謎の外国料理つくれるか!?
国と国との距離が縮まった現在も、世界には知られていない
料理が数多くある。
それらの料理には名前を聞くだけでは分からないものも多い。

ならば、聞いた事も見た事もない料理を、その名前だけを手掛かりに
材料、作り方を突き止めることは出来るのか?

そして実際に食すことは出来るのか?
ならばやってみよう!!

「謎の外国料理は作れるか!?」
 
「あなたの知ってる外国料理名を送って下さい」と
番組で募集したところ、なんとその応募総数は821通。
そして、松岡と太一が引いたはがきに書かれていた料理名は・・・

太一 →「マチャミーヤンカンム」
松岡 →「クペッピア」

それぞれこのハガキに書かれていた料理名のみを頼りに、解読へ向かう。

車に乗り込むと、すぐさまどこかに電話をする太一。
太一「あの〜、マチャミーヤンカンムって料理名知ってます?」
電話の相手「聞いたことないよ〜 そんなの…」
太一「マチャミーと言えば久本さんに聞けば分かると思って…」

何と電話の相手は「マチャミ」こと久本雅美さんだった。
久本「タイとか東南アジア系の国々じゃない?」
国分「ですよね〜」

とまずはタイ料理店へ向かう国分。


その頃松岡は「『ピア』という響きがイタリア料理っぽい」と予想し、イタリア料理店へやって来た
松岡「こちらにクペッピアって料理ありますか?」
店員「イタリアンではないと思います。」

いきなり予想がはずれた松岡。
気を取り直して、「外国語のことなら・・・」とある場所へと向かう。




一方、タイ料理店「カオタイ」を訪ねた太一。
しかし、日本人スタッフしかおらず、タイ人のコックがまだ来ていないという。
そこで、お店のタイ料理に舌鼓を打ちながら、
タイ料理を食べながら待つ事数十分、出勤してきたコックに尋ねてみると、
この様に訳せるという。

マチャミー
ヤン
カン

焼く かゆい

太一「豚肉、焼く、かゆい、どんな料理だろう?」
と、さらに出勤してきたタイ人の女性従業員にも聞くと…

従業員「東南アジア系の料理じゃないですか?」
これにより、東南アジア10カ国に絞る国分。
太一「一歩前進したぞ!!」
と他の9カ国で探す事に。




一方、NOVAなら何かヒントになることを聞けると考えた松岡。
早速、英語教師のジルさんに聞いてみる。すると・・・
ジル「発音自体がスウェーデンの言葉に似てます。」
松岡「スウェーデン!?」

いきなり具体的な国名が出て来た!これで一気に解読か?
早速、都内にあるスウェーデン料理店へ向かう。


一方、新宿区百人町にある、東南アジアや中国の料理が多く立ち並ぶ「百人町屋台村」へとやって来た太一。早速、解読へ挑むが・・・

外国人コック「※#&*$¥・・・」
太一「あの〜、何語で話してるんですか?」
店員「北京語です」


中国、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピンの人々がいたが、このような料理は聞いたことがないという

ちなみに、どんな意味か尋ねると…

<マレーシア語・インドネシア語の場合>
マチャミー
ヤン
カンム
これですか あなた

<ベトナム語の場合>

チャ
ミーヤンカン

ほっぺ おでこ 帽子

東南アジアの国々で残るは「ミャンマー」「ラオス」「カンボジア」「ブルネイ」「シンガポール」
の5ヶ国に絞られた。

この5カ国の人たちに出会えそうな場所を聞いてみると、「留学生会館」なるものがある
という情報をゲット。早速、その場所へ向かうことに。


一方、スウェーデン料理店「ストックホルム」へやって来た松岡。
スモーガスボードという60種類の料理が並ぶスウェーデンの伝統料理で有名なお店。
早速、店員に「クペッピア」という料理がないか尋ねてみると・・・

