DASH村だより ~仔ヤギたちの成長記~
近づく夏が空と山との色を流しているDASH村。
ようやくの誕生に胸を撫で下ろした男たち。

先に産まれた兄は、母親に甘えるかと思えば、自分であちこち動き回ってばかり。
すぐ後に産まれた弟は、母親の近くで甘えるばかり。
同じようで、早くも性格の違いが見えてきた様子。
白い体でたくましく村中を駆け回る姿も、あと少しだろうか?



そんな兄弟の姿を微笑ましく見守るマサヨ。
DASH村に嫁ぎ、無事母となるまでは、実はこんな物語があったのです。
 
DASH村 ~マサヨ出産物語~

…それは去年の秋。
男たちがDASH米の収穫に忙しかった頃に、やってきたマサヨ。
独身の男・八木橋を思って清が連れてきたのだが、
マサヨの八木橋に対する第一印象はあまりよくなかった。



2人の為にと、男たちが作った新居に入ってからも、八木橋の猛アタックにそっぽを向く始末。
2人の間を取り持った清も、そんな2人の関係を心配そうに見つめていた。

季節は変わって冬。
厳しい寒さが村中を包む。DASH村で初めての越冬を迎えるマサヨを想い、清が冬支度。
作業に力が入るのは、八木橋と早く結ばれて欲しいという気持ちの現われか?

すると、八木橋のアタックが実ったのか、それともただ寒かっただけなのか、
なんとなく寄り添う2人。恋のキューピット役をかって出た清の想いが通じたのだろうか?

そして迎えた、2002年元旦。
新しい年を迎えると共に、2人の間にも新しい変化が生まれていた。
清が小屋を覗くと、マサヨの方から八木橋に体を預けていた。
人に見られて恥ずかしいのか、何故かせっせと角を磨く八木橋、。

そして、清がいなくなったその日の夜は、雪をも溶かすほどの熱い夜となったのだった…。

季節の変化と共に、2人の間もイイ感じになってきた八木橋とマサヨ。
2月に行われた豆まきにも、仲良く2人で参加し、村人たち公認の仲になった。


さらに季節は流れ、村にも春が訪れるとマサヨにも春が訪れていた。
村の桜が満開になった頃、どこかお腹を気にしてゆったりとした動きになっているマサヨに、男たちは立派な母のきざしを確認した。
そして、この日からマサヨを見守る日々がスタートしたのである。

マサヨと産まれてくる子供を想い、食べやすいようにワラを細かく切ったり、栄養満点の米ぬかを食事に混ぜ、着々と出産への準備が進んでいたある日…

清「マ、マサヨがー!!」
マサヨが突然、息むような仕草を見せたのである。
しかし、おしっこだった…。

ヤギの出産に慣れていない男たち、ちょっとした仕草にもハラハラしてしまう。
しかし、男たちの顔にはそれぞれ笑顔が浮かぶ。
全員、新しい仲間の誕生を待ちわびているのだ。

そんな男たちの想いとはよそに、なかなか出産の時は訪れない。
妊娠発覚から1ヶ月半。途中、ワラで丸いクッション状のものをこしらえるなど、
出産の仕草は見せるものの、未だ新しい命はマサヨのお腹の中。

不安になった清は、専門家にみてもらうことにした。
子供は無事のようだが、初めての出産ということで色々とナーバスになっているのでは
という診断。

運動不足が逆に、ストレスになっていると聞き、早速マサヨを散歩に連れていく清。
村の青草を食み、子供の分も栄養を取る。


清との散歩が良いきっかけとなったのか、いつも座っていることの多かったマサヨだったが
何かソワソワして慌しい。いよいよ出産の時がやってきたのだろうか?

すると、突然小屋の中を歩き出し、今まで聞いたことのないようなうめき声をあげた!
清「あぁ!産まれた!」

マサヨの身体から産まれた、小さな白い命。
粘液に包まれて動きずらそうにしているものの、その目はしっかりと初めて見る外の景色を見つめていた。そして、さらに…

清「あっ!もう一匹…!」
そう、マサヨの異常なお腹の張りは、2つの命が宿っていたからなのだった。
2人目の仔ヤギも、大きな目でキョロキョロと周りを見まわし、こちらの元気そう。


大仕事を終えたマサヨも、すぐさま子供たちを舐めてやり、粘液を取ってあげている。
なかなか立てない子供たちに見本を見せ、おっぱいを飲ませる。
もう、その顔は母親そのもの。ただ見つめているだけの八木橋も、どこか父親らしく見えてきた。



母親に立ち方を教わり、おっぱいを飲んでお腹を満たした子供たちは
元気に村中をかけ回っている。お父さんのようにたくましい体になるのはいつの日か…。



新しい仲間が嬉しいことに2人も増えたDASH村。
男たちもおめでたい日には欠かせない赤飯を作り、出産を祝った。

青一色に染まった、良く晴れたこの日は、男たちにとって忘れられない1日となった。

新しく誕生した2人がまだ、マサヨのお腹にいた頃、
明雄さんが男たちにこんなアドバイスをしていたのです。

「食事をしなくなったら出産の合図」

八木橋やマサヨが口をもごもごしている映像をご覧になったことがある方も多いと思います。
ヤギは「反芻」といって、飲み込んだ食べ物を胃から口へと戻してまた噛む、という動作を繰り返し、消化がよくなるようにしているのです。ですから普段は、いつも口を動かしています。

