2015年12月6日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

DASH島では、秋の定番“アケビ"が実りの時を迎えていた。
アケビは元々、山に自生するものだが、十数年前から、
山形県では栽培も行われ、大きいもので、1個400円の値が付く高級品。
それが、日当りが良いのか、島の高さ3m程のアキニレの木には、すずなりに。
さらに、割れた実は熟した証し、まさに今が食べごろ。
そんな、アケビの実は、この時期島のあちこちに…。
それは、森の中、石垣を上った場所にも、
城島「採れた、採れた、チャチャチャっと」
そして、一口食べれば、平均年齢41歳の疲れた身体に染みわたる。
松岡「和菓子だね」
長瀬「水ようかんみたいな甘さ」
そして、長瀬と松岡が、甘い果肉を吸い、種を吐き出すと、
なぜかその種を拾い始めた城島。
松岡「何やってんの?」
城島「秋田でアケビの種を使って油をとってたらしい。」
某民謡番組で全国を回る城島が知っていたとおり、
確かに、秋田の文献には、食用油の中でアケビの油は、
最高級品だったとの記載が。
江戸時代、アケビ油は、当時主流だったゴマ油の5倍の値段で取引され、
江戸の町では、アケビ油で揚げた天ぷらや、料亭では炒め物など、
様々に重宝されたことが記されている。
しかし、戦後、産地・秋田でも、作り手は消え、今では幻の存在に。
そこで、昨年秋、DASH島で行なった、「椿油搾り」の経験を生かし、
かつての最高級品“アケビ油"を作ってみることに。
まずは、森の中、数か所探して、落ちて痛んでいたアケビ、67個を拾い集めた。
つづいて、これをバケツに張った水の中で、実から種を選り分ける。
松岡「オタマジャクシの卵みたい」
長瀬「急に(アケビの種が)大事なものに見えてきた」
アケビ1個につき、種はおよそ150粒。
島中のアケビからかき集めた種はおよそ500g。
城島「中はどうなってる?」
その種を割って、中の状態を確かめてみると、
松岡「白いね。お米みたい」
かつて、椿油を搾った経験で、それはまだ水分が多い状態と判断。
城島「ほんまは乾燥させるんやけど、乾煎りするわ」
ゴマ油作りで行う、焙煎。
高温で熱することで余分な水分を蒸発させ、
油の純度を高めるだけでなく、味も香りも良くなる。
では、貴重な小さな種、鍋に入れて火にかけ、
焦げ付かせないよう、ゆっくりかき回し続ける。
城島「ローストしてきた」
松岡「水が飛ぶと、だいぶ色が変わるね。」
種の中はどうか、半分に割ってみると、
城島「パリッとしてる。水分飛んでる。いい感じ」
続いては、油が出やすいよう、細かく砕いていく。
石臼で曳くと、パリパリと殻が割れる音が、
松岡「すっげえ!油の匂いがする!」
長瀬「黒蜜的な(匂いがする)」
去年、椿油を搾り出したのは、袋を箸で締め上げるという、即席の方法。しかし、
城島「ここまでか…この方法だと」
この方法だと搾れる量にも限界が…。
そこで長瀬が持って来たのは、DASH島の線路を曲げるときに使った道具「ジンクロ」。
ジンクロはネジを回す程に、先端へと力がかかり、
鋼鉄でさえも人力で曲げられる。これを利用し、
戦後まで油を搾るのに活躍していた“ネジ式搾油機"を作る。
重りの下に、袋に入れたアケビの種を置き、
ハンドルを回転させれば、ネジが締まり、力はゆっくりと種にかかる。
そして、押し出された油が、穴から出てくる仕組み。
これを、これまでの島の開拓で集めていたもので。
まずは、出てきた油を受ける枠作り。
集落跡で見つけた丸太の上部を丸く削り、
そこに、油が染み込まない為の鍋を置けるように加工。
そして、さらに小さい鍋に、釘で油が出る穴をあける。
すると、
松岡「北海道は七夕に缶に穴をあけて、
中にロウソクを入れて提灯がわりにして他人の家を回る」
それは、150年以上続く、北海道の七夕の風習で、その名も、「ロウソクもらい」。
子供たちが、それぞれ缶や和紙で提灯を作り、
「ろーそくだーせだーせよ」と、囃子歌を歌えば、お礼にお菓子がもらえるという。
まさに日本のハロウィン、子供たちにとっては特別な日。
そして、鍋に強度が落ちない程度に穴をあけたら、
これを、受け皿となる鍋の中に置いて、
無人島にあるものだけで作った、搾油機が完成。
レールをも曲げた、ジンクロの力で種を押しつぶし、
余す事なく、穴から油が出てくるはず。
あとは、先ほどの潰したアケビの種を布に包んで蒸していくが、
これも、かつて椿油を搾ったときに学んだ方法。
種を蒸して柔らかくすることで、搾りやすく、油の出もよくなる。
そして、蒸すこと10分…。
ここからはスピード勝負。
潰したアケビの種が熱いうちに搾っていく。
冷めてしまうと、油の出が悪くなる
ジンクロを固定したら、バールを回して、少しずつ圧力をかけていく。
と、すぐに、
城島「出てる、出てる!油がにじみ出てる」
松岡「すっげえ出てる!!」
圧力をかけたまま、しばらく置いて油が出切るのを待つ。
そして、ようやく出て来たアケビ油は、
松岡「鶏油とかラードみたい」
少し舐めてみると、
松岡「普段、俺たちが使ってる油の味ではない」
長瀬「上品な味。やっぱり甘みもある」
と、なれば、
城島「“アケビの皮のきんぴら"、アケビ油でも試してみたいね」
それは以前、椿油で作った、アケビの産地・秋田の郷土料理。
城島は去年、島唯一の調味料、椿油だけで作ってみた。
とはいえ、本来は醤油など様々味付けするもの。
城島「渋味がある…エグ味もある…」
味に少々、問題が。
あの苦みと渋み、アケビ油でどう変わるか。
まず、アケビの皮を炒める前に茹でてアクを抜き、
貴重なアケビ油は、使いすぎないよう、控えめに鍋へ。
比較のため、アケビ油と同様に、椿油でも炒める。
そして、仕上がりの見た目は、どちらもほぼ一緒。
無人島初の油「椿油」と、かつての最高級品の「アケビ油」。
果たして味は違うのか?
