2016年4月10日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

春も近づき、森のシナミザクラが花開く準備を進めた、この日。
達也があるものを見つけた。
達也「すげえいっぱいいるじゃん、サナギだね」
大小2つの島を結ぶ州の部分。
その浜の石の表面に、サナギのようなものが無数に。
大きさ1cmほどで、黒い物やオレンジ色のものなど、色も様々。
達也「暖かくなったら成虫になるのかな?」
城島「これ“完全変態系"?」
完全変態とは、例えばアゲハチョウのように、卵から幼虫、
そしてサナギと、形を変えながら成虫になる虫のこと。
蝶の仲間の他にも、カブトムシやクワガタ、さらにハチの仲間など、
日本だけでも4万種以上。
達也「(サナギから)出てくるとこみたいね」
ならば、待つこと1週間。
もう一度、サナギを見に行くと、
達也「成虫が出た(抜け殻)のもいるじゃん」
城島「カメラの映像見てみようか」
こんなこともあろうかと、1週間前に観察カメラを設置していた。
そこに映っていたのは、サナギが脱皮する様子。
出てきたのは、黄色い昆虫だが、
松岡「テントウムシ?これから星が出てくるのかな?」
そして、脱皮を終えて4時間後…。
達也「星が出てきた!テントウムシだ!」
正体は、星が七つの“ナナホシテントウ"。
植物の栄養を吸ってしまう、害虫・アブラムシを食べてくれる事から、
近年、農薬に代わる益虫として、飼育・販売もされている。
春が繁殖期で、1mmほどの卵を一度に30個程度産みつける。
2、3日で孵化し、脱皮を繰り返しながら幼虫からサナギに。
そして、1週間かけ徐々に黒くなったら、成虫に。
さらに、丸一日かけて羽根を乾かし、お馴染みの真っ赤な姿になったら、
飛ぶ事が出来るようになる。
達也「砂利のゾーンだね、サナギがいるの」
調べてみると、太陽、お天道様に向かって飛ぶことから、
その名が付いたというテントウムシ。
サナギになるのも、陽に当たる暖かい場所を選ぶ習性が。
DASH島で見つけたこの浜も、陽当たりの良い南向き。
おそらく、日差しで石が温められ、幼虫たちも、
より温かいその石に集まってきたと考えられる。
その証拠に、周りには、
松岡「いっぱいいるじゃん!テントウムシ」
達也「ちょっと小さい春を見つけた感じ」
とはいえ、まだ寒さが残るDASH島。
日の当たらないあの場所を改造せねば。
それは、2か月ほど前。
まだ、冷え込みの厳しい朝のこと。
棟梁・達也は、舟屋で仕事に取りかかっていた。というのも
達也「壁の隙間がひどいよね」
舟屋の壁は、浜に流れ着いた板343枚を島中からかき集め貼り付けたもの。
隙間ができぬよう、少しずつ重ねながら打ち付け、
全ての壁を埋めたのだが、元々は厚さも形も違う板。
どうしても、そこかしこに大きな隙間が。
しかも、晴れた日の日中といえども
明りをとるため、窓は開けっ放し。これでは、
達也「せっかく囲炉裏を作ったけど寒いもんね」
達也が作った囲炉裏に、太一が焼いた炭。
これで、いくらかマシにはなったものの、春先の舟屋は、
未だ恐ろしい寒さだった。そこで、
達也「“火棚"を作るか」
それは、福島DASH村の母屋にも付け、日々の作業でも何かと重宝した、
囲炉裏の真上に吊るす小さな天井。
縄文時代から使われていたといわれ、元々は、
囲炉裏の火が屋根に燃え移らないようにするためのもの。
しかし、その上に竹などを並べることで、火棚がなければ、
屋根まで真っ直ぐ上っていた囲炉裏の熱が遮られ、拡がりながら低い位置に留まる。
