2014年11月23日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

山の木々が、秋色に染まる季節。
実りを求めて、森の中へ。
と、倉庫跡の前の茂みで見つけたのは“アケビ"の実。
長瀬「これ食べたな、俺」
それは、2年前にも見つけていた。
元々は山に自生するものだが、
十数年前から栽培され、今では高級フルーツの1つに。
それが、DASH島の森にもたくさん生っており、
いつしか、秋の定番に。
達也「皮が割れてると食べ頃」
さっそく、実を一つもぎ取ってみる。
食べるのは、中のゼリー状の白い部分。
果肉を吸ったら、種は出す。
長瀬「甘い!クリーミーですね」
ならばと、城島が採った実は…、果肉なし。
城島「鳥が食べたあとやん」
しかし、最近城島が某民謡番組で全国を回るうちに
仕入れた情報によると、
城島「山形では、皮もきんぴらみたいにして食べるみたいよ」
アケビ栽培が盛んな山形では、皮を使った料理がさまざま。
江戸時代から続く食文化で、揚げたり炒めたり、油を使うものが中心。
そういえば、DASH島にも“油"があった。
種を拾って、集めて、乾燥させ、必死で搾った天然の“椿油"。
これを鍋に少量、そこへ刻んだアケビの皮を入れて炒める。
城島「山形ではここに醤油とゴマが入って…」
しかし、無人島に調味料は一切ナシ。
もはや、山形のきんぴらとは、かけ離れている。
達也「ゴーヤみたいな味。美味いんだけど、えぐみがある…」
山形の味にはほど遠いようだが、ひとまず、新たな食材となった。
そして、この日、一人線路の復旧作業に打ち込むのは松岡。
この夏、日本列島を襲った台風11号は、
猛烈な風と波で、DASH島にも甚大な被害をもたらした。
大小2つの島を結ぶトロッコの線路が、
130mに渡って瓦礫と崩落、2つの被害に。
そこで、線路を掘り出し、トロッコが走るスペースを確保する。
松岡「自然が相手だから、付き合っていくしかない」
そして、スタッフも作業を進め、瓦礫除去は6日目。
パワーが自慢・AD足立は豪快に。寡黙な男・AD北村は
一言も発せず、淡々と枕木を掻き出していく。
そして、元ヤンキーの新人AD・山中も、ズボンが破れ、
尻が見えるのも気に留めず、黙々と作業を進めた。
さらに、その数日後、今度は城島、達也、長瀬が精を出す。
片側のレールを外しながら掻き出した瓦礫は、推定18tに。
と、瓦礫の中に城島が見つけたのは、
どこからか流れ着いた瓶詰の梅干しっぽいもの。
臭いは通常の梅干しと変わらぬよう。
すると、なんと勇気ある達也はペロッと味見。
達也「ちょっと甘いよ、パサパサだけど」
と、今度は長瀬が瓶詰の何かを発見。
長瀬「らっきょうじゃない?」
以前にも、流れ着いたらっきょうを拾い、強烈な臭いを体験した。
新たな瓶は賞味期限内のようだが、恒例の臭いチェック。すると、
長瀬「これ、ニンニクだね、美味そう!」
そして、作業9日目。ついに瓦礫に埋もれていた線路は掘り出した。
しかし、深刻なのは、その先だった。
地面の砂利がえぐられ、グニャリと傾いた線路。
長瀬「相当大変だけど、一旦、線路を持ち上げないと」
そのやり方は、2週間ほど前に、黒部の保線マンたちから
教わっていた。
富山県・黒部峡谷鉄道は、山深い山岳鉄道。
その立地ゆえ、災害時は、限られた資材と人力で
復旧しなければならない。その知識と経験をDASH島にも。
まず、線路を水平な位置まで持ち上げて、下に砂利を盛るのだが、
保線マン・渋沢さん「砂利が流れ出さないように横に板を設置する」
本来は、地盤が崩れないための対策だが、砂利の流出を止める効果と
打ち寄せる波を防ぐ効果も期待できる。
しかし、レールの重さは誰よりも知っている。
そこで、足場丸太を3本組んで、舟屋の建設でも使った櫓(やぐら)で。
滑車を付ければ、持ち上げる力は1/4で済み、
舟屋建設地にあった推定1tの岩も、6人で移動できた。
線路が歪み、最も低い部分をこの滑車で引き上げ、土留めの板を。
そして、砂利で新たな地面を作っていく。
まずは、線路をまたぐように櫓と滑車を設置。
これで真上に引けば、力は無駄なく伝わるはず。
そして、櫓を押さえる、ロープでレールを上げる、
レールの下に枕木を入れる、三つの作業の役割分担を決め、
スタッフも加わって、レールが水平まで上がったら、
すかざず支えの枕木を差し入れる。
長瀬「とりあえずハマったか」
ここへ土留めの板を打ち、砂利を入れ、枕木を抜けば完成となる。
まずは、鉄筋を打ち込み、鉄筋と足場板を番線で固定する。
こうして、島の限られた資材で作った土留めが出来た。
砂利が波にさらわれるのを防ぎ、線路を守る防波堤にも。
まだ一枚分だが、ここにバケツリレー方式で石を盛っていく。
始めに大きめの石を積んだら、次に小さめの石。
それは、舟屋の基礎作りで学んだこと。
大きな石の間に小さな石が入り込み、すき間なく噛み合う。
これで、強度は格段に増す。
