2016年6月26日 放送内容DASH海岸 アクアラインの真下で海の宝石を探せスペシャル

この日は、横浜DASH海岸でゴロタ場の調査。
海岸に岩を積み上げてから2年が経ち、
生態系を支える小さな生き物が増えてきた。
木村さん「今日は大潮で、食欲旺盛になるんです」
大潮とは、ひと月に2回、主に月の引力によって、
海面が大きくひっぱられたり、ゆるめられたりする現象。
満ち引きによって、速い潮の流れが起きるため、
隠れていた小さな生き物は、流れに押しだされ海中へ。
一方、肉食魚たちは海中の酸素を多く吸って活性があがり大食いに。
そこで、やって来た大物を捕まえる網をゴロタ場を囲うように設置した。
仕掛けた網を引き揚げてみると、大きく成長したメバルが!
昔から江戸前を代表する春の魚で高級魚。
春先は体長4㎝程のサイズだったのが、今や23㎝に!
達也「デカイのが来たんじゃなくて、デカくなったんですね!」
さらに、ゴロタ場にやってきたのは、
城島「あれ?ずーなま先生!?」
川のヌシ ナマズにそっくりなこの魚。正体はナマズの仲間のゴンズイ。
キレイな海の岩場や砂地に生息するため、工業地帯で見られるのは珍しい。
水族館の人気者としても知られるゴンズイ。
子どもの頃は、ゴンズイ玉と呼ばれる、固まって泳ぐ行動をとる。
これは一匹の大きな魚に見せ、外敵に襲われない為の防衛本能。
成長すると、集団行動をやめて、一人で生活するように。
そんなゴンズイには、
木村さん「背ビレの前と胸ビレの所に毒針があります」
刺されれば激痛が。さらに8本あるヒゲは、好感度なセンサーで、
エサとなる生き物が出す二酸化炭素を感知するといわれている。
さらに、網の中に入っていたのは、絶滅危惧種のウナギ。
城島「中の骨が透き通って見えそう」
赤ちゃんから大人への成長段階のクロコと呼ばれるサイズ。
このウナギは、DASH海岸でエサを食べて、大きくなっている途中らしい。
達也「環境が変わるだけで、生き物は全然違う」
最近では、水がキレイになってきた東京湾には…
木村さん「“イカの王様"って呼ばれるアオリイカもいるんです」
アオリイカは、“イカの王様"とも、“宝石"とも言われ、
環境に非常に敏感でキレイな海にしか棲めない。
そんなヤツが東京湾にいるという。しかも…
木村さん「高速道路の下にいる」
そこで、やって来たのは、東京湾を横断して神奈川と千葉を繋ぐ大動脈、
高速道路アクアラインの下。
橋の下に広がるのが、14000ヘクタールの広大な干潟、盤洲干潟。
関東最大の自然干潟で、DASH海岸の約7000倍!
達也「こういう干潟、最高」
金田漁協の実形さんが、この干潟で行う伝統漁が、
実形さん「簀立てです」
網をカーテン状に張り、砂地に竹をさして設置し、
魚が壁際に沿って泳ぐ習性を利用した仕掛け。
仕掛けてある簀立てまで、干潟を歩いて向かおうとすると、やって来たのは、
桝アナ「達也さ~ん、木村せんせ~い!」
東京大学、そして大学院で海洋生物を研究した桝太一アナウンサー。
実地研究で盤洲干潟に足しげく通った、いわばホームグラウンド。
そんな桝アナと共に、目的地の簀立てに向かう途中、早くも何かを発見。
木村さん「タマシキゴカイのフンです」
汚い砂を食べ、その中のエサを食べ、キレイな砂を出してくれる。
そんなフンが、辺りに一面に!
達也「環境が良いわけですね」
さらに、そのフンの下を少し掘っただけで、大量のアサリが!
達也「東京湾にも良いアサリいっぱいいますよね」
白と黒の模様が殻にくっきりとついたものや、特徴的な縞模様のアサリや、
最近増えてきたという青色のアサリなど、次々と。
桝アナ「本当に、子どもたちに来てほしい」
この盤洲干潟も、高度成長期には、水質が汚染され、生き物の姿が消えた。
しかし、地元の人々の努力で生き物達が戻って来た。
桝アナ「東京湾も再生してきているんですね」
さらに、発見したのは、脱皮直後のカニ。
脱皮したての甲羅を触ると、フニャフニャと柔らかい。
そんな脱皮したてのカニは、高級食材として珍重される。
達也「面白い、いいとこ見れた!」
続けて、達也の足元を泳いでいたのは、マハゼの赤ちゃん。
達也「すごいいい環境」
このまま育って、秋になれば、体長20cm江戸前の高級魚となる。
都内の天ぷら専門店では一匹で、なんと1200円にも!
