DASH村 〜夏野菜リベンジ 前編〜

昨年秋の大収穫…。
それはこの広大な荒地から始まった…。

2000年夏。
全てを始めから自分の手で行った…。
土を蘇らせた手応えは確かにあった…。

しかし…

男達は言葉を失った。
目の前の辛い現実。

収穫できた作物と対照的に枯れてしまった作物達。
自然の脅威は容赦なく作物を襲った。
…いんげん、…きゅうり、…かぼちゃ

 

 

 


動き出して間もなかった夢の実験場に訪れた最初の悲劇。
その原因は例年よりも早い早霜。
そして、作物の成長を遅らせたこの荒地。
霜にさらされた作物達は見るも無残な姿に…。

「リベンジだね…、これ完全に…。」
それぞれから悔しさを噛み締める様にして発せられたこの言葉…。
その思いは大雪に見まわれた冬を越え、次の春へと持ち越された…。


昨年全滅したいんげんの支柱をかたづける長瀬と清。
表情もどことなく固い。
この年の大雪は雪融けと共に細かな土を下に押し下げ、
代わりに埋もれていた石が浮き出ていた。
リベンジへの第一歩はこの石を取り除く事。

石をあらかた取り除いたら、次はロータリートレーラーで土を入れかえる。
トラクターで土を入れかえる事で、まだ下にある石を押し下げ、養分のある土と
新鮮な空気を表面の土にすき込む事ができるのである。

トラクターが動き出してから約3時間。
生まれ変わった土を見て、長瀬の顔にもようやく活気が戻ってきた。
これでリベンジの舞台が整った…。


2001年5月。
気持ちよい五月晴れの下、民家から外へと飛び出した男達は
昨年の経験を活かし、次々と畝を作っていく。
「鍬の通りがいいんだよね。」
「去年よりもずっといいよ。」
などと言葉を交わしている内に数時間後には、50坪の土地に20本の畝が完成した。


次に取りかかるのは種まき。
実際に種を手にすると、昨年の記憶が蘇ってくる…。
「今年こそ…。」の願いを込めつつ、一粒一粒丹念に植えていく。

その一方でこの男…
「だめだぁ、こんなんじゃぁ」と明雄さんに注意を受けているのは城島
実は城島が去年まいた大根は密集しすぎて互いに栄養が行かずに
枯れてしまったのである。
城島のまいた部分のみ蒔き直し、土をかけて水をやる。

そしてその後男達が向かったのが何故か里山。
せっせと布袋に集めているのが実は「腐葉土」。

落ち葉は雪の下で腐り、春には植物の養分に生まれ変わるのである。
その上質な土をふるいにかけさらに細かくし、「ポット」と呼ばれるケースに入れる。

実はこの腐葉土を入れたポットに種を植え、
そして苗に育ててから畑に移す。去年の二の舞にならぬ様にとの明雄さんの提案。
種を植えたのはトマト、スイカ、かぼちゃにナス。

2001年6月。

カエルの声も騒がしくなり、梅雨がやってきた。
他の作物より数日遅れてナスが芽生えた。

梅雨の低温の中、他の芽もなかなか育たなかったがかぼちゃだけは違っていた。
すくすくと成長し、いよいよ畑に移すまでになった。

畑の土を掘り、ポットから取り出した苗を移す。
去年の悔しさをもう味わいたくない…。手伝いに来ていた朝美さんの目もどことなく真剣。


2001年7月。

そして訪れた2度目の夏。
好天に恵まれすくすくと成長するいんげん。
去年と同様に支柱を取りつける。

今年は猛暑とあって昨年よりも行き届いた管理が必要。
その甲斐あってか、かぼちゃは雄花に小さなふくらみができるまでになった。
去年はこの位の時期に枯れてしまったが、今年は太陽の光を受けて青々している。

いんげんやきゅうり、大根も昨年と同じ状態にまで成長している。
しかし、かぼちゃ同様にみずみずしい色を男達に見せてくれる。
雑草を取りながら、「後もう少しで収穫だね」と話題も明るい達也と城島。

