DASH村だより 〜春が来た!〜
4月になり、ようやく春めいてきたDASH村
里山には、眠りから覚めた動植物たちが起き上がる準備を始めている
真冬には真っ白に覆われていたこの大地が、少しずつ暖かい色に染まり始めている

春になり緩やかになってきたDASH村に、今日も男たちの声が響いていた…

「あれ〜?どこやったかなぁ…」
必死に、土を掘り返す城島。何を探しているのか?
その時、北登が猛然と土を掘り返した!

「おっ!北登、そこか!」
達也、清、明雄さんも北登が見つけた穴を掘る。すると…

「あっ!出てきた!」
土中から現われたのは、大きな藁束。
「でも、たくさん作ったね」と達也も驚くこの巨大藁束、一体これは何なのか?
 
DASH村 〜納豆・水車づくり〜

4月になり、ようやく春めいてきたDASH村
里山には、眠りから覚めた動植物たちが起き上がる準備を始めている
真冬には真っ白に覆われていたこの大地が、少しずつ暖かい色に染まり始めている

そんなDASH村に、今日も男たちの声が響いていた…


「あれ〜?どこやったかなぁ…」
必死に、土を掘り返す城島。何を探しているのか?
その時、北登が猛然と土を掘り返した!

「おっ!北登、そこか!」
達也、清、明雄さんも北登が見つけた穴を掘る。すると…

「あっ!出てきた!」
土中から現われたのは、大きな藁束。
「でも、たくさん作ったね」と達也も驚くこの巨大藁束、一体これは何なのか?

実は、男たちが作っていたのは「納豆」
平安時代から日本にあるといわれる、伝統的発酵食品
発酵させる事によって、大豆の栄養素が何倍にもなるという
しかも、手作りのほうが、市販に比べてより栄養素が高い
ならば、とDASH村産大豆で納豆を作り始めたのである


まずは八木橋とマサヨの食料を拝借して、納豆を作るため藁筒を作る
藁に含まれる納豆菌が、大豆を納豆へと変えるのである
その藁筒に、6時間かけてじっくり煮た大豆を詰める
こだわりの男、城島は大豆を細かく刻んで「引き割り納豆」も作った

藁筒に詰め終わった男たち、おもむろに畑へと移動
すると、明雄さんの指示で穴を掘り出した。その深さは60cm程度
そこに、細木を敷き詰めて火をつけ始めた

穴に火をつけ、温めた土の中に藁筒を入れることによって、
納豆菌が繁殖しやすくなり、より美味しい納豆ができるのである
市販されている納豆の殆どは、この納豆菌を直接大豆にふりかけて作られている

穴を掘って埋める、この昔ながらの方法で上手く納豆が出来あがるのか?
土が温まったら、藁筒を大きなむしろで包み、火が付かないように熱湯を注ぐ

清が思わず「ツチノコみたいですね…」とつぶやいたその巨大納豆を土に入れたら、
熱が逃げない様に土を被せておく。この製法、見た目から「地獄納豆」と呼ぶ地域もあるという


そして、土に埋めてから6日後にに掘り返したのが、冒頭の巨大藁束だったのである
果して、大豆は納豆になっているのか?そして、そのお味は?

軒先へと持ちかえり、早速藁束を開ける。すると…
城島・達也「臭ぇ―――!!」
鼻をつく、強烈な納豆の臭い。しかし、これも納豆が出来ている証拠か?
中から藁筒を取りだし、中を開けてみると…

城島「おっ!糸引いてるやん!…でも臭いな…」
臭いが強烈なのは、菌がしっかりと繁殖している証拠
引き割り納豆も含めて、その出来は上々
しかし、大事な味の判断は口にしてみないと分からない。そこで、早速食事の準備

ご飯、味噌汁、漬物が食卓を彩る。そして、主役の納豆を藁から取り出す
達也「おっ、粘りもバッチリだね!」
かき混ぜるほどにねばりも出てきた。こだわりの男、城島は引き割りと大粒のミックスで

その味は、何もつけなくても十分食べられるほどの濃厚な味
香りも抜群のDASH村納豆と共に、黙々とご飯をかきこむ4人だった


…大満足の朝食も終えた男たちが向かったのは、畑の奥
そこには木で作った円盤状のものがそびえ立っていた

達也「よし、頑張ろうか、水車!」
そう、男たちが作っていたのは水車
動き出したのは今年の1月、水車作りに燃えている男、達也を主導に始まった
餅をつき、蕎麦やうどんづくりに挑んで実感した重み
これを効率よくするために、古くから自然の力を利用する水車を作ろうと思い立ったのである

