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2017年7月9日 放送内容DASH ご当地PR課 ~岐阜県美濃市・巨大紙飛行機~
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今回のPRスポットは岐阜県美濃市。
唯一の観光名所、江戸時代の姿を残す、「うだつの上がる町並み」
「うだつ」とは、屋根につけられた、防火用の壁のこと。
元々は、木の壁に漆喰を塗っただけの簡易的なものだったが、
より豪華になっていったうだつは、成功者のステータスに。
これが、「生活や地位が向上しない」→【うだつが上がらない】の
語源とも言われている。
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そして、美濃には、うだつより歴史があるのに、
イマイチうだつの上がらない、日本を代表する名物が…。
それは、福井県の「越前和紙」、高知県の「土佐和紙」に並ぶ
日本三大和紙の一つ、「美濃和紙」
清流・長良川の澄んだ水と、原料となる良質なコウゾが採れたことで、
1300年以上前から、受け継がれてきた。
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なのに、全国的にはイマイチ知られていない…。
そこで、そんな日本三大和紙の残るひとつ、「美濃和紙」をPR!!
城島と松岡がやってきたのは、
江戸時代から15代続く、老舗の和紙工房、美濃竹紙工房。
その漉き方を見て、他の和紙にはない特徴に気づいた。
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城島「横揺りもやるんですか?普通は縦揺りだけですよね?」
主人「きちんとした横揺りがあるのは美濃だけ」
確かに、これまで訪れた越前和紙も、
そして、福島DASH村でも、コウゾの繊維を「桁」という道具で、
一方方向に揺らしながら、和紙を漉いてきた。
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しかし、美濃和紙は、縦だけはなく、横も。
そうすることで、繊維はかき混ぜられ、より複雑な絡み方に。
簡単そうに見えるが、この技、城島が試してみると、
城島「これは難しいな…」
福島DASH村で初めて紙漉きをしてから10年。
日本各地で漉いてきたからこそ分かる、横揺りの難しさ。
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縦揺りの場合、桁を上下に動かすのは、基本的に手首の動きだけ。
ムラが出ないよう水の量も調整しやすいが、
横揺りは、体の軸自体が左右にブレてしまうため、
水の量を一定にキープするのは至難の業。
城島「やっぱり端っこがヨレちゃいますね…」
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3年前、この美濃伝統・本美濃紙の手漉き技術は、
世界無形文化遺産に認定されたほど。
障子紙に使うもので、その厚さは0.09mm。しかも均一に。
漉いた和紙は、天日に干して半日ほど。
そして、乾いて気づく、美濃和紙ならでは特徴。
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松岡「紙が薄くて強い」
その薄さと丈夫さを知ってもらうため、
美濃市が20億円を投じて建てた「和紙の里会館」には、
1000年もつと言われる、最高級ブランド・本美濃紙の障子紙、
障子4枚分で、5万円を超える。
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と、その近くにPRにもってこいのモノが…
松岡「飛行機じゃん」
館長「破れにくいので、昔から翼の部分に和紙を使ってる」
昭和世代には懐かしい、ゴムの力でプロペラが回転する、プロペラ紙飛行機。
元々は、戦時中、子供たちに飛行機の仕組みを学ばせるために導入された。
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ならば、薄くて丈夫な美濃和紙の特徴を生かして、
松岡「よし!DASH名物、紙飛行機を巨大化!」
城島「人間の手で飛ばせる限界の大きさは…4mくらい?」
つまり、通常の翼の大きさ40cmの10倍!4mの翼!
体積なら1500倍!これを遠くへ飛ばしてPR!
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協力してくれるのは、創業60年、日本に2軒しかない、
プロペラ紙飛行機専門店の店主、吉田斉さん。
これまで作った紙飛行機は1万機以上。中でもプロペラの加工技術は、
海外の紙飛行機ファンからも注文がくる超一級品。
そして、もう一人、本業は提灯職人、幅(はば)英樹さん。
小学生の頃、紙飛行機作りにハマり、これまで数百機作ってきた。
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そんな美濃和紙の紙飛行機を愛する2人のベテランが作った
プロペラ紙飛行機は…
松岡「あ、すごいね!全然、止まんない!
ちょっと夢あるなー!」
城島「おおー!」
その飛距離70m。
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しかし、目指すは、この1500倍の紙飛行機。
と、聞いてプロたちは、
幅さん「結構な重量になりますね」
そういえば、21年前。
巨大な紙飛行機を作って飛ばした時も、その重量が原因で、あえなく墜落。
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巨大化には、紙も骨組みも、強度が必要。
結果、重さがかさんでしまう。
通常30gの重さの機体も、体積が1500倍なら単純計算で45㎏に。
プロのアドバイスは、どんなに大きくしても、
吉田さん「できれば3㎏以内に」
幅さん「軽くするしか他に手がない」
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目標は、大きさも距離も1500倍!通常40㎝の翼で飛距離70mならば!
4mの翼で目指すは、10㎞超え!そのために、とにかく軽く!
