り、ようやく生活できる家をつくることができた。

 DASH村 村づくり実験! ここからが本番!!

 今回の家づくり、作業は順調に進んだかに見えたが、実は全員アブに追われ大変だった! 犠牲者は1人も出ず無事であったが、冷や汗もののロケとなった。

時には厳しく、そして最後にはやさしく接してくれた棟梁の池田さん、松岡は厳しく注意を受けながらも「棟梁の言う事なら何でも聞きます!」と忠実に指示に従い、TOKIO全員、棟梁の人柄と職人魂に惚れ込んでいた!

また、一足先に村民となった清に次いで、晴れて仲間入りしたヤギの八木橋くん。以前放送の「雨に降られずにどこまで行けるか!?」では雨を予測できず失敗ばかり繰り返し、今回も玄関の草を食べてしまったりと失敗の連続だが、それでもみんなに可愛がられ、今ではDASH村になくてはならない住民となった!