DASH村 〜伝統家屋 築200年の家はよみがえるか!?〜

2001年5月
古民家を解体し、長さ13mの掛け木、大黒柱、床板などの古材が全てそろった。
築200年の伝統家屋、いよいよDASH村への移築が始まる

DASH村に訪れた新たな大作業。
しかし、この場所には一つ問題があった。
それは建坪にして40坪の家、DASH村のどこに建てるのか?
建てたい場所は八木橋の小屋の隣。
でもここは裏手に里山があり少し家を移築するには障害になる。

そこで、移築の前に里山の再生を行う事に。
少し荒っぽいがどんどん里山の木を伐採!
3日間かけて木材の伐採は終了し、コナラ、アカマツ、ミズナラなど全ての木材は冬の炭用に大切に保管される。
大きなチェーンソーと木の倒れる音に、八木橋も少し後ずさり。

さらに城島はこれ以上のがけの崩壊を防ぐために表面の土を削る。
もちろん登場はショベル城島。
しかし、いつもとは少し様子が違う・・・
小高い山の上でしかも足元の悪い作業場。
「うぉー!恐えー恐えー!!」
少しバランスを崩すとショベルカーごと転げ落ちそうになる。
しかも、がっちり地面に張り出した根っこのかたまりが作業を妨げる。

どうしても除去できない巨大な根っこ。
城島、ショベルカーを降りて
「この根っこめ、こうしてやるわ!」
と、大事件発生!
「うわー!!」
全体重をかけて根っこを引き抜こうとしたが、誤って手を滑らせ、がけを転落!
2mほど転げ落ちてしまった!

よく見ると城島、驚かせようとしてわざと転落したふりをしたのだが、急斜面だったため本当に転げ落ちてしまったらしい。
いろんな意味をこめて城島、DASH村に連なる山に向かって叫ぶ
「ガンバレ、ワシ〜!ガンバレ、ワシ〜!!」

城島が自分を見つめるその頃、炭小屋の下では太一と清が、削った里山に植樹するために松を大事に採集していた。
そして達也と清が松を植樹。
「ある程度緑を増やさないといけないからね。」
炭などに利用するとはいっても、やはり木を伐採したままではいけないと、新たに自然を作り出したのだった。

里山再生、最後の仕上げに取り掛かる達也、太一と清。
地面が雨などで流れたいために、がけの表面に金網を張る。
すると、そこにやってきた一台のはたらく車。
太一「なんだこれ〜?何積んでんだ?」

DASH村にやってきたのは、網を張ったがけに土を吹き付けるための噴霧器だった。
そして噴霧器内に水、のり、肥料、植物の種、土を入れてミックス。
それをホースによって均等の厚さにがけめがけて吹き付ける。

がけに登って片手でホースを抱え、もう一方で命綱を持っての難しい作業。
まずは清、均等に土を吹き付けなければならないのに、一ヶ所に土が固まってしまう。
太一「そこばっかすんなよ〜!」
徐々にがけを下ろうとする清だが、足を滑らせズルズルとがけを後退。
達也、太一も苦笑い。

続いて達也も挑戦。
バランス感覚の良い達也は均等に土を吹き付けていく。
急斜面でも器用に動き回る。

こうして3日間かけてできた土地に家を建てるための第一歩の作業が始まる。


達也と城島がなにやらくいを打っている。
これはある一点を決め、そこから家の大きさ分の縄を張る「地縄張り」と言われる作業。
これから柱などを組み立てる際に目安になる、いわば巨大なものさしとなる。

家と同じ大きさに張った地縄の周りにくいを打ち、水平の位置を決め、さらに板を張る。
その板に水糸を張り、それぞれの柱の位置を正確に出す。
縦横の糸が交わったところが柱の位置。
まずは大黒柱から。

達也が解体のときに名づけた"大黒石"を入れる。
まずそ石を敷き、その上に水平になるように束石を置き、さらにたたいて安定させる。
4人がかりで束石を水平にする作業、巨大な石が水平になった頃にはすっかり日も暮れていた。
この上に建てられる大黒柱、
城島「メンバー全員で柱建てたいなぁ。みんなの家やからねぇ」
大黒柱を縁の下で支えてくれる束石をポンポン、とたたき古民家の移築の成功を願う。

