2014年6月8日 放送内容DASH ご当地PR課 ~静岡県焼津市 名物発泡スチロールの舟で5kmの激流下れるか?~

日本津々浦々にあるご当地名物、そんな名産品のすごさを伝えたい!
今回のPRスポットは、駿河湾に面する港町・静岡県焼津市。
遠洋漁業の一大基地で日本有数の水揚げ量を誇り、
中でもカツオの漁獲高は日本一!
そんな魚の町で欠かせないのが“発泡スチロール"。
静岡県には発泡スチロールメーカーが9社あり、その数日本一。
その中でも焼津市は、メーカーが集中している。
そんな焼津市でトップの生産量を誇る発泡スチロール工場へ。
松岡「発泡スチロールのビルディングだ!」
倉庫の天井まで積み上げられている発泡スチロールは、
こちらの「イハラ建成工業」で、
1日3万ケースも作っているという“魚箱"。
獲れたての魚の鮮度を保つ発泡スチロールだが、
その特徴は、断熱性とその軽さ。
その証拠に、従業員の方が、高く積んだ発泡スチロールを
一人で軽々と持ち上げ、次々と積み上げていく。
しかし、バランスを保って持ち上げるのには経験も必要。
持ち上げたまま回転させてズレを修正する様は、まさに職人技。
発泡スチロールの原料は石油からできた大きさ1mm程の
スチロール樹脂。
これに熱々の蒸気で熱を加えると、あっという間に一粒一粒が、
まるでポップコーンのように膨らんでいく。
こうしておよそ50倍の大きさに膨らむが、
このポップコーンのような現象を金型の中で行うと、
膨らんだもの同士がくっついて、発泡スチロールになる。
その作業は専用のプレスする機械で。
松岡「型でプレスしてるんですね」
実は発泡スチロールは体積の98%が空気。
そのため、軽さと保温を両立することができ、魚などの運搬には最適。
この特徴を使って、断熱材や食材箱など様々なものが作られているが、
その中には、巨大な壁のように成型されたものも。
松岡「まるでぬりかべだよ!」
この大きなブロック状の発泡スチロールは、
道路の下や橋の下、陸橋工事の土台などに使われている。
その軽さから手で運べる上、20トンの重さにも耐え、衝撃も吸収。
画期的な工法となっている。
そんな優れた焼津産の発泡スチロールのすごさをどう伝えるか?
発泡スチロールの5大特性は…
軽さ、水を通さない防水性、食材を新鮮に保存できる断熱性、
衝撃に耐えうる緩衝性、そして、加工のしやすさ。
それらの特性を生かして
松岡「船作ってみます?」
つまり、発泡スチロールで人が乗れる船を作る!
さっそく、同じく焼津市にある発泡スチロール専門の加工工場へ。
こちらの「江永化成」では、その優れた加工技術で、
家具や電化製品の緩衝材の他、様々な形のオブジェ等も作っている。
松岡「いろんな形が出来るってことですよね」
そんな加工職人の方々の力を借りて船作り開始。
船といっても、その形状は色々あるが、
城島「おとぎ話を実現させる…一寸法師みたいなお椀型かな」
まず、テープで仮止めした発泡スチロールの四角いブロックを用意。
それを電気が通った200℃のニクロム線で、
円形の型に沿って、溶かしながら慎重に切っていく。
そうして出来たのは、高さ2mの円柱。
ここからは、300℃に熱された“スチロ刀"という専用の道具で、
円柱を溶かしながら、お椀型に彫っていく地道な作業。
焼津の発泡スチロールをPRしたい、その一心で掘り続ける。
そして、工場の方々の協力も得て、掘り続けること1時間。
ようやく形になってきたところで、
お椀の底に丸みをつけ、高台を取り付ける。
あとは、パテで接着しながら、隙間を埋めていく。
仕上げに、角や底など欠ける恐れがある部分を、
海に浮かぶブイなどに使われる特殊な樹脂で塗装する。
最後に、顔のペイントを入れて、完成。
そして、お椀と聞いた松岡は思いついた。
松岡「デカいお椀…デカワンコ」
さすがの命名。
通常の8000倍!巨大お椀舟デカワンコ!
