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2016年10月30日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?
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全長500mの水路も完成し、男たちは新たな計画へ。
達也「もう(道具)ボロボロだね」
それは元々、島で見つけた農具や漁具。
土を掘ったり、魚を突いたり、海底のサザエを獲る時にも使ってきたが、
使い続けて3年半、刃は折れ、返しも削れてしまった。 |
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達也「(道具の鉄の部分)溶かして作り直す?」
つまり、金属を溶かし、型に流し込んで作る鋳造(ちゅうぞう)を。
江戸時代末期、幕府がオランダから技術を導入すると、
日本は一気に近代化、様々な産業が生まれ、鉄製品が広まった。
その経験、TOKIOは11年前に福島DASH村で。
ドロドロに溶かした金属を型に流し込めば、半鐘を作ったり、
鉄砲風呂を作ったりと、どんな形にも成型できる。 |
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しかも、DASH島には、鉄製の巨大鍋やケーブルの車輪、
他にも島のあちこちに、材料となる鉄はいくらでも。
これらを溶かす事が出来れば、新たな道具が作れるだけでなく、
達也「舟のスクリューとか舵も(作れる)」
他にも帆船が鉄の船に、手漕ぎのトロッコがSLになったりと、
開拓の夢は広がるが、それには必要なものが。 |
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森の中には、火を焚き、鍋で調理していたと思われる場所に、
竈(かまど)らしきものも。
達也「(竈の)レンガを積んで(炉)を作るとか」
例えば、江戸中期の「たたら炉」。
粘土で固めた炉に、天秤鞴と呼ばれる足で踏む巨大なフイゴで
風を送り、温度を上げて鉄を溶かした、他にも、
時代によってレンガ積みのものなど、形や構造は様々。 |
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レンガ積みなら、福島DASH村で、陶器を焼くための登り窯を作った。
その経験を生かし、DASH島に鉄を溶かす炉を。
達也「森の中(に炉を作るの)は危ないかもしれない」
確かに、竈跡の周りは、鳥やウサギが住み着く森。
一つ間違えば、山火事にもなりかねない。
しかし、DASH島はほとんどが森。 |
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そこで、思い当たるのが、島の南側の浜。
ここならば、潮が満ちても7mは平地を確保できる。
しかし、ゴロゴロした砂利が多く、地盤に不安が。
そこで、砂利を取り除いてみると、その下、深さ80cmに砂が。
達也「ここがいいよ。やっぱり」 |
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これならば、石橋づくりの時のように、押し固めれば、
推定35トンの石を積んでも崩れない地盤になる。
場所は決まったが、ここにどんな炉を作るべきか?
城島「世界遺産の韮山(にらやま)反射炉あるやん」
それは、まさに日本の産業革命の礎を築き、
去年、世界文化遺産に登録された、静岡県・伊豆の国市の韮山反射炉。 |
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完成は160年前。
幕末、ペリーを始め、次々と押し寄せる黒船に対抗するため、
幕府がこの炉を建て、大砲を作らせた。
レンガ積みで、高さは15.7m。
まだ電気さえなかった頃に作られた炉。
ならば、この無人島でもできるはず。 |
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そこで早速、達也は、静岡県伊豆の国市へ。
その山あいの町に、韮山反射炉はある。
そもそも大砲を備え付けるのは海沿い。
あえて内陸に遠ざけて建てたのは、当時の江戸幕府が、
黒船に乗って押し寄せる外国人に、
見つからないようにするためだと言われている。 |
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達也「ほぼ煙突だね。どういうこと(構造)か全くわからない」
その構造を教えてくれるのは、鋳造一筋42年・菅野利猛(かんのとしたけ)さん。
地元の鋳造所で働きながら、韮山反射炉を研究し、世界遺産登録へと導いた。
菅野さん「(韮山反射炉は)日本人の知恵と工夫が詰まっている」 |
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その反射炉の仕組みというのが、まず、
炉の中に材料となる鉄を置き、燃料を燃やす。
すると、炉の内部に熱が溜まる。
ここから、温度を上げるには、当時、たたら炉のように、
フイゴと呼ばれる、人力で空気を送る装置が必要だった。
フイゴは福島DASH村でも。
燃料に酸素を送り続けることで、さらに高温になる。 |
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しかし、反射炉は、温められた空気が、高い煙突の中で上昇気流となり、