太一「ここが30度?」
達也の指示で太一がベニヤ板に孤を描き、水車の型を作る
その型を実際の木材に墨付けする

「ここはもうちょっと…」
と、城島を指導しているのは水車職人の萩原重信さん
古来から伝わる水車の製法を今に伝える第一人者

萩原さんの指導もあってか、城島、自分でも「ボクらしくない」というほどの良い出来
それもそのはず、実は城島と清はこの木材を、以前稼いだ「焼きいも売り」
のお金で譲ってもらっていたのである
そんなことがあってか、木材への愛情は人一倍。もちろん作業にも熱が入る

そんな城島も一目を置く男、達也
日本家屋作りで培ったノミの扱いは、水車職人の萩原さんも舌を巻くほど
その手つきを見て城島も真似してみるが…、やはり上手くいかない

城島「なんで、そんなに上手くいくん?」
達也「う〜ん、慣れだね」
城島「…じゃあ、いっそのこと、芸名も『ノミ山口』とかにしたら?」
達也「なんか、『みのさん』みたいじゃん!」

乾いたDASH村の空気に、男たちの笑い声が響く
そして、作業はいよいよ「水車の命」とも呼べる行程にさしかかった

2台の台車で運んできたのは、巨大な木材。これが水車を回す為の軸の棒となる
6角形になるように加工し、先端を丸くする。この作業は全て達也に任された
少しのズレがあっただけでも、水車は回ってくれない
先ほどの明るい雰囲気とは一変し、緊張した現場となった

一方、城島は、軸棒を受ける部分を作ることに
軸棒と水輪(回る部分)の重さは、ゆうに1トンを超える
それだけに、木材も村の近くで見つけた固い桂材を使用することに

固い桂材に苦戦する城島、慣れないノミさばきに師匠の厳しい目が光る
それでも何とか、師匠のOKをもらい軸受けも完成
気が付けば、すっかり日も暮れ、辺りは闇に包まれていた
作業は明日へと持ち越された


達也「せーのっ!」
皆で声を合わせて、軸棒を軸受けに乗せる
そして、この軸棒に水輪を組み合わせれば、いよいよ水車の完成

達也「ん?」
水輪を軸棒に組み合わせていたが、どうしても最後の部分だけがはまらない
そこで、ほぞ(木材同士を組み合わせる溝)を深くすることに
この大役を仰せつかったのが城島

ようやくノミの扱いにも慣れ、「ノミって慣れると楽しいね」と漏らしていたが大丈夫か?
城島「腕が鳴るぜ!」
と気合を入れ、ノミを打ち込む。そして…

師匠「…大丈夫だね」
と少しの間はあったもののOKが出た!
そして、水輪も全てはまった。仕上げに柿渋で、全体を塗ると、
先ほどまで白かった水車が渋い茶色に変わった

水車はこれにて完成。しかし、このままでは水車は回らない
水車を回す水流が必要である。そこで里山を流れる小川の水を引く水路を作る
水路作りは、せき止める水門と共にその後1週間続き、
いよいよ水車に水をいれる時がやってきた!

清「水、流しまーす!」
清の手で水門が外される。水はゆっくりと流れ水車へと向かう

「大丈夫かな?」「ちゃんと回るやろか?」
心配な表情で水車を見守る達也と城島。すると遂に水車に水が届いた

しかし、水車は回ってくれない
どこか作業に不備があったのか?そんな不安がよぎる…
と、その時、ゆっくりと水車が回り始めた!

達也「カッコイイ――!」
城島「感動やね!」
清「回りました!」
男たちの想いを乗せて、ゆっくりとだが、しっかりと回る水車
しばらくはその姿を見守る…。と、その時である!!

達也・城島・清・明雄「アッ!!」
4人が水車の異変に気付いた!なんと水車が外れてしまったのである!!
しかし、回転は止まらない。ということは…

達也「危ない!危ないって!!」
城島「ちょ、ちょっ、ちょっと…!」

外れた水車が回転を続け、なんと清に向けて突っ込んできたのである!
軸棒という枷を失った水車はまさに「ブレーキの壊れたダンプカー」そのもの
古来から生活を支えていた建造物は、今まさに巨大な凶器となって清を襲った!

