清の目を盗んで先に飛び出すのはお兄ちゃんの「つかさ」。
必ずその後に弟の「つばさ」も続きます。
2人の大冒険はこのごろ日課になっている様子。
何に触れても興味津々なようです。
いろいろ探索していると、こんなこともありました。
役場の前に置かれた、2人にとって見慣れない木箱。
ピヨピヨと声がする中を覗いてみると・・・
卵からかえったばかりのアイガモの雛たちの姿が。
初めて目にした黄色い雛に、ビックリして退散してしまいました。
その育すう箱では、食欲モリモリで、競い合うように餌を食べる雛たち。
中でも気になるのは、この一羽。
皆より少し毛の黒い、「くろすけ」です。
2年前、一番最後に卵からかえった「うずら」を母に持つくろすけ。
血を引いたのか、くろすけも最後にかえったのです。
今日はそんなくろすけが田んぼデビューを果たすまでのお話・・・
緑がいっそう映えてきたDASH村。
DASH米2年目の田植えも終え、パトロール隊の出動が待ち遠しいところ。
土の養分を充分に吸った稲は、すでに18cmまで伸びていました。
豊作になるかどうかのカギを握るアイガモ隊、
出番までもうすぐです。
男たちは田んぼに網をかけ、アイガモ隊は水遊び。
遊びといってもこれは水になれる訓練、
日々の経験がアイガモ隊を大きくさせます。
しかし、まだくろすけは水浴びができるまで成長していませんでした。
みんなからすこし出遅れてしまったくろすけ、
田んぼデビューは皆と一緒にできるのでしょうか?
数日後、この日もたらいの中では、兄たちが水遊び。
見る見るうちに成長した10羽を超える雛たち、
たらいも狭くなってきました。
そんなところへ、初めて水を浴びるくろすけが登場。
明雄さんの手に諭されて、なんとかたらいに入れてもらえました。
少しずつ遅れを取り戻そうと、懸命のくろすけ。
泳ぐ姿も必死です。
無事、みんなの成長に追いつき始めたアイガモ隊。
水浴びの次は次のステップが待っていました。
つかさも小屋から身を乗り出して見守る、次の訓練。
育すう箱を飛び出して、外のお散歩が始まりました。
これまで外界を知らなかった雛たちが行く、新しい世界。
何にでも興味を持つのはいいことですが、
危険だと分からないから、結構無茶なこともしてしまいます。
身長の3倍もある石段、雛から見たら断崖絶壁なのに・・・
一匹が飛び降りると、続けて仲間たちが飛び降りてゆきます。
けがはしなかったようですが、男たちも読めない行動にヒヤヒヤ。
そんな活発な兄たちの行動に、必死に追いつこうとするくろすけ。
ところが・・・
くろすけ、行く手を阻む岩で先に進めず、一人残されてしまいました。
小さな視界から消えた兄たちの姿。
不安になったくろすけはぴぃぴぃぴぃと、泣き叫んで兄たちを探します。
兄たちの声をもとに、姿を見つけたくろすけは、なんとか集団に復帰。
でもいつも指定席は最後尾。
目の前には兄たちの後姿ばかりが広がっています。
こうしてすくすくと育っていったアイガモ隊に
とうとうあの日がやってきました。
太一「これから何するかわかってんのかな〜?」
そう、田んぼデビューの日がやってきたのです。
強い日差しに照らされて、産毛がいつもより黄色く見えるこの日から、
アイガモ隊の活躍が始まります。
田んぼもアイガモ隊にとっては初めての世界。
入り口の向こうに広がる苗のじゅうたんが、これから生活する場所です。
さて、アイガモ隊はこの場所を気に入ってくれるのでしょうか?
達也「さぁ、初めての田んぼどうかな?」
太一「あ、行った行った行った!!」
訓練の甲斐あってか、水にも恐れず、みな田んぼに飛び込んでいきます。
気になるくろすけも力強い泳ぎ。
どうやら、広い田んぼの世界のほうが、育すう箱より楽しいようです。
DASH米の明日をになうアイガモ隊の田んぼデビュー。
無事成功して、男たちもほっと一息といった感じ。
そして、改めて願いを託す。
太一「お前らにかかってるぞー。」
秋においしいDASH米が食べられるようにと、祈るのでした。
「桃栗三年柿八年〜」
と、大きな掛け声とともに始まった、DASH村の新たな試み、
果樹園づくり。
もも、りんご、さくらんぼ、なし、ぶどうと、甘い実を求めて、
挑戦が始まっていた。
近くの農家のかたから分けてもらった枝を植え、養分をたっぷりと吸わせる。
と、気温に敏感に反応し、一番先に花を咲かせたのは桃の木。
淡いピンク色の花をつけました。
りんごの花は実と対照的に白を基調としたかわいらしいもの。
しかし、好調とも思えた果樹園にあるアクシデントが襲い掛かったのです・・・
ある満月の夜のこと。
明雄さんと清がなにやらあわただしい様子。
明雄さん「火、焚かないとダメだわ」
何故こんな夜に火を?
