島原半島は、約430万年前におきた海底火山の噴火から、数回に渡る噴火活動によって成長し、形成された。そんな島原半島には、火山砕屑物が長年かけて形成した水はけの良いなだらかな斜面が広がり、昔からこの地形と土地を利用し、農業を営んできた。
北海道に次ぐ全国有数の馬鈴薯の産地
年間平均気温が16℃と温暖で、年間日照時間は2,200時間と気象条件に恵まれる。
海岸沿いから標高200m程の山間地まで石垣の段々畑が連なる。
島原半島は火山活動によって形成されており、土壌の年代が異なる為、北と南では性質が異なる。
北:50万年/火山灰土。葉もの野菜が多い。
南:430万年~150万年/粘土質の土壌。赤土。実が締まり、味が良くなるのでじゃがいもが多く栽培される。
霜が降りにくく、生育適温である10~23℃の時期が春秋2回あるため二期作が行なわれる。
じゃがいもの生産高は、全国第2位。春の新じゃがの生産高は長崎県が日本第一位。
一般的に新じゃがは、春から初夏の時期に、貯蔵されず収穫後すぐに出荷される。
皮が薄くみずみずしく、煮崩れしにくい。ビタミンや鉄分を多く含む。
春、3月頃から鹿児島や長崎など九州産を中心に出回り始め、収穫前線が北上し6月頃まで続く。
火山から出来た土壌の質が、本当に良かったな。あの土質だから、いいじゃがいもが出来るんだな。石垣の段々畑だし、土壌の水はけも良いから、じゃがいもだけじゃなくて、他の野菜も良いものが出来るぞ!
じゃがいもを栽培する仲間で集い、「POTATO~ポテトでつながるプロジェクト~」と題し、小浜町のじゃがいもを盛り上げるべく立ち上がった青年部。調理学校と連携し、新たなるレシピを考案し、それを地元の温泉宿で提供したり、地元小学生や芋掘り体験ツアーを計画したり、各種イベントでの直売やPR活動などを行ない、じゃがいもを通して街を活性化させている。
メンバー
青年部支部長 宅島 俊一さん(34歳) |
代表 荒木 一伸さん(35歳) |
副支部長 宮田 和晃さん(33歳) |
副支部長 栄木 大成さん(33歳) |
吉村 雄亮さん(32歳) | 吉原 満夫さん(31歳) |
女性部 栄木 美代子さん(62歳) |
若い人が頑張る事は、凄く良い事だな。若い人たちが、頑張れば産地として地域が盛り上がるし、みんなで協力し合って、切磋琢磨していけば、作物もどんどん良いものが出来るんだ。
特徴
じゃがいもは根ではなく茎。
地下茎が枝分かれして細く伸び(ストロン)、その先端が肥大してでんぷんが蓄積したもの。
じゃがいもは、中心部よりも皮に近い部分に多くデンプンを含むため、じゃがいもを美味しく頂くには皮を薄くむいた方が良い。※ストロン近くは特に多い。
用途は生食用、加工用、デンプン用の3つに分けられる。
じゃがいもの歴史
紀元前から食べられており、紀元後500年頃には栽培も始まり、インカ帝国の重要な食料原だった。
15世紀終わりにスペイン人がインカ帝国からヨーロッパへと持ち帰り、18世紀の半ば、本格的に栽培されはじめる。
日本には1600年前後にオランダ船によって長崎に伝来。
ジャカルタを拠点にしていたオランダ人が持ち込んだため、当時の人は「ジャガタライモ」と呼んでおり、そこからじゃがいもになったと言われている。
日本に入ってきた当初は、味が淡白だった為、普及しなかったが、安永6年(1777)に甲府代官に就任した中井清太夫は「天明の飢饉」の際、甲斐国に適した農作物は何かと考え、幕府の許可を得て種芋を九州から取り寄せ、そこから周辺各地に広がったと言われる。
じゃがいもは、生まれたときから栽培してたな。俺自身も畑を始めてから、毎年、栽培していたぞ。今のイモは、3か月で収穫されるけど、昔は半年くらいはかかってたな。
福島県では、寒くて一年に1回しか収穫できないから、長期間、保管できるように、葉が枯れてから収穫してたぞ。
小浜のじゃがいもが美味しい5つの理由
赤土がじゃがいもを美味しくする理由
赤土は、植物にとって貴重なサプリメントである鉄分を多く含む!
黒土に含まれる栄養分は葉や茎を成長させやすいバランスであるのに対し、赤土の成分は地下の実にでんぷんを蓄積させる働きが強い。
赤土は、通気性・排水性に富んでいる。
赤土は、通気性、排水性の良い土で適度の乾燥を保つ性質がある。じゃがいもは、乾燥すると成熟を促し、澱粉度が高くなるので、じゃがいもの生育に最適。
肌のキメ・形・色つやが良い。
赤土で栽培したじゃがいもの肌は、黒くならず黄色くなり、肌のキメが細かく、形状は良く整い美しい。
新じゃが
じゃがいもは長期間、保存が効くが、新ジャガは春のわずかな期間だけで「旬」がある食材。
皮が薄くみずみずしい食感が特徴。香りも高い。
皮が剥けやすいので、扱いには気を付ける。皮がむけると、変色し見た目も悪くなり、腐りやすい。
長崎県など温暖な地域の収穫量が多い。
新じゃがはビタミンCが豊富
太陽の光には、じゃがいもを酸化してしまう力もある。
病気になりやすくなるので、酸化を防ぐ働きを持ったビタミンCを体の中に作る。
人間の場合、ビタミンCを作り出す事ができないので、常に食べ物から摂取する必要がある。
レモンや柑橘系などビタミンCを多く含む果物よりも、消費しやすく、加熱に強く、時間がたってもあまり減少しないので、効果的に摂取できるので、「ビタミンCの王様」と言われる事も。
ビタミンC含有量は時期によって変化する。
6月から9月にかけての収穫直後は特に多く、貯蔵期間が長くなるにしたがい減少。
収穫直後の新鮮なじゃがいもには、60~30mg/100g含まれる。
みかんやレモン果汁よりも多く、イチゴやキウイフルーツにも匹敵する含有量。
雲仙岳の麓、橘湾に面した海辺に湧く温泉。『肥前風土記』(713年)に記されている古湯で、斉藤茂吉や種田山頭火も訪れて作品を残している。30カ所もの源泉があり、泉質は食塩泉(塩化物泉)。日本一の放熱量を誇り、その熱量は105度にも及ぶ。105度にちなみ105mもある日本一長い足湯がある。
温泉の蒸気を利用して、食材を蒸し上げる。
小浜温泉は食塩泉なので、温泉蒸しにすると、ほんのりと塩味がつき、そのままで美味しい。
温泉の高温で一気に蒸し上げる効果で旨味が凝縮される。
その素材の栄養を失うことなく、丸ごと摂り入れることが出来る。
俺が小さい頃は、保管していたじゃがいもを凍らせて、皮を剥がして、乾燥させたものを臼で粉にしていたぞ、それを捏ねて平たく丸めたのを囲炉裏で焼いて食ってたぞ。
蒸かしたじゃがいもを臼でついて、じゃがいもの餅を作って食べたりもしたな!