出張DASH村

長野県松本市

  • 国宝松本城の城下町。松本城は、戦国時代そのままの日本最古の天守閣を持つ。姫路城、彦根城、犬山城とともに、4つの国宝のお城のひとつ。戦災を免れたことから多くの歴史的建造物が残る。
  • 北アルプスと美ヶ原高原に囲まれていることから自然が豊富。この山々などからなる松本市は、長野県内の市域では最も大きい。
  • 松本城周辺地域には、美ヶ原などの山岳地帯や扇状地が涵養した地下水が豊富で数多くの井戸や湧水が存在し、それらを一体的にとらえたものを「まつもと城下町湧水群」とし、平成の名水百選にも選ばれている。

お世話になった方

松本一本ねぎ農家
青木秀夫さん(71歳)

都内の電機会社に勤務し、奥様 京子さんを残し単身赴任。退職後から松本に戻りネギ栽培を始めた。
ネギ栽培11年目。

青木京子さん(69歳)

義理のご両親とともに35年間『松本一本ねぎ』を作り続けてきた。

松本一本ねぎ

「下仁田ねぎ」と同じ加賀群に属する品種で、下仁田ねぎよりも長くて細い。株分かれしにくい冬季に休眠する信州の伝統野菜。松本市山辺の伝説「兎の吸物」にまつわるネギとされ、江戸時代より関東、中京方面に土産、贈答品として珍重されているとともに、正月の吉祥を意味する野菜として全国に知られていた。
贈答品の写真の宛名には、時の海軍大将であった東郷平八郎の名前もあった。

  • 収穫時期:10月中旬~2月上旬
  • 大きさ:全長120センチ、軟白部50センチ
  • 特徴:一般的な「長ネギ」などの、真っ直ぐ育てられるものとは違い、大きく曲がった形が特長。
    肉質は柔らかく、甘み、風味ともに豊かで鍋物などに向いている。一般的な長ネギが中心部分に空洞があるのに対して、松本一本ねぎは中心部分まで確りと埋まっている。

栽培ポイント

  • 一般的なネギと栽培方法は基本的に同じだが、松本一本ねぎの栽培で欠かせないのが「植え替え」である。一度植え替える事で、根と葉が新たに生え変わり、肉質もよりいっそう柔らかなものに変化する。さらに、寝ていたネギは自分の体を太陽に向けて起き上がろうとし、次第に曲がって成長していく。この曲がった部分にストレスがかかる事で糖が生成され、独特の旨み、甘みが得られ、おいしいネギになる。
  • “植え替え“を行うので期間が一般的なネギに比べ長い。
    松本一本ねぎは収穫まで1年2か月(9月種植え⇒4月定植⇒8月植え替え作業⇒11月収穫)
    一般的なネギは7か月(4月種植え⇒6月定植⇒11月収穫)

出荷

  • 関東には市場を通しての流通は一切無い。市場では“松本一本ねぎ"は一般的なネギと同じ扱いになってしまい、値段も一般的なネギと同じになってしまうからだという。
  • 地元スーパーや姉妹都市で開催されるイベントなどで販売している。JA松本市ねぎ部会では、この「松本一本ねぎ」を愛称「まがりちゃん」として販売している。
  • 唯一、ホームページからは贈答品用の箱売りが通販されている。
    購入したい場合は
    http://www.ja-matumotoshi.iijan.or.jp/ipponnnegi2.html もしくは
    JA松本市南部事業所 TEL0263-26-1700 に問い合わせ。

ネギに含まれる栄養素

  • 青い葉にあるネバネバの水分には「フルクタン」という糖質が豊富に含まれており、ネギの甘みの素といわれる。→松本一本ねぎはこのヌメリがとても多いのが特徴。
  • 「アリシン」血行を良くし身体を温める効果があるが、生で切ったりかじったりすると、辛く感じる。
    しかし、加熱すると辛さを感じさせる成分が働かなくなる為、元々十分にある甘みを強く感じられるようになる。
  • グルタミン酸→うまみ成分。ネギにも豊富に含まれている。

調理

ネギ餃子

  1. ネギは縦に細く切ってから、細かく刻む。(青葉も一緒に。少し大きめに切る)
  2. 餃子のあん作り。豚のロース肉を細かく切ったものに、すりおろしたニンニク、すりおろしたショウガ、塩、砂糖、ごま油、オイスターソース、醤油を適量入れる。そこに、塩揉みした白菜と刻んだネギを入れしっかりと手で混ぜ合わせる。
  3. あんを皮に包み、熱したフライパンに並べ、お湯をすぐ入れて蓋をして蒸し焼きに。
    水分が無くなったら、最後にサラダ油を少しかけて、焦げ目をつけて完成。

ねぎ天

  1. ネギを食べやすい大きさに切る。
  2. 油を180℃に温めて、ネギに衣を付けて揚げる。
  3. 揚がったらバットで油をきって完成。

とろとろネギ鍋

  1. ネギを細く縦に切り裂くのと、筒状の2種類に切る。
  2. 筒状のネギの芯を抜く。
  3. ネギの中に詰めるアン作り。鶏ひき肉と生椎茸を細かく刻んだものと、先ほどくり抜いたネギの芯を細かく刻んで塩を少し振ってから混ぜ合わせる。それを先ほど中身をくり抜いたネギの中に詰める。
  4. 鍋にダシ汁(お水、だしの素、お酒、みりん、醤油、塩、昆布茶を混ぜて作った青木家自家製)を入れて一度沸騰させる。そこに、豚肩ロース、ネギの肉詰めを先に入れて火を通す。
    その後で細く切ったネギ5本分を入れて蓋をして煮込んで完成。