2014年8月10日 放送内容出張DASH村 ~大分県 とうもろこし~

今回の出張先は大分県、阿蘇山のふもとにある竹田(たけた)市。
ここに隠れた名物の“とうもろこし"があるという。
城島と長瀬が畑を訪ねたのは、日の出前の早朝五時。
今回お世話になるのが、卯野(うの)さん夫婦
英治(えいじ)さんは、中学卒業と同時に農業を始め、
とうもろこし作り50年の大ベテラン!
東京ドーム約8個分という広大なとうもろこし畑を
奥様のれい子さんと2人で守り続けてきた。
長瀬「朝はこのくらい(午前5時)から作業するんですか?」
れい子さん「それが“甘さの秘密"です」
収穫したばかりのとうもろこしは、皮を剥くと粒ひとつひとつが
びっしりと詰まっている。それを生のままでガブリ。
長瀬「甘い!」
城島「すごいですね」
卯野さん「だから『すごあまこーん』なんです」
この辺りは竹田市菅生(すごう)という地区。
「すごう」と「すごく甘い」を掛けて、その名も『すごあまこーん』。
一体どのくらい甘いのか?糖度計で測ってみると、なんと17.7度!
メロンやマンゴーでも、平均糖度15度ほど。
城島「メロンより甘いってことですよね」
そんな「すごあまこーん」。なぜ、こんなに朝早くから収穫するのか?
卯野さん「(朝は)糖度がいっぱい集まっている」
実はとうもろこし、人間と同じように昼間は活発に呼吸していて、
その際、実の中の糖分をエネルギーとしてたくさん使ってしまう。
そして夜になると、昼間使ったエネルギーを補うため、
自ら作り出した糖分を実の中に溜め込む。
そのため、夜明けはとうもろこしが一番甘い状態。
そしてさらに、甘く育つ秘密が!
卯野さん「“寒暖の差"です」
畑のある菅生地区は、阿蘇山のふもとに広がるなだらかな台地。
標高が高いため、昼夜の寒暖差が平均12℃程にもなる。
昼間たっぷり日差しを浴びたとうもろこしは、
夜、急激に気温が下がると、身を守るため糖分を実に溜め込む。
さらに、その寒暖差で霧が発生しやすく、
それが大量の露となってとうもろこしに付く。
その露は葉や実の部分から吸収されるため、
みずみずしいとうもろこしになるという。
そんな甘くてみずみずしい『すごあまこーん』の収穫は…
卯野さん「“一番節(いちばんぶし)"だけを穫る」
とうもろこしは、一番節、二番節、三番節と平均3本の実がつくが、
収穫するのは、一番上の“一番節"だけ。
その理由は、二番節を見るとすぐに分かった。
長瀬「あ!全然違う」
二番節は粒が歯抜けになっていたり、先端の方が全く膨らんでいない。
一体、どうしてなのか?
卯野さん「花粉が大事」
とうもろこしのてっぺんにある、穂のような部分は「雄花(おばな)」。
そこから花粉が落ち、通称「ヒゲ」と呼ばれる「めしべ」に
くっ付くことで受粉し、とうもろこしの粒が膨らむ。
つまり、ヒゲ1本1本にまんべんなく花粉が付けば、
全ての粒が膨らむが、下の方にある二番節や三番節には、
花粉が付きにくいため、すべての粒が膨らまない。
卯野さん「二番節でも甘さは変わらんけど、商品としてはダメ」
甘みは十分な二番節は、コーンスープやおまんじゅう、
ソフトクリームなど、加工品として販売している。
ちなみに、一番下にある三番節は、ヒゲを取り、
ヤングコーンとして販売される。
収穫はすべて手作業だと言うが、畑の広さは東京ドーム8個分。
そこで、
卯野さん「若手の“鉄腕"がおりますけえ」
それは、フィリピンから来た9人の農業研修生。
国が決めた受け入れ制度があると知った卯野さんは、
フィリピンの農業発展のためになればと、
8年前から積極的に研修生を受け入れている。
研修生は、3年間住み込みで日本の農業を学ぶ。
卯野さん「3年経って、国に帰って農業で頑張ってもらわんと」
城島「日本の農業と卯野さんの技術が世界に広がって行くんですね」
まず収穫のお手本を、研修2年生のデヴィくんに見せてもらう。
と、慣れた手つきで次々と!
長瀬「めっちゃ早いよ!」
コツは根元から勢い良くもぎ穫ること。そして
あっという間に、その腕に抱えるとうもろこしは40本!
1本約500gなので、片腕に20kg!
城島「1日に何本収穫するんですか?」
れい子さん「2万本です」
すると卯野さん「TOKIOの鉄腕が見たい」
デヴィくんの40本を目指して収穫のお手伝い。しかし…
長瀬「いや、これは大変だよ」
35歳長瀬は、半分の20本で限界。
そして、43歳の城島も目標には届かなかったが、
28本、14kgと健闘。
収穫したての1万本は、すべて手作業で出荷。
とうもろこし一本一本のお尻の部分を包丁でカットし、
箱に入るサイズに揃える。
サイズが揃ったら、専用の箱に10本ずつ詰める。
このとき、実を立てて入れるのだが、それには理由が。
れい子さん「時間が経つと甘さが薄れていく」
とうもろこしは、収穫後も呼吸を続けている。
そのため、横にしておくと起き上がろうとする力が働き、
呼吸の量が増えて、糖分を使ってしまうため甘さが減ってしまうという。
こうして甘さをキープしたまま、全国へ発送される。
そんな『すごあまこーん』を地元ならではの食べ方で!
教えてくれるのは地元の料理自慢、山岡さん。
山岡さん「コーンちまきを作ります」
使うのは、茹でた『すごあまこーん』。
まず、専用の器械を使って粒だけを取りはずす。
その粒を鶏肉、しめじ、きくらげ、ニンジンとともに炒める。
そこに、水に浸しておいた餅米を投入し、
醤油ベースの出汁とゴマ油で味つけ。
これを、袋状にした熊笹の葉に詰め、包む。
蒸し器に入れて、15分間蒸す間に、
山岡さん「かき揚げを作ります」
使うのは生の『すごあまこーん』と、細かく切った鶏肉。
塩で下味をつけ、衣で和えたら180℃の油で揚げる。
さらに、生の『すごあまこーん』をぶつ切りにし、
低めの150℃で素揚げに。
長瀬「とうもろこしの素揚げなんて初めてだな」
揚がったらすぐに醤油とみりんのタレにくぐらせる。
最後は、定番の“炭火焼きとうもろこし"。
長瀬「やーいいな、醤油がこげるニオイ」
そして、大分の『すごあまこーん』の料理が完成。
まずは、焼きとうもろこしから頂く。
城島「甘っ!なんですか、この甘さ!」
続いて、城島がひとつひとつ包んだ“コーンたっぷりちまき"。
長瀬「もち米の中にコーンのぶつぶつした食感があっていい」
そして、タレのたっぷり染み込んだ素揚げ。
城島「お父さん世代のビールのお供に」
そして、大分名物・とり天風のかき揚げは塩で。
長瀬「コーンの甘みと塩気が絶妙」
さらに、ヤングコーンのヒゲをサラダにした一品。
これは、三番節のヒゲを切って盛りつけたもの。
大分名物・カボスのドレッシングをかけて。
フルーツ以上の甘さと、この料理のバリエーションの多さ。
とうもろこし新たな魅力を再発見できた一日でした。
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