更にその推測は、井戸前の平地へと続く坂道上方からの、水流によるえぐれた痕跡から。
もし、地面を流れて来る雨水に、放射性セシウムが含まれていれば、同じく集中する落ち葉に付着し続け、含有放射性物質量を極端に増やす可能性が考えられるという。
ならば夏に最高線量を示した、登り窯脇、里山との際、溝の落ち葉溜まりはどうか。

以前より里山からの落葉は進んだはずだが、測ってみれば線量は夏とさほど変わらない、毎時約32マイクロシーベルト。
長谷川さんの推測では、溝の深さが変わらないため、溜まる落ち葉の量が一定なためではないかという。
そして溢れる落ち葉は雨や風で下方に流れて行き、それが地形的に集まり易い井戸前で溜まるのではないかとのこと。
ともかくこの高線量の落ち葉をどう処理するかは、かなりの課題。
まだ紅葉序盤、堆積も進むはずだが、大量である事と高汚染であることから、現段階では収集方法の見通しは無い。

だが、その後の保管方法(放射線遮蔽)には実験中の案がある。
テスト用に造られた箱、その資材はレントゲン検査でよく飲む、硫酸バリウムを混ぜ込んだ特殊なコンクリートパネル。
前回は、判明してるのはX線の遮蔽効果のみで、放射性セシウムから発するガンマ線に対する効果は、調査中ということだったが、その箱で効果を見せてくれた。
周辺の地表付近で毎時約14マイクロシーベルトを示す線量計を、そのままテスト用の箱に入れると、一気に半分の値にまで下がった。
3.5cmの厚さで遮蔽効果はおよそ50%。
現在、JAXAではこの建材で村の回収したヒマワリを置ける規模の小屋を製作中。その効果の継続性を調べる予定。
訪れる度に知る、放射能の特徴。その変化し続ける影響。今後も調査は続く。
今後も解決策の模索、実験は進めていきます。