2018年5月20日 放送内容DASH海岸 ~イシガレイ~

4月中旬の横浜DASH海岸。
城島が干潟で見つけた長さ1㎝程の穴。それは…
木村さん「“海のつくし"って呼ばれる生き物の穴ですよ」
その穴の住人は、1キロ4,000円はすることもある、海の高級品だという。
その住人の姿を見るためには、あるコツが。それは、
城島「塩を穴にかけると出てくるんですか?」
穴の上から塩をかけると、濃い塩分に驚き、
つくしみたいにニョキニョキ飛び出してくる。
すかさず捕まえた、そいつは、
城島「マテ貝!」
アサリの4倍の値がつく高級貝。
木村さん「キレイな砂地にしか棲めない」
東京湾でも1970年代まではたくさん獲れ、干潮時の砂浜で、
塩をかける家族の姿は春の風物詩だった。
しかし、今では東京湾はもちろん、日本中で激減している。
DASH海岸では、そんな貴重なマテ貝の子どもから大人サイズまで発見。
つまり、ここで卵を産んで繁殖しているという事。
マテ貝には、斧を連想させる形になる事から、
斧足(ふそく)と呼ばれる足を持ち
敵に襲われると、足を使ってジャンプするように移動する。
さらに、この斧足を使って、器用に砂の中に潜る事もできる。
木村さん「砂に潜りやすいように形が長細く進化したんです」
深く安全な所まで潜ると、潜水艦の様に水管だけを砂の上に出し、
呼吸すると同時に海中に含まれるプランクトンを食べる。しかし、
木村さん「マテ貝の水管が大好物の魚がいる」
マテ貝が増えているという事は、その飛び出す水管を狙うハンターもいるはず。
固定カメラを穴の周辺に設置し、その魚がやって来るのを待つ。
1時間後、カメラの映像を確かめてみると…
城島「来た!」
木村さん「何匹もいる!」
何匹もの水管ハンターが、マテ貝を奪い合っている様子がバッチリ。
さらに、穴の近くで待ち伏せ、水管が呼吸すると同時に襲いかかる姿も。
木村さん「すごく貴重な映像」
この水管ハンターの正体は…
城島「イシガレイですね。また横浜が騒ぎますね」
イシガレイは、マコガレイ・マガレイと並ぶカレイ御三家の一角で、
江戸時代から東京湾でカレイといえば、イシガレイの事を指すほど一般的な魚
だったが、戦後始まった埋め立てと開発で棲み処がなくなり、
その漁獲量はほぼ0で、まさに幻の存在に。
5年前、横浜市内で14年ぶりに発見された時は、大発見と言われた。
去年5月、DASH海岸では、5cmの赤ちゃんを発見。
木村さん「漁業関係者や研究者の人たちがみんな喜んでくれた」
その時、発見できたイシガレイは2匹だったが、
城島「数が尋常じゃないですよ」
手掴みで捕まえられるほどの数が!
城島「絶滅寸前だったイシガレイを簡単にとれる時代が来るとは。信じられない」
というのも、これだけイシガレイがいても、
貴重なマテ貝が減る心配はないという。
マテ貝は、水管を節ごとに切り離す事ができ、新しい水管が次々と生えてくる。
そのため、イシガレイが襲った瞬間、水管だけを切り離し、本体は砂の中。
失った水管は、およそ一週間で元どおりになり、またイシガレイの餌になる。
こうして、お代わりし放題のマテ貝をたくさん食べ、13cm程になれば、
DASH海岸を離れ、今度は大きな貝やエビを狙うようになり、
わずか1年で卵が産める大人になる。
そして、生まれた赤ちゃんは、再び、マテ貝のいる浅瀬へ。
こうして、少しずつ数が増えて来たせいか、
東京湾でも、大人のイシガレイが少し獲れているという。
そんな大人のイシガレイを求めて、横浜DASH海岸を飛び出す!