逃げ惑う清…
城島、達也もその巨大なフォルムに成す術が無く、「危ない!」と声をかけるのみ…

すると、なんと清が水車に手をかけたのである!!
その回転に巻き込まれたら、一人の人間程度なら軽く屠られてしまうはず…
しかし、DASH村を日々守るこの寡黙な男が、凶器と化した水車に立ち向かった!

すると、ゆっくりと回転のスピードが収まり、そして水車は止まった!
水流という動力を失ったので、回転力が無くなり、停止したのである

とりあえず、ホッと胸を撫で下ろす4人
しかし、精魂込めて作った水車が崩壊してしまった…

城島「ビックリしたー!」
達也「ぶっ壊れた…」
清「…」

果して、どうなる!?水車!

DASH村の食卓にまた一つ加わった「納豆」
実はこの納豆、DASHとはまさに「切っても切れない仲」なのです

納豆を使った実験は、過去のDASHでは多く行われていました
遡ること6年前の1月、深夜の頃に放送された
「納豆嫌いでも食べられる納豆は作れるか?」で初めてDASHに納豆が登場しました
「納豆を食べられない人の為に、大豆以外のもので納豆を作る」
という実験だったのですが、その時に作った「もやし納豆」の臭いは強烈で
今でもTOKIO、スタッフ共に「DASH伝説」として受け継がれています

これ以降にも、「巨大シャボン玉に入れるか?」で粘りをより出す為に作った
納豆入りシャボン玉など、DASHの歴史を紐解くなかで納豆は欠かせないものでした

今回、そんな納豆を一から作り、口にした城島と達也は
「こうやって、ちゃんと食べるのは初めてだよね」
と漏らしていたとか…

 
恐竜を発掘できるか!? 〜大規模発掘調査〜

130日目
前日のクリーニング作業中に、黒山隊員(通称:黒さん)が発見した奇妙な化石を、長谷川博士に鑑定して頂く。
骨のような棒状の化石に黒い点が2コある、ナゾの物体だ。
太一は、「首長竜の骨に、サメの歯が食い込んでいる」と予想していたのだが、当たっているか?
ルーペを使いじっくり観察していた長谷川博士の口から「世界的に見ても数少ない・・・」という言葉がもれた。驚きを隠せない隊員一同。
太一の予想は見事に的中していた! これは本当に首長竜の肋骨とサメの歯だったのだ。
長谷川博士は「かみつかれた首長竜が暴れて、サメの歯が折れたのではないか」と分析する。世界レベルでも希少価値の高い化石であることがわかった。
数千万年前、この地で、首長竜とサメがどんな死闘を繰り広げたのだろうか?


144日目
発掘作業の前に、本部で作戦会議を行う。
テーブルの上には、首長竜の化石と、発掘現場のジオラマが並べられた。
133日目から137日目にかけて、首長竜の骨をなんと16本も発見していたのだ! 合計28本となったが、いずれも下半身の骨のようだ。
したがって、「頭部や上半身はもう少し上流に埋もれているのではないか」と太一は推理する。
すぐにでも上流の川底を発掘したいところだが、大きな問題があった。
川底の岩は、水分を多く含んでいるため、中の化石が非常にもろくなっている。作業中に粉々に砕けてしまうおそれがあるのだ。

そこで、発掘地点の周りを土のうで囲み、内部の水を抜いてから発掘するという、大がかりな作業を実行することになった。
「ここまできたら、1頭まるごと見つけないと気が済まない!」と、太一のボルテージはさらに急上昇!


145日目
地元の自治体から工事の許可をいただいて、川の一部をせき止めるという大規模な作業にとりかかる。
この作戦に用いる土のうは1200袋。その中に詰める土は、なんと計24トン!
これを発掘地点の周囲に積み上げ、ポンプとバケツリレーで中の水を抜いてゆく。
ポンプ稼働から30分ほどで、水はほとんど無くなり、川底の岩盤が姿を現した。
その表面には、材(木化石)らしき物が顔をのぞかせている。
「期待大ですね!」と、はやる気持ちを抑えきれない太一。
早速、新兵器のエアピック(圧搾空気で動かすノミ)で、岩盤を削ってゆく。
まずは、121日目に大腿骨(1)を発見した地点を調査。
すると、その大腿骨の"続き"が、さらに地面の奥深くに埋まっていることが分かった。

この日の作業では、クレトラムナやクレトダスといった中生代白亜紀のサメの歯を見つけたものの、大腿骨以外の骨は発見できず。
発掘範囲をさらに広げるため、新たに74トンの土と3700袋の土のうを投入、のべ3日間かけて、川底に積み上げた。
これで首長竜の上半身は見つけることができるのだろうか!?


