2016年5月29日 放送内容ザ!レストア!DASH!! ~モノレール~

まだまだ使えるのに、いつの間にか忘れ去られた道具を、
TOKIOが復活させます!“ザ!レストア!DASH!!"
達也と松岡がやってきたのは、駿河湾を望む静岡県清水区。
周辺は傾斜のきつい、山間の柑橘畑。と、
達也「手つかずの畑が増えてる」
この辺りでは、夏みかん農家をやめた方も多く、
甘夏を栽培していた羽生典代さんもまた、その1人。
そして、放置されたのは、甘夏だけではなく、
羽生さん「20~30年前に父が使ってたものです」
亡くなられた山本四郎さんが、ずっと大事に使っていたという、
ミカン運搬用のモノレール。
そもそもは昭和41年、重い荷物を運ぶミカン農家さんを
助けたいと開発され、全国で13万台を生産する大ヒット商品に。
それが、今ではこうして放置されて、10年。
松岡「もったいないね」
このモノレールを何とか復活させたい!
達也「(スターターを引いて)音が鳴るから空気は吸ってる」
どうやら、これまで、達也が扱ってきた草刈り機や、
チェーンソーなどに付いているエンジンと構造は同じ。
そもそもエンジンは、燃料と空気を混ぜ、爆発させることで動く。
引っ張った時に音がするのは、
まだ空気を吸う機能が、壊れていない証。
しかし、エンジン自体はかからない。
と、達也が気付いた。
達也「(レールの)山が車輪とハマって進むんだね」
丸い円盤の内側には突起があり、
それがレールの山と噛み合っている。
1つ1つの突起が、確実に山を捉えていくことで、
急勾配でも、滑り落ちる事が無い。
この技術は、東京・虎ノ門ヒルズの、
作業用ゴンドラにも応用されている。
達也「車体を外そうか」
一旦、レールから下ろそうとするが、
レールは本体がある場所から、
下へ100mほど伸びており、さらに上には20mほど。
どうやって外せばいいのか?
これは、達也にも経験が無い。
そこで、プロにご協力頂くことに。
植木保之さんは、モノレールメーカーの技師。
ダムや山間の工事現場など、100ヶ所以上設置した経験を持つ。
植木さん「レールの先端で(車体を)抜く」
レールの端まで移動しないと、外す事が出来ない。
逆に言えば、脱線の心配が無い。
本体と荷台で、およそ100kgの車体を、
距離の近い方の先端へ、押して移動。
そして、取り外した車体は、修繕のため、
植木さんの所属する、モノレールメーカー「飯田ユニパー」へ。
エンジニアの伏見さんが、快く場所を貸してくれた。
達也「燃料タンクがダメ」
燃料が入ったまま、およそ10年放置されたタンク。
中身を出してみると、真っ黒な燃料が。
燃料は、元々薄いブルー。とはいえ、
達也「もっとドロドロになってると思った」
つまり、タンクの内側が腐りきっていない証。
だが、タンクの内側全体にはサビが付着。
どうやって取るのか?
伏見さん「サビを取るのに(タンクに)チェーンを入れる」
その方法、達也も初めて知った。
チェーンを入れたら、そこに中性洗剤を流し込み、
そもそもキャップには、空気抜きの穴があるので、
漏れないようビニールを噛ませて、キャップを閉める。
これを上下左右に振ることで、
チェーンがタンクの中で自在に動き、サビを削り取る。
そして、チェーンと一緒に中身を出せば、一目瞭然。
達也「きれい!(サビが取れて)下地が見えた」
これが、35年前の姿。
そして、エンジンを動かす肝。
達也「エンジンプラグ、ここに火花が点く」
プラグは、エンジンの中に噴射された燃料に火をつける役割。
爆発の力を利用して、エンジンが動く。
しかし、これも汚れが付着して使い物にならない。
伏見さん「“サンドブラスター"で研磨してきれいにする」
ここでも、2人が初めて知る道具。
サンドブラスターは、研磨用のわずか0.1ミリの人工の砂を
空気の力で噴射する仕組み。
これで汚れを吹き飛ばせば、火花が出るはずだが、
松岡「火花出た!すごいね」
さらに、達也が気になる場所。
達也「エアクリーナー」
しかし、そのカバーを外して見ると、
そこにあるはずのフィルターが無い。
エンジンの中に、ゴミが入らないようにするフィルター。
それが、劣化でほとんど消失。
これも新しいのに付け替え、さらに、
熱くなりすぎたエンジンを冷ます、
空気を取り入れるための溝をブラシで丁寧に磨いていく。
そして、新しい燃料を入れて、スターターを引いてみる。
達也「きたー!エンジンかかったー!」
松岡「かっけえ!興奮してきた」
ブルン、ブルン、と10年ぶりに響かせるエンジンの音。
達也「これをレールに取り付ければ動くはず」
甦ったエンジンに、再び活躍の場を。
出来れば、人の役に立つ、場所で。
そこで、120m分残されているレールも取り外し、
一行は、山梨県南巨摩郡・上佐野へ。
松岡「ここの坂道はお年寄りには大変」
急な坂の上に4世帯が暮らし、平均年齢は83歳。
そのほとんどの方々が、この坂道に苦労しているという。
お年寄りの足である、バスに乗るにも、
この急な坂を上り下りしなければならない。
そこで、坂の上から、畑の使っていない部分を迂回するルートで、
距離にして45mのモノレールを設置することに。
まずは、レールを支える柱を30本、地中深くまで打ち込む。
そこにレールを固定するが、頂いたレールは全て右カーブ。
左カーブを設置するには、レールを曲げなければ。
そのやり方は、DASH島で経験済み。
通称ジンクロ、これでトロッコのレールを何本も。
しかし、ここでも初めて見る道具が。
植木さん「“ベンダー"を使います」
同じ人力でも、こちらは油圧のペダル式。
鉄パイプの中に入った油が圧縮され、
およそ10トンの力を生み出す。
少しずつ、位置をずらしながら、左カーブが完了。
こうして、レールを調整しながら設置し、
最後の1本は、お年寄りが乗り降りする場所。
松岡「この隙間なら安全」
足を踏み外すことがないよう、安全な隙間を確保。
さらに、この位置にモノレールが停車するので、
植木さん「ブレーキになるレバー(ストッパー)を付ける」
それはモノレールの安全装置の1つ。
車体から突き出したブレーキを、
レールのストッパーが倒すことで、安全に停止する。
そして、本体と台車をレールと合体させれば、
松岡「よし、(車体とレールが)噛んだね」
さらに、本体には乗車用のイスも。
これは、近くのレースカート場で譲って頂いた、カートの座席。
最後に、余ったレールで作った、階段も設置。
坂の下から45m、10年以上放置されたモノレールが甦った。
そして、乗客第一号の女性は、
女性「ヒザつらかったので、だいぶ楽です」
バス停から坂の上まで、58秒。
操作はレバーのみで、シンプル。
10年間、畑で忘れ去られていたモノレール、
お年寄りにもやさしい、レストアが完了。
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