|
2016年11月13日 放送内容DASH ご当地PR課 ~山形県 巨大コマでPR~
|
今回PRする町は、戦国時代の武将、「天地人」直江兼続によって築かれた
歴史ある町、山形県米沢市。
大河ドラマの効果で観光客がうなぎ登りになったものの、
それから7年たった今では、観光客は、当時の約半分にまで落ち込んでいる。
そんな米沢市には、あまり知られていない日本一の名物が。それは、コマ。 |
|
コマの歴史は古く、飛鳥時代の藤原京から木製のものが出土し、
平安時代には貴族の遊びに、江戸時代には大衆にも浸透し、
子供たちは巻貝や木の実を回して遊ぶように。
明治には金属製のベーゴマが大ブームに。どこの駄菓子屋でも置かれるように。
しかし昭和58年、家庭用ゲーム機の発売を機に、子供たちの関心は離れていった。
今や、地元の子供たちもほとんど知らない、米沢市の隠れた日本一『コマ』をPR! |
|
その作り方を教えて頂くのは、木地玩具『蔦屋』3代目のコマ職人、蔦文男さん。
かつては、30軒近くの工場があったが、現在、米沢市のコマ職人は蔦さんだけ。
たった一人で日本の木製コマの8割を作り続けている。
達也「手作業なんだね」 |
|
コマの材料に使う木材は、東北地方に自生するイタヤカエデ。
堅くて重い材質のため、遠心力が増し、よく回るコマが出来上がる。
職人が、コマ1個の制作にかかる時間は、わずか5分。
1日で60個のコマを作るという。
試しに、城島がコマづくりにチャレンジ。
一つの木を削り、コマの形にしていく。
うまく削るコツは、のみを固定し、刃先を軽く当てること。
仕上がりが凸凹だと、バランスが悪くなり、コマはうまく回らなくなる。 |
|
城島「難しいなあ…。コマというよりタケノコみたいな形になっちゃった」
削った後の色付けも手作業。筆を押し当てる強さで線の太さが変わる。
最後に、イタヤカエデを削り出した軸を取り付ける。
蔦さん「この重心のバランスが調子いい」
軸の長さでコマ全体の重心を調整し、完成。
写真左が城島作、写真右がコマ職人の蔦さん作。 |
|
城島の作った、形のイビツなコマは回るのか?
蔦さんの作ったコマと同時に回してみると、回転こそするものの、
バランスを崩すとすぐに倒れてしまった。
一方、蔦さんのコマは、バランスを崩してもなお回り続ける。
達也「凄い、まだ回ってる」
蔦さん「ここからが長い」
これは職人の作るバランスのとれた、米沢コマの特徴。 |
|
イチから手作り、コマ職人の想いが詰まった米沢のコマのPRの方法は…
城島「どうせだったらデカいヤツやりたいね、2mくらいに」
2mの巨大コマ作り。このビッグプロジェクトに名乗りを上げたのは、
歴史ある「羽黒神社」や「愛宕神社」の改修にも携わる、
米沢市を代表する木工職人たち。 |
|
TOKIOが担当するのは、コマを支える軸の部分。
直径2mのコマを支えるために、必要な軸の長さは1.8m。
年輪が多い方が硬くて良質とされる。
より年輪が多く中身が詰まった木材を選び出し、
まずは8角形に。
これをさらに削り上げて円柱の形にしていく。 |
|
しかし、計算上2mのコマの重さは400㎏。
コマ職人の蔦さんによると、コマの重さによって、摩擦が発生し、
地面と接する軸が削れてしまう可能性があるという。
そこで、軸の中心部分に、より固い木材として、
野球のバットにも使われるタモを軸の中心に差し込む。 |
|
八角形にまで削った軸を電動カンナで角を削って丸くさせた後は、軸の先端部分。
中心がズレれば、バランスが悪くなり、うまく回らない。
その中心をどこに持ってくるかは、職人の勘と経験。
この道52年の職人の井上さんが削り上げ、仕上げに手作業でやすりで滑らかに。
こうして、コマの軸が完成。
接地面となる部分にタモの木が来ることで、地面との摩擦にも耐えられる構造に。 |
|
軸に続いては、コマの本体の制作へ。
本来は、直径15㎝の木をろくろに挿して回しながら削り上げていくのだが、
2m四方の巨大な木材など無い。
そこで、大きさの違う丸い板を、小さいものから下からいくつも重ねて、
円錐状にすることに。こうして、重ねた板の数は130枚。 |
|
しかし、板を重ねただけのため、段差ができてしまう。
この段差を、カンナをかけて滑らかにしていく。
この滑らかさが回転を安定させ、倒れそうになっても倒れない、
最後の粘りを生む。 |
|
本来は一つの木から作られる円錐部分と胴体部分だが、今回は大きすぎるため、
それぞれ別で制作することに。
まず骨組みを作り、その周りに板を巻きつけて胴体部分を作る。
こうすることで、削らずとも綺麗な円柱の胴体部分ができる。
表面に使う板は、少しでも軽くするため、一枚板でできた椅子などにも使われる、
丈夫で柔らかいのが特徴のアールベニヤ。 |
|
こうして出来た円錐部分と胴体部分に、TOKIOが作った軸を差し込む。
城島「デカ!なにこのデカさ!これ回るの!?」
仕上げに、5人がかりで回すコマにTOKIOが色付け。
通常の3000倍の大きさの総重量400㎏、直径2mの巨大コマの完成! |
|
その回し方は、コマをクレーン車で吊り上げ、
巻き付けたロープを左右から引っ張り、コマを回転させると、
釣り上げていたクレーンのフックを外し、自立して回転させるというもの。
挑戦の舞台は、最上川の上流の松川の河川敷。
春の訪れを告げる上杉米沢祭りでは、川中島の合戦が再現される場所でもある。 |
|
コマの重さで地面に沈まないように、5m四方の鉄板の上に設置し、
2本のロープを巻いて、挑戦への準備は整った。
日本一のコマの町をPRしたいと、河川敷に集まったのは、
市役所の皆さんと、米沢市のマスコットキャラクターのかねたんとおせんちゃん、
そして、コマが名物と知らなかった地元の小学生たち。
倒れそうになりながらも粘って回り続ける米沢市のコマ。
2mで400kgの巨大コマでも、その姿を見せてくれるのか? |
|
そして、いよいよその時が…!
カウントダウンの後に、男たちが一斉にロープを引っ張ると、
巨大コマが勢いよく回転をはじめ、その場で回り始めた。
支えになっているフックが外される…
巨大コマは倒れることなく、その場で回転。 |
|
徐々に態勢が傾きはじめるが、それでもまだ回り続ける巨大コマ。
城島「まだ回る!ここからだ!」
米沢コマの伝統と職人たちの技が詰まった2mの巨大コマは、
倒れそうになりながらも、力強い粘りを見せてくれた。
それは、強くてぶれない軸と、ゆがみなく仕上げられた胴体があってこそ。
イタヤカエデの手触りとその回転が楽しい平安時代からの遊び、皆様も是非! |
|
|
|