これで暖房効果が高くなる。
しかも、囲炉裏の煙での薫製や、熱で衣類を乾かすのにも使える。
そこで、開拓にも役立つであろう火棚を無人島にあるもので。
水路や舟屋にも使った材木の余りから、状態の良い物を見繕い、
達也「釘だと伸縮して緩んだりするから木の栓で打った方がいい」
つまり、火棚の組み立てに鉄釘などの金属を使うと、
囲炉裏の熱で膨張や収縮を繰り返し、外れやすい。
それでは、何かの拍子で崩れてしまいかねない。
しかし、舟屋の梁のように、木の栓で固定すれば、
木同士は、同じように膨張・収縮するため、固定が緩むことはない。
棟梁・達也、イメージは固まっていた。
釘を使わない「ほぞ差し鼻栓」。
それは雌木(めぎ)に雄木(おぎ)を入れ、
その穴に末広がりの栓を打ち込んで留める方法。
さっそく、材木を削り出し、穴を開けていく。
大きすぎれば固定にならず、小さすぎては入らない。
ミリ単位の仕事だが、棟梁・達也に迷いはなかった。
ものの10分で、4枚の雌木と雄木が完成。
これを組み合わせ、玄能(げんのう)で栓を打ち込む。
なんとか入っていく固さ。キツく噛み合っている証。
形が歪まぬよう、様子を見ながら満遍なく打ち込んだら、
達也「外枠できた。あとは格子をハメればOKだね」
火棚の内側に、材を格子状に組む。
これで釘や金具を使わず、囲炉裏の熱にも耐えられるはず。
しかし、まだ問題が。
達也「結構重たいね」
およそ大人一人分の重さ、これを囲炉裏の真上に。
通常は、その重さに耐える梁から吊るが、
舟屋の囲炉裏の上には、手頃な梁が見当たらない。
達也「火棚を吊るせるくらいの材木は余ってるか」
つまり、元々ある梁に新たに梁を掛け、火棚を吊る。
梁は載せるだけでも十分だが、棟梁・達也は、安定させる工夫を施す。
舟屋の梁に載る部分を3cmほど削り、
城島「これ(溝)で(梁が)滑らないでしょ」
動かないための溝を仕上げたら、城島、松岡も加わって、梁を舟屋の2階へ運び込む。
一旦は2階の窓から入れようと試みるも、結局、すべり棒の穴から入れることに。
と、その拍子に、「山城」の表札が外れた。でも
達也「構ってられないよ」
ひとまず、3人で2階に運び入れた。
これを囲炉裏の真上に架けたいが、梁の間隔よりも長いため、
真っ直ぐ上げるわけにもいかない。
ここから、3本の梁の上に載せるには、横から隙間を通して、
まず2本の梁に架け、引き戻して、もう一本の梁に架けるしかない。
狭い舟屋、まず窓から1/3ほど出してから、梁の上に横から滑り込ませる。
しかし、つっかえて屋根裏に当たってしまう。
一旦、横に逃がして距離を稼ぎ、同じように、窓から滑り込ませ…
と試行錯誤を重ね、ようやく囲炉裏の真上に2本の梁が掛かった。
そこに火棚を吊れば、その重さで動くこともなくなる。
ロープを4カ所垂らし、そこに
重さ60kgの火棚を、水平を調整しながら吊るす。
そして、最後の仕上げ、火棚の上に竹を並べる。
これで、上に物を置けるだけでなく、囲炉裏の熱気を遮り、暖房効果も高まる。
漂着物の竹を割れば、材料は十分。
金属を使わずに組んだことで、囲炉裏の熱でも歪むことなく、
屋根へと上がろうとする温もりを、長く留まらせてくれるはず。
その効果、枯れ草を燃やせば明らかだった。
松岡「ちゃんと煙(熱)横に拡がるね」
城島「部屋の端っこと温度が全然違う!」
しかし、このとき、山には新たな脅威が…?
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