千葉県北部の中心に位置している八街市。
日本の落花生のおよそ8割を生産している千葉県の中で、最も生産量が多い。
市内には落花生専門店が約50店舗もあり、駅前には落花生のモニュメントがある。
さらに、ご当地キャラは落花生をモチーフにした「ピーちゃんとナッちゃん」。
八街市は、まさに『落花生の街』である。
千葉の落花生は美味しいから、よく知っている。やっぱり、外国産の落花生とは味が全然違う!千葉産のは、甘味があるんだよなぁ~。
DASH村での落花生栽培
DASH村でも2007年に落花生を栽培していた。
里山から持って来た赤土や、砕いた炭を、畑の土に混ぜ込み、水はけを良くし、秋には2.4kg収穫できた。
農業歴23年。農家の4代目。
父・母・妻の家族4人で落花生の他ににんじん、里芋、アスパラなど様々な野菜を育てている。
(父・祐一さん、母・政江さん、妻・千穂さん)
落花生は、土の中に実をつける珍しいマメ。
普通、エダマメやソラマメなどのマメ科の野菜は、花が枯れた後に花の根元が膨らんで実になった部分を食べる。だが、落花生は実のなり方が他のマメとは全く違う。
この『花が落ちて実が生まれる』ことから、『落花生』と名がついたとされている。
柔らかい土質
八街市は、関東ローム層と言われる、富士山などの火山灰などが風で運ばれて降り積もった土地。火山灰を含んだ土は粒子が細かく、柔らかい特徴を持つ。落花生は地中で実をつけるため、土が柔らかい方が子房柄が刺さりやすく、火山灰の土壌は落花生栽培に向いている。
村で落花生を作った時は、畑に里山の赤土とクズ炭を交互に重ねて水はけを良くしたりしたな。
やっぱり、落花生づくりには土が大切なんだよなぁ!
落花生の殻を覆っている網目のことを『維管束』という。維管束とは、人間でいうと血管のようなもの。茎からの水分や養分は、この『維管束』を通ってサヤ全体やその中にあるマメに運ばれていく。また、サヤ全体に維管束がはっきりと見えたら、落花生が生長しきった合図といわれている。
古谷さんの落花生は30個と言わず、もっと実がついているような感じがしたけどなぁ!
トラクターの仕組み
落花生は地中5cmのところに実をつけるが、根はさらに深く50cmほどの長さがある。
そこで、掘り取り刃を深さ20cmほどのところに入れる。
専用の刃がしっかりと根だけを切っているので、簡単に株を抜くことが出来る。
掘り取り・地干し(じぼし)
収穫直後の落花生は、実の半分が水分なので腐りやすい。そのため、保存が利くように収穫後、3株づつ束ねたものをひっくり返し、そのまま畑で1週間程、天日乾燥させる。
ずっと中腰での作業は、かなりの重労働。
村での落花生づくりは経験していたし、何十年も農作業しているから体が慣れていたよ。
ぼっちの作り方
乾燥が完了したぼっちは、積み終わったときよりも約50cm縮む。
2回乾燥させる理由
収穫した時のマメは実の約半分が水分。なので、収穫直後の株をぼっちにするとカビが生えやすいため、地干しで予備乾燥を行ない、全体の水分を低くしてからぼっちにし、秋から冬にかけてふく乾いた北風に当ててゆっくりと乾燥させる。
→時間をかけてゆっくりと乾燥させるのがが、美味しい落花生を作るポイント!
脱穀機での選別
落花生専用の脱穀機で実と葉と根に分ける。
脱穀機に落花生の株を入れると、トゲ付きのローラーと下にある送風機が高速回転して、実が取れる。成熟した実は重いので、一番手前に落ち、未熟な軽い実は外側の箱に落ちる。
そして、枝や葉は外に飛ばされていく。
細かくなった枝や葉が、かなりの威力で飛ばされるので、とても風下にはいられない。
ぼっち1つで麻袋1個半、約45kgの落花生が収穫できる。
村で落花生を作った時は、そんなに量が無かったから脱穀機は使わなかった。
あの日は風もすごい強くて、脱穀機から飛ばされる枝や葉がすげぇ飛んできた。目も開けられないくらいくらい大変だったな。
掘りたての落花生を、圧力鍋で15分塩茹ですれば完成。
落花生は茹でると、傷みが早く消費期限も短い。
また、掘り取ってから茹でるまでの時間が経つにつれて甘みや食感は低下してしまうため、昔は農家の人だけが味わえるものであった。
しかし、冷凍やレトルトなどの加工技術の発達によって、最近では、一般の消費者も買い求める事が可能となり、千葉県内落花生店で売られている。
茹で落花生は生まれて初めて食った!甘くて美味かったなぁ。けど、煎ってあるカリカリの落花生も俺は好きだなぁ。
落花生の渋皮を取って食べている人も多いが、実はこの渋皮には、ポリフェノールの一種であるレスベラトールが豊富に含まれている。
レスベラトールは、ガン予防やボケ防止など、生活習慣病予防になると言われている。
そのため、地元では渋皮は取らずに料理をする。