151日目
74トンの土と3700袋の土のうで川の一部をせき止める作業が、ひとまず完了。川の真ん中に、3つの"プール"が出現した。
いよいよ今日、中の水を抜いて発掘に取りかかる。
これだけ広範囲を調べれば、かなりの成果が期待できるはずだが、問題がひとつだけ浮上した。
太一も「ある人が来ちゃったから…」と気がかりな様子。
その"ある人"とは、他ならぬリーダー城島。実は、DASH恐竜発掘隊の中でただひとり、首長竜の骨をいまだに見つけていないのだ。
川の水を抜くために大型排水ポンプの電源を入れた瞬間、ポンプを支えていた城島が、水圧に押されて転倒! これでは先が思いやられる・・・。

30分ほどたつと、プールの中の水は、ほとんど排出された。
露出した岩盤の表面を観察していた太一の声が飛ぶ。
「これ骨じゃないですか!?・・・ア、これもそうだ!」
大部分が岩盤に埋もれており、何の骨かはクリーニングしてみないと分からないが、とりあえず1個発見!

さらに興奮した声が川原を飛び交う。
「あった、あった! ウワッ!?」
「指でしょう!」
エアピックの衝撃で、化石は4つに割れてしまったが、長さは3cmほど。
今までに何度か目にしている指骨とソックリだ。
これも首長竜の指骨なのか?

作業開始から7時間経過。
疫病神あつかいされてしまった城島、汚名返上に燃えているが、まだこれといった成果は無く、「なんも出えへんなあ…」と少々あせり気味。
「初志貫徹でやってみよう」と首長竜の骨がいちばん最初に見つかった地点をエアピックで削る。
しかし、「ダメだ…。悔しいな…」。出るのはため息ばかり。

発掘開始から9時間、雨が激しくなり、日も落ちて辺りは薄暗くなってきた。
そろそろ作業を打ち切ろうとした、その時!
城島が掘り出した岩盤を見ていた高橋先生がポツリとつぶやいた。
「これ骨だよ」。
悔しさでこわばっていた城島の顔が、見る見るうちにほころぶ。
「骨!? 骨!? 骨!? ウワッ、やった! 小さいけど、最後にやった!」
高橋先生も、「いやぁ、よかった、よかった」と我が事のように大喜び。
これは一体何の骨なのか?
城島も、首長竜発見者の仲間入りできるのか?

154日目
発掘開始から5ヶ月が過ぎ、川原の桜もそろそろ五分咲き。
今日は、太一と鈴木先生が隊員を率いて、川で発掘作業を行う。
一心不乱にエアピックで掘っていた鈴木先生が「あった! 出ちゃったよ!」と誇らしげな声をあげた。発掘歴40年の面目躍如。
その化石の形状は、これまでに何度か出土している脊椎骨(背骨)に似ている。長さは6cmほど。
しかも、巨大な琥珀のオマケつき。
駆け寄った太一も「ウワーッ!」と驚いたほどだ。

一方、城島は、151日目に自ら掘り出した化石をクリーニングする。
クリーニング中に化石まで砕いてしまうというミスをこれまでに2回やらかしている城島、慎重にエアチゼルを扱うが・・・
「アッ、またやっちゃった!」
エアチゼルの振動で、またも化石を割ってしまったのだ。
その断面を顕微鏡で調べてみると、さらにショッキングな事実が発覚!
骨化石特有の構造が無い! これは一体どういうことなのか!?
高橋先生の口から決定的な言葉が出た。
「炭化した木化石ですね」。
ボウ然とする城島。
「エ、どういうことなんですか!? あの感動は…」
これでまた、首長竜未発見男に戻ってしまった城島。
「すべてがむなしい…」

ガックリと肩を落として発掘現場へとやってきた城島に、太一と鈴木先生がニヤニヤしながら成果を報告する。
二人が掘り出したばかりの脊椎骨を見た城島、「デカい!」と感服。そして自分は、情けない事実を報告する。
「あれは材(木化石)だった…」

しかし城島は、気を取り直してエアピックを握りしめ、「負けてられへん!」と、岩盤を掘り始める。
はたして、その願いは通じるのか!?