しかし、自然は男達のその緩んだ心を見逃していなかった。
突然の大雨…。

果して、畑の作物は大丈夫なのか!?
清が家を飛び出し、畑へと走る…。

梅雨の時に少し畝を高くしておいたお陰か、水に作物が浸る事はなかった。
ほっとひと安心の清。しかし大自然は男達にまだまだ試練を用意していたのである…。

大雨から数日後、畑の様子を見に来た男達。
後少しで収穫の大根を見た時に三人の目の色が変わった…。

大根にヒビが入っていたのである…。

まるで刃物で切ったかのような鋭い切り口…。
明雄さんによると今年の猛暑で日照り続きで乾燥した大根は
この前の大雨で大量の水分を急に吸った為にヒビが入ってしまったのだという。

驚きを隠せない城島と達也。
あたりを見まわしてみると、その被害が非常に広範囲に広がっていた。
一本、一本抜いて確かめてみると殆どの大根に見るも無残なヒビが…。
思わず去年の悲劇が頭をよぎる。

しかし…。
「あっ!この大根、ヒビ入ってない!」
中にには生き延びた大根もいた。とりあえずひと安心の三人、
早速生き残った大根達を収穫する。
収穫を終え、他の作物も心配、と見に行ってみる…

すると、他の作物は元気に成長し、きゅうりといんげんは収穫できるまでに成長していた。
長いものや短いもの、太いものや細いものなど、成長した作物達は種の時は同じでも成長時には同じ形のものはひとつも無く、まるで人間の様。
この子供達を育てた親父達は一本、一本丁寧に収穫していく。
皆の顔に思わず笑みがこぼれる。

残るはかぼちゃ、と様子を見に行ってみると
まだ収穫時の半分程度の大きさで、収穫にはまだもう少しの辛抱が必要。

では、収穫した作物を早速食べようなどと言っているその脇で何やら城島が怪しい
動きで畑の奥へと消えていった。そして…
「何や、これ!?こんなに大きなるとは思わへんかったわ〜」
などと一人で何やら騒いでいる。


その様子に気付いたメンバーが側に行ったその時、誰もが同じ事を口走った。
「このかぼちゃ、デカッ!」
実はこのお化けかぼちゃ、種をまいた数ヵ月前、城島がみんなに隠れてこっそり
植えたものだったのである…。

「大きなって…、やっぱりワシの愛が通じたんやな…。」
と丹念にかぼちゃを磨く城島。見るとその直径は何と50cm!

「全然気付かなかった…」と言うメンバーをよそに城島、ひとり感動に浸る
この後どこまで成長するかは、城島も分からないらしい…。

ともあれ、昨年枯れてしまった作物達を見事に収穫する事ができた。
残る野菜達もこの後成長し、見事喜びの収穫となるのだろうか?

普段、村で行うロケの場合、昼食は近所(っといっても車で30分くらいかかるんですけどね・・・)にある旅館でお弁当を作って頂いているのですが、ロケの無い日などの
食事に大変困っているようなんです。

普段は車で往復2時間かけて商店に行き、買ってくるらしいのですが、さすがに
飽きてきたらしく、自炊をする元気もないようで本当に食事には苦労しているようです。

そんな時に明雄のお宅で頂くご飯は非常にありがたい、と清が言っておりました・・・。
明雄さん、清になりかわり、御礼を申し上げます・・・。
ついでにたまには洋食が食べたいとも申しておりました・・・。

家に眠っている持ち物いくらになるか!?

ほこりをかぶってタンスの肥やしと化してしまった思い出の品々。
新製品が次から次へ世に出回るほど、そんな持ち物は増えてゆく。
あなたのお宅にも、活躍の場を失ってしまった懐かしい物はないだろうか?
でも、大切なものこそ簡単には捨てられない。
ほこりにまみれてるくらいなら、他の人に必要とされるほうがよいのでは?

