世界一うまいラーメンを目指す男たちの挑戦。 そのヒントを探るべく、太一が訪れたのは、 品川区荏原中延にある、人気ラーメン店『多賀野』。 人気商品の醤油ラーメン「中華そば」を食べてみると、 太一「うま味成分がすごい!」 シンプルな見た目とは濃厚な出汁のうま味。 そのうま味の正体は、昆布。
うま味成分として知られるグルタミン酸を多く含む昆布を使用し、 豚肉、地鶏を昆布と一緒に煮こむことで、それぞれのうま味が、 まるでかけ算されるように、濃厚で深みのある出汁がとれるという。
うま味の基本は、昆布! さらにほかの食材と合わせると、それぞれの食材のうま味が引き出され、 調和し、うま味が増す! まさに、究極のうま味は、昆布によって生まれる! 太一「昆布がどれだけ大事かわかりました」
続けて、訪れたのは、そんな昆布を極めた店。 千代田区九段下にある『斑鳩(いかるが)』。 自慢の「白醤油本枯鰹中華そば」は、鶏や豚など動物系を一切使用せず、 昆布だけで出汁をとっている。 太一「パンチがある!」
1箱10万円の利尻昆布を惜しみなく使用!
京都の高級料亭などでも使用されているのが、北海道の利尻昆布! コクのあるうま味だけではなく、塩気も感じる。
そして、昆布の使い道は、出汁だけではなかった! 続けて訪れたのは、渋谷区幡ヶ谷のある『たけ虎』 昆布にこだわり抜いた「よろ昆布ラーメン」。 出汁はもちろん、具にも発芽して3か月ほどの幼い昆布を使用。
この店で使われる真昆布は、3枚で、13600円! 献上昆布とも呼ばれ、江戸時代から朝廷や幕府に献上、 さらに、現代でも京都のミシュラン三ツ星の高級料亭に使われている、まさに最高級昆布!
昆布の王様は、北海道の真昆布! その風味は、脂っぽいラーメンのスープにも負けないほどのコクと、豊かなうま味!
そんな、昆布の王様を求め、北海道函館南茅部町、白口浜へ! やって来たのは、達也! ここに極上のうま味を生み出す昆布の王様が自生するという。 昆布が生えているのは、水深3mほどの岩場。 そこで使用するのが、長さ4m、通称「マッカ」と呼ばれる道具。 船の上から、海底を箱メガネで覗きながら、 二股に分かれるその先端に昆布を巻き付け、昆布を収穫する。 達也「こうやって昆布をとるんだ!」
とれた昆布は2年もので、長さは達也の背を優に超えるビッグサイズ! 達也「こんなにデカいの!?」 しかし、ただ大きいだけでは極上の昆布とは言えない。 肉厚で、幅の広いものが、最も良いものとのこと。 そこで、潜水士・達也が海に潜って、実際に目で見極めながら、昆布を探すことに! 目指すは、肉厚で幅広のもの。 達也が、狙いを定め、手に入れた昆布は、長さ2m、厚さ7㎜の、 昆布漁師も太鼓判を押す、実入りのいい肉厚な極上の真昆布!
そして、昆布のうま味を最大限に引き出すために行われるのが、天日干し。 海に生えている昆布は、うま味成分が固く閉ざされた状態だが、 天日干しすることによって、で、グルタミン酸が分解され、 味として舌で感じられるようになる。 3日間天日干しすると、見た目は縮んでしまったが。その分、うま味が凝縮。 こうして、究極のうま味を生み出す、北海道産真昆布の完成! 松岡が手に入れた石川県能登半島の海塩、 城島が手に入れた伊豆半島手火山式の宗田節と合わせることで、 これで初めて出汁ができる!
一方、福島の畑では、究極の麺の原料となる最高級小麦『春よ恋』が、 すくすくと生長中。 およそ10cmの穂に、30粒ほどの実がつきはじめたが、その実はまだ柔らかい。 長瀬「まだ早いか、実が固まるには」 実が固くなるまでは、あと1か月半ほどかかる。 城島「まだまだ、先は長いよ」 そう、ここからが小麦栽培の本当の勝負。
しかし、そんな小麦を狙ってやって来たのが、イノシシ。 夜行性のイノシシは、夜になると食料を求め、森から人里にやってくる。 人間の1億倍もの嗅覚で、大好物のイモや米、小麦などの穀類を嗅ぎ分け、食べ尽くす。 かつて、福島DASH村でも収穫目前のサツマイモを食い荒らされてしまった。
その時、明雄さんから教えてもらったのが、田畑を囲う竹鳴子。 畑を囲むように、イノシシ目線の40cmの高さにロープを設置し、 揺れると音が鳴るように竹をぶら下げる。 体にロープが絡みつく感覚とその音で、イノシシを追い払う。 これで、イノシシ対策はバッチリ! しかし、小麦の天敵は、空からも…。 それは、この夏日本中を襲った、台風11号。 自然の驚異に、収穫直前の小麦は耐えられるのか…!?