まずは、椿油炒め。
松岡「渋柿食べたみたい」
では、新人のアケビ油。
城島「美味しい!全然ちゃうやん」
長瀬「上品な甘さの風味が出てる」
こうして、新たな調味料を手に入れた。
数日後、浜では、水路の作業が急ピッチで進められていた。
それは、DASH島で唯一の水源である森の古井戸から、
開拓の拠点・舟屋まで、全長450mに及ぶ水の道。
井戸から150m進んで、ようやく浜へ出た。
達也「(舟屋が)見えてきたな」
と、喜んだのも束の間。
DASH島の浜は、そのほとんどが石に覆われている。
水路の足場を固定するためには、石を掘り返し、また埋め戻す…この繰り返し。
達也「足場が悪いな」
浜に出てから40m進むのに、丸5日を費やしていた。
そして、もう一つ心配事が。
達也「ここからが厳しいんだよね」
松岡「問題は強風と潮」
島と島を結ぶ部分には、遮る物が何もない。
さらに海が荒れれば、水路に直接、海水が被る事も。
城島「木が痛んでしまう」
ここに、木の水路を通す事は少々、不安があった。
木材は、海水にさらされれば、染み込んだ雑菌が繁殖し、
内側から腐ってしまうことも。そこで、
城島「家の壁に使われてた、杉板を焼いた“焼杉"はどう?」
それは9年前、ソーラーカーの旅、香川県で学んだ黒い外壁。
主に、海沿いの地域で見られ、焼いた杉板を使い、
家屋を潮から守る知恵。炭になった杉の表面は、
水はけにも優れている。
とはいえ、島に水路の材料は赤松しかない。
赤松は樹脂、つまり脂が多く、松明にも使われる木材。
岩手県久慈で頂いた、50年物の古材を製材し直した物だが、
城島「本来は杉やけど、松はどうなんやろ?」
達也「焼かない木よりはいいんじゃない?」
では、焼杉ならぬ、焼松作り。
3枚の杉板を、筒のように組み合わせ煙突を作り、
下から静かに燻して、均一に焼き目を付けていく。
3枚が焼き上がれば、そのまま1組の木樋となる。
点火すると、炎は木の筒の中を上へ上へと昇っていく。
達也「(空気と熱を)吸い上げてる。煙突効果だね」
煙突効果とは、温められた煙突内の空気が上昇気流になり、
その力で、下から新たな空気を吸い込む事をいう。
下から上へ、徐々に炎が燃え広がることで、
内側にだけ、均一に焼き目が付く。
この板の大きさ、杉なら5分も焼けば完成のはずだが、
達也「あ、ダメだ、ダメ!危ない」
予想以上に大きくなった炎が、外側にも引火!
全体が炭になってしまえば、水路の板としては使えない。
達也のとっさの判断で、煙突を倒し、鎮火。
松岡「(原因は)松脂(まつやに)か!」
赤松は杉に比べて、火には強いとされるが、松脂を多く含む場合、
炎は大きく燃え広がり、一度点いたら、中々、消える事がない。
やはり、風と潮に負けない、新たな材料が必要だった。
とはいえ、無人島にあるものでは限界がある。
達也「(島を出て)材料、探してくるわ」
そして、この日、スタッフが見つけたのは、
松岡「足跡?」
達也「なになに、怖い怖い…」
砂浜に点々と続く、人間ではない、謎の足跡。
これまで見た、どの動物のものとも違う。
DASH島に、また新たな生き物の影が…?
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