163日目
この日も岩盤を取り出す作業。
しかし、春になり川の水が増量したため、骨らしき化石が見つけにくくなっていた。
まずは太一が、キャスト(化石の跡)を発見。
この跡をたよりに探していく隊員。
しばらくして青柳隊員、その近くから骨化石を発見!
クリーニングをしなくてもいいほどのきれいな状態だった。
これをキャストとあわせると、ピッタリ一致!!
165日目
これまでの発掘作業で、太一・城島を含め隊員たちが見つけた化石は首長竜だけでも50点に及ぶ。
これだけ多数の化石、狭い本部の机上に並べているだけでは、首長竜の全体像がなかなか見えてこない。
そこで一度、自分たちの軌跡をたどるべく、広い場所に化石を並べ考察してみることを決めた隊員。
近くの体育館を借り、ここに白いシートを広げ、化石を並べて全体像をみることにした。
首長竜の推測されている全長はおよそ6.5m。それを、頭・歯・首・背骨・前足・胸骨・肋骨・腹肋骨・骨盤・腸骨(骨盤を支える骨)・後足・尾骨の12の部位に分け、これまで発掘してきた化石を一点一点並べ、全体像を模索する。
はじめに、背骨となる中心を決め、それに沿って大きいもの、わかりやすい形の化石を置いていく。
太一「わくわくするなあ」
115日目に取り出した背骨の化石を置いた太一、期待に胸を膨らませる。
城島「新しい遊びをやっているみたいだなあ」
と、城島も究極のパズルを楽しむ。
背骨を並び終え、次は後足の化石を並べていく。
121日目に発掘した大腿骨の化石。
表裏・左右が分からず、どう置けばよいのか迷っている太一に、高橋先生は、
水深力の構造から考えれば、どちらが表か裏か分かる、と説明する。
すなわち、水かきの動力となる大腿骨は、平らの方が表で丸い方が裏であれば、水かきしやすい。
なるほどと納得した様子の城島。
太一「すごくでっかいんだねー」
改めて首長竜の大きさを確認しながら、肋骨の骨を置く太一。
城島も、154日目に自分で初めて見つけた首長竜の歯の化石を、頭の方に丁寧に置く。
すべての化石を並べ、首長竜の形がおおよそ明らかになってきた。
そこで橋本隊員が、並べた化石の横になり、大きさを比較する。
ちょうど、首長竜の腹部に寝そべる橋本隊員。
それを2階から見ていた太一は気付いた。
「たぶん飲み込まれたら、あんな感じなんだよ」
その結果、上半身部分の骨が歯しか出ていないことが分かり、全身の骨格発掘までの長さを改めて実感。
城島「頭欲しいなあ」
隊員たちの目標は、首長竜の頭を見つけることに焦点が絞られた。
果たして、残りの首長竜の骨を発掘できるのか?
166日目
日差しの強い晴天の下、決意も新たに発掘作業は進められる。
早速、城島「出た!出た!」と大騒ぎ!
岩盤には楕円形の跡が見られる。
ついに首長竜の頭を発見か?
間髪いれず鈴木先生が出した答えは
「炭化物ですね」
みんなの注目集めた城島、やっぱり期待はずれ。
今度は太一が、なにやら大きな骨化石を発見。
一同、あまりの大きさに驚きを隠せない。
慎重に取り出そうとした太一。
しかし、水分を多く含んでいるため、骨の化石がバラバラになってしまった。
全体像の見えなくなったこの化石、一体何の骨だったのか?