ならばやってみよう!
「家に眠っている持ち物いくらになるか!?」

太一がお伺いしたのは仙台市在住松川さん一家。
美恵子さん、夫・徳雄さん、娘・良子さんの3人暮らし。
特に美恵子さんは大の通販好き。
欲しいものに目が止まれば、つい受話器を握ってしまうらしい。

その松川家の押し入れを拝見。
「これはいっぱいありそうっすよ〜」
所狭しと詰まった品々、ほこりもかぶる余地がなさそう。

通販好きの美恵子さんがまず指を指したのはきゅうす。
箱をあけてみると紙に包まれたまんま。
5年前の購入したにもかかわらず、未だに使ったことがないらしい。

娘の良子さんが次に見つけたのは、さっきと同じような箱。
まさか・・・
「きゅうす、お母さんきゅうす大好きなんですね。」
こちらは3年前に購入したもので、もちろん未使用。

きゅうす2連発を不思議に思った太一、
「買って一回も使わないなんてどうゆうことですか?お母さん!」
お母さん、小声で「買うと満足・・・」と恥ずかしそう。
レンガのように積み上げられたサランラップの量を見ると、
眠っている物の多さに妙に納得させられる。


達也は東京都江戸川区の道給さん宅へ。
万紀子さん、夫・満也さん、娘・司花さん、のこちらも3人暮らし。
14年間同じ団地に住んでいるため、捨てられない物がたまっていて、
アメリカ留学にいっている長女のために、物置になっている部屋を
整理したいらしい。

「ともかくこの部屋が大変なんです」
と、万紀子さんが案内するのは衣裳部屋。

まず、手にとって見せたのが25年前、
10万円をはたいて買ったというスーツ。
高価なもので生地もよいのだが、
「体型のほうがついていかなかった・・・。」
誰かに着てもらえないかと、捨てられなかったらしい。

お中元・お歳暮などのもらい物のタオルは未使用。
10年間も箱の中で眠っていたらしい。
「タオルも使って欲しいのに・・・」


次に太一が目をつけたのが、独立した良子さんの兄弟が子供の頃
読んでいたという文学全集。
30年前に購入した物だが、かなり幅を取っている。


一方の道給家は、万紀子さんが次に指差したのは天井近くの棚で眠っていた
電子レンジ用・ラーメン丼。
これは2回ほど使用したらしい。
その他、野菜用ジューサーなど、贈答品や調理用便利グッズが目立つ。


松川家の次なる宝庫は2F子供部屋。
埋もれていたのは15年前の少女マンガで良子さん、子供の頃の記憶が甦る。
が、美恵子さんがもっと懐かしいものを発見!
「あれは?!」
子供の頃たくさん遊んだであろう、ボードゲームの数々。

たまりにたまった松川家の捨てられない物、合計120点にも上った。
まずは一番量が多い本から売りに行くことに。


道給家の子供部屋にも懐かしいものが。
出てきたものは女の子の憧れ「ジェニーちゃん」。
箱の中に6人並んでいる。
「それはバービーですね」と司花さん、昔を思い出す。
中には万紀子さんが子供の頃から使っていたというお人形もあったり。
やはりいい思い出はなかなか捨てられなかったらしい。

道給家の捨てられない物、35点。
こちらは生活用品をメインに扱う総合リサイクルショップ店へ。

トップバッターは10年前にもらったあのタオル。
しかし、店員さんの品定めは見るだけではなかった。
「新品だと思うんですけど、においがうつってしまったりとかもするんで。」
品定めには鼻も使うらしい。
そんなタオル、果たしていくらの値がつくのか?
「150円!」
もらい物に値をつけてもらっただけでも、上々の滑り出しか。

次は野菜用ジューサー。
電気製品にはこんなルールがあるらしい。
「97年なので3年落ちですね。」
必ず、製品の年式を確認した上でその価値を判断するらしい。
さらに、説明書はついているが箱の状態はよくない。
「頑張って150円ですねー。」

この他に電子レンジ用ラーメン丼50円、未使用の茶器セット300円など、
しめて1550円にもなった。
しかし、洋服やお人形セットは買い取ってもらえず。


太一・松川家は大規模な本のリサイクルショップブックオフへ。
果たしてどれくらいで買い取ってくれるのか?
少女マンガや小説、店員さんは本の傷み具合でより分けているようにも見える。
「一応カバーはかけてるんだけどね」と美恵子さん押してみるが、
売れた・売れていないに関わらず、保存状態で見分けているようだ。
その度合いをABCにランク別けし、買取価格が決まる。
やはり、ほとんどがBCクラス。
Aランクはほんの一握りだった。

続いて高かった文学全集。
これは変色が激しく、買い取ってもらえなかった。
太一「30年前のものなんですよ!」と、熱のこもったアピールを試みるが、
きれいな状態でないと値はつけられないらしい。
「残念だね」と美恵子さん、ひとごとの様。
意外なリアクションに太一、肩をすかされる。