その力で、外からの空気を勝手にどんどん吸い込んでくれる。
これで、フイゴ要らず。
人力で風を送らなくても、鉄が溶けるほどの高温にすることができたという。
とはいえ、なぜ「反射」と名前がついているのか? |
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達也「天井が丸いのも意味があるんですか?」
菅野さん「熱が反射して一点に集まる」
つまり、燃料を燃やし、上昇した熱がドーム型の天井に反射。
材料の鉄を置いた一点に集まることで、鉄が溶け出す高温に。
達也「(韮山反射炉は)全部レンガで組んであるね」
菅野さん「(反射炉内の温度は)1250℃くらい」
これをDASH島で作るなら、竈跡のレンガを使うが、
1000℃を超える高熱に耐えられるか。 |
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さらに、高さ15.7mの煙突に隠された知恵。
菅野さん「煙突の入口だけ、すごく狭くしてある」
煙突の下の部分がクビれたように、狭くなっている。
そして、その先は広がり一定の太さに。
つまり、煙突の太さが、一定だと温度差による上昇気流のみだが、
クビれがあることで、空気の流れが早くなる。
煙を出すだけでなく、どんどん酸素を吸い込み、炉の温度も上がる。 |
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その原理、例えるなら、
達也「水をホースの先端を絞って出すのと同じか」
そして、溶かした鉄は、外に設置された型に流し込み、
鋳造して、巨大な大砲を作ったという。
とはいえ、形は当時のまま残ってはいるものの、
この反射炉で、鉄が溶ける瞬間を見た者は、誰もいない。
菅野さん「反射炉で実際に鉄を溶かすことが出来れば世界初」
ならば、日本が世界に誇る知恵の結晶を、DASH島に。 |
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城島「(レンガ)使えるかどうかテストやね」
まずは、森に残る、レンガ造の竈跡。
火を入れ、煮炊きに使われていたなら、熱にも強いはず。
そんな使えそうなやつが、ざっと見ても200個程。
達也「耐火レンガだったらいいけど」
というのも、レンガには、建物の外壁などに使われるレンガと、
火を焚く、窯や竈に使われる、耐火レンガがある。
反射炉に必要なのは、高熱に耐える、耐火レンガ。 |
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その特徴は、福島DASH村で学んでいた。
大事なのは、高温で焼くこと。
窯でレンガを焼き上げる時の温度が高いほど、
より高温に耐えられるレンガになる。
良質な物なら、100年持つと言われるレンガだが、
鉄が溶けるほどの高温に耐えられるのか。 |
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竈跡から割れや傷がないものを見繕い、ひとまず集めたレンガで耐火テスト。
レンガを煙突のように積んでいき、この中で火を焚くが、
その燃料は、囲炉裏で使う炭。
真っ赤に燃えれば、温度は1000℃以上にもなる。
さらに、レンガで組んだ煙突の中で、炭が燃える温度を上げるのに、
欠かせない道具がフイゴ。 |
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鎌倉時代から鍛冶職人も使っていた、古来からの送風機。
これを、DASH島にあるもので作っていた。
箱に吸気口と排気口の二つの穴が開けてあり、中には仕切り板。
これを前後させれば、吸気口から空気を取り込み、排気口から押し出す。
効果は実証済み、貝殻を焼けば、白い石灰になった。
つまり、1000℃以上になった証。 |
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さらに酸素を送り続け、煙突の中を1200℃超えを目指す。
まずは、火がつきやすいよう、枯れ草を入れ、
ここに薪を入れ、徐々に温度を高めて行く。
城島「炭入れてガンガン温度上げていこう」
炭が真っ赤になれば、温度は1000℃以上になるはず。
そのためには、大量の酸素を送り続けねば。 |
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レンガの隙間から見える炭は真っ赤に。
この段階で推定1000℃。
その証拠に、炭をかき出す鉄筋が真っ赤に。しかも叩くと・・・
達也「曲がった。何か武器みたい!」
つまり1000℃を超えたということ。しかし、
達也「ダメだ、割れてる」
いくつかのレンガにヒビが。
つまり、このレンガでは反射炉は作れない。 |
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城島「そもそもの耐火レンガを作らんといかん」
耐火レンガと普通レンガとの違いは材料。耐火性に優れる
「アルミナ(酸化アルミニウム)」という材料が多く含まれている。
福島DASH村では、元々、登り窯に使われていたという、
欠けた耐火レンガを頂き、砕いて粉末状に。これを固めて、
再び耐火レンガを焼き上げたのだが、DASH島では、砂利や粘土、
石灰など、調達できる材料は限られている。
鉄を溶かすための反射炉作りは、まず、レンガ作りから。 |
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