2014年1月19日 放送内容出張DASH村 ~北海道 札幌大球~

今回の出張先は北海道・夕張郡。
ここに、雪の降る前の10月下旬からわずか2週間だけ収穫される、幻のキャベツがあるという。
それは、『札幌大球(さっぽろたいきゅう)』という品種で、その大きさは、なんと日本一!
お世話になるのは安居レイ子さん・73歳。
実は安居さん、地元では有名な“漬物名人"。
漬け込む野菜は自分の手で作りたいと、10年前よりキャベツ栽培を始めたという。
城島「こんな(大きい)のスーパーでも見たことない」
その畑には、とんでもない大きさのキャベツが!
普通のキャベツと比べると、大きさはなんと10倍以上!
この札幌大球は、北海道でのみ栽培されているキャベツで、昭和初期には、北海道のキャベツ生産量の半分を占めていたが、現在、栽培しているのは十数軒の農家だけ。
その理由は、栽培の難しさにあった。
札幌大球は種を蒔いてから収穫するまでに約5か月もかかる野菜。
安居さん「少しでも収穫が遅れたら、商品にならない」
実はDASH村でも、毎年秋に種を蒔き、キャベツ作りを行っていたが、種蒔きから約2か月半で収穫できていた。
というのも、キャベツは、葉っぱ同士が重なり合い、球のように育つ野菜。
生長と共に内側から葉の数が増え、種蒔きから約2か月半でパンパンに膨らみ“成熟"、収穫できるようになる。
一方の札幌大球は、種を蒔いてから収穫するまで5か月間。
およそ倍の期間がかかる。
しかし、収穫のタイミングを見逃してしまうと、
安居さん「実が入りすぎて(中から押し出され)割れちゃう」
キャベツはこれ以上大きくなれないパンパンの状態に成熟しても、内側から生長を続け、葉に圧力がかかる。
一般的なキャベツは葉が破れにくくなっているため、成熟から約1か月は割れる事はない。
しかし、札幌大球は成熟から約2週間で割れてしまい、割れ目から酸化、味が落ちて商品にならなくなる。
しかも札幌大球は、同じ日に種を蒔いても、成熟の時期がバラバラで収穫の見極めが難しい。
そのため、全体の3割ほどは割れてしまうという。
と、栽培は難しいが、
安居さん「(札幌大球は)甘みがのって美味しい」
札幌大球は5か月間に渡って光合成を行うため、通常のキャベツより多くの養分を吸収し、甘いキャベツに育つ!
そして、大きいだけに収穫の仕方も豪快!
まず、球がパンパンに詰まったキャベツを選び、刃がギザギザになったノコギリのような包丁で、株の根元から、切りとる。
一般的なキャベツの重さは、1球およそ1kgほどだが、収穫した札幌大球を計りに乗せてみると、なんと10.8kg!
明雄さん「10kgあるキャベツなんて見たことねぇよ」
その中身は、これでもかというほど、葉がぎっちり詰まっている。
そして、そのままでも十分に甘い札幌大球を北海道産の麦を使った、もろみ味噌で頂くと、
城島「衝撃的な甘さと、みずみずしさ!」
そんな美味しいキャベツだが、大きさ故に流通が難しく、北海道から外に出る事はほとんどない。
では、さっそく巨大キャベツの収穫をお手伝い!
だが、ノコギリが得意な達也も、農業のベテラン・明雄さんも、さすがに、その大きさと重さに切り取るだけでも一苦労。
一つ一つ手で収穫した札幌大球を軽トラックに積み込んで行くと、
城島「(札幌大球が大きくて)軽トラがむちゃくちゃ小さく見える」
1球約10kg、30個積んだだけで軽トラいっぱいに。
収穫した安居さんの札幌大球は、近くの道の駅などで販売。
5か月も丹精込めて育てた値段は、1個1000円。
そしてもうひとつ、漬物名人・安居さんが作る人気商品が、札幌大球を使った『ニシン漬け』。
それは、“ニシン"と“米麹"を使った北海道の伝統的な漬物。
毎年冬になると北海道のスーパーでは、ニシン漬けが人気商品に!
普通のキャベツでなく、この札幌大球を使うことで、歯ごたえのある美味しい漬物になる。
まずは漬け込む前の下準備。
大根や人参などの材料は、味を漬かりやすくするために皮をむき、漬け上がりをイメージして、少し大きめのサイズにカット。
そして、札幌大球もザクザクと豪快に切っていく。
札幌大球1玉切っただけで、大ざるに山盛りとなって、
達也「すごいね、トンカツ屋の仕込みみたい」
全ての材料を切り終えたら、次は漬け込み。
材料の量が多い順で、キャベツ、大根、人参、生姜と入れたら、お米のとぎ汁で潤かしたニシンを入れる。
お米のとぎ汁は、ニシンの臭み成分を取り除く効果があるという。
さらに、防腐効果と色取りに、輪切りにした赤唐辛子。
隠し味に、漬物にコクを出すため“黄ザラメ"を加え、
安居さん「自分たちで作った(米)麹です」
米麹を入れて発酵を促し、漬かるほどにほどよい酸味が生まれる。
塩は材料全体の3%加え、それを味が均一になるよう混ぜ込んで行く。
達也「やっぱ土地によって漬物も変わるんだね」
ほんの2、3分で野菜から水分がしみ出してくる。
そして麹が発酵して、1週間ほどで味がまろやかに!
さっそく、漬け上がったニシン漬けを頂く。
達也「ニシンの香りがいいね」
城島「札幌大球だからこそ出てくるシャキシャキ食感」
さらに地元ならではの食べ方。
普通なら白菜でやるミルフィーユ鍋を札幌大球で!
煮ると溶けてしまうキャベツも札幌大球なら食感が残る。
鍋に隙間なく敷き詰めたら、カツオだしでさっぱりと煮込んでいく。
そして達也が作ってみたかったもう一品。
札幌大球の葉をさっと下湯でしたら、そこに、なんと500gのひき肉をのせ、巻いていく、“超巨大ロールキャベツ"!
まずは札幌大球で作った、キャベツと豚バラ肉のミルフィーユ鍋。
達也「美味い!生の時の甘みとはまた違った甘みが出てる」
そして、続いては巨大ロールキャベツ!
普通のロールキャベツと比べると、20倍ほどの大きさ!
その食べ方は、肉汁があふれている所を豪快にかぶりつく!
達也「美味い!鍋と違って洋食になった」
明雄さん「こんなキャベツ、俺も作りてえな」
大きいだけではない、札幌大球の優しい甘みが身に染みました。
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