城島と入れ替わりで本部に戻った太一は、151日目に自ら発掘した化石をクリーニング。その結果、長さ15cmあまりの、これまでに見たことのない奇妙な化石が母岩の中から出現した。
一体これは何なのか!?

発掘開始から3時間、苦闘を続ける城島に、ついに天が微笑んだ。
エアピックで掘り出した岩の表面に、黒い物体が!
「ア、ア、ア、スゴい!」
歯だ!
サメや肉食魚の歯は、これまでにも数多く出土している。
しかし、今回の物は、かなり大きい。3cmはありそうだ。
鈴木先生の見立ては、「首長竜の歯ですね!」。
「ウワー、本当ですか!?」と喜色満面の城島、鈴木先生とガッチリ握手!

発掘開始から5時間、神田隊員(通称:殿下)も首長竜の歯らしき物を発見。
さらに1時間後、今度は青柳隊員(通称:ハンマー)も歯を掘り当てた。
歯の化石は合計3本になった。
これらは本当に首長竜の物なのか!?


155日目
首長竜研究の第一人者である、長谷川善和博士の所にやってきた隊員たち。
首長竜の歯と思われる化石と、太一のナゾの化石を、博士に鑑定して頂く。
まず、城島が掘り出した歯は、やはり首長竜の物であると判明。
首長竜の歯は、表面に細かいスジがあるのが特徴だ。
次は、青柳隊員(通称:ハンマー)の掘り出した歯。長さは1.5 cmほどとやや小さめ。長谷川博士も「カワイイ」と感想をもらす。
これもやはり首長竜の歯であった。

ということは、神田隊員(通称:殿下)の見つけた歯も、首長竜の物か?
しかし!
長谷川博士の口からは、意外な言葉が漏れた。
「これは違う。ソウリュウの歯です」

ソウリュウ!? 隊員たちは初めて耳にする言葉に戸惑った。
ソウリュウとは、漢字で書けば「滄竜」。英語で言えば『モササウルス』。
長谷川博士曰く、「海に潜った巨大トカゲですね」。
それは一体、どんな姿形をしているというのか!?
そして、151日目に太一が掘り出したナゾの化石の正体は?

154日目に長さ6cmの脊椎骨(背骨)を見事に掘り当てた鈴木先生。
発掘歴40年の勘は鋭い! さすが大ベテラン! と誉めちぎりたいところですが、実はかなり"幸運"でもあったのです。
あの日、鈴木先生は、博士(熊鰐隊員)と組んで、川底の岩盤をエアピックで掘り起こしていました。
すると、「鈴木先生、青い岩盤が見つかりましたよ」と、他の隊員から声がかかりました。
青い岩盤からは、脊椎骨がいくつも出土しているので、鈴木先生は新たな青い岩盤をずっと探していたのです。
先生は博士(熊鰐隊員)に「青い岩盤を掘りに行こうよ」と言いましたが、博士(熊鰐隊員)は、「ここを片付けてからにしませんか?」と提案。
先生も「それはそうだ」と思い直して発掘再開。
そのわずか2分後、例の脊椎骨は、陽の目を見ることになったのです。
ラッキー(金子隊員)の口グセではありませんが、幸運を引き寄せる力も重要ですね。

 
一本釣り長瀬 〜心臓部・エンジンは蘇るか!?〜

長瀬「水漏れてます!」
修復を終えたつれたか丸をチェックするため、
試しに浮かべてみたはいいものの…
このままではつれたか丸が沈んでしまう!
つれたか丸に一人っきりの長瀬、水漏れに悪戦苦闘!
水漏れの原因はバルブが緩んでたかららしい。
一刻も早くバルブを閉めなければ…

ひとまずバルブを閉め終え、ホッとする長瀬。
だがもう1つ気になることがあった。
よく見ると船の前が上がって傾いているが…
これはエンジンを積んでいないため、重心のバランスが崩れて起こったこと。
エンジンを積めば、水平に浮くようにあらかじめ設計されているのだ。

しかし、その肝心のエンジン…
そう、つれたか丸にはエンジンが無いのだった。

長瀬「船の解体屋ってないのかな?」
長瀬が考えたのは、つれたか丸同様、持ち主不在のエンジンが余っているのではないかということ。

船を解体したらしいクズが散らばる解体屋。
漁船のエンジンがあるという。
「これで8万くらいですね。」
錆びてはいるが、まだまだ使えるという。
しかし、馬力は240万馬力くらい。
マグロを釣るにはやや不安な数字。