実はこの春、DASH村に遅い霜が降りてきたのです。
農作物に多大な被害を与える霜。
特に遅霜は、成長段階で急に冷えるものだから、たちが悪い。
この日、夜を徹してDASH村に日が焚かれました。
明雄さんが丁寧に見てくれてはいるものの、
次第に元気を失う果樹園の木。
桃の花は見る見るうちにしおれ、さくらんぼの花もうつむいてしまいました。
清が祈るように火を焚くと、一時は持ち直したかのように見えたものの、
まだ温度が低い・・・
できることは何でもしようと、焚き火の数を増やしつづけました。
すると・・・
先ほどまで元気の無かった花たちが、徐々に上を向き始めたのです。
まさに、生き物と対話するような夜。
花たちが喜んでいるのが手にとって見えます。
この日、日の出まで何とか持ちこたえた花や葉は、日中になって
いつもの元気を取り戻しました。
だが、まだ心配は続きます。
明るくなったDASH村には、
木々に命を吹き込んでくれた焚き木の燃え残りと、
土に降りた恐ろしい霜の跡。
吐く息白く、不安は残ったままです。
後日、清が枝を分けてもらった、農家の飛田さんに常態を見てもらいました。
初めての果樹園づくり、分からないことだらけで見た目だけでは判断できない。
飛田さんの一言が気になるところ・・・
すると、
飛田さん「あ、大丈夫だ・・・」
飛田さん曰く、懸命に火を焚いたおかげで、無事に生き続けているらしい。
りんごもももも、峠を越えてほっと一息といった感じ。
だが・・・
飛田さん「さくらんぼは影響してるな・・・」
なんと、他の木は大丈夫なものの、
さくらんぼのみが霜にやられてしまったようだ。
よく見てみると、ほとんどの葉が下に垂れている。
一本でも枯らせたくない・・・
そんな想いから、さくらんぼを元気にする処置が始まった。
まず水をやり、根元を肥料で覆ってやる。
さらに水。
どれだけ養分を吸ってくれるか・・・
日は過ぎてゆき、少しづつ回復を見せ始めたさくらんぼ。
しかし、一難去ってまた一難、さくらんぼの次の敵が襲ってきたのです・・・
木の周りに割り箸片手で集まる男たち。
太一「うわー攻撃してる攻撃してる!」
と、箸でつまむのは木についた毛虫。
早く取ってやらないと、葉を食い荒らすさくらんぼの敵なのです。
虫を駆除した後は、無農薬農薬の散布。
効果抜群の無農薬農薬は頼れる存在。
かけたとたん、体をよじらせ落ちていく虫たち。
城島「しげちゃんマンビーム!」
と、言っている内にポトポト落ちる様に男たちから歓喜の声が。
達也「やっぱ効くんだねー。」
そのころ、太一は一人別行動。
炭小屋で何かを取っているが・・・
そう、これはDASH村産の炭づくりでとれた木酢液。
木酢液には消毒の効果があり、今後やってくる害虫を予防するのに効果がある。
そのじょうろいっぱいに入れた木酢液を、さくらんぼの土へ。
そんな苦労の甲斐あって、梅雨時期には実がなり始めたさくらんぼ。
雨水を身にまとい、成長は波に乗ってきたようだ。
だがまだまだ青い色の実。
赤くなるまではもう少しかかりそう。
しかし、悪いことは重なるもの。
待ち遠しく、期待を膨らまして待つこと数日。
そろそろ赤くなる頃かと思っていた矢先・・・
赤くなるはずの実が、茶色く変色。
表面にしわが寄り、とうとう枯れてしまった・・・
さくらんぼにいったい何があったのか?