169日目
本部に戻りクリーニング作業へと入る。
岩盤を細かく砕き、化石が中に含まれているのか慎重に探す。
166日目に太一が見つけたバラバラの骨化石。
その数ミリ単位にまで小さくなった破片を、注意深く繋ぎ合わせ復元していく岩上隊員。
ピンセットを上手く使いながら6時間を費やしてできあがった、あの化石の正体は、
紛れも無く首長竜の脊椎骨であった。
170日目
作業範囲が広くて人手が足りないということで、鈴木先生は昔からの化石発掘仲間、
自然史研究会の方を4人連れて来て頂き作業に協力してもらった。
「あ、サメの歯だ」
と、岩盤に多数のサメの歯化石を見つけた黒山隊員。
かけ寄った自然史研究会の方々と4人と鈴木先生は、
「ここにもある!」
「これもだ!」
「いっぱいある!」
「なんだこれ!」
子供のように無邪気になって興奮する5人。
サメの歯は全部で16点。
我々が本当に掘り当てたい化石は首長竜の頭の骨だが、サメの歯が出てきた後に首長竜の骨化石が出てくるケースが多い。
つまり、この場所を中心に発掘し続けると、首長竜頭化石も期待できる!
171日目
城島「目指すは頭、頭出すぞー!」
隊員の士気を高めるため円陣を組み、この日の発掘作業スタート。
エアピックで岩盤を砕いていく。
城島「なんか化石が眠ってそう」
と言った直後、岩盤を掘り返した鈴木先生が、「あ、これそうだ」と声をあげた。
それを手にした太一は、「でかーい!!」
さらに大きな化石の発見してしまい城島を呼ぶが驚きのあまり
口パク状態「ス・ゴ・イ」
それを見た城島は、「ブリの切り身みたいな・・・」とうらやましそうな顔でつぶやく。
さらにその奥の岩盤にも化石の続きがあるようだ。
しかし化石がもろく、このまま掘り出すとまたバラバラになってしまう。
化石の上から石膏を流し込み、固まったところで岸へ運ぶ。
岸に石膏で固められた岩盤が運び込まれると、いつも静かに寝ている
化石犬カフェオレも異常な程岩盤に向かい吠えた。
さらにその近くから、金子隊員が小さくて丸い骨化石を発見。
「小さくても骨は骨だよ」と、その骨化石を受け取る太一。
確かに今まで発掘された化石のどの部位と見比べても小さい。
この骨が意味するものとは果たして・・・
174日目
この日は、太一が171日目に発掘した石膏で固めた岩盤から、
化石を見つけ出しクリーニングする。
高橋先生の指示の元、ダイヤモンドカッターで切れ目をつけ、
その隙間にタガネを入れ、化石を崩さないように慎重に砕いていく。
すると、細かく砕いてみると、中に手の甲大の化石を発見。
さらに、化石を砕いていくと、次から次へと化石が密集して見つかった。
「こんなに集まっているところは無かったよ」
と高橋先生も驚きを隠せない。
一方、「ブリの切り身」のような形の大きな化石の続きを取り出すため、
岩盤を細かく砕きクリーニングしている神田隊員。
奥の方からも大きな化石が取り出され、全体像は両手大ほどにもなった。
それもきれいな首長竜の大腿骨だ。
なおも残った同じ岩盤から化石を見つけ出す。
注意深く見ていくと、指骨が続々と発見される。
高橋先生も「これはきれいだ」と感心するばかり。
大量に出てくる化石に、クリーニングする太一も腕がなる。
クリーニングの済んだ化石を作業台の上に並べていくと、紛れも無く足ヒレの形に!
「わー何これー?」
本部に戻って来るなり驚き戸惑う城島。
一つの大きな岩盤から取り出したヒレ骨の数は11本。
ちょうど、指先を除くパーツを成していた。
175日目
岩上隊員が岩盤の残骸を拾い集めているときに。骨化石を発見。
171日目に金子隊員が発見したちっちゃな化石に似ている。
さらに、太一が岩盤をめくると、これまでで最大級のキャストを発見!
これは一体何の化石なのか?
鈴木先生「水を含んでいると骨は本当にもろいから」
先生の言う通り、手で掴み取るのは非常に困難。
ピンセットをも使って、壊さないよう慎重に取り出す隊員たち。
さらに、めくった岩盤の下奥にも化石は続いているようだ。
一体どこまで続いているのか?
