日本のちょうど中央部分に位置し、気候温暖で肥沃な土地と豊かな清流を有する静岡県内有数のクラウンメロン産地。
袋井市も含まれる静岡県西部は日本有数の日照時間を誇り、それに加え長い伝統によって培われた高い栽培技術でメロン栽培に取り組んでいる。
クラウンメロンを栽培して10年。中條家はおじいさんの代から3代に渡りメロンを栽培しており、父:文義さんも過去に何度も優等賞を出したことのある大ベテラン。
元々メロン栽培に対して強い想いを持っており、小さいころから他の野菜や果物に比べて別格の扱いをうけるメロン栽培をしたいと考えていた。
栽培の記録をブログに残している
ブログを見返すことでより良いメロンを作ろうと励み、また、自身のブログを多くの人に見てもらい、静岡県のクラウンメロンを知ってもらいたいと願っている。
マスクメロンとは、品種名ではなく麝香(Musk)の香りがするメロンの総称のこと。
現在静岡県で栽培されている温室メロンは、イギリスの貴族が作っていた「アールス・フェボリット」という甘い品種のメロン。1925年に日本に伝わったが、この品種のメロンを作ることは非常に困難な事から、本国のイギリスではこの種のメロンは栽培されていないという。
メロンの栽培専用に特化した温室。南を向いた面が大きくなっており、太陽高度の低くなる冬のあいだ光が沢山入るように工夫されている。また、どのメロンの葉にも光がよく当たるように栽培ベットが階段状になっており、北にいくほど高くなっている。
これにより光合成が促進されるばかりでなく、土の乾きもよくなる。
ハウスの材質にはビニールよりも太陽光の透過率の高い、ガラスやアクリルが使われている。
果実はピンポン玉~鶏卵大のときに形の良いものを残す。
形が左右対称になっていないもの、形が大きすぎるものや太いものもハズし、最終的に1本の木で1つの実だけを選び育てていきます。
すべての養分を1つのメロンに集中させることで、美味しいメロンを作り出す。
メロンは表面の皮の部分よりも、果実の内部の方が生長が早いため、表皮が耐えられずひび割れが出来てしまう。その裂け目から分泌液が出て、それが固まってコルク質の層になり、編み目状の模様になる。
このひびが入るのにも順番があり、最初は実のお尻、そしてへタの下あたり、次に縦に入ってから横に入っていく。
(その後は縦に伸びるときと横に大きくなるときを繰り返しながら徐々に大きくなっていく)
水やり作業もひび割れには深く関わっており、水を多く与えすぎてしまうと、果実が余分に水を吸い上げ肥大するため、大きく割れ目ができてしまい、等級が下がってしまう。
軍手などで表面をこすることで、まだ生長途中の編目が傷つく。
こうして刺激されることによって、メロンの編目の盛りが良くなる。
1個1個丹精を込めて磨いていくので、メロン農家にとっては大変な重労働になるが、いいメロンを作るには重要な作業。