DASH村 〜ゆかいな仲間たち〜
先日産まれた17羽のアイガモたちが、晴れ渡る空の下、初仕事に出た。
稲がそよぐ田んぼに、元気なパトロール隊が誕生した。

去年の先輩たちから教わるでもなく飛び出し、苗につく害虫を取るその姿は、もう一人前。
17番目に産まれた「くろすけ」も、みんなに負けじと田んぼを泳ぎまわっている。

17羽が産まれたアイガモ小屋では、また新たなるパトロール隊が誕生しようとしていた。
3羽を産んだ「さくら」も新しい卵が温められていた。楽しみな誕生までは、あとしばし。

元気なのはこちらも負けていないのが、2匹の仔ヤギたち。
母親の呼ぶ声にも耳を貸さずに、村中を駆け回っている。

足元がおぼつかなかった弟も、今では兄を追い越すまでに。
ついこのあいだまで、元気に駆け回っていた北登も、元気な2匹が気になる様子。

そして、北登がもう一つ気になっているのが、村の一角にできた果樹園。
実はこの果樹園が完成するまでには、昨年から男たちの様々な戦いがあったのです。
その話はまた後ほど…。
 
DASH村 〜果樹園づくり〜

梅雨の間の晴れ間が覗いているDASH村。
久々の日光を浴びて、いきいきと大地を駆け回っているのはこの双子の兄弟。

2人は見た目はほとんど同じだが先導していくのが兄で、その後を恐る恐る付いていくのが弟。性格の違う2人だが、お母さん・マサヨの前ではおとなしくおっぱいを飲んでいる。

そして、お腹がいっぱいになったら村の探検の始まり。
弟も兄を追うように石を飛び越え追いかける。



どうやら2人は高い所が好きなようで、露天風呂のある小さな丘に登り、しばし休憩。
そこから見える村の景色は、2人の目にどう写ったのだろうか?

そんな姿を微笑ましく見守る男たち。
…そういえば、大事なことを忘れていたことに気付いた。そう、2人の名前である。

2人の世話を買って出ていた清は、こう名付けた。

村の大地にしっかりと立ち、考えながら常に先頭を切って行動する姿に「つかさ」。
そして、産まれてすぐにお父さんに会いに行った、ちょっと臆病なやんちゃ坊主。
村の中をのびのびと生きるように「つばさ」と名づけた。



「つかさ」と「つばさ」
2人は今日も元気に村を走り回っています。


畑の脇に今年の春からお目見えした果樹園。
その計画、実は去年の秋から着々と進められていたのです。

先頭に立って動くのはこの男、植木茂。
まだ荒れ放題のこの場所に、りんご、さくらんぼ、桃を実らせたいと願っていた。

「初めてやったら不安やけど、今までやってきてるからね」と少々自信も覗かせる。
しかし、その道程は「桃栗3年、柿8年」というように一筋縄ではいかない。

まず、必要なのは何より「苗」、と向かったのは村近くの果樹園。
炭と漬け物で得た資金、49545円を元に苗を購入することに。

果樹園の主人、飛田実さんのご好意で、今年手放すという何本かの苗を購入させてもらった。
その苗は、桃、梨、りんご、さくらんぼ、ぶどうの5種類。

今の時期に苗の周りの土を掘り、コモ(わらで編んだシート)で巻く。
そして、冬の間は同じ土の中でゆっくりと冬眠させる。木が活気づき別の土でも、新しい根を張ることができる春まで待つことに。

厳しい冬を越えて、やって来た春になると植物も動物も動き出した。
昨年の内に用意しておいた苗を、村へ移すことに。
待ちに待った城島、いよいよの作業に言葉数も多くなる。

飛田さん「これ、さくらんぼだよ」
城島「マジっすか!チェリーっすか!いやー楽しみやな〜。チェリー藤尾…」
飛田さん「そりゃ、ジェリーだべ…」

楽しい会話(?)を続ける内に作業はあっという間に終了。
掘り出した苗をリアカーへ乗せ、村へと運ぶ。

「足取りは重いけど、心は軽い!気合じゃー!」
と前傾姿勢を保ったまま、全力でリアカーを引っ張る城島と清。

何とか村まで辿り着いたら、早速、木を植えることに。
手伝いに来てくれた飛田さんに、アドバイスをもらいながらの作業。

木がすっぽり埋まるほどの穴を掘り、そこにヤギ夫婦から作った堆肥を入れる。
そして石灰に続いて入れたのは、アイガモ隊が池に溜めたフン。このフンには作物に必要な窒素、リン酸などの成分を豊富に含んでいる。
実はアイガモ池の修復の際に、底にたまっていたものをすくっておいたのである。