とりあえず、大きな岩盤を丸ごと取り出すことに。
3時間かけて取り出した岩盤は、直径1m、重さ500kg!
隊員・スタッフ総勢15人で川から持ち上げ、本部に持ち帰る。
179日目
あの大きな岩盤には一体どれだけの化石が眠っているのか?
興奮する気持ちを抑え、太一、金子隊員、神田隊員、そして高橋先生もそろって、大きな岩盤の内部を見てみることに。
表面には、太一が175日目に発見した化石の続きの部分。これをうまく取り出し、さらに内部にあるかもしれない化石に期待をかける。
ハンマーを持ち出し、岩盤を割る太一と金子隊員。
しかし、中には何も無い。期待は裏切られた・・・。
それにしても、表面についていた、あの大きな化石の正体は一体何なのか?
その唯一の化石をクリーニングする。
何か大きな化石の一部であることがわかったのだが、全体像は分からない。
しかし、残った岩盤のキャストと照らし合わせることで、なんとなく骨盤の骨の形に見えてきた。
180日目
またまた骨化石を発掘する太一。
しかし、あまりにも小さく餅のような平べったく丸い化石。
これまで発掘してきた首長竜には見られない小さな骨化石、正体は果たして何なのか?
183日目
類を見ない「小さな化石」の発掘に、隊員のクリーニングにも気合いが入る。
そんな中、神田隊員がクリーニング中に先日太一が発見した餅のような平べったく丸い化石に非常によく似た化石を発見。
小さな化石は4つの謎の骨化石として復元された。
それは、指のような小さな骨2つと、餅のような平べったく丸い化石2つである。
これは、今まで発掘された首長竜のヒレの化石と形は似ているものの、大きさは明らかに違う。
では、この4つは一体何の化石なのか?
そして、意味することは、何なのか?
185日目
再び、体育館で発掘された化石を並べる。
太一が174日目に出した大きな骨は、クリーニング後、骨盤の一部ではないかという見解が出された。
新たに出てきたものも含め並べてみたものの、頭を含め上半身の化石は見つかっていない。
再び大きさを比べるため、橋本隊員が化石の隣りに横たわる。
と、そこへ、一人の男性が現れた。
太一「あれ?長谷川博士ですか?」
長谷川博士「はい」
隊員たちが多数の化石発見したと聞き、長谷川先生が駆けつけてくれたのだった。
長谷川博士に新たに出土した化石を説明する太一。
特に長谷川先生は、一つの岩盤から、足ヒレの元から指先までそろって発見したことに対し、
「たいしたもんですよ」と非常に興味深そうにうなずいた。
問題は、175日目に太一が発掘した、骨盤の一部ではないかとみられた化石。その周りについていた岩盤と共に、長谷川博士に見てもらう。
すると長谷川博士、「首長竜の骨盤であることは確かだ」と説明。
やはり、これは骨盤だったのだ。
次に、183日目にクリーニングして形が明らかになった、謎の4つの「小さな化石」を鑑定して頂く。
実は、この骨には新たな真実が隠されていた!
長谷川博士「背骨であることは確かだ」という長谷川先生。
しかし、首長竜の背骨と比較するとかなり小さいことに少々疑問を抱き、
「これは子供の背骨だと思う。まだ形ができていないからね」と長谷川博士は鑑定した。
つまり、あの川には首長竜の親子が眠っていたと推測できるのだ。
この見解に、驚きを隠せない太一。
長谷川博士も「夢見たいな話・・・」と期待を膨らませていた。
190日目
8000万年前、この場所には首長竜が2体いた事を知り、隊員の発掘の士気が高まる。
さらに続く発掘調査、と、またもや新たな発見が!
それは、まだ見ぬ首長竜の頭の化石なのか?
それとも、新たなドラマを生む重要な証拠化石なのか?
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