2001年6月。
いよいよ大工作業が始まる。

ビッとDASH村家紋入りはっぴの襟を正し、気合を入れる達也。
まず必要な柱を土地に並べそれぞれを組み合わせていく。
達也「難しいな組むのって・・・」
やがて一本一本、"線"だった柱が合わさり、一枚の"面"になっていった。

お神酒、塩を撒いていよいよ建てる大黒柱。
大人の男が十人がかりでも中々簡単には建ち上がらない。
松岡「大変だなこれ」

 

 

 


数十分かけ、何とか建ち上がった大黒柱、てこの原理を応用し束石にも何とか乗せることに成功した。
太一「うぉ〜、スゲェ〜!!」
男たちは一旦建ち上がった大黒柱を見上げ、目をきらめかせる。
家を建てる、という大きな夢が確実に一歩近づいた瞬間だった。

太一「これまだプラモデルで言うと一番だよね。」
と、なかなかうまい表現。

大黒柱を軸にして横の面の柱も建てる。
柱を組み立てる、建てる作業全てにおいて一人ではできない作業。
しかし、男たちは呼吸を合わせ着々と家らしくなってゆく。
達也「真中の部屋完成!」
まだ骨組みだけだが、これで一部屋目の居間が完成した。

DASH村に新たにできた"空間"。
その傍らにある露天風呂で一日の労をねぎらう男たち。
こうしてDASH村のある長い一日がふけていった。


再生した里山が早くも一面緑に変わる頃。
材料置き場では城島と清が柱運びを担当していた。
すると、
城島「ちょっと待って!」
なんと柱の一本が折れてしまっていた。
古材に訪れたアクシデントに城島、
「どうしたらいいんやろ・・・」
と困惑する。

さらにその他の材料もチェックするとここにも折れた柱が。
丈夫な木材といえど200年の年月でいたんでいたのだった。

城島「ぐっさ〜ん!」
ここは頼れる達也に頼むしかない。
棟梁と家を組み立てる作業をしていた達也が現場に駆けつける。

ボロボロに痛んだ個所はもうどうしようもない。
しかし、これを全て捨ててしまわずに使えるところを何とかするのが大工の腕の見せ所。
足りない木材は、解体時に建っていた隣の部屋の木材を使用し、継ぎ手を作ることになった。

しかし、継ぎ手といっても無数の組み方がある。
ここで棟梁が提案した組み方は・・・
達也「あれ?外れないよ?」
継ぎ手のミニチュアを見るとどう考えても柱と柱の外し方が分らない。
ということは組み方、ましてや作り方も分らない。
まさに知恵の輪のような職人技。
実はこの技、大阪城の大手門で使われていた継ぎ方。
この職人技に挑戦することとなった。

達也材料置き場で一人作業開始。
失敗の許されない作業、古材に慎重にのこぎりの刃を入れる。

古材にこだわっていた家を作るため後に差し替えるための補強用として、そして達也は2つ目の折れた木材の解決のためにさらに加工していた。
そうして出来上がった達也作の継ぎ手、果たしてうまく組めるのか?
斜めに差し込む独特の継ぎ手、なんとひびも入る事無く無事に成功した!

そしていよいよ13mの掛け木を組み立てる。
これはさすがに人力では・・・そこでクレーン城島出動!
現場の達也と操縦席の城島、うまく息を合わせないといけないが・・・、
達也が加工した玄関柱にうまく掛け木が乗っかった!
こうして3本の掛け木が組み立てられた。

なにやら家の前でのみを叩く音がする。
その主は何と城島。
丸太をくりぬき、一人うすづくりに没頭する。


いよいよ合掌を乗せ、さらに棟木を乗せて作業完了。
これで柱全ての作業が完了した。
そして城島手製のうすでもちをつく。
これも家を建てる際の大切な作業。

隣村の人たちも集まり建前が始まった。
上からもちを撒く昔ながらの風習。

柱の組み立てが完成し、現実味を帯びてきた古民家の移築。
完成までまだまだ試練は続く・・・。

大阪城で使われた継ぎ手に挑戦した達也。
この「継ぎ手」というのは大工にとって腕の見せ所であり、他人に外しかたがわからないようにするのが職人の粋なところ。
また、独自な継ぎ手を編み出すことも優秀な大工に必要なこと。
実は達也を見守っていただいている島崎棟梁も独自の継ぎ手を編み出している。
しかも、その継ぎ手はDASH村の炭小屋にも使われていたんです。
果たして達也も継ぎ手を編み出すまでの優秀な大工になれるのでしょうか…。