店員「うちには置いてないですが、確かに半濁音の付く料理は多いです」
メニューを見せてもらうと、確かに「ロールモップ(ニシンのマリネ)」や「ソッパ(スープ)」
「ピッティパンナ(牛肉とジャガイモの炒め物)」など半濁音の付く料理が多い。

とりあえずどんな料理か食べ始めると…
松岡「これは美味いっすね!!」
と次々にとまらない松岡。

「スウェーデン料理は美味い」ということは分かったが、クペッピアがどんな料理なのかは分からない。

そこで、「ヨーロッパには違いない」と予想した松岡、ヨーロッパ系の大使館が多い港区へと向かった。


一方、駒場留学生会館に到着した太一。
入口で東南アジア人を待つと、中からそれらしき人がやって来た。
太一「スイマセン、お国はどちらですが?」
男性「日本ですけど・・・」
太一「えっ!?あっ、スイマセン、大変申し訳ないです・・・」


気をとり直して次に入り口から出てきた女性に尋ねると、ミャンマーの方だった。
ミャンマー料理ではないらしいが、さらに尋ねると…

太一「どこの料理っぽいですか?」
女性「カンボジアっぽいですよね」
太一「どこへ行けば会えますかね?」
女性「有名なス―パーがありますから、そちらに行ってみてはどうですか?」

とカンボジアの食材店を紹介してもらった。


一方港区に着いた松岡は、麻布にあるスーパーマーケットで
ヨーロッパ各国の方に尋ねるが、どの国の人も全く聞いたことがないという。

そこで、場所を移し、近くのカフェで聞き込みを続けると…
松岡「ドウ ユー ノー クペッピア?」
フランス人女性「ノー フレンチ」
スペイン人女性「ノー スパニッシュ」

と、やはりここでも収穫がない。しかし・・・

フランス人女性「トルコ・・・神宮前・・・ハレム」
どうやら、渋谷区神宮前にある「ハレム」というトルコレストランで
クペッピアに似た響き料理を見た事があるらしい。

早速、そのお店へ向かおうとすると・・・
スペイン人女性「アー、カン蹴り!?」

松岡「・・・オー、イエス!イエス!アイアム、ジャパニーズカン蹴りマン!!」
どうやら、先日放送した「TOKIO VS 100人のカン蹴り刑事」で松岡が大活躍していた
ところを偶然見ていたらしい。
異国のDASHファンに出会えて、さらにやる気が出てきた松岡。
神宮前のトルコ料理店へと向かう。


一方、神奈川県相模原市にある東南アジア系食材店「エスニックマート」に到着した太一。
ちょうど店内にいたカンボジア人に尋ねてみると・・・
カンボジア人「マチャ、ミーヤン、カンム…あぁ、カンボジア語ですね」
太一「えっ!!マジですか!!」


遂に謎の料理名の国名を突き止めた太一。
続けて意味を解読してもらうと・・・。

マチャ
ミーヤン
カンム
〜がある

ミーヤンは分かるが、≪マチャ≫≪カンム≫は難しくて読めないらしい。
そこで、近くの大学でカンボジア語を教えている先生がいるということなので、
その先生を紹介してもらえることに。

町田市にある桜美林大学に着いて、カンボジア語教室を案内してもらうが
授業中ということで隣の教室で待機。

すると、授業終了のチャイムが鳴ったのに先生が教室から出てこない。
どうやら、生徒たちの質問に答えている様子。
国分「遅いなあ〜、あと10分しかないのに…」
10分後には次の授業が始まってしまい、このままでは時間が無い。すると太一が・・・

太一「先生!! 分からない事があります。」
先生「何、質問?」

時間が無いと考えた太一は、教室に突入して挙手して直接質問をぶつけたのである。

その熱意が伝わったのか、カンボジア語講師セタリン先生による解読が始まった。

セタリン先生「『マチャ』『カンム』はパーリ語みたいですね」
太一「パーリ語???」


紀元前1000年頃のインドでは、「カースト制」という厳しい階級制度があった。
区切られた4つ階級では、それぞれ別々の言語が使われており、宗教の経典など全ての階級の人々が読める共通の言語が必要とされていた。