より良いエンジンを追い求めて、エンジン探しは続く。
割とキレイに大切に保管されていたエンジン、
中古でもここまで良い状態のものはそうあるものではない。
だが、これも馬力不足。
長瀬、妥協しようかどうか迷う。

緑色の塗料が所々剥げ落ちたエンジン。
このエンジンは部品を取るために置いておいたエンジンだという。
部品が取れ、そこらへんに転がっているものの、
組み立てればまだまだ動いてくれるこのエンジン。
気になる馬力は375馬力!しかも、値段はタダらしい。
長瀬ピンと来たのか、このエンジンを即決したようだ。

一刻も早くつれたか丸を動かしたい長瀬、
早速エンジン修理に取り掛かった。

エンジンの命ともいえる、シリンダー部分。
燃料を爆発させ、ピストンの上下運動を利用して、
プロペラへと続くシャフトを回転させる。
そのピストンが収められているシリンダー。
だが、内部は傷つき、このままでは効果的な動力が生み出せない。
ホーニングという研磨作業を行うが、削りすぎても隙間が生まれてしまい、
爆発の力がピストンに上手く伝わらないらしい。
息を殺し、慎重に丁寧に削っていく。

色を塗ることで、いっそう新品のようになったエンジン。
長瀬「蘇ってきてる…別人だね。」
自らの手で修理するつれたか丸、手応えは日に日に大きくなっているようだ。
しかし、見た目は良くても肝心の修理が成功しているかどうかは
動かしてみるまで分からない。

いよいよ、エンジン始動。
固唾を飲んでキーをひねる。
果たしてかかってくれるのか…?

「3、2、1……アレ?」
ピクリともしないエンジン。
もしかして、シリンダーを削りすぎてしまったのか?

原因はそうではなかった。
安藤さんによると、燃料の中に空気が入ってしまい、
不完全燃焼を起こしてしまっているのが原因らしい。
ポンプを押してみると、中に閉じ込められていた空気が
ブクブクと溢れ出してきた。
これで、エンジンがかからなかった原因が解決できたのだろうか?

気を取り直して、エンジン始動…
今度はどうか?
長瀬「お願いします…」
すると…
爆音を響かせて、エンジンがかかった!
激しく上下するピストン、煙も吐き出され、勢い良く動き出した。
つれたか丸の心臓が息を吹き返した瞬間。
長瀬「生き返った!」
満面の笑みで安藤さんと、固い握手。

いよいよ、つれたか丸にエンジンを積み込む。
長瀬「エンジンルームが狭く感じるわ。」
とうとうつれたか丸の心臓部、エンジンが積みこまれた。
これで海へ出られるのか?

しかし、もう一つ重要な修理箇所が残っていた。
それは舵。
エンジンがかかって、プロペラが回っても、走る方向を定める舵がないと
行きたい方向へ進めない。

舵は鉄板を溶接して張り合わせる。
これまでプロペラの後ろに無かった舵が尾ひれのように付けられた。
長瀬「スゲェ!船だ!」

修理するごとに船らしくなるつれたか丸。
エンジンが心臓なら、舵は手足。
長瀬「早く走らせたいなー。」
つれたか丸と一緒に海に出る、思いをはせる。
そんな思いもそろそろ現実になろうとしていた。

つれたか丸、再び海へ…
エンジンが勢いよく始動し、プロペラが回転する。
修理に問題はないか?

成功を祈り、レバーを傾ける。
長瀬「…進んでるよ!凄くない?!」

数ヶ月前までボロボロだったあのつれたか丸、
出会った頃は想像も出来なかった航海が、今現実のものに。
長瀬は嬉しさの余り、漁港内で波を立てながら、
いつまでもつれたか丸を走らせていた。

そんな喜びもつかの間、長瀬は海から離れた所にいた。
少しだけつれたか丸を離れ、今、新たな挑戦が始まる…
そう、船舶免許を取らなければならなかった。
果たして免許は取得できるのか?

このロケはまだ肌寒い春先のこと。
春といえば花粉の季節、長瀬もスタッフもみんな花粉症に悩まされていた。
朝、スタッフと顔を合わせては「どう?今日(の花粉)は?」と、
互いの症状を確認。
毎回何が花粉症に効くか、熱い情報交換が交わされていた。
甜茶は?クスリは?とみんながはじき出した結論は…
「外に出ないこと」と「マスク」。
意外と基本的なことが一番効くらしい。