茨城県の最南東部に位置し、太平洋と利根川に挟まれた温暖な気候と、砂地で水はけの良い土壌に恵まれている。ピーマン栽培は昭和24(1949)年に始まったとされ、現在この地域のピーマン栽培は、生産量日本一を誇る。年間の出荷量はおよそ2万トン。一年中安定して出荷できるように、国から産地として指定されている。
DASH村でもピーマンは毎年栽培されていた定番の野菜。通常の土の畑で露地栽培されていた。
18歳の頃から約41年間ピーマンを栽培し続けているピーマン農家の3代目。
元々は苦いピーマンしか作れなかったが、子どもの嫌いな野菜とされているピーマンをもっと多くの人に食べてもらいたいと、長年に渡る試行錯誤の末、苦くないピーマン作りに成功した。
2月~8月に収穫できるピーマン。通常のピーマンに比べて皮が柔らかく、苦味が少ない特徴がある。
硝酸態窒素 (しょうさんたいちっそ)
ピーマンの苦味の元は根から吸い上げられた硝酸態窒素とされている。窒素は肥料に多く含まれており、根からたくさん吸い上げれば吸い上げるほど、実は沢山つき収量をあげることができるが、同時に苦味も出る。硝酸態窒素は光合成によって作り出された糖と結びついて、植物の体を作るタンパク質に変化する性質がある。そのため、木の健康状態が良く光合成が活発に行われることで、硝酸態窒素の分解が進み、糖も多く残ることから苦味の少ないピーマンになるという。
ちなみに硝酸態窒素が少ないピーマンにはビタミンCが多く、腐りにくく日持ちがするという。
花びらの数とヘタの形
ピーマンの花びらの数は通常5枚とされており、ヘタの形も5角形になっている。
栄養状態がさらに良い樹は花びらが6枚になり、ヘタも6角形になる。
葉面散布
栄養剤をノズルを使ってシャワーの様に噴射し、根ではなく直接葉や実に振りかける。
栄養剤は椎茸などのきのこから取り出したアミノ酸や糖分などを使っている。
赤ピーマンと緑ピーマンは同じ品種のピーマンだが、赤は完熟した状態のピーマンのこと。
私たちが良く知っている緑色のピーマンは、実が未熟な状態のもの。
通常の緑のピーマンは開花から25日程経ったもの。赤ピーマンは開花から60日程経たないと赤く実らない。このように収穫まで日数がかかることと、日持ちがしなく流通に向かないなどの理由から、市場に出る量は少ない。味はフルーツの様に甘く、糖度も8度近くある。
緑に比べて赤の方が栄養価も高く、ビタミンCは約2倍、カロテンは約2倍、ビタミンEは約5倍多く含む。
レモンと比べてみてもビタミンC含有量は1.5倍以上多く含む。
4か月前にハウスに迷い込んでしまったというヒヨドリ。エサとなるピーマンと適度な水、また年中暖かいことからハウス住み着いている。赤い方が甘いことを分かっているようで、緑色はいっさい食べず赤いのだけ選んで食べている。
選別機を使い選別を行う。まずは流れてくるピーマンを1つ1つ目で確かめB級品だけを手で取り除く。その後通過したピーマンは分銅の重さによって自動的に「2L」「L」「M」「S」ごとの規格に分けられる。
予想以上にピーマンが移動する速度は速い。
①100%ピーマン生ジュース
ピーマンを搾って作ったフレッシュジュース。クセが無くサラッとしている。
②ピーマンジャム
ピーマンジュースを作った際の搾りかすに砂糖を加えて煮詰めたもの。
ただし、赤ピーマンジャムの方は砂糖を一切使用していない。
ピーマンに多く含まれるビタミンCには熱に弱く酸化しやすい特徴があるが、ピーマンに同じく含まれるビタミンPがビタミンCを熱や酸素から守る働きをするため、調理をしてもビタミンCが減少しにくい。また、脂溶性のカロテンは、油で調理すると吸収率が高まるため、炒めたり焼いたりするのがよい。
ピーマンの丸焼き
ピーマンの肉詰め
ピーマンの佃煮