2017年2月26日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

この日、森の中で見つけたのは新たな植物。
達也「大豆みたいなのがいっぱい落ちてる」
頭上を見上げると、一本の高い木に生る実。
城島「ハゼノキちゃう?(実から)蝋とれんのよ。“ハゼ蝋"」
それは、大都会・新宿の屋上で学んだばかりだった。
ヒヨドリの糞に交じっていた、ハゼノキの種。
ウルシの仲間・ハゼノキが冬につける実からは、
ジャパンワックス、とも呼ばれる日本特産の蝋が搾れる。
溶けにくく長持ちするため、和ロウソクの原料にも使われる。
江戸時代の中頃から生産が始まり、持ち運びの便利さから、重宝された。
DASH島にもランプはあるが、燃料の椿油は量に不安が。そこで、
城島「ロウソク作ろう、これ(ハゼの実)で」
ロウソクがあれば作業の幅が広がり、季節の祝い事もできる。
足下には、そこかしこにハゼの実が。
ただ、蝋を十分絞り出すには、それなりに量も必要。
達也「落ちてるのだけだと足りないかも」
しかし、木に残る実は枝の先端、高さ8m。と、
達也「登ってみようかな」
江戸時代も、落ちたものを拾うだけでなく、
木に登って実を取っていたというが、
達也「ツル巻いてるから、足を引っ掛ければ登れるかも」
不安定な枝をよじ登り、枝を揺らしてみるも、
熟れ切っていないためか、落ちにくい。
そこで、ひとまず落ちている実に専念。
一帯は拾い切ったが、まだまだ心許ない量。
達也「もっと低いの(ハゼノキ)ないのかな」
探してみると、すぐ近くに先ほどより低いハゼノキが。
ハゼノキは海沿いに多く自生する。
実は高さ4m程に生るが、手が届かない。そこで、
達也「道具がいるな」
そこで、ロープに適当な石をくくり付け、即席でこしらえたのは、ボーラ。
映画インディージョーンズにも登場した道具。
東南アジア発祥で、旧石器時代から狩猟に使われていた。
これを投げれば、ロープの先端の重みで、枝に絡みつく。
そうしたら、結んだロープを引っぱり、ハゼの実を、ふるい落とす作戦。
達也がボーラを高さ4mの枝へ。狙い通り上手く枝に絡まった。
そして、ロープを引き、枝を揺らす。
すると、実がいくつか落ちてきたものの、まだまだ足りない。
そこで、さらに激しく枝を揺する…が、
強く引きすぎた為か、ボーラに結んだロープが切れてしまった。
達也「ボーラが帰って来なくなっちゃったよ」
仕方なく、落ちてきた分を残さず拾い集め、
さらに、スタッフも加わって、島中からハゼノキの実を調達。
舟屋に持ち帰り、ロウソク作りへ。
まずは、枝を棒で叩き、実だけを外す。
城島「皮の部分に蝋が含まれてるから」
椿やアケビは、種の中に油が含まれていたが、
ハゼは、実の中の種ではなく、種を包む皮の部分に蝋が含まれている。
そして、取れた実は、石臼で砕き、種を割って皮を剥がす。
これをふるいにかけ、種と皮を分ける。
網目より大きい種は残り、細かい皮の繊維だけが下に落ちてくる。
ここに、蝋が多く含まれ、和ロウソクの材料に。
この皮の繊維を、ドラム缶の蒸し器へ。
およそ1時間蒸せば、繊維が軟らかくなり、搾りやすく。
そして、これをDASH島特製の搾り器へ。
参考にしたのは昭和初期まで活躍した、ネジ締め式搾油機。
容器の中に皮を入れハンドルを回せば、
ゆっくりと圧力がかかり、皮の中の蝋が滲み出す。
この装置をトロッコのレールを曲げるのに使った、
ジンクロを利用して作っていた。
と、圧力をかけるとすぐに、蝋が染み出す!
城島「蝋出てきた!」
達也「相当出てくるね!」
指で触ってみると、触れたそばから固まる。まさに蝋。
ハゼはまだ2kg以上残っている。
この作業を繰り返し、ろうそくを作るには十分な量。
和ロウソクは、イグサや和紙で芯を作り、
その周りに幾重にも蝋を塗り重ねて作る。
そこで、固まった蝋を熱で溶かすのだが、
城島「手がカサカサやから塗りたいな」
というのも、ハゼ蝋には、石けんやハンドクリームに
使われる天然の保湿成分を含むとも。
実際に溶かしたハゼ蝋を手に塗ってみると、
城島「肌に艶でるやん!」
ハゼ蝋の保湿成分が、アラフィフの乾いた肌に染み渡る。
城島「血行も良くなるのかな?」
城島「いつも移動多いから、腰に塗ってもらおかな」
つまり、熱で血行を促進する温湿布の要領。
ハゼ蝋が溶ける温度はおよそ50℃。
それを腰に塗ってみるらしいが、
城島「熱っ、熱っ!でも気持ちいい!」
効果は定かでないが、本人曰く、
城島「腰が軽くなったかも!」
もったいないので、塗った蝋は固まり次第回収し、
鍋で蝋を完全に溶かし切ったら、ロウソクの成型。
それは、福島DASH村でも経験済み。
その時は、ミツバチの巣に含まれる、蜜蝋で。
溶けた蝋を竹筒の中に入れ、固まるのを待つ。
そして、竹を割れば、その形に。
DASH島では、城島は流れ着いたプリンの容器、
達也は、漂着物の太い竹で。
大きなキャンドルなら、長時間燃え続けるだけでなく、
ちょっとやそっとの風では倒れない。
そして、灯心代わりの凧糸は、中心にくるよう箸で固定し、
あとは固まるまで、動かさずに保管。
時折入る隙間風で、冷える舟屋の中。
半日ほどで表面から固まり、数日後。
まずは、プリン型のロウソクを型から外す。
そして、芯代わりの凧糸をほじくり出せば、かわいいキャンドルに。
達也のビックサイズは竹を割って取り出す。
中まで固まっているのか?
達也「おー!でかいねえ」
慎重に取り出し、見事な、どでかいキャンドルに。
では、窓を閉め、点火テスト。
達也「点きました!」
熱で溶けたロウが糸に染み込むと、安定した炎に。だが、
達也「(ロウソク大きい割に)火ちっちゃくない?」
炎の大きさは、芯が太ければ太いほど大きくなる。
バランスは悪いが、考えようによっては、
達也「あっという間に使っちゃうから、このくらいの燃え方がいい」
周りをうっすら照らす程度のやさしい灯りだが、これで、しばらくは持つはず。
DASH島に、また新たな明かりが灯った。
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