まずは、翼に使う、和紙選び。
最も薄い和紙は、1枚6gのものだが、さすがに強度に不安が。
プロが薦めるのは、1枚15gの美濃和紙伝統の障子紙。
これを6枚、つなぎ合わせて、1枚の翼に。
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そのための骨組みは、提灯職人、幅さんの力を借りて。
幅さん「素材はバルサ。これは軽いですから」
バルサは中南米原産で、世界で最も軽い木材。
型紙を当て、パーツごとに切り出して行く。
バルサ材や桐などプロの見立てで18パーツ。
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これを、左右の両翼と中心、3つに分けて固定し、
それを合体させて、翼の骨組みに。
小さなパーツでも、一か所外れれば、
飛ぶどころか、空中分解してしまう可能性も。
とはいえ、釘を使えば一気に重くなってしまう。
そこで、パーツは速乾性の木工用ボンドで固定。
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さらに、プロは両翼と中心の結合部分に一工夫。
幅さん「“三枚組手"でつなげる」
それは、引き出しやお盆などにも使われる木工職人の知恵。
組み合うことで、ズレることなく、縦や横からの力にも強い。
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そして、出来上がった翼の骨組みに、
美濃和紙を提灯にも使われる、でん粉糊で貼っていくのだが、
幅さん「ふんわり貼ってください」
和紙は繊維が密集しているため、湿気を吸ったり、吐いたり変化。
ピンと張ってしまうと、和紙が乾燥して縮んだ時に、
骨組みを歪めてしまい、墜落の原因に。
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そして、通常の10倍の長さ、4mの美濃和紙の翼が完成。
重さは900g、プロが算出した目標の3㎏まで、あと2.1㎏使える。
続いては、その翼を支える胴体部分。
協力してくれたのは、地元美濃で、箪笥や祭りの神輿など、
数々手がけてきた、木材加工 一筋50年、安田武博さん。
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通常の胴体は、割り箸ほどの太さの角材だが、
1500倍に巨大化すれば、ほぼ丸太状態に。
そこで、杉の板材を使い、穴を開けることで軽量化。
板材が曲がらないよう、もう一枚の板とT字型に組み合わせ、
角材よりも軽い上に、強度も保てる胴体に。
これも釘を一切使わず、木工用ボンドで接着。
単純に巨大化すれば推定14㎏を、職人の知恵で1.2㎏に
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残り使える重さは0.9㎏。
続いては、ゴムの力を推進力に変える心臓部、プロペラ。
作ってくれたのは、プロペラ紙飛行機店の店主・吉田さん。
海外からも吉田さんのプロペラを求めて注文があるという、その腕と勘で。
バルサ材をプロペラの形に成型。その重さ、400g。
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巨大紙飛行機が飛ぶ限界の重さまで、残り500g。
プロペラを回す動力は、医療用のゴムチューブ。
空洞なので軽い上に、適度な強さ。これを4本束ねて、重さ300g。
そして、通常の1500倍のプロペラ紙飛行機が完成!
飛行機の重さは、2.868㎏で、目標の3kg以内を見事クリア!
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挑戦の舞台は、標高924m・岐阜県池田山パラグライダー場。
岐阜の町並みを見下ろす、この場所で!
幅さん「これだけ高低差あれば、吹き上げる風ですごく飛ぶかも」
通常サイズは、高低差がなくても、プロペラの推進力で風を受け、
滞空時間12秒で、その距離70m。
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巨大プロペラ紙飛行機は、その1500倍。
プロたち曰く、上手く風を受けられれば、
3km先の町に届いてもおかしくないとのこと。と、城島が…
城島「茂ちゃん人形ニューバージョンでカメラ付けたいんやけど…」
松岡「なんで作ってる言わないのよ!みんな困ってるじゃん!」
城島が彼にこだわるのには、理由が…
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彼との出会いは5年前。
ペットボトルロケット100本の力で、空へ飛べるか挑戦した時。
運動神経の低下著しい城島の代わりにと、
日テレ美術が総力を挙げて、城島そっくりに作ったのが始まり。
以来、和紙のパラシュートの時も、等身大の彼で無事成功。
今回も空への挑戦ということで、縁起もかつぎ、
城島たっての希望で軽量化、カメラとセットで96g。
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結果、トータルでほぼ3kgになってしまったが、職人のみなさんは…
幅さん「バランスが崩れるので主翼から近い部分だったら…」
ということで、ミニ城島人形は主翼の前の特等席へ。
取り付けも、軽さを優先し、麻ひもで最低限に。
最後にプロペラのゴムを、限界ギリギリまで巻き、準備完了。
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応援に駆けつけた美濃市民総勢42名、皆思いは一つ。
美濃市が世界に誇る、軽くて丈夫な美濃和紙、
そのすばらしさを伝えたい!町の技術を結集して作った、
巨大なプロペラ紙飛行機を、美濃和紙の翼でより遠くへ!
城島・松岡「3、2、1、ゴー!!」
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城島・松岡「おーすげーー!!」
飛び立ちの姿勢は完璧!
長さ4m・美濃和紙の翼で、見事に風を受け、バランスを崩すことなく…
そして200m地点で、予定通り発射の動力のプロペラが止まり、
そこから滑空。さらに距離を延ばすかと思われた。
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が!急激にバランスを失い…
城島・松岡「あーあーあー…」
おそらく原因は、城島が取り付けた、ミニ城島人形。
わずか96gだが、重心が前にズレたことでバランスを崩し、
機体は頭から真っ逆さまに林の中へ。
結局、飛んだのはおよそ300mだった。
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とはいえ、林の枝に直撃したにも関わらず、
骨組みの部分以外、翼は破れていない。
これぞ、軽さと丈夫さを兼ね備えた、
日本が世界に誇る美濃和紙のすばらしさ!
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1300年、岐阜の山あいで、受け継がれてきた伝統と技術。
薄くても破れない、美濃和紙の製品は様々、皆さまも是非!
そして、美濃市のみなさん、お疲れさまでした!! |
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