2014年9月7日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

この日、船長・達也が舵を取る台船が、DASH島に向かっていた。
積んでいたのは、水に強いとされる“赤松"。
それは、待ちに待った木材だった。
わずかに残った舟屋の床板で作り始めた木樋。
井戸から舟屋まで、450mに及ぶ水路に取り掛かったのだが、
材料にしていた床板は、使い切ってしまった。
そこで、訪れたのが岩手県久慈市だった。
赤松は、樹皮が赤い事が名前の由来の樹木。
水中で腐りにくい特徴を持つ。
久慈市は、そんな赤松の天然林が広がっている。
そこで、築52年の住居を改築した時に出た赤松の古材を頂き、
これを製材所で、木樋に使える板へと仕上げた。
切り出した赤松の板は210枚。
これで中断していた、水路作りが再開出来る。
しかし、達也を出迎える城島と松岡にはある心配が。
城島「荷を降ろすの難しいんよな」
というのも、DASH島には荷を降ろす為の港の設備、岸壁がない。
固い岸壁があれば、そこに船を着け、
簡単に、荷物の積み降ろしが出来るのだが、
DASH島にあるのは、船が着けづらい砂利の浜。
いつもながら、到着してからの作業が大変だった。
積み荷には、製材した材木以外に、赤松の丸太も。
植物は、密生し過ぎると日当りが悪く育ちにくい為、
適度に日光や養分が行き渡るよう、間引きして、数を調整する。
間引かれた木は、その場に放置されることも多く、
加工されたとしても、炭などにしかならない。
ならばと、9mを超す赤松の丸太を頂いていた。
そして、荷下ろしはクレーン歴16年、城島の出番。
まずは、達也が製材した赤松の古材を降ろしにかかるが、
板材82枚の重量は、およそ120kg。
すでに腕が伸びきった状態のクレーンでは、
それ以上、前に出す事は出来ない。かといって、
スロープで作業を行えば、バランスを崩し、転倒の恐れもある。
岸壁があれば、こんな苦労は無いのだが…。
そこで止むを得ず、板の束はスロープに置くことに。
続いて、1本9mの赤松の丸太。
これも、まずはクレーンの限界、一旦、スロープの上まで。
長いだけじゃなく、重さは推定300kgもある。
クレーンが届く、ギリギリまで運んだら、
あとは、スタッフも加わり総勢11名で、5m先の浜へ移動させる。
そして、この材木を運ぶのは、もはや、開拓に欠かせないトロッコ。
今回も、コイツに積めるだけ積んだら、森の中へ向けて漕ぎ出す。
結局、材木を運ぶだけで一日作業となり、
作業が再開されたのは、その数日後だった。
井戸から舟屋まで450mに及ぶ水路計画。
しかし、現在完成しているのは、まだ20mほど。
まず、土台を打ち込んだら、
達也「土台の勾配を確認しようか」
木樋の勾配は、水が流れるギリギリに抑える。
そうしないと、水路はあっという間に地面に着いてしまう。
土台の高さを調整したら、赤松の古材の出番。
そして、この古材を頂いた岩手県の久慈市で、
達也は、もう一つ大事なことを教わっていた。
そのお手本は、群馬・草津温泉のシンボル“湯畑"。
これは、DASH島の水路より1回り大きな木樋をつなげたもの。
湧き出す源泉は木樋のゆるい傾斜を流れる間に、冷めて適温になる。
4年前、樹齢170年、直径1m程の久慈の赤松を使い改築。
それを手掛けた職人、いわば木樋のプロである、
久慈市の山形林産加工センター所長、沢口さんが教えてくれた。
本場、草津温泉の木樋の材料を見せて頂くと、
DASH島の継ぎ方と、随分違う。すると、
沢口さん「DASH島の継ぎ方では材木が動いて水が漏れやすい」
島の木樋は、段差を付けた材を重ねて隙間をふさぐ、“相欠き継ぎ(あいがきつぎ)"。
しかし土台や、木樋そのものがズレた場合、水漏れを起すことも。
それに対し、草津温泉の木樋は、“雇い実継ぎ(やといざねつぎ)"。
接合部分に溝を掘り、サネと呼ばれる栓を押し込む工法。
溝とサネがキツく噛み合えば、土台や木樋が歪んでも水漏れしにくい。
この技術を早速、無人島でも実践する。
まず、接合部分の溝を掘り、サネをカンナがけ。
掘った溝より、わずかに太いサネを打ち込めば、
木樋がズレたり、歪んだりしても、接合部が外れる事は無い。
底板同士の接合部分、そして縦の溝にもサネを打ち込むと、
2本の木樋が、隙間なくきれいに繋がった。
さっそく、以前の継ぎ手のように水漏れをしないか確認。
しかし、水を流してみると、ある部分から水漏れが…
城島「継ぎ目から漏れたんちゃうんや」
達也「穴が空いてる。釘が刺さってた所だ」
それは、かつて、建物として使われていた時のネジや釘を、
製材する際に一本一本手作業で抜いた跡だった。
この程度の水漏れは、以前も試した、シュロの繊維を詰める技術で
対処できる。
城島「継ぎ目からは全然漏れてへん」
そこで、一先ず、木樋を先へと伸ばしていく。
着工から、すでに4か月。
遅れに遅れたこの水路計画も、これで一気に進むはず。
だが、その進路を塞いだのは、森に茂る木々。
とは言え、鳥や虫の棲み処の可能性もあるため、
これを切らずに、前に進む方法としては迂回路を作るしかない。
達也「箱を作って、流れを変えて水を出す」
それを学んだのも、岩手、久慈だった。
用水路の方向を変えるのに使われていた“接続枡"。
達也「一度箱に流して、勢いを吸収してから流してる」
というのも、水路を同じ太さで直角に曲げてしまうと、
水は勢いよく側面にぶつかり、溢れ出てしまうことも。
しかし接続枡を使えば、水は溜まる間に勢いが弱まり、
溢れる危険性が格段に減る。
これを応用すれば、水をこぼさず、木もよけられるはず。
接続枡も、水漏れせぬよう雇い実継ぎの要領で作る。
木樋と同じように、上下の板をサネでつなぎ、
枡の上流側と下流側それぞれに、木樋をハメ込む穴を空け、
そこに木樋を据え付ければ、完成。
これで、流れてきた水は一旦、枡に溜まり、
木をよけ、下流へ向かってくれるはず。
DASH島の木よけ用接続枡は、
しっかりと水を受け、そして流してくれるか?
試しに水を流してみると、達也の狙い通り、
水は接続枡に徐々に溜まっていき、下流へ。
無事、木を切ることなく、かわすことができた。
これでさらに水路を先に延ばしていける…と、一つ問題が。
城島「子供の目線くらい低いなあ」
スタート地点では、2m50cmの高さにあった木樋が、
勾配によって、徐々に高さを下げていき40mの地点では、
地上わずか60cmにまでなっていた。
これでは地面にぶつかるのも時間の問題。
さらに、問題がもう一つ。
線路や通路をよけるため、少しずつ、進路を変えてきたのだが、
ついに
城島「レールにぶつかるやん」
もはや、避けて通れないこの問題。
しかし、達也には、ある考えがあった。
木樋の低さ、線路の問題を解決する、その方法とは?
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