2014年2月16日 放送内容出張DASH村 ~岡山県 黄ニラ~

今回の出張先は岡山県。
ここに国内でもわずかしか流通しない“幻のニラ"があるという。
黄色が鮮やかな「黄ニラ」は、普通のニラと比べ、お値段が倍以上、1箱で5000円という高級食材!
特に岡山市牟佐地区は、そんな黄ニラの出荷量が日本一だという。
今回お世話になるのは、黄ニラ栽培歴15年の植田輝義さん。
城島「(仕事着)全身が黄色なんですね」
植田さん「黄ニラをイメージしてるんです」
なんと黄ニラを愛するがゆえ、仕事着は全身黄色!
自らを“黄ニラ大使"と名づけ、農家さんなのにスーパーや学校に出向いて全国で黄ニラを宣伝している!
黄ニラを栽培しているビニールハウスの中を見せて頂くと、
城島「暖かい」
さらに小さいハウスが。室温は27℃ほどある。
植田さん「暖かくしてあげることが大事なので」
そして、小さいハウスの中はさらに黒色のシートで覆われている。
それをめくると…
松岡「キレイな黄ニラだ!」
なぜ黒いシートをかけているのかというと…
植田さん「光に当てないように育ててるんです」
緑色のニラと黄ニラは、元々同じ品種。ではなぜ色が変わるのか?
ニラの葉には、緑の色素と黄色の色素が含まれており、太陽が当たると光合成をして、緑の色素が増え、葉全体が緑色になる。
しかし、全く光を当てずに栽培すると、光合成をせず、緑の色素が一切増えないため、葉が黄色になるという。
少しでも太陽の光に当たると、すぐ緑になってしまうため、何重にもビニールをかけている。
とはいえ、本来植物は光合成ができないと生長できない。そこで、黄ニラを育てるためには、
植田さん「まず、しっかりとした強い青い(緑の)ニラを育てる」
1年目、2年目は緑のニラとして畑で育て、そのまま収穫せず枯れさせるという。
その2年の間に、養分をたっぷり蓄えた根に黒いシートをかければ、太陽の光を浴びず光合成をしなくても、根の養分だけで大きく黄色く育っていく。
だからビニールハウスの隣にある枯れた畑は、全て黄ニラとして生長する準備中ということ。
城島「手間かかってますね」
そんな黄ニラを育てる植田さんは元々兵庫の大手鉄鋼会社で働いていた。
なのに、これほど手間のかかる黄ニラに惚れ込んだのは、20歳の時、実家が黄ニラ農家の、美穂さんと出会い、初めて食べた黄ニラの味噌汁の味に感動したのがきっかけだという。
植田さん「実は今日、15年目の結婚記念日なんです」
そこで、15年前、植田さんの人生を変えた一杯を頂く!
具の入ってない味噌汁に、刻んだ生の黄ニラを入れるだけ。
城島「おいしい!」
松岡「僕は好きですね、この辛さ」
黄ニラは青ニラに比べて水分が多く、旨味成分も多いという。
そして、この日収穫するのも、2年という長い歳月をかけ、大切に育てたもの。
そんな黄ニラの収穫方法は、とっても繊細!
一束ずつ手でやさしく持ちながら、カマでゆっくり刈り、輪ゴムで留める。雑に扱ってゴムで切れ目が付くと、商品価値がなくなるため、細心の注意を払わなければならない!
だからもちろん作業はすべて手作業で。
とにかく優しく!
松岡「これ箱入り娘だね」
収穫は慎重な作業だが、あんまりのんびりしていると、
植田さん「日にずっと当たっちゃうと(光合成で緑に)戻っていく」
そう、作業は優しく、でも手早く!
さらに、収穫した後も、とにかく手間がかかる!
向かった先は、黄ニラの洗い場。
牟佐地区の近くには豊かな水量と、キレイな水質に恵まれた旭川が流れており、その川の水が地下に浸透してできた水を、ここで汲み上げている。
50年以上使われる、農家さんたちの共同の野菜の洗い場となっている。
その地下水を使い、黄ニラを傷つけない適度な水量で極力やさしく洗っていく。
ちなみに、この作業をしている場所もビニールハウスとタオルで直射日光を防いでいる。
高級食材・黄ニラ、洗い残しは許されない、1本1本丁寧に。
そして泥が落ちた黄ニラを、最後にもう一度ゆすいだら、今度は作業場へ移動、そしてさらに予想外の手間が!
植田さん「黄ニラを干す作業をしていきます」
しかし、先ほど太陽に当てると光合成して緑になると言っていたはず。
実は黄ニラ、曇りの日など、長時間弱い日光に当たると、緑の色素が増えてしまい、光合成をして葉が緑色に戻ってしまうが、強い日光に短時間当てると、逆に緑の色素が壊れてなくなってしまうため、光合成せず、より鮮明な黄色になるという。
それは、DASH村でも経験した“あれ"と似ている。
城島「“はせがけ"してるのと一緒やな」
干すタイミングは日によって違うため、黄ニラ大使の長年の経験で判断。
植田さん「色の具合が青っぽくなってきたと思えばすぐしまう」
この日はおよそ3時間干し、いよいよ選別作業!
1箱およそ5000円の高級食材・黄ニラは、
見た目の美しさも重要、選別にも細かいこだわりが!
箱に入るサイズに長さを測り、先端を切り揃える。
さらに、全体を見渡して先が茶色くなったり、溶けたものを摘んでいく。
出荷中も光に当たらないよう箱に入れる、黄ニラならではの大事な作業。
ここまで手間暇がかかるからこそ、10束でおよそ5000円!
そんな高級食材を地元ならではの食べ方で!
教えてくれるのはこちらも転職組、元料理人の黄ニラ農家・伏見さん。
まずは黄ニラ餃子。
2束、およそ1000円分の黄ニラを刻んで、豚のひき肉と少々の水を合わせ、粘りが出るまで練る。
さらに、包む直前に刻んだ黄ニラも加えるのが地元流!
餃子を蒸し焼きしている間に、岡山の郷土料理、黄ニラを使ったバラ寿司作り。
具は、しめ鯖、エビ、アナゴ、きぬさや、錦糸卵の代わりの黄ニラ。
植田さん「岡山ではおめでたいときに食べる習慣がある」
と、先ほどの餃子も焼き上がり、
松岡「(黄ニラ料理)出来上がりました!」
まずは茹でてポン酢をかけただけのシンプルな“ニラのおひたし"。
松岡「シャキシャキ。夏場はこれとビールだ」
冷めないうちにアツアツの餃子も。
城島「後で加えた黄ニラのサクサクっという食感がいい」
続いて、ふんだんに黄ニラを散らした“黄ニラバラ寿司"。
さらに、黄ニラをたっぷり練りこんだ鶏団子入り“黄ニラ鍋"。
城島「甘い!(生と比べて)食感も甘みも違ってくる」
城島と松岡をうならせる黄ニラは、まさに、2人の農家さんの人生を変えちゃうほどの味でした。
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