今回、お世話になるは、2年前に“カレイの王様"マコガレイ漁で御世話になった、
東京湾で4代続くカレイ漁師の中島洋平さん。
中島さん「ちょっとずつ揚がってるので、数とサイズに気を付けて獲ってます」
自ら漁獲量を制限し、イシガレイが増える努力をしているという。
木村さん「昔の漁師さんはカレイで御殿を建てたぐらい獲れてたらしいんで」
1970年代、東京湾中でたくさんのでっかいイシガレイが獲れ、
カレイを獲るだけで、今の価値なら1億円ほどの豪邸が建ったという。
そして、やって来たのが、
城島「来ました、アクアラインですね」
中島さん「ここが東京湾で一番イシガレイが獲れる所です」
神奈川県川崎と千葉県木更津を結ぶ、高速道路・アクアライン。
日本一の長さを誇る橋は、1日に4万台以上の車が走る、東京湾の大動脈。
橋の下は、400m先まで続く、関東最大の広大な干潟「盤洲干潟」。
DASH海岸の7000倍の広さがあり、イシガレイが大好きなフカフカの砂が
一面に広がる。
別名「海の忍者」とも呼ばれるイシガレイは、この綺麗な砂の中で身を隠す。
城島「今回も、そろばん玉で?」
城島が言う“そろばん"とは、伝統漁法のそろばんこぎ網漁の事。
重さ50kgのそろばん玉を引きずる音で、砂に潜むイシガレイを驚かせ、
跳ね上がった瞬間に網の中に入れる漁法。
時速7kmでひく事30分、網を上げてみると…
城島「クロダイ!」
これからの季節、脂がのり、真鯛にも劣らぬ旨さになるクロダイ。
夏には1匹4,000円以上にもなる高級魚。
関西では、特に愛され、鍋が割れる程、箸でつついてしまうという事から、
別名“鍋割チヌ"とも。
200本もの歯と鉄を凹ませる程の顎の力で、硬い牡蠣殻を噛み砕き、
さらに、海底の砂を口で掘ってアサリまでバリバリと食べる。
大量のヒトデの中に混じっていたのは、1キロ6,000円を超えることもある
高級貝、トリガイ。
肉厚でシコシコとした食感は絶品。銀座の高級寿司店では一貫1,200円。
お目当ての大人のイシガレイも食べるのだが…
城島「イシガレイいないですね…」
そこで、イシガレイを求めて、2投目の網を仕掛ける。網にかかったのは、
城島「ツバクロエイですか」
木村さん「最大級ですよ」
泳ぐ姿が大空を飛ぶツバメに見えることからその名がついたエイの仲間。
癖がなく柔らかい食感が特徴で、福岡ではみりん干しに加工される。
そして、いよいよ、お目当ての姿を発見!
城島「これはまさしく探し求めていたイシガレイ!」
木村さん「体に石がありますよね。これがイシガレイの名前の由来です」
骨板と呼ばれ、カッチカチの石のような骨の板が、イシガレイの特徴。
さらに、カレイの仲間の多くは鎧のような硬いウロコがあるが、
イシガレイの皮はツルツル。ウナギの仲間と同じムチンというぬめり成分が
体を覆い、ウロコの代わりに体を守っている。
捕まえたのは20㎝程これは
城島「もしかしたら、DASH海岸からここまで来たかも」
木村さん「去年の5㎝が、今のこの20㎝サイズなので、あり得ますね」
一般的には、20cmでも市場に出回るサイズだが、中島さんは…
中島さん「40㎝以下は逃がすという事にしています」
つまり、狙うのはこの2倍、最大級に大きくなった40cm以上。
そして、4投目でようやく念願の40㎝サイズが!
20cmのものに比べ、大きさだけでなく分厚さも2倍以上!これなら…
中島さん「僕たちも売るサイズ」
城島「今の時期でこのサイズ、美味しいですか?」
木村さん「走り(旬の始まり)ですからね。どんどん美味しくなる」
この時期のイシガレイは1匹7,500円と、タイの7倍以上の値がつく事もあり、
中島さんも食べたことはないという。
貴重なイシガレイを使ったイシガレイ尽くしの料理を教えてくれるのは、
中島さんの先輩カレイ漁師の奥さんの田山あゆみさん。
活き締めにしたイシガレイで作った一品目は、『イシガレイのお造り』。
裏ごしした肝と生醤油を混ぜた肝醤油につけて頂く。
城島「美味しい!身がすごく上品!薄造りなのに味がわかる」
続いては、身をとった骨の周り(中落ち)を、小麦粉にまぶして油で揚げた
『イシガレイの骨せんべい』。
城島「旨味が後からジワジワと来る」
締めは、イシガレイの旨みと甘みを楽しむために、あえて薄味で煮付けた、
『イシガレイの煮付け』。
城島「美味しい!この味付けで正解。身がすごく美味しい」
木村さん「プルンプルン。イシガレイの実力がわかる」
城島「本当にカレイ(華麗)な味ですね」
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