そこで、誕生したのが「パーリ語」だったのである。
パーリ語は、現在では使われている地域は少ないが、カンボジア語などの主流言語の源流と言われている言語なのである。

早速、セタリン先生にパーリ語を訳してもらうと、このような訳になるという。

<パーリ語> <カンボジア語> <パーリ語>
マチャ
ミーヤン
カンム
〜がある 不幸

太一「不幸になる魚??」
料理名は≪不幸のある魚≫ということが分かったが、
具体的な食材やレシピの方は全く聞いた事ないらしい。

太一「どこへ行けば料理の内容が分かりますか?」
セタリン先生「町田にカンボジアレストランがあるので、そこなら分かるかもしれないです。」

とカンボジア語で書いてもらったマチャミーヤンカンムをもとに
その料理店へ向かう。


一方トルコレストラン「ハレム」に着いた松岡。早速尋ねてみると・・・
店員「う〜ん、トルコにはなさそうだけど、クペッピアはどうやって書くんですか?」
何語だか分からないので、ローマ字で「KUPEPIA」と書いて見せると・・・

店員「『ア』とか『イア』が名前につくのはギリシャ料理に多いですよ。」
松岡「えっ!本当ですか!?」

有力情報に乗ってきた松岡、ギリシャ料理店へ向う。

着いた先は、港区六本木にあるギリシャレストラン「ダブルアックス」。

店先の看板で料理名を見ると…
「パイダキア」(羊のアバラ肉)「カラマキア」(イカの揚げ物)
と確かに「ア」が付く料理が多い。

これはと期待できる、と中のコックにクペッピアを尋ねると・・・
コック「クペッピアという料理は知らないけれど…『クペッピ』ってギリシャ語の『クレーパ』が変形したものかなあ?」

クレーパはギリシャ語で「巻く」や「包む」という意味があり、そのクレーパが変形して「クペッピ」
となったのではないかという。

さらにギリシャ語の≪ア≫英語の≪S≫のように複数形で
使われることが多い。

かなり核心に迫っているが、ギリシャにはこのような料理はないという。
そこで、ギリシャ語を公用語として使っている「キプロス」という国ではないかという情報を得る。
キプロスとは地中海に浮かぶ島国で、四季のある恵まれた気候により
食物も豊富な国。

国内でキプロス料理店がないということなので、渋谷区にある「キプロス政府観光局」という
ところへ向かうことに。


一方、一足先に料理名を解読した太一はカンボジアレストラン
「アンコル・トム」に到着。

店長のピトラさんにお願いして、料理に関する本を探してもらうと
ボロボロになった本が出てきた。

約40年前、ラジオ番組で紹介したカンボジア料理のレシピを集めた本だという。
早速、中を見てみるが・・・
太一「全く読めないですね、僕は」
とセタリンさんに書いてもらった文字をもとに料理を探すが…
すべてが似たようにな文字に見えるカンボジア語に苦戦する太一。そして・・・

太一「この文字とこの文字は同じですよね?」
ピトラ「同じですね?」
国分「やった!! 見つけたぞ!!」

とマチャミーヤンカンムのレシピを発見した国分。

材料とレシピをピトラさんに読んでもらうと…
ピトラ「まずは雷魚って魚ですね」
国分「雷魚!?」

雷魚はタイワンドジョウ科の淡水魚で東南アジアでは豊富な
タンパク質を含む魚として一般的に食べられている。

次々に材料を聞いていくと…
ピトラ「あとはムームスペイ」
国分「ムームスペイって何ですか!?」
ピトラ「ムームスペイはムームスペイです」


日本語では分からないらしく、絵で描いてもらうと
見た目は日本の「カブ」にソックリ。
ピトラさんによると雷魚とムームスペイが店にないということなので、この2つの食材を
探しに行く事に。


