2016年6月12日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

この日は、水路作りの材料となる、
和製コンクリート・三和土(たたき)の準備に追われていた。
三和土は、江戸以前より伝わる左官の技術。
土間や炊事場に使われ、水に強い。
これで、水路の樋を作り、海風の強い洲を通したいが…
目指す舟屋は遥か先、残り270m。
そこで、急がれる三和土の材料調達。
粘土質の土と砂利は、山の斜面や浜を掘って集めてきた。
しかし、石灰は島にはない。
そこで、流れ着いた貝殻を拾い集め、フイゴで空気を送り込み、高温で加熱。
貝殻から石灰だけを取り出した。
こうして日々、材料を調達していた。
そして、この日も北側の浜で貝殻探し。
と、見つけたのは、琥珀色の固形物が入った漂着物の瓶。
松岡「ハチミツ?アメ?」
恐る恐る蓋を開けてみると、
松岡「これはニス?」
ニスは元々、琥珀などの樹脂や、カイガラムシが分泌する物質を使った塗料。
上質な木製楽器の仕上げにも使われ、
塗ればツヤが出るだけでなく、傷や水に強くなる。
ならば、舟屋や手漕ぎ舟の手入れにも使えるかも。
さらに、足下にあったのは、空の指輪ケース。
松岡「フラれて結婚指輪ごと捨てたのかな?」
城島「そういえば、松岡も中学のときそんなことあったなあ」
それは25年前、15歳の松岡少年が意中の相手に
オルゴールをプレゼントした、淡い初恋の思い出。
そして、別の日には達也が山で土集め。
島中を掘って、改めて思う。
達也「粘土質のいい土だね」
ここが、島で手に入る最も三和土に適した土。
と、この日、初めて気付いた。
達也「窪んだ道がある。イノシシだな」
作業を進めるとスコップで掘った土の中に、10cm程の穴が。
達也「モグラにしたら穴デカくない?」
確かに、モグラの穴なら直径5cmくらい。
島で共存するウサギの穴なら、20cm前後ともう少し大きい。
となると、イタチやネズミ、ヘビなどの巣穴の可能性も。
さらに、掘り進めると、小さな芽が。
達也「もやしみたいなのが生えてる」
ネズミには、種などのエサを巣穴に蓄える習性がある為、
その貯食した何らかの種が、発芽したのか。
こうして、スタッフも加わり、三和土の材料を集めつつ、
数日後、いよいよ、水路は最大の難所へ。
島と島を結ぶ洲の部分には、風を遮るものが何もないうえに、
時に風速30mを超えることも。
2年前の台風では、線路の下の砂利が根こそぎ、波にさらわれた。
石で土台を作るにせよ、高ければ波風をもろに受け、崩れる危険性もある。
そこで、風に耐えるためには、
松岡「なるべく低くゆるい勾配で」
しかし、洲は平坦ではなく、起伏が。そこで、
達也「一番高いところを決めて、そこまで落としていこう」
つまり、地面から一番高い所を基準にして、
その地面から上を通過するように高さを決めていけば、
結果、最も低く、緩やかな水路ができる。
松岡「石橋の入口が一番高い」
石橋までを目標に、台風でも耐えられるようできるだけ低い水路を作る。
そのために、達也が脚立に上がって、離れた場所から覗き込むのは、水準器。
江戸時代、水路を引く際に使われていた道具。
かつては提灯を目印に、これで測量を行い、水路を引いていたとされる。
これまでも、水路の高さ調整に使ってきた。
同じ要領で、浜に流れ着いたもので目印を取り付ける。
この目印の高さが、水路の高さの目安に。
あとは、これを基準に、水が流れるように、
目印の高さを徐々に高くしていく。
これを繰り返すことで、高さの目安となり、
最低限の傾斜で、水が流れる水路ができる。
20m進んで、20cm高く、これを繰り返し、
作業開始から2時間、木樋の場所まで到達すると、
松岡「(遠巻きに見ると)緩やかに傾いてるね」
水平線と比べてみれば、緩やかな勾配が続いている。
水路作りで最も過酷な150m。
あとはこれに沿って、三和土の水路を。
↑ページTOPへ