これらを混ぜてその上から木を植え、苗木を支える支柱を立てたら、
果樹園からの移住は完了。全ての苗木を植え終わるには1週間かかった。

それからしばらくして…
「おっ!つぼってる!つぼってる!」
桃の苗木につぼみがついていたのである。さらなる開花を目指し人工受粉を行う。
「ぼくらはミツバチの代わりってことだね」と、順調な成長に心も弾む。

受粉からしばらくして、他の苗木も開花。
それぞれの苗木に名札を立て、秋の大収穫を願う。
果して、食欲の秋を満喫することができるのだろうか?

そして、この果樹園にも出勤すべく第2のアイガモ隊がその誕生を待っていた。
昨年、誕生したアイガモたちも、もうすっかり親の顔になっている。

母ガモたちが温めている卵が有性卵か無性卵かを清が確かめてみると、
合計5個の卵に動きが見られた。順調に行けばまもなく5羽のヒナが産まれてくる。

春といえども、まだまだ夜は肌寒い。親ガモたちがしっかりと冷気から卵たちを守る。
すると、「ガァガァガァ」というアイガモたちの鳴き声の中で、耳を澄ませないと聞こえないほどの小さな泣き声が聞こえてきた。



「ピィピィピィ…」
大きなお母さんのお腹から、小さな黄色いヒナが顔を出した。
すると、それに続けとばかりに、残りの卵からも相次いでヒナがかえった。

八木橋さんファミリーに続いて、アイガモ隊にも家族が誕生した。
親の真似をして水を飲む姿も、まだまだおぼつかない様子。このヒナたちが果樹園に出勤する日はいつ頃になるのだろうか?



新しいアイガモ隊の誕生に沸く村の中で、苗木も順調に成長を遂げていた。
さらなる成長を促すために、肥料と水を与える、「追肥」を行う。

「いいもんがなるぞぉ〜」と明雄さんも楽しみな成長。
しかし、自然はそんなに甘くはなかったのである。

何かが起こりそうな満月の夜。
「こっちも焚がねぇとダメだ」明雄さんが珍しく声を荒げる。

そう、雲の無い夜に襲いくる自然の猛威「霜」。
一昨年、村の野菜はこの霜にやられて息絶えた。
この時期にやってくるのは「春の遅霜」と呼ばれている。

「このままじゃ、一晩で決まっちまうから」と明雄さんのアドバイスで一晩中焚き火を焚いて見守ることに。

よく見ると、うすいさくらんぼの花びらは透明になり、
さらに桃の花には白い水滴が着いていた。

作物として最も繊細な桃、りんご、さくらんぼ、果して春の遅霜から守ることはできるのか?

名前も決まり、より元気さが増したようにも見える「つかさ」と「つばさ」。
そんな2人を見つめている1人の男がいました。その男とは、最近入った新人AD。

初めて見る仔ヤギたちのあまりの可愛らしさに思わず見とれてしまったらしく、
ロケの休憩時間に2人のもとへ近づきました。

小さく横に振るしっぽ、クリッとした大きな目、空に浮かぶ雲のように真っ白な体…
近くで見れば見るほど魅了されてしまった彼は、遂に仔ヤギたちに手を伸ばしました。
その背後に迫る、2本のツノを携えた大きな体の存在に気付かずに…

「カ、カワイイなぁ〜」
まさに彼の至福の時でした。何にでも興味を持つつかさは彼が近づいても、嫌がらない様子。
「これは、オレのことが好きなのかも…」
とあらぬ期待を抱いていたその時!

「ハウッ!!」
のたうち回るAD。その背中にはくっきりと2つの跡がついていました。
そう、八木橋がADの背中を突いたのです。父親として見ず知らずの男が息子に触れるのを許さなかったのでしょう。

痛みに這いずり回るADの回りで、「八木橋にも父親らしいところがあったんだなぁ」と微笑ましくTOKIOとスタッフが眺めていたそうです…