明雄さんの知識と経験で、何度も助けられている男たちですから、マサヨを見守る時も口に注目しながら見ていたのです。

妊娠中のマサヨも終始口をもごもごしていたので、側で見守っていた清も突然の出産にとても驚いたそうです。

ともあれ、めでたい出産に誰も明雄さんを攻める人はいなかったそうです。

 
恐竜を発掘できるか!? ~運命の最終日~

191~200日目
これまで順調だった首長竜の発掘に異変が起きた。
太一「何で出てこないんだろう?」
焦りの色を出す太一。
実はこの10日間、首長竜の骨化石が全く発掘されていなかったのだ。



さらに、切実な問題がせまっていた。
先日、気象庁は全国的に梅雨入りしたことを発表した。
梅雨に入ると、現在発掘作業を進めている河川は増水する。そのため、この場所を管理する自治体からの行政指導により、発掘期限が5月31日までと定められていたのだ。
残された時間はあと1週間。首長竜の発掘はどうなるのか。
隊員たちはみな焦っていた。

12のパーツに分けて構成される首長竜の骨。
そのうち、これまでに見つかったのは下半身を中心に7パーツ(67本)。
頭の骨を含め、首より上の骨は歯の化石2点しか発掘されていない。
しかし裏を返せば、歯を見つけることで頭の部分の化石を見つける近道だ。
歯の化石は、共に下流の方のプールから発掘されている。
つまり、この付近の岩盤を掘り起こせば、首長竜の頭の骨が出てくる可能性が高い。
せまる発掘期限、果たして首長竜の全パーツの化石を見つけることはできるか!?




205日目
急ピッチに続けられる発掘作業。
掘り起こした岩盤を一個一個確認しながら、土嚢袋に詰め込んでいく。

発掘開始から3時間。
城島が貝など多くの化石が密集している岩盤を掘り当てた。
ひょっとしたら、近くに首長竜の骨も眠っているかもしれない!

城島「あっ!」
みんなの注目が集まる。
太一「すごくでかい!」
出てきたものは、首長竜の歯の化石。しかも、今まで発見されたものの中でも一番大きい。
ということは、この近くに頭の化石も眠っているはず!



5月31日(発掘最終日)
城島「がんばりましょう!」
隊員「オー!!」
城島を中心に円陣を組んで、士気を高める一同。
いよいよこの日、川での発掘作業は最後となる。
今日こそは頭を、いつも以上に気合いを入れて発掘は始まった。
作業は城島が首長竜の歯を発見した周辺の岩盤から開始。

始まって間もなく、太一岩盤の側面に骨化石を発見!
太一「まだあるなあ」
その骨化石が出てきた地層から判断すると、骨化石などの炭化物の含まれる岩盤が上流のほうに続いているのがわかる。
まずは鈴木先生たがねを使って、太一の見つけた化石を丁寧に掘り起こす。大きさ約5センチ四方、形は平べったい円形で、首長竜のヒレの一部だと判明した。

しかしその後、隊員たちの意気込みとは裏腹に何の手がかりも見つからない。
もう、この一帯にある化石はすべて掘り出してしまったのか。
見落としているかもしれない。掘った岩盤をくまなく土嚢袋に詰め込む。

発掘開始して8時間。やはり、この男が骨を発見した。
太一「出たー!」
その声を聞いて駆け寄る城島。
今まで見たことのない薄い骨化石が見つかったのだ。

鈴木先生「薄いということは、首長竜の骨盤とか頭ですね」
それを聞き、期待に胸を膨らませる太一。
まだこの下には続きの部分の化石が眠っている。
注意深く捜していくと、続々現れる小さな化石。そのどれを見ても骨は薄い。

鈴木先生「今まで出たのとは違うかもしれないですね」
形から見ると、この骨化石は胸骨、あるいは頭の部分の可能性もある。
俄然やる気みなぎる隊員たち。

日も沈み残り時間はもうわずか。
エアピックの振動で飛び散る泥水が隊員の顔に跳ね返る。しかし、それをぬぐおうとする者はいない。
できるだけ多くの岩盤を取り出そうと必死になっていた。
彼らを見守るカフェオレも、隊員を応援するように遠吠えする。



発掘開始してから12時間。
と、そのとき!
「ワー!!」
現場中に大きな声が響き渡った。
太一「どうしたー!」
駆け寄ると、なんと水が入ってこないように積み上げていた土嚢が隊員の足元に崩れてきたのである。
ちょうど積み上げている土嚢の下のあたる部分を掘り起こしていたため、重みに持ちこたえられなくなって崩れてきたのだ。
急いで崩れた土嚢を取り除き、時間ギリギリまで掘り進める。

そして、最後の一日が過ぎた。
延べ202日に及ぶ川での発掘作業はすべて終了した。
これまで、発掘で積み上げられた土嚢は1500袋分。
この中から、最後の望みをかけてクリーニング作業が始まる。
果たして、首長竜の化石はまだ眠っているのか?
そしてあると願いたい頭の化石・・・

先日、6月10日は化石犬・カフェオレの1歳の誕生日でした。
視聴者の方からも、お祝いのメールをたくさんいただきました。
これまで、化石発掘に一躍をかってきたカフェオレ。そこで、今回はカフェオレの一日を少し紹介しましょう。
この一年ですっかり大きくなったカフェオレ。その面倒見役を自らかって出たのは、ラッキーこと金子隊員でした。
犬が大好きな金子隊員は、朝の散歩から食事やお風呂に入れたりと、カフェオレの身の回りのことはほとんど彼がみています。
隊員の中でも、金子隊員の命令には必ず従うカフェオレ。あまりになつくので、たまに一緒に寝ることもあるそうで・・・
いつしか2人で(?)恐竜を発掘した夢を見れたらいいですね。