泉州地域は大阪の南西部に位置する地域で、昔「和泉国」と呼ばれていた地域を指すとされる。
瀬戸内式気候帯に属し、海と山に囲まれており温暖な気候で年平均気温は約16℃。
水なすは泉州地域を代表する特産物で、現在泉州の各地域で栽培されている。
祖父の代から水なすを栽培している中出家の3代目。主に水なすの栽培を担当している。
高校時代は野球の強豪校、大阪桐蔭高校野球部に所属し、代打の切り札として活躍していた。
高校卒業後は大学へ進学するも、水なすの収穫時期になると毎朝早起きをして頑張る両親の姿に、「自分が助けてあげたい」と思い始め、今までやりたい事をやらせてくれた両親を助けるために大学を2年で辞め家業を継ぐ。
高校卒業後、自分達のために必死で働いてくれる家族に気持ちで応えたいと、家業の農業を手伝い始める。母の「漬物を漬けてみないか」の一言が達也さんのチャレンジ精神に火をつけ、その後は本格的に漬物職人として家業を継ぐ。主に漬物加工を担当しており、中出農園のぬか漬の味を作り出す。こどもや若者にも喜んで食べてもらえるサラダ感覚のぬか漬をつくりたいと、日々漬物作りを研究している。
あんな若い兄弟がやっているのはすごいと思ったな!
やっぱりこれからは年寄りじゃなく、若い人たちが新しいことをやっていかないといけねぇんだ。おれらとは考え方が違うからな。
水なすは他のなすに比べてアクが少ないため、生で食べることができる。
江戸時代の文献「庭訓往来」によると、水なすは菓子(当時は果物の意味)の覧に記載があり、水なすはフルーツとして扱われていたとされる。
そのみずみずしさから、昔農民が炎天下での農作業の際に、喉の乾きを水なすで潤したとも伝えられている。
泉州水なすの栽培には、土を常に湿っている状態にするほど大量の水が必要。そのため、土の周りにはコケが生えているほど。
木の根元には1本の長いパイプが通してあり、近くのため池から引いてきた水をポンプで汲み上げ、水をパイプに通し、水やりをしている。中出農園では土の状態を毎日確認し、夕方の涼しい時間帯に水やりをしている。
大阪府は全国でも6番目にため池が多い。大阪府は平年降水量が少なく大きな河川もあまりないため、古くから農業用のため池がいくつも作られてきた。その総数は約11100ヶ所。中でも農業が盛んな泉州地域には約3分の1の約3600ヶ所のため池が集中している。
なすはDASH村でも常に栽培されていた定番の野菜で、露地にて栽培していた。
水は自然の雨だけで十分だという考えから、基本的に水やりを行っていなかった。
村の土は粘度質だったから、水やりはしなくて自然の雨だけで十分だったんだ。
やっぱり水なすをみずみずしく作るには水やりが大切なんだな~。
搾っただけであんなに水が出るとは思わなかったぞ。
水なすは皮が薄く柔らかいため、風でゆれた葉っぱが実に当たっただけでも傷がついてしまう。
そのため、中出兄弟は毎朝1500本もの木を見回り、傷がつかないように実の周りの葉を切る作業をしている。
水なすは一本の木から合計で約120~150個程収穫できる。
収穫の目安は水なすを握り、余った部分に指が2本以上入れば収穫のサイズ(約200g)。
(カゴに入れた時や選別の際に)水なすを傷つけないよう、水なすのヘタは短く切る。
中出兄弟は多い時で1日約3000個の水なすを収穫している。
選別は機械でなく手作業で行う。
収穫してきた水なすを一つ一つ目で確認し、A品とB品以下に分ける。
A品は主に漬物の加工用に、それ以下は直売所や市場に出回ることが多い。
工程
なすをまるごとぬか包む発想はすごいな!
これまで色んななすを見てきたけど、水なすは漬物とかの加工にも向くなすなんだな。
それと、あそこの家族は兄弟もお母さんも役割り分担がしっかりしててすばらしかった!
きっちり作業を分けるから、ちゃんとした良いものが作れるんだな。
水なすは縦切りがオススメ。縦に切ると繊維を壊しにくく、水なす本来のみずみずしさを保てるという。
大長なすは焼くとトロトロになるけど、水なすはみずみずしいままだったぞ!
縦に切った方が良いというのも初めて知ったな。
料理は全部美味しかったけど、おれはやっぱりぬか漬が一番うまかったぞ~