こうして、バケツ25杯の石を運び、
枕木1本分の地面だが、線路は水平に。
とはいえ、他の枕木は浮いた状態。
この作業を1時間ほど続け、推定1.5tの石で、新たな地面が出来てきた。
櫓の滑車を外してみても、レールをしっかりと支える。
線路は水平、台風前の元の姿に近づいた。だが、
長瀬「これをあっちまで全部か…」
まだまだ、先は長い。
そしてもうひとつ、城島が地道に取り組んでいたものがあった。
半年ほど前、港跡で食料調達をしている時のこと。
波が穏やかな入り江の中では、水面近くにも魚の群れ。
DASH島の港跡は、周りが囲まれた豊かな漁場。
しかも、潮の干満の差が大きく、潮位が低い時には、
海底を泳ぐカレイでさえもはっきりと見える。
やり方ひとつで、大漁も夢ではない。
そこで、城島と達也は沖縄・伊良部島へ。
ここに、城島にもできる潮の満ち引きを利用した漁があるという。
伝統漁を続けて64年の長浜トヨさんは、
その漁を継承する、最後の1人。
トヨさんをエスコートしながら、海沿いを行くと、海の中に
一列に石が積み上げられている光景。
トヨさん「地元では魚垣(ながき)っていう」
それは、江戸時代から行われている伝統漁法。
遠浅の海に積んだ石垣を利用して、魚を捕らえるらしいのだが、
その仕組みを、トヨさんに教えて頂く。
魚垣の仕掛けは、沖に向かって徐々に細くなる石垣の形が肝。
満潮の間に、魚垣の中に入った魚は、
潮が引くと、その中に取り残される。
さらに、沖へと向かう潮を感知して、魚垣の先端へ。
先端は細く、行き止まりとなっているため、
先端に網を構えていれば捕獲は完了。
つまり、潮が引けば、魚垣に閉じ込められた魚が、
流れに乗って、網へと勝手に入ってくる。
この漁法、徐々に狭くなる出口さえ作れば、
DASH島の入り江でも再現できる。
そこで今年の7月、魚垣を入り江のどこに作るべきか、達也が潜って調査。
海底に固定カメラを置き、地形と生き物を観察していた。
確認してみると、カメラの奥から泳いできたのはクロダイ。
調査の結果、入り江の中程では手頃な獲物が見当たらなかったが、
入り江の奥は遠浅の泥の海底で、クロダイなどの大物も。
ならば、魚垣の位置は、入り江の一番奥、舟屋の前に決定。
ここならば、引き潮に合わせて移動しようとする
クロダイなどの大物が掛かるはず。
そこで、城島は一人石集め。
伊良部島の魚垣は、大小様々な自然の石を積んでいた。
DASH島の入り江にも、そんな石がゴロゴロと。
これを100個ほど運ばねば。
まずは、石3つを背負子に固定して、
城島「だいぶ走り込んで、ふくらはぎの筋肉付いたからね!」
それは、この夏、限界を超えて走りきった24時間マラソン。
あれから3か月、城島は、未だに余韻に浸っていた。
しかし、そんな過信も石の重みに打ち砕かれ、
結局、1つずつ、手で運ぶことに。
こうして、ほぼ半日かけ、一先ず、100個ほどを運んだ。
魚垣予定地の海底は、遠浅で泥の底だが、
クロダイのような大物もやってくる。
魚垣の石を積もうと、入り江の中に入った城島は、
海底に足を取られ、動けなくなってしまった。
スタッフに救出を求め、なんとか這い出たが、
城島「こんだけ沈むんやったら、この先作業できへんで」
そこで、大物がいた入り江の奥から入口へと、
魚垣の位置をやむなく変更することに。
ここの海底は、岩と海藻なので、足がハマる心配もない。
潮が引くと、入り江の中程に潮溜まりができるが、
追い込みさえすれば、大物も魚垣に入るはず。
一段一段、潮が引いて行く沖に向かって、徐々に細く積んでいく。
城島が来られない日には、スタッフも作業を手伝う。
潮が引くにつれ、魚垣の形があらわになっていく。
そして、ついに、DASH島の魚垣が完成。
そして、この漁にもうひとつ必要なものが、魚垣の出口に置く受け網。
漂着物の中から、実際の漁に使っていたと思われる底引き網を調達。
これと適当な流木を持ち帰り、舟屋で受け網作り。
まずは、流木を番線で留め、骨組みにする。
そこに、網を結びつけていけば、完成。
そして、こうして網を作っている間に潮が引き、
網を置く絶好のタイミングに。
達也「沖に向かって潮が流れてるのがわかる」
この流れを感知して、魚も沖へ。
と、長瀬が見つけたのは、アオリイカの子供。
生長するまで浅瀬で過ごすが、この入り江を住処にしているのか。
さらに、刺身や煮付けで美味いウマヅラハギが、
魚垣の入口の方へ泳ぎ出す…そして、ついに!
城島「網に入った!入った!」
DASH島の魚垣で獲った初の獲物。
これを、新鮮なうちに皮を剥ぎ、まずは半身を刺身で。
達也「んー、旨い旨い」
そして、残りの半身は網焼きで頂く。
長瀬「うめえーぞ、これ!歯ごたえ最高!」
城島「この調子でもっと魚獲ろう、ギョッとするくらい」
この先、狙うはさらなる大物!
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