こちらはキプロス政府観光局に着いた松岡。
松岡「クペッピアという料理を探してるのですが?」
日本人の局員「キプロスにクペッピアという料理はあります。」
松岡「マジすか!やったよ!!ホント嬉しい!」


クペッピアはキプロスの料理だった!
続けて肝心な料理の内容を尋ねるが、名前しか聞いたことがないという。
そこで、日本に住んでいるキプロス人を紹介してもらえることに。



三軒茶屋に住んでいるという、キプロス人のソティリオスさんのお宅を尋ねる松岡。
すると、クペッピアはやはりキプロスの料理でかなりポピュラーな家庭料理だった。

しかし、ソティリオスさんのお宅にはない食材があるという。
それが「ブドウの葉っぱ」。
「ブドウの葉っぱで食べれるの?」と疑問に思いながら、都内にあるぶどう園へ向かう。


一方、「魚といったら築地」という事で築地の魚屋に着いた太一。
国分「雷魚って売ってます?」
店員「雷魚なんか築地にはないよ。アメ横でなら売ってるかもよ。」
国分「アメ横かあ…」
店員「早く行かないと店がしまるよ!」
国分「分かりました!!」

とダッシュでアメ横へ向かう。


一方、ぶどう園でブドウの葉をゲットした松岡、ソティリオスさんにその食材を渡すが・・・
ソティリオス「何これ!! もっと若い葉っぱ。これじゃ固いよ。」
どうやらクペッピアに使うブドウの葉は、若いブドウの木に生える若い葉っぱらしい。
そこで、麻布にある外国系の食材を扱っているスーパーマーケットに向かうことに。




その頃、猛ダッシュのおかげで、何とかアメ横センタービルの地下の食材店で
生きた雷魚を発見した国分。
太一「あまり持って帰りたくないなあ〜。」
と生きた雷魚に圧倒されながらも袋に入れてもらい、次なる食材、ムームスペイを探す。

太一「ムームスペイって野菜知っています?」
主人「んっ、何?ムームスペイ?知らないねぇ」

そこで、アンコル・トムで描いてもらったムームスペイの絵をご主人見せると…
おじさん「カブだね!!」
やはりカブに違いない、とカブを購入し、アンコル・トムへと戻る。

こちらは見たことのない食材の並ぶお店で、ブドウの葉っぱを探す松岡。
松岡「これだ!! ブドウの葉の塩漬け。」
遂にブドウの葉を発見した松岡。早速購入してソティリオスさん宅へと急ぐ。

太一「遅くなりなした。これですよね!」
と買ったばかりのカブをピトラさんに見せると・・・
ぺトラ「おぉ、これですよムームスペイ!!」
やはりムームスペイはカブのことだった。
材料もそろった事で本にしたがって作り方を教わる太一。

●ちなみに材料は、
雷魚、赤にんにく、にんにく、サラダ油、しょうが、
コリアンダー、ナンプラー、かたくり粉、お酢、砂糖、赤ピーマン、
ムームスペイ、レタス。

活きの良い雷魚を手慣れた手つきでさばくぺトラさんの後ろで、恐る恐るその様子を
見守る太一。

しかし、さばいた雷魚を蒸して、身をほぐしてから炒めると…
太一「なんか、柔らかそうでおいしそうですね」
と、その未知なる料理に期待が膨らむ。

ナンプラー等で味付けをしたら、片栗粉を混ぜてニンニクなどの具材を
全て鍋にいれて炒めたら、遂に謎の外国料理マチャミーヤンカンム(雷魚のあんかけ)
の完成である。

他にも春雨のサラダ、パインとトマトの魚貝スープなど
お店の自慢メニューをぺトラさんに作ってもらった。



そして、遂にマチャミーヤンカンムを口に運ぶ太一。果してそのお味は・・・
国分「甘いし、思ったよりくさくない!めちゃくちゃ美味しいよ!!」
ぺトラさんも初めて作るマチャミーヤンカンムの味に満足している様子。


