出張DASH村

産地 山口県萩市

  • 江戸時代に、毛利氏が治める長州藩の本拠地となった都市として有名。
  • 司馬遼太郎の幕末小説である『世に棲む日日』や『花神』の舞台。
  • 鍵曲(かいまがり/鍵の手に曲がった通路)など、城下町特有の街路の姿をそのままに残す。
  • 地形は、中国山地から日本海に向かう傾斜地で、標高700mを超える山々が連なっている。
  • 低地は少なく、阿武川河口に形成された三角州にある市街地とその周辺以外は、大半を山地が占める。
  • 気候は、沿岸部は対馬海流の影響を受けて比較的温暖で、中山間部は盆地特有の気候。

お世話になった方

吉村 未来絵(みきえ)さん (長女・24歳)

物心ついたときから、畑で手伝いをしていた。
農業高校に通い、卒業後、スイスに留学。帰国し、24歳で父 剛さんの後を継ぐ。

吉村 剛(たけし)さん (父・57歳)

26歳の時に、海外で働くことを夢見てアメリカに3か月間留学。その後、4か月間ヨーロッパを放浪していたが、多くの農家さんとの出会いや海外に並ぶ野菜の品質の良さを見て、日本で農家として勝負する事を決意。作物から地元を盛り上げようと奮闘し、萩たまげなすを栽培するようになる。

吉村 和絵さん
(母・51歳)
吉村 千晶(ちあき)さん
(次女・22歳)
吉村 健治さん
(長男・20歳)
吉村 慧(さとし)さん
(次男・19歳)

萩たまげなす

品種名:田屋なす
→かつて、山口県長門市田屋地区を中心に栽培されていたことが由来。
当時から、大きいもので300~400gはあった。

収穫時期:5月中旬~7月上旬
→一般的ななすより「暑さに弱く」、梅雨が明けて平均気温26℃を超えると果実が大きくならない上、土の温度が高くなると病気になりやすい。
→収穫期間が非常に短く、貴重。

大きさ:「長さ30センチ、重さ500グラム以上」が出荷の規格。
→800g~1kg近くになることもある。

特徴:皮は薄く、実がしっかりと詰まっているが、肉質はきめ細やかで、りんごのような食感と味があり、アクが少ないのが特徴。

名前の由来:大きさと食べた時の柔らかさに2度「たまげる(ビックリする)」ことから名づけられた。
→地元では、1番成りのなすが一番大きくなり、地面まで届いた後もさらに成長し、地面を押し割る様子から「地割り」と呼ばれている。

栽培方法

  • 無加温ハウスでの早熟栽培が主体。
    ・12月末~1月中旬 播種
    ・3月末~4月中旬 定植
  • 栽培には、肥料と水やりのバランスが肝心。
  • 「田屋なす」は病気に弱く、樹勢も非常に弱い品種。
  • 一般のなすは、一株でおよそ50~100本収穫できるのに対して、萩たまげなすは、出荷規格「長さ30センチ、重さ500グラム以上」を満たしたもののみ、「萩たまげなす」として売られる。それ以下の場合は、一般的な「田屋なす」として売られる。
    →萩たまげなすとして売られるのは、1株から2~5個ほどしか穫れない。
  • 病害虫の被害や奇形になると出荷できなくなるが、本数が好きない分、ダメージが大きいので、管理には気を使う。
    →一度に1本ずつ収穫するので、一つ一つにじっくりと時間がかけられる。
    一度に複数の実が大きくなるのではなく、一番根元に近い実から順番に大きく成らせる。

普通のなすと違う点

  • 通常は4本仕立てだが、萩たまげなすは2本仕立て。
    →養分を実に集中させる。
    →2本だと陽もよく当たり、病気にもなりにくい。
    →樹が折れないよう1本1本ひもでつるして安定させる。
  • 無駄な葉を取るので、葉っぱが少ない。
    →葉に使う栄養を実に送り、太らせる。
    →日陰になるときれいに色づかない。
    わき芽も摘む。

収穫について

  • 花が咲いて約23日ぐらいが目安。
    →通常のなすは、花が咲いてから2週間なので、少々遅い。
  • 手で持って、ずっしりと来るもの。
    →500g以下だとたまげなすにならないので、ここの感覚は重要。
  • 収穫の仕方は、二段回に分けて切る。
    →ヘタを2cmくらい残して切り、持ち替えて、さらに1cmくらいヘタを切る。

出荷

  • 499g以下は、『田屋なす』になる。
    →500~599gが2Lサイズ、600g以上が3Lサイズ。
  • 曲がり具合も専用の定規で測り、曲がりが2.5cm以下だと『秀』、2.5~4cm以内だと『優』、4cm以上だと『規格外』として売られる。
  • 袋詰めは、滑りやすくする為に一度なすを紙で巻いてから袋に入れる。
    →こうすることで、傷つきにくい。

調理

  • 果肉は非常にやわらかく、また加熱すれば一般的ななすより多くのペクチンが溶け出し、果肉の「とろり感」が増す。
  • 糖類の量が多く、甘味が強い。

はさみ揚げ

  1. たまげなすを暑さ8mm~1cmくらいに切る。
  2. 玉ねぎをみじん切りにする。
  3. ボールに合引きミンチ・塩・こしょう・卵・パン粉・2を入れて、捏ねる。
  4. 2のなすに片栗粉を軽くふりかけ、捏ねた肉を団子にして、挟む。
  5. 小麦粉→卵→パン粉を付け、180℃の油で揚げて、完成。

なすそうめん

  1. ヘタを落として皮をむき、縦に千切りにする。
  2. 片栗粉をまぶし、余分な粉を落としたらたっぷりの熱湯で茹でる。
  3. 冷水に通し、冷やす。
  4. 器になすソーメン・めんつゆを入れ、刻んだネギ、ショウガ、大葉などをのせて、完成。

豚みそなす

  1. 豚味噌づくり
    フライパンに油を引き、豚ひき肉とショウガにんにくのみじん切りを炒め、火が通ったら、【材料B】を入れ、沸騰したら弱火で30分ほど煮込む。
  2. たまげなすを半分に切り、切断面に魚の骨型に切れ目を入れる。
  3. 180℃のオリーブオイルで切れ目を下にして約2分、裏返して約1分揚げる。
  4. オリーブオイルをよく切り、温め直した豚味噌を適量掛けて、出来上がり。

たまグルト

【下ごしらえ】

1. グラニュー糖と水を火にかけて煮る。
2. なすの皮を剥き、さいの目に切り、片栗粉をまぶし茹でる。
3. 軽く水を切り、一日シロップに漬けておく。

【翌日】

4. ヨーグルトと牛乳をまぜておく。
5. なすをシロップから出し、4の上に盛る。