さらに達也が網ですくったのは、舌平目の仲間のシマウシノシタ。
桝アナ「これ、生で捕まえている人初めて見た!」
バターとの相性は抜群でムニエルなどにされることも。
特技は、砂に潜り、身を潜める“隠れ身の術“。
それでも、達也が見つけられた理由は、
桝アナ「透明度が高いですね」
木村さん「砂地の干潟なので、水をキレイにする効果が高い」
アオリイカは目で見て狩りをする為、汚い海ではエサを探すことができない。
そんなアオリイカの大好きな場所が…
達也「アマモ場に来たね」
光合成を行い、海中に酸素を供給する豊かな干潟の象徴アマモが、
畑のようにびっしりと生えている。
桝アナ「アクアラインの真下に、こんな所があるとは思わない」
そんなアマモ場で、さで網を使った生き物調査をしてみると、
わずかにアマモ色に擬態したスズキの子どもが。
擬態しているのは、目の良いアオリイカから隠れるため。
木村さん「アオリイカにとって大好物です」
続けて発見したのは、ヨウジウオ、さらに、その近くにいたのは、
世界最小のイカのヒメイカ。
このアマモ場で見つけたスズキ、ヨウジウオ、ヒメイカは、いずれも
アオリイカのエサとなる生き物。
アマモ場は、アオリイカにとってなくてはならない狩りの場所。
そんなアマモ場の先にあるのが、目的地の巨大伝統漁の簀立て。
エサを食べに浅瀬に来たアオリイカは、干潮になると沖合いに戻る際に
障害物にぶつかると、そのまま壁沿いを伝わり、自然と入口から
簀立ての中へ進んでしまう。
そんな簀立ての中に入ってみると、達也の苦手なニョロニョロが!
桝アナ「ダツですよね?」
針のように硬くて鋭いくちばしを持つ危険生物。
夜行性で、光るものに対して本能的に突進する習性があり、
刺されて命を落とす事故も。
さらに、1mを超えるアカエイ!
尻尾の付け根に鋭い毒針があり、刺されれば呼吸困難や発熱をひき起こす。
実形さん「私も刺されて2針縫って。人生で一番痛いです」
続いて、もう片方の部屋に入ると、
桝アナ「大好きこれ!ホウボウだ!」
赤い体とクジャクのようなヒレが特徴で、かつては徳川家康も愛した高級魚。
そんなホウボウが、うようよと!
さらに、足元には、体長1mを超えるドチザメが!
古来より、東京湾の海の幸として親しまれ、
生ではこりこりと、熱を通せばトロトロの食感になり絶品。
簀立ての中のさらに奥へ、慎重に探していると、
隅にいたのは、まさしく“イカの王様"!
達也「アオリイカ!来たよ“宇宙ステーション"」
キレイな海にしか棲めないアオリイカがアクアラインのすぐ下に
本当にいた!
水槽に入れたアオリイカを刺激すると、色を変えて怒っているアピール!
さらに、2本の足を上げた。この行動は、怒りマックスのポーズ。
そんな“イカの王様"は、
達也「水がキレイで環境が整わないと会えないんですね」
“イカの王様"の味も、まさに最高!
ということで、東京湾の獲れたての“イカの王様"を美味しく食べる方法を
教えて頂くのは、簀立て漁師一の目利きの達人の岩崎さん。
美味しいイカの見分け方が、
岩崎さん「この目の周りの色が鮮度の証」
岩崎さん「イカそうめんを作ろうと思います」
通常は、5mm程度だが、“イカの王様"の厚さは1㎝。そのため、
岩崎さん「『イカうどん』になっちゃうね」
そんな厚みがあっても、イカの中でも身が柔らかく、旨味は最高。
桝アナ「たまらん!麺つゆに甘さが負けてない!」
続いて、もう一品は、食感が楽しい料理。
コリコリとしたエンペラと呼ばれる部分と、
イカの中でも最も柔らかい食腕と呼ばれる長い腕を使った料理。
絹さや、ミニトマトと一緒に、バターとイカの肝臓(ゴロわた)で
味付けしたイタリアンテイストの『アオリイカ 今の若者風』の完成!
達也「歯切れが良い!コクが出てる!」
こんなに美味しい“イカの王様"を食べて、改めて感じたのは、
桝アナ「盤洲干潟の豊かさが、学生のとき以上に分かった。
こんな所が身近にあるんだから、もっと魅力に気付いてほしいですよね」
豊かになる東京湾、知らない魅力はまだまだたくさん!
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