松岡の方も材料が全て揃い、早速調理開始。
気合いを入れて流れ板の衣裳に着替えた松岡も、調理をお手伝い。

レシピは、
玉ねぎ(1個)とパセリ(180g)のみじん切りをして
プルグリ(挽いた麦で360g)にひき肉(800g)を混ぜ、
トマト(2個をする)、レモン(2個を絞る)にさらに塩こしょうで味付けし、
キプロス料理の特徴である、ドライミント(大さじ3)、シナモン(大さじ2)、
オリーブオイル(90g)をボールに入れて手でよくかき混ぜる。

そして初めて食べるぶどうの葉っぱに松岡は…
松岡「塩漬けされた野沢菜の葉っぱみたいだね」と分析。

そして混ぜたものをロールキャベツと同じ要領で
ブドウの葉っぱで2〜3重に巻いていく。
巻いたものを弱火で30分煮ると
謎の外国料理 クペッピア(ひき肉とブドウ葉包み)の完成。



他にもプルグリピラフ、エビフェーダーチーズトマトソース煮
クロメ豆のサラダを作った二人。
気になるクペッピアをフォークとナイフを使って食べると…
松岡「美味しい! ミントがすごくいい!!」
他の料理も次々と食べる松岡は、最後に一言
松岡「ホント美味しくて安心した。」

見たことも聞いたことない謎の料理を巡る食の旅は、
お互い大満足で、終えることができた!

 
  アメ横で生きたままの雷魚を買った太一だったが、
持ち運ぶ時は常にビニール袋のはしっこを持ち、車内の移動中には、
車の揺れとともに雷魚が動く度に、「アー」とか「オゥー」と叫び続けていたらしい。

さらには一人ではいられなかったのか車中ずっと、
ディレクターの横を離れなかったらしい…。
 
DASH村 〜つかさとつばさ巣立ち〜


それは6月のある朝。
激しい苦痛に顔がゆがむマサヨのもとに清が駆け寄った。
マサヨが双子の赤ちゃんを出産した朝だった。
最初に産まれたのは、兄・つかさ。そして、その直後に生まれた弟・つばさ。



立ち上がった兄・つかさは、すぐさまマサヨのおっぱいのところへ。
しかし、弟・つばさが最初に向かったのは、父・八木橋。
やがて、つばさもつかさのようにマサヨのおっぱいを吸い始める。
こうして双子の兄弟は、八木橋一家の仲間入りを果たした。

八木橋一家の喜びを太一と達也も分かち合う。
すると、2匹を見た達也があることに気付く。
達也「つむじがあるね。しかも固いよ、ここ」
大きくなるにしたがって、角が生えてくる2つのつむじ。
父・八木橋のそれより立派な角がここから生えてくるのだろうか?

生まれて1週間。里山の植物も夏へ向けて勢いを増す季節。
つかさとつばさもこの自然の中を駆け回るまで成長した。
マサヨの目を盗んで先に小屋から飛び出したのは兄・つかさ。
その後を尻込み気味についていく弟・つばさ。
心配そうに母・マサヨも2匹の後を静かに追う。



畑に散歩に出て、大きな岩の上に登るマサヨ。
その後をついて来るつかさとつばさ。しかし、この兄弟には岩を上るのが難しい様子。

すると、先に兄・つかさが岩を駆け上がる。
しかし、尻込みしている弟・つばさはなかなか上れない。
母と兄が見守る中、6度目の挑戦でようやく上ることが出来たつばさ。
安心してか、真っ先にマサヨのおっぱいへ向かった。




<生後2週間>
脚腕もたくましくなり、2匹だけで外を走り回るようにもなった。
すると訪れるのは乳離れの時期。
兄・つかさはヨモギの葉をほおばり、弟もおそるおそる葉をかじり出す。
すると・・・

マサヨ「メェ〜」
まだ乳離れできないのか、2匹ともマサヨのおっぱいに吸い付く。

生後1ヶ月。
最近つかさとつばさの遊びは、生えてきた角を使っての相撲。
次第に出てきた角は、つかさ7mm、つばさ6mm。
結果は・・・「突き落とし」で兄・つかさに軍配が上がった。
見守る父母も目に入らず、2匹だけの散歩は続く。
その姿に、マサヨの心は揺れ始めていた。