根元に無残に転がる、枯れたさくらんぼの実。
だが、これは新たな敵がやってきたのではなく、
さくらんぼ自身が考えてやったこと。
今年の春、植えたばかりで、根が充分成長していないため、
水や養分を吸い上げる力が弱い。
すべての実を大きく育てることは不可能と判断したさくらんぼは、
自ら実を落としていたのだった。
しかし、すべての実を落としたわけではない。
残った実を大きく育てるための、本能だったのだ。
男たちをやきもきさせながらも、ここまで回復してくれたさくらんぼ。
しかし、今度は本当に次なる敵の気配がしてきた。
それは、あたりにやってくる鳥。
実を直接食べてしまう鳥は、油断をしているとすべて食い尽くしてしまう。
その姿は隣りのなしの木までやってきていたのだった。
男たちは総出で鳥対策。
ダンボールに書いた巨大な目で、鳥を追い払う作戦。
太一「黄色と黒が嫌いなんだって。」
果たして効果を生むのだろうか・・・
どうやら、人がいないときでも目を光らせ、見張ってくれている様子。
と、この頃から、目以外にも果樹園を守ってくれる奴が現れたのです。
この日も木々に忍び寄る鳥、そこへ・・・
北登「ワンワン!!」
勇ましいおたけびで北登も果樹園を守ってくれていたのです。
皆で見守ったさくらんぼ、やがて青から黄色に色が変わってきました。
そして、ほんのり赤が色づき始め収穫間近か・・・
DASH村でけなげに生きるさくらんぼ、
これから無事に育ってくれるのでしょうか?
さくらんぼとは裏腹に、ビックリするほど成長しているのが、
つかさとつばさの幼い兄弟。
オスらしく、角も見え隠れしてきました。
生まれたばかりの頃は、立つのもままならなかった弟つばさ、
今では水場の岩もひとっとびで乗っかります。
兄つかさは、好奇心旺盛。
最近のお気に入りは自分の顔が映るカメラのレンズで、
近寄ってはペロペロ・・・。
そして、生後わずか20日。
もうここまで伸びた、頭上の突起。
兄つかさの角は7mm、弟はそれを追うように6mmに成長しています。
好奇心旺盛な性格は、角も見逃さず、お互い見せあいっこ。
どちらが長いか比べているのでしょうか・・・
それから10日も経たないうち、なんと角は倍以上!
兄つかさ36mm、弟つかさも31mmまでに!
すくすくという言葉が当てはまらない、成長の早さ。
八木橋、マサヨも目を細めます。
とはいっても、こちらの角はもっとご立派。
八木橋のような角にまでなるのはいつの日なんでしょうか?
のんきなことを言っていると、果樹園にまたとりの姿が!
この鳥に目の効果は効かないのか・・・?
と思っていたら、彼らは親になったアイガモ隊。
田んぼを我が子に任せ、親たちは果樹園パトロールに専念していたのでした。
じつは、田んぼ同様、虫を食べては糞をしてくれるありがたいアイガモ隊。
今年は果樹園に職場を移し、親子で活躍が期待されます。
収穫まであとほんの少しの辛抱となったさくらんぼ。
ここまできて、枯れてしまっては後悔すると、
念には念を入れてネットを張ることにした。
さくらんぼ全体を覆って、鳥からガード。
完全防備の作戦にとりもなすすべなし・・・
と思われたのだが、頭のいい鳥がわなをかいくぐり、ネットの中へ。
男たちより一枚上手だった・・・
しかし、そんな頭のいい鳥も、続くことなくその後は順調に成長。
黄色い部分がほとんど消えて、さわやかな赤一色に実がなったのでした。
すくすくと成長し、大きくなってきたさくらんぼの実。
しかし・・・
太一「割れてない?」
気になる実に入った亀裂。
これはいったい何故?
実は、雨などの水分が付着した後、その水分が実に吸収され、中が膨張。
皮がその圧力に耐え切れず、破けてしまうのだった。
通常、さくらんぼはビニールの覆いをかぶせ、実が濡れないよう配慮する作物。
DASH村の果樹園のさくらんぼにも、男たちの手でビニールの屋根が
施された。
太一「これで鳥が入ってきたらさ、食っていいって言うよ」
というほどの完璧なつくり。
もう、外的に襲われる心配も無い。
一時はどうなることかと思ったさくらんぼ。
ようやく食べてもいい時期がやってきた。
じゃんけんで食べる順番を競い合う男たち。
トップバッターは太一。
太一「うめぇ〜、これ食うよ鳥も。」
と、鳥の気持ちがわかるほど甘いようだ。
城島も感慨深げにかみ締める。
飛田さんも「最高の味だ」と太鼓判。
まだ実の数は少ないが、これからどんどん数を増やしてくれるだろう。
だが、男たちが喜びを分かち合った後、またもやハプニングが。
雨は次第に強くなり、風も増してきた。
太一自慢のビニールハウスが破れる・・・
そう、台風がやってきたのだった。
強風にあおられ、必死にしがみつくさくらんぼ。
果たして残りのさくらんぼは大丈夫なのか?
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