村以外の実験現場も含めて地道に全員の防護服を回収、計測してきたが、田んぼで耕作する程度の作業なら、上半身への放射性物質を含んだ土ぼこりの付着は認められず。
さらに、フェイスシールド内に清浄な空気を送る、高性能フィルター内蔵の腰巻き送風ユニットも毎度持ち帰り、フィルターを分析してきたが、放射性物質の検出は一度も無し。
以上の結果から、多少の作業なら汚染された埃の舞い上がりもなく、防護をせずとも、内部被曝の心配は少ないという。

だが一方で、簡易マスクの場合には思わぬ問題も。
長谷川さん「簡易マスクで作業する人のマスクはすごく汚れてる」
つまり、土の付いた手でマスクを触ってしまっている証拠。
それは、汚染された土が常に口の周りに付着している状態。
長谷川さん「内部被曝につながるので、マスクは絶対に触ってはいけない」
だがそれは無意識の行為、注意していても、完全に防ぐのは難しい。
長谷川さん「どうしても手で触ってしまう事を考えると、(フェイスシールドは良いが、簡易マスクは)着けない方が内部被曝の危険性が少ないとも言える」
マスク一つをとっても、各々でしっかり判断する事が重要という。

紅葉の進んでいる浪江町を走っていると道には大量の落ち葉が。
長谷川さん「落ち葉は放射線量の高い場合が多い」
それを実感したのは7月の村。
夏でも、里山の麓には多くの落ち葉が溜まっていた。
井戸前の落ち葉溜まりは、毎時22マイクロシーベルトを超え、南東高台、登り窯脇の水が流れる溝に溜まった落ち葉は、その日計測した中で最大の数値、毎時約35マイクロシーベルトを記録。
本格的な落葉の始まっているはずの秋。
現在の落ち葉はどんな状態かも気がかりなこと。