そして、デカワンコを連れて向かったのは、富士川。
日本三大急流の一つで、国内有数のラフティングの名所として
知られる激流スポット。
通常のゴムボートでも転覆必至のこの川で、
特に流れの激しい5kmを、お椀型デカワンコで
どこまで下れるか!?
川沿いの各所には焼津市のPRポイントが。
2km地点には地元漁師のカツオPR隊。
ここを通過すれば焼津の漁師が、獲った旬のカツオの刺身で栄養補給。
4km地点には、焼津の伝統的お祭り「田遊び保存会」の皆さん、
ゴールには舟作りを手伝ってくれた江永化成の方々が待つ。
では、急きょ用意した一寸法師風の衣装をまとい、いざ、急流下り!
デカワンコを浮かべ、パドルで漕ぎだす二人。
この先待ち受ける幾多の荒波をデカワンコと共に下りきれるか?
並走し応援するのは工場の方々と、
もしもの時に備え、ラフティングのガイドさんも。
出航はまずまずの安定感だが、気は緩めない。
松岡「気を付けないと落ちるからね」
通常の船と違い舵がないため、ひたすら回転する。
重要なのは二人の息を合わせ、バランスを取ること。
そして、最初の難関。
城島「行け!どんぶらこ!」
容赦なく打ち付ける荒波に、デカワンコが大きく傾く!
と、転覆寸前で浮き上がり、持ちこたえる!
そう、これが焼津産発泡スチロールの浮力!
しかし、この急流ポイントはまだまだ序の口。
すぐ先には、さらに激しい急流が待っている!
先程より明らかに流れが速い、いけるかデカワンコ!
城島「危ないぞ!ここ!」
松岡が必死のパドルさばきで、激流に抗う!
が、飛び出した川底の岩に、お椀の底が引っかかる…
さらに、そこへスタッフの乗ったボートも激突!
岩に引っかかり、身動きが取れない状態になるも、
ここは、体重移動でなんとか脱出。
岩にぶつかり、後ろから追突されても発泡スチロールが衝撃を吸収し、
なんなく乗り切った。
すると、その先に、度胸試しに岩から飛び込む子供たちの姿が。
勇敢に飛び込む子供たちの姿に、
松岡「子供たちから勇気をもらったね」
そして、流されること1時間。
そこには、地元漁師のカツオPRポイントが。
ご当地名物“焼津の上りカツオの刺身"で栄養補給。
松岡「もっと味わって食べたかったな」
そして自由奔放に動き回るデカワンコを徐々に乗りこなし、
中間地点の2.5kmを通過。
次に立ちふさがるのは、浅瀬により流れが激しいポイント。
ここでは、岩が底にぶつかり否応なく傾くため、
二人がそれぞれどの位置に立つか、そのバランスが重要となる。
と、やや城島よりに傾きがあるため、調整しようとした瞬間、
一気に傾き転覆、松岡が川に投げ出された!
こうして、幾度も川の水を飲んだ二人。
焼津市をPRするために目指すゴールはあと2km。
二人と共にデカワンコの顔にも疲労の色が見え始めた頃、
再びの急流、ここも岩むき出しの浅瀬ポイント。
川底の大岩にぶつかるとかなりの衝撃だが、
松岡「デカワンコ凄いね、俺たちを守るね」
そう、発泡スチロールが二人を守ってくれる。
そして、川岸の「田遊び保存会」の皆さんの応援を背に、
4km地点を通過し、ゴールまであと1km。
ときに、ひっくり返って逆さまのまま流され、
スタートから4時間、スタッフも二人の体力も限界達するも
どうにか4.8km地点を通過。
そして、念願のゴールへ。
これだけの激しい川下りをしながらも、
焼津産の発泡スチロールは…ほぼ無傷だった。
城島「ワンちゃんありがとう」
そして、焼津市をPRし、任務を終えて、
誇らしげな表情のデカワンコは、
再び生まれ変わるため、イハラ建成功工業へ。
使用済みの発泡スチロールは、解体され溶解炉に。
800度の熱で溶かされ棒状にし、海外の工場に運ばれる。
そこでプラスチック製品として生まれ変わり、再び日本に帰ってくる。
こうしたリサイクルが、今世界で広まっています。
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