ブックオフでは全55点を買い取ってもらった結果、820円となった。
「900円にならないですかねぇ?」
DASH村産コナラ炭を売ったときにも見た、
逆値切りを試みる太一だがここは失敗。
でも820円の値がついたことに3人、ご満悦。


道給家は一旦家へ帰宅。
先ほどのリサイクルショップでスーツの折りじわは取ったほうがいいと
アドバイスされていたのだ。
しかし、アイロンをかけてもなかなか取れない頑固なしわ。
25年というときの長さがうかがい知れる。
こんなしわに効果をもたらすのが"お酢"。
折りじわにお酢を染み込ませアイロンをかけると完全にしわが消えてしまう。
これは長期保存した衣類は酸化して硬くなっているのが原因で、
お酢のアルカリ性が中和させて折りじわを取ってくれるのだ。


続いて超大型リサイクルショップに向かう太一たち。
先ほど買い取ってもらえなかった文学全集を見てもらう。
「いや〜年期入ってますね〜」と店員さんの表情も困った様子。
ここまで古く、量が多いと置き場所に困るらしい。

「これいいですよ!」とめげずに出してきたのはおぼん。
売り込み上手な太一、少しでも値を上げてもらおうとアピールするが、
「デザイン的に悪いんですよ。」と玉砕・・・。
この他、有名ブランドの食器200円、あのきゅうす200円など、
20点を買い取ってもらった。
気になる値段は合計4620円!
嬉しさのあまり拍手が起こる。

家に帰ってきた松川家、次なる作戦はインターネットオークション。
ボードゲームをデジタルカメラに収めようとするが、
太一、品物だけ写しても面白くないと判断。
美恵子さん、良子さんであたかも遊んでいるかのごとく
楽しそうな表情を取り繕う。
「これは売れるわー!」と太一太鼓判。

この作戦イケると思った太一は、文学全集の写真も演出することに。
美恵子さん、泣きながら読む芝居をするが笑っている口が見え隠れしている・・・。
無事ボードゲームや文学全集を出品、果たしていくらの値がつくのか?


道給さんのスーツはどこで買い取ってくれるのか。
リサイクル洋品店で見てもらう。
なんとつけられた値段は200円。
季節が重要なポイントを締める衣類なだけにこの値段になってしまった。
合計5点の洋服が1900円で買い取られた。


松川家ではパソコンの画面に視線が注がれている。
オークションの締め切りまであと2分となったその時、
「1200円になってるー!」
楽しげな写真を撮ったあのクイズダービーゲームに高値がついていた。
しかもなかなか売れなかった文学全集にも100円の文字が。


道給家は専門的なほうが高値で売れる可能性があるため、
中古おもちゃ店に願いを託す。
お目当てはお人形セット。
と、店員さん(男性)と達也、次々にお人形のスカートをめくっていく。
この奇妙な2人に女性陣ちょっとア然。
しかし、店員さんによるとこのタイプの人形はお尻に入っている
ロゴが値段の決め手になるのだとか。
娘さんの人形5体でつけられた値段は500円。
比較的新しいものは価値が少なかったらしい。


7時を迎えた松川家。
クイズダービーゲームは1805円にまで増えていた。
これで全115点を買い取り、合計7745円になった。


道給家のお人形、今度はお母さんの古いものを品定め。
店員さんは、カツラの中、もちろんお尻もチェックしている。
最後の一つとなったこの品、一体いくらになるのか?
「これはじゃぁ、1万2000円で。」
えっ?!とこの日一度も聴かなかった単位が出ただけに耳を疑う。
実は20〜30年前のバービー人形は貴重でコレクターが多いかららしい。

これで道給家も終了。
気になる金額は合計16550円にまで上っていた。


≪最終結果≫
太一・松川家――――7745円
達也・道給家――――16550円

この日太一が腕にはめていた時計は、自前で買ったもの。
ロケにしてくるほど自慢の時計なのだが、
リサイクルショップで見てもらった値段にショック!
値段は言えないが、半額近くの値段を言われたらしい。

だが、昼食に食べた仙台名物牛タン。
これが非常においしかったらしく、
お土産に牛タンを買って帰るほどご機嫌だったとか。