<生後2ヶ月>
今日も2匹だけで畑に飛び出す2匹。
畑では、達也と明雄さんがトマトの収穫中。

達也「おお、このトマトきれい・・・」
と、そこに忍び寄る2匹。
しかし、彼らが食べたかったのはトマトの実ではなく葉。
おいしい草を求めての探検はその後も続いた。

<生後3ヶ月>
成長する我が子の様子を見守る母・マサヨ。
子供達が目の届くところへマサヨはくっついていく。



今日はヤギ小屋の床にひいてある藁を変える日。
城島と達也が前もって刈り取っておいた麦藁を敷いて、フカフカのベッドが完成。

達也が新調したベッドにつかさを連れていくと・・・。
「結構大きくなったね。マサヨと同じくらいだ」
2匹はもうすっかり大人並のヤギに育っていた。

そしてこの日、いつものように畑に向かった八木橋一家。
しかし、子供達だけ里山の方へ。一体どこへ向かうのか?
見つけたものは地面に落ちていた赤松の枝。初めて見るモノに2匹は興味津々。

すると・・・
マサヨ「メエー、メエー・・・」
子供達を見失ったマサヨが心配そうに畑から里山に向かって呼んでいた。
マサヨの声が2匹の耳に届き、2匹が戻って来たのはそれから1時間後のことだった。

つかさとつばさに大きな愛情を注ぎ込むマサヨ。
しかし、マサヨはこの頃から「子離れさせなければ」と思う自分と、
「まだまだ愛情を注ぎたい」と思う自分との間で葛藤していた。

<生後4ヶ月>
緑から黄色、黄色から赤に里山の色が変化していく。
その変化する里山が、またまた2匹の好奇心を駆り立てる。

やがて日が沈み夜。
「メエー・・・」
鳴いているのはマサヨ。しかし、この日は里山の方には向かわずに小屋の前で
じっと子供達の帰りを待っていた。
心配そうに薄暗くなった里山を見つめるマサヨ。
そんなこともつゆ知らず、2匹はまだまだ散策中。

待つこと2時間。
里山から白い2つの点が現れる。やっと戻ってきたつかさとつばさ。
すると恋しくなったのか、マサヨにくっつくように近づいてきた。



しかし、マサヨの心境の変化は明白だった。
子供達とはいずれは別々に暮らさなければならない。
そう感じたマサヨの子離れの瞬間だったのかもしれない。
そして、つかさとつばさも立派に育っていくことであろう。

 
大きくなったのはつかさとつばさだけではありません。
一家の主、八木橋も未だ成長を続けています。

体長130cm、角の長さも30cmに育った八木橋に、清が頭を悩ませる一つの問題がありました。それは、「大きくなった八木橋を誘導することが難しくなってきた」ということです。

ある日、果樹園を散歩している八木橋とマサヨに干草を与える為、
ヤギ小屋に連れ戻そうとしたとき、清は2匹をどうやって小屋に戻そうか考えていました。

考えに考えた挙句、清が思いついた作戦が、
「マサヨが小屋に戻れば、八木橋も戻るだろう大作戦」

すると、清は突然マサヨを抱きかかえ、果樹園から一目散にヤギ小屋へ走り出したのです!この暴挙(?)ともいうべき行動に怒った八木橋は猛ダッシュで、清の後を追いかけました。

ヤギ小屋に着いた清はマサヨを小屋に入れ、
後から突進して来る八木橋から自分の身を守るため、小屋の入り口を閉めてしまいました。

「ンメェ―――!!」と立派な角で、小屋にタックルする八木橋を必死になだめる清。
ようやく八木橋が落ち着き、ヤギ小屋から清が出ることが出来たのは、
1時間ほど経った後だったそうです・・・。