3つ目は、基準となる母屋前に設置。
達也「今までの村では見た事がないような人工物が」
同時に積雪などの気象条件が分かるよう定点カメラを2カ所に設置し、一日数枚の静止画を記録するようにセット。
どんな事が判るのか?

後日、得られたデータをJAXAの長谷川さんに見て頂くと…
長谷川さん「雪が放射性物質の遮蔽効果が高いため、線量が下がる」
母屋のデータでは、降雪前が毎時8.3マイクロシーベルトだったのが、降雪後になると、毎時7.1マイクロシーベルトと降下傾向が見られた。
登り窯や井戸付近も同様に、降雪後に降下が見られたが、日陰で雪が溶けにくい環境であることから、地面が露出せず、雪による変化はあまりなかった。
そして母屋前の1か月のデータでは、7月の測定では全ての箇所で毎時10マイクロシーベルト以上だったのが、今はずっと毎時10マイクロシーベルトに満たないことがわかった。
長谷川さんによると、今後もデータを測定していくことで、さらに放射線量のことがわかってくるはず、とのこと。

一方、2011年7月からJAXA研究チームと共同で行っている、ひまわりを使っての土壌中の放射性物質除去実験。
10月には、村に植えたヒマワリを抜き、村内でビニールシートにくるんで保管した。
除染目的としては不十分だったものの、微量でも放射性セシウムを吸収したこのヒマワリを活かして、できる実験がある。
除染作業後の処理施設問題。
土の除染に関しては今の所、はぎ取る事が最も現実的と言われているが、置き場所が問題なのは、土だけではなく、汚染された樹々や植物由来の物の処理。森林の除染必要面積は約1343kuにもなる。
現状こちらも、そのまま移送するくらいしか除染方法のメドはたっていないが、どんな方法をとることになるにせよ、それらは莫大な量になる。