世界一うまいラーメンへの挑戦。 城島がこの日訪れたのは、静岡県沼津市にある『やくみや』。 行列の絶えない、地元の人気店。看板メニューの醤油らあめんを頂くと、 城島「むちゃくちゃうまい!今まで食べた醤油ラーメンで1位や!」 その最大の特徴は、ダシにあった。 店主の石山さん「西伊豆で作っている手火山式の鰹節です」 さらに、相性の良い麺は、福島で作っている北海道の小麦の『春よ恋』で作られたもの。
1.静岡産の地鶏ガラを始めとする各地の厳選素材を使用! 2.手火山式焙乾で作られた鰹節による究極のダシ! 3.北海道の最高級小麦『春よ恋』で作った麺との相性も抜群!
店主の石山さんが10年間試行錯誤した結果、手火山式焙乾の鰹節が、 1番香りが良く、旨味が強い。つまり、上品でありながらパンチが強い味となる。 城島「手火山式か…」 5年前、『ソーラーカー日本一周』で西伊豆を回った時に訪れた鰹節店で 見せて頂いたのが、この手火山式による鰹節作りだった。
お店で使っている、手火山式の本鰹節を見せて頂くと、 普通の鰹節とは明らかに色が赤茶色で濃いのがわかる。 さらに、同じ時間、同じ量で煮出しても、その違いは歴然。香りや味も、 城島「香りが全然違う。旨味とコク、酸味がある複雑な味!こんなに違う!」 これが、城島の人生1位の味を作る源。
通常、鰹節に使われるのは、ホンガツオだが、 城島「ソウダガツオで、手火山式で鰹節を作ったら…」 以前、高知県土佐清水沖で、城島がゲットしていた最高のソウダガツオ。 「香り鰹に味ソウダ」と言われるほど、強い旨味が特徴のソウダガツオで、 手火山式の鰹節を作ったら、より旨味と香りの詰まった、究極のダシが、 出来るはず!
そこで、城島が5年ぶりに訪ねたのは、静岡県西伊豆。 1882年創業の老舗、カネサ鰹節商店。 5代目店主の芹沢安久さんに、ソウダガツオでの節作りをお願いすると… 芹沢さん「昔はソウダガツオで作ってたけど、今ではホンガツオしかやっていない」 味とコクが強いため、ラーメンのスープには適しているが、和食に使うには、 コクが強すぎるソウダガツオ。 西伊豆でも40年前までは作られていたが、ホンガツオの節に比べて需要が少なく、 生産中止となっていた。
だが、城島の願いに、快く協力して頂ける事に。 芹沢さん「ソウダガツオで手火山式の鰹節を作りましょう」 ホンガツオより小さいソウダガツオでは、その捌き方にも違いがあった。 大きいホンガツオは、煮込みやすいように三枚におろすのに対し、 小さいソウダガツオは、お腹の部分を捌いて内臓を取り出すだけ。
続いては、煮込み作業。 カゴに、3枚におろしたホンガツオと、その脇に、骨も入った、 丸のままのソウダガツオを並べ、50年以上使われてきた釜に入れて煮込む。 まずは、80℃から90℃のお湯で、1時間ほど煮込む。 こうすることで、殺菌して腐敗を防止する効果もあるという。 さらに、網のフタをすることで、煮崩れを防ぐ。
1時間煮込んだら、ソウダガツオを取り出し、骨を取り除く。 まず、半分に割って大きな背骨を取り、続いて、ピンセットなどで小骨を慎重に取っていく。 小さくても、燻す際に骨が残っていると、身が変形してしまい、 均一に乾燥できなくなることもあるため、細心の注意を払う。
骨を取り除いたら、いよいよ炉を使っての手火山式での燻し(焙乾)。 使う木は、地元・伊豆のクヌギやナラ、そしてサクラ。 抜群の火力はもちろん、香り付けの効果もある。 十分に火が付いたら、その上にカツオを並べたセイロを置く。 火からのおよそ2mの近さから、90℃の熱風で一気に燻す。
もう一つの手火山式の特徴が、 芹沢さん「上に煙が抜けるので燻臭さが少ない」 かつて、鹿児島枕崎市で学んだ鰹節作りでは、密閉された建物の中で、 煙が充満していたが、手火山式は、煙がそのまま外へ。 さらに火が近いため、鰹節が燃えてしまわないよう、数十分毎にセイロの 上下を入れ替える。 城島「手火山式は、スゴイ手間かかるんですね」
しかも、熱風が吹き付ける過酷な作業。それもすべてはラーメンのため。 そして、燻すこと4時間ほどすると、カツオに変化が。 芹沢さん「かなり色が変わってきた」 色が変わったら、火から降ろして寝かせる。 こうすることで乾燥がより進むという。 この焙乾と寝かす作業を、芹沢さんの協力のもと、2週間ほど繰り返す。
そして、2週間後…。 24時間テレビのチャリティマラソン練習前の城島のもとへ。 城島「ええ香り!」 西伊豆でおよそ40年ぶりに作られた、手火山式のソウダ節。 だが、まだこれで完成では無い。
仕上げは、削り。 鹿児島県枕崎では、専用の削る機械を使ったが、 今回は手作業で丁寧に表面にこびりついた油成分タールを落とす。 城島「こんな感じかな?」 手火山式のソウダ節は、究極の出汁となるか?
一方、太一は某所ラーメン屋で…。 太一「うめえ!旨味成分がスゴイ!昆布の風味!」 日本が世界に誇る、幻の昆布に、出会う! 果たして、